G 3557:2016
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 4
5 材料······························································································································· 6
5.1 線材 ···························································································································· 6
5.2 繊維心 ························································································································· 6
5.3 ロープグリース ············································································································· 6
6 製造方法························································································································· 6
6.1 素線 ···························································································································· 6
6.2 ロープ ························································································································· 6
7 機械的性質······················································································································ 7
8 寸法及び許容差··············································································································· 22
8.1 素線の径の差 ··············································································································· 22
8.2 ロープ径 ····················································································································· 22
9 外観······························································································································ 22
9.1 素線 ··························································································································· 22
9.2 ロープ ························································································································ 22
10 試験 ···························································································································· 23
10.1 一般 ·························································································································· 23
10.2 素線試験 ···················································································································· 23
10.3 ロープ試験 ················································································································· 23
11 検査 ···························································································································· 24
11.1 一般 ·························································································································· 24
11.2 より合わせ後の素線の検査 ···························································································· 25
12 包装 ···························································································································· 25
13 ロープの呼び方 ············································································································· 26
14 表示 ···························································································································· 26
15 報告 ···························································································································· 26
附属書A(規定)集合破断力からロープ破断力を算出する方法 ···················································· 27
G 3557:2016
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,線材製品協会(JWPA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3557:2004は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年3月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3557:2004によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
G 3557:2016
一般用ステンレス鋼ワイヤロープ
Stainless steel wire ropes for general purposes
1
適用範囲
この規格は,機械,建設,船舶,漁業などに使用する一般用ステンレス鋼ワイヤロープ(以下,ロープ
という。)について規定する。
なお,航空機用ワイヤロープ,操作用ワイヤロープ及び構造用ステンレス鋼ワイヤロープには,適用し
ない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7507 ノギス
JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)
JIS G 4308 ステンレス鋼線材
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0201によるほか,次による。
3.1
素線
ストランドを構成するステンレス鋼線。
3.2
ストランド
複数の素線をより合わせたロープの構成要素。
3.3
心綱
繊維心,ロープ心及びストランド心の総称。
3.3.1
繊維心
ロープの中心をなす繊維ロープ。天然繊維心と合成繊維心とがある。
3.3.2
ロープ心
ロープの中心をなす,構成が7×7のロープ。記号は,IWRCとする。
2
G 3557:2016
3.3.3
ストランド心
ロープの中心をなす,構成が7本より,19本より又は37本よりのストランド。
3.4
構成記号
ストランドの本数と素線の本数との組合せの記号。(ストランドの本数)×(素線の本数)で表される。
なお,平行よりでは,ストランドの断面をFi又はWSの記号で区別し,(素線の本数)の前に示す。
3.5
ロープ径
ロープの任意の断面における外接円の直径。公称径と実際径とがある。
3.6
ロープのよりの長さ
ロープの外層ストランドが作るら旋のピッチ(図1参照)。
( ):ストランド番号
図1−ロープのよりの長さ(参考例:6ストランドロープの場合)
3.7
ストランドのよりの長さ
ストランドの外層素線が作るら旋のピッチ。
3.8
より方向
ロープ又はストランドがよられている方向。
3.9
ロープのより方
ロープとストランドのより方向との組合せ。
3.10
普通より
ロープのより方向とストランドのより方向とが反対方向のより方。普通Zよりと普通Sよりとがある(図
2参照)。
ロープのよりの長さ(ピッチ)
3
G 3557:2016
図2−より方及びより方向
3.11
ストランドのより方
ストランド内の各層素線の組合せ。
3.11.1
交差より
ストランド内の素線のよりの長さが各層で異なり,各層素線が点接触しているもの。ただし,7本線は
交差よりに分類する。
3.11.2
平行より
ストランド内の素線のよりの長さが各層で等しく,各層素線が線接触しているもの。各層素線の組合せ
によって,フィラー形及びウォーリントンシール形の形式がある。
3.12
フィラー線
フィラー形ロープのストランド内で内外層素線間の空隙を充塡している素線。
3.13
破断力
破断力試験において,試験片が破断に至るまでの最大試験力。
3.14
集合破断力
ロープを構成する各素線の破断力の合計値。
3.15
種別
ロープの破断力による区分。
3.16
ロット
同一素線を用い,同一機械によって連続製造された一連のロープ。
3.17
つかみ間隔
素線の破断力試験又はロープの破断力試験において,チャックその他による試験片のつかみ部の内端間
隔。
4
G 3557:2016
3.18
赤グリース
有害な酸又はアルカリを含有していない,ペトロラタムを主成分とするグリース。
4
種類
ロープの種類は,次による。
a) 構成 構成は,呼び,構成記号及び断面によって17種類とし,表1による。
表1−構成
呼び
7本線6より
7本線7より
19本線6より
19本線7より
構成記号
6×7
7×7
6×19
7×19
断面
呼び
37本線6より
37本線7より
フィラー形
25本線6より
フィラー形
25本線6より
ロープ心入り
構成記号
6×37
7×37
6×Fi(25)
IWRC 6×Fi(25)
断面
呼び
フィラー形
29本線6より
フィラー形
29本線6より
ロープ心入り
ウォーリントンシール
形
26本線6より
ウォーリントンシール
形
26本線6より
ロープ心入り
構成記号
6×Fi(29)
IWRC 6×Fi(29)
6×WS(26)
IWRC 6×WS(26)
断面
5
G 3557:2016
表1−構成(続き)
呼び
ウォーリントンシール
形
31本線6より
ウォーリントンシール
形
31本線6より
ロープ心入り
ウォーリントンシール
形
36本線6より
ウォーリントンシール
形
36本線6より
ロープ心入り
構成記号
6×WS(31)
IWRC 6×WS(31)
6×WS(36)
IWRC 6×WS(36)
断面
呼び
ヘルクレス形
7本線19より
構成記号
19×7
断面
