2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 4316-1991
溶接用ステンレス鋼線材
Stainless steel wire rods for welding
1. 適用範囲 この規格は,溶接用の棒,ワイヤ,及び被覆アーク溶接棒用心線に使用するステンレス鋼
線材(以下,線材という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 0303 鋼材の検査通則
JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 1211 鉄及び鋼中の炭素定量方法
JIS G 1212 鉄及び鋼中のけい素定量方法
JIS G 1213 鉄及び鋼中のマンガン定量方法
JIS G 1214 鉄及び鋼中のりん定量方法
JIS G 1215 鉄及び鋼中の硫黄定量方法
JIS G 1216 鉄及び鋼中のニッケル定量方法
JIS G 1217 鉄及び鋼中のクロム定量方法
JIS G 1218 鉄及び鋼中のモリブデン定量方法
JIS G 1219 鉄及び鋼中の銅定量方法
JIS G 1223 鉄及び鋼中のチタン定量方法
JIS G 1224 鉄及び鋼中のアルミニウム定量方法
JIS G 1228 鉄及び鋼中の窒素定量方法
JIS G 1233 鋼中のセレン定量方法
JIS G 1237 鋼中のニオブ定量方法
JIS G 1253 鉄及び鋼の光電測光法による発光分光分析方法
JIS G 1256 鉄及び鋼の蛍光X線分析方法
JIS G 1257 鉄及び鋼の原子吸光分析方法
2. 種類及び記号 線材の種類は,19種類とし,その記号及び分類は,表1による。
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G 4316-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 種類の記号及び分類
種類の記号
分類
種類の記号
分類
SUSY308
SUSY308L
SUSY309
SUSY309L
SUSY309Mo
SUSY310
SUSY310S
SUSY312
SUSY16-8-2
SUSY316
SUSY316L
オーステナイト系 SUSY316J1L
SUSY317
SUSY317L
SUSY321
SUSY347
SUSY347L
オーステナイト系
SUSY430
フェライト系
SUSY410
マルテンサイト系
3. 化学成分
3.1
溶鋼分析値 線材は,7.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2〜4による。
3.2
製品分析値 線材の製品分析値は,注文者の要求がある場合に7.1の試験を行い,その許容変動値は,
JIS G 0321の表4による。ただし,この表に規定されていない元素及び化学成分の値については,受渡当
事者間の協定による。
表2 オーステナイト系の化学成分
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Ni
Cr
Mo
その他
SUSY308(1)
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 9.00〜11.00 19.50〜22.00
−
−
SUSY308L(1)
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 9.00〜11.00 19.50〜22.00
−
−
SUSY309(1)
0.12 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 12.00〜14.00 23.00〜25.00
−
−
SUSY309L
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 12.00〜14.00 23.00〜25.00
−
−
SUSY309Mo
0.12 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 12.00〜14.00 23.00〜25.00 2.00〜3.00
−
SUSY310
0.15 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 20.00〜22.50 25.00〜28.00
−
−
SUSY310S
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 20.00〜22.50 25.00〜28.00
−
−
SUSY312
0.15 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 8.00〜10.50 28.00〜32.00
−
−
SUSY16-8-2
0.10 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 7.50〜 9.50 14.50〜16.50 1.00〜2.00
−
SUSY316(1)
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 11.00〜14.00 18.00〜20.00 2.00〜3.00
−
SUSY316L (1)
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 11.00〜14.00 18.00〜20.00 2.00〜3.00
−
SUSY316J1L
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 11.00〜14.00 18.00〜20.00 2.00〜3.00
Cu 1.00〜2.50
SUSY317
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 13.00〜15.00 18.50〜20.50 3.00〜4.00
−
SUSY317L
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 13.00〜15.00 18.50〜20.50 3.00〜4.00
−
SUSY321
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 9.00〜10.50 18.50〜20.50
−
Ti 9×C%〜1.00
SUSY347(1)
0.08 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 9.00〜11.00 19.00〜21.50