b) より方及びより方向 普通Zより及び普通Sよりとする(図2参照)。
c) 種別 種別は,破断力の大きさに応じて,同一のロープの公称径に対して,SA種及びSB種に区分す
る(表4〜表20参照)。
d) 組合せ 組合せは,表2による。
6
G 3557:2016
表2−組合せ
ストランド
心綱の種類
構成記号
種別
層数
より方
本数
SA種
SB種
単層
交差より
6
繊維心
6×7
○
○
6×19
○
○
6×37
○
○
ストランド心
7×7
○
○
7×19
○
○
7×37
○
○
平行より
6
繊維心
6×Fi(25)
○
○
6×Fi(29)
○
○
6×WS(26)
○
○
6×WS(31)
○
○
6×WS(36)
○
○
ロープ心
IWRC 6×Fi(25)
○
○
IWRC 6×Fi(29)
○
○
IWRC 6×WS(26)
○
○
IWRC 6×WS(31)
○
○
IWRC 6×WS(36)
○
○
多層
交差より
18
ストランド心
19×7
○
○
5
材料
5.1
線材
SA種及びSB種の素線の製造に用いる線材は,JIS G 4308に適合した線材とし,その種類は表3による。
表3−ステンレス鋼線材の種類
種別
ステンレス鋼線材の種類
SA種
SUS316,SUS304
SB種
SUS304
5.2
繊維心
繊維心に用いる繊維は,合成又は天然の繊維とする。繊維には,注文者からの指定がある場合,適度に
グリース類を含ませてもよい。
5.3
ロープグリース
ロープ及び心綱に塗布するか又は含浸させる場合のロープグリース(以下,グリースという。)は,赤グ
リースとする。
6
製造方法
6.1
素線
素線は,固溶化熱処理後,冷間加工を行う。ただし,固溶化熱処理を施した線,又は線材を材料として
使用する場合は,冷間加工を行う前の固溶化熱処理を省略してもよい。
6.2
ロープ
6.2.1
より合わせ
ストランド,ストランド心及びロープ心並びにロープのより合わせは,次による。
7
G 3557:2016
a) ストランド,ストランド心及びロープ心 6.1の素線を用いて,全長を通じて直径,よりの長さなど
が均一になるようにより合わせる。ストランド心のより方向は,通常,ロープのより方向と同一とす
る。より合わせ過程において,素線の接続を必要とする場合は,溶接又はより継ぎを行ってもよい。
ただし,素線の接続は,1本のストランドの長さ10 mに付き1か所を超えてはならない。
b) ロープ ストランドと心綱とを,全長を通じて直径,よりの長さなどが均一になるようにより合わせ
る。ロープのより方向は,通常,普通Zよりとする。
6.2.2
グリース塗布
ロープには,グリースを塗布しない。ただし,注文者からの要求があった場合には,グリースを塗布し
てもよい。
6.2.3
潤滑油塗布
ロープには,潤滑油を塗布しない。ただし,製造業者の判断によって,より合わせ過程において,潤滑
油を塗布してもよい。
7
機械的性質
破断力は,次による。
a) 素線 より合わせ後の同種同線径の素線は,ストランドの心線及びフィラー線を除き,10.2.3によっ
て試験を行い,その各最大試験力とその平均値との差は,平均値に対し±8 %以内とする。
b) ロープ ロープは,10.3.3によって試験を行い,その値は,表4〜表20の値以上とする。ロープの概
算単位質量を,参考として表4〜表20に示す。
表4−6×7の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
32.4
0.242
9
41.0
0.306
10
48.0
0.378
12
69.1
0.545
14
90.9
0.742
16
119
0.968
18
150
1.23
20
175
1.51
SB種
8
40.2
0.242
9
50.8
0.306
10
59.4
0.378
12
85.5
0.545
14
110
0.742
16
143
0.968
18
181
1.23
20
210
1.51
8
G 3557:2016
表5−7×7の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
37.3
0.277
9
47.3
0.351
10
55.3
0.434
12
79.6
0.624
14
105
0.850
16
137
1.11
18
173
1.40
20
201
1.73
SB種
8
46.3
0.277
9
58.6
0.351
10
68.5
0.434
12
98.6
0.624
14
127
0.850
16
165
1.11
18
209
1.40
20
243
1.73
表6−6×19の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
30.9
0.238
9
39.1
0.301
10
46.2
0.371
12
66.5
0.535
14
90.5
0.728
16
112
0.950
18
142
1.20
20
175
1.49
SB種
8
38.6
0.238
9
48.9
0.301
10
57.3
0.371
12
82.5
0.535
14
112
0.728
16
139
0.950
18
176
1.20
20
217
1.49
9
G 3557:2016
表7−7×19の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
36.9
0.274
9
46.7
0.347
10
55.1
0.428
12
79.3
0.617
14
108
0.840
16
134
1.10
18
169
1.39
20
209
1.71
SB種
8
46.1
0.274
9
58.4
0.347
10
68.4
0.428
12
98.5
0.617
14
134
0.84
16
166
1.10
18
210
1.39
20
259
1.71
10
G 3557:2016
表8−6×37の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
30.3
0.235
9
38.4
0.297
10
47.4
0.366
12
68.3
0.528
14
88.8
0.718
16
116
0.938
18
147
1.19
20
181
1.47
22
208
1.77
24
247
2.11
26
290
2.48
28
337
2.87
30
373
3.30
32
425
3.75
36
538
4.75
40
664
5.86
44
757
7.10
48
901
8.44
52
1060
9.91
56
1140
11.5
60
1310
13.2
SB種
8
39.9
0.235
9
48.0
0.297