−
Nb10×C%〜1.00
SUSY347L
0.030 以下 0.65以下 1.00〜2.50 0.030以下 0.030以下 9.00〜11.00 19.00〜21.50
−
Nb10×C%〜1.00
注(1) 受渡当事者間の協定によって,Siを0.65%を超え1.00%以下にすることができる。この場合,種類の記号の末尾
に,Siを付記する。
(例 SUSY308LSi)
備考 SUSY308,SUSY308L,SUSY347及びSUSY347Lは,注文者の要求によって,Crを1.9×Ni%以上とする。
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G 4316-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 フェライト系の化学成分
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Ni
Cr
SUSY430
0.10以下
0.50以下
0.60以下
0.030以下
0.030以下
0.60以下
15.50〜17.00
表4 マルテンサイト系の化学成分
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Ni
Cr
Mo
SUSY410
0.12以下
0.50以下
0.60以下
0.030以下 0.030以下
0.60以下
11.50〜13.50 0.75以下
4. 寸法及び許容差
4.1
標準径 線材の標準径は,5.5mm,6.0mm,7.0mm,8.0mm及び9.5mmとする。
4.2
径の許容差及び偏径差 線材の径の許容差及び偏径差は,表5による。
表5 径の許容差及び偏径差
単位 mm
許容差
偏径差(2)
±0.4
0.6以下
注(2) 偏径差は,同一断面における径の最大
値と最小値との差で表す。
5. 外観 線材は,使用上有害な欠陥があってはならない。
6. 製造方法 線材は,熱間圧延のままとする。ただし,必要に応じて酸洗又は熱処理などを行うことが
できる。
7. 試験
7.1
分析試験 分析試験は,次による。
(1) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析試料の採り方は,JIS G 0303の3.(化学成分)による。
(2) 製品分析試料の採り方は,JIS G 0321の3.(分析試料採取方法)による。
(3) 分析方法は,次のいずれかによる。
JIS G 1211,JIS G 1212,JIS G 1213,JIS G 1214,JIS G 1215,JIS G 1216,JIS G 1217,
JIS G 1218,JIS G 1219,JIS G 1223,JIS G 1224,JIS G 1228,JIS G 1233,JIS G 1237,
JIS G 1253,JIS G 1256,JIS G 1257
8. 検査 線材の検査は,次による。
(1) 検査の一般事項は,JIS G 0303による。
(2) 化学成分は,3.に適合しなければならない。
(3) 寸法は,4.に適合しなければならない。
(4) 外観は,5.に適合しなければならない。
9. 表示 検査に合格した線材には,1コイルごと又は1結束ごとに,次の項目を表示する。ただし,受
渡当事者間の協定によって,項目の一部を省略することができる。
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G 4316-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 種類の記号
(2) 線材の径
(3) 製造業者名又はその略号
(4) 溶鋼番号又は検査番号
10. 報告 製造業者は,規定された試験の成績及び必要に応じて,寸法,数量,納入状態などを記載した
線材の報告書を注文者に提出しなければならない。
関連規格 JIS Z 3221 ステンレス鋼被覆アーク溶接棒
JIS Z 3321 溶接用ステンレス鋼棒及びワイヤ
JIS Z 3324 ステンレス鋼サブマージアーク溶接ソリッドワイヤ及びフラックス
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G 4316-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS G 4303外17件改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
細 井 祐 三
名古屋大学工学部
池 田 要
工業技術院標準部
石 原 只 雄
科学技術庁金属材料技術研究所
水 野 幸四郎
社団法人日本鉄鋼協会
佐 藤 克 郎
日本鋳鍛鋼会
小笠原 静 夫
社団法人日本鉄道車輌工業部
鈴 木 紹 夫
味の素株式会社
明 石 正 恒
石川島播磨重工業株式会社
久 松 正 興
いすゞ自動車株式会社
久 玉 清 人
コスモ石油株式会社
小 栗 与志郎
サンウエーブ工業株式会社
榎 本 憲 二
サンウエーブ工業株式会社(小栗から途中引継ぎ)
都 島 良 治
千代田化工建設株式会社
丸 山 茂 治
東洋エンジニアリング株式会社
比 原 幸 夫
三菱重工業株式会社
堀 内 唯 義
川崎製鉄株式会社
宮 本 一 郎
株式会社神戸製鋼所
濱 田 誠 己
住友金属工業株式会社
駒 野 忠 昭
新日本製鐵株式会社
宮 川 義 正
大同特殊鋼株式会社
剣 持 文 男
日新製鋼株式会社
是 沢 信 重
日新製鋼株式会社(剣持から途中引継ぎ)
木 下 凱 雄
日本金属工業株式会社
柴 田 正 宣
日本鋼管株式会社
伊 藤 乾 二
日本ステンレス株式会社
羽 計 一 宏
日本冶金工業株式会社
(事務局)
大 屋 武 夫
ステンレス協会
改正原案作成ワーキンググループ 構成表
氏名
所属
(主査)
駒 野 忠 昭
新日本製鐵株式会社
中 島 博
愛知製鋼株式会社
堀 内 唯 義
川崎製鉄株式会社
宮 本 一 郎
株式会社神戸製鋼所
烏 谷 徹
山陽特殊製鋼株式会社
桃 木 明 和
新日本製鐵株式会社
濱 田 誠 己
住友金属工業株式会社
宮 川 義 正
大同特殊鋼株式会社
剣 持 文 男
日新製鋼株式会社
是 沢 信 重
日新製鋼株式会社(剣持から途中引継ぎ)
山 崎 真
日本金属株式会社
木 下 凱 雄
日本金属工業株式会社
柴 田 正 宣
日本鋼管株式会社
伊 藤 乾 二
日本ステンレス株式会社
中 原 武 男
日本精線株式会社
羽 計 一 宏
日本冶金工業株式会社
笹 倉 利 彦
日立金属株式会社
(事務局)
大 屋 武 夫
ステンレス協会