10
59.3
0.366
12
85.4
0.528
14
110
0.718
16
144
0.938
18
182
1.19
20
225
1.47
22
258
1.77
24
307
2.11
26
360
2.48
28
417
2.87
30
452
3.30
32
514
3.75
36
650
4.75
40
803
5.86
44
913
7.10
48
1090
8.44
52
1270
9.91
56
1380
11.5
60
1590
13.2
11
G 3557:2016
表9−7×37の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
35.8
0.271
9
45.4
0.343
10
56.0
0.423
12
80.6
0.610
14
105
0.830
16
137
1.08
18
174
1.37
20
214
1.69
22
246
2.05
24
292
2.44
26
343
2.86
28
398
3.32
30
441
3.81
32
502
4.33
36
635
5.49
40
784
6.77
44
894
8.20
48
1060
9.75
52
1250
11.4
56
1350
13.3
60
1550
15.2
SB種
8
47.2
0.271
9
56.8
0.343
10
70.1
0.423
12
101
0.610
14
130
0.830
16
170
1.08
18
215
1.37
20
266
1.69
22
304
2.05
24
362
2.44
26
425
2.86
28
493
3.32
30
534
3.81
32
607
4.33
36
769
5.49
40
949
6.77
44
1080
8.20
48
1280
9.75
52
1510
11.4
56
1630
13.3
60
1880
15.2
12
G 3557:2016
表10−6×Fi(25)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
31.5
0.252
9
39.9
0.319
10
47.0
0.394
11.2
59.0
0.494
12.5
73.5
0.615
14
92.2
0.771
16
114
1.01
18
144
1.27
20
178
1.57
22.4
216
1.97
25
269
2.46
28
338
3.09
30
387
3.54
31.5
403
3.90
33.5
456
4.42
35.5
512
4.96
37.5
571
5.53
40
649
6.30
SB種
8
39.4
0.252
9
49.9
0.319
10
58.4
0.394
11.2
73.3
0.494
12.5
91.3
0.615
14
114
0.771
16
141
1.01
18
179
1.27
20
221
1.57
22.4
261
1.97
25
326
2.46
28
408
3.09
30
469
3.54
31.5
486
3.90
33.5
549
4.42
35.5
617
4.96
37.5
688
5.53
40
783
6.30
13
G 3557:2016
表11−IWRC 6×Fi(25)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
35.8
0.281
9
45.3
0.355
10
53.4
0.439
11.2
67.0
0.550
12.5
83.5
0.685
14
105
0.860
16
130
1.12
18
164
1.42
20
203
1.75
22.4
245
2.20
25
306
2.74
28
383
3.44
30
440
3.95
31.5
458
4.35
33.5
517
4.92
35.5
581
5.53
37.5
648
6.17
40
738
7.02
SB種
8
44.8
0.281
9
56.7
0.355
10
66.4
0.439
11.2
83.3
0.550
12.5
104
0.685
14
130
0.860
16
161
1.12
18
204
1.42
20
251
1.75
22.4
297
2.20
25
370
2.74
28
465
3.44
30
533
3.95
31.5
552
4.35
33.5
625
4.92
35.5
702
5.53
37.5
783
6.17
40
891
7.02
14
G 3557:2016
表12−6×Fi(29)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
32.1
0.258
9
40.6
0.327
10
47.9
0.404
11.2
60.1
0.506
12.5
74.9
0.631
14
93.9
0.791
16
116
1.03
18
147
1.31
20
182
1.61
22.4
220
2.03
25
274
2.52
28
344
3.17
30
395
3.63
31.5
410
4.01
33.5
464
4.53
35.5
521
5.09
37.5
581
5.68
40
661
6.46
SB種
8
40.2
0.258
9
50.8
0.327
10
59.5
0.404
11.2
74.7
0.506
12.5
93.0
0.631
14
117
0.791
16
144
1.03
18
182
1.31
20
225
1.61
22.4
266
2.03
25
332
2.52
28
416
3.17
30
478
3.63
31.5
495
4.01
33.5
560
4.53
35.5
629
5.09
37.5
701
5.68
40
798
6.46
15
G 3557:2016
表13−IWRC 6×Fi(29)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
36.6
0.287
9
46.3
0.364
10
54.6
0.449
11.2
68.5
0.563
12.5
85.3
0.701
14
107
0.880
16
133
1.15
18
168
1.45
20
207
1.80
22.4
251
2.25
25
312
2.81
28
392
3.52
30
450
4.04
31.5
468
4.45
33.5
529
5.04
35.5
594
5.66
37.5
663
6.31
40
754
7.18
SB種
8
45.8
0.287
9
58.0
0.364
10
67.9
0.449
11.2
85.2
0.563
12.5
106
0.701
14
133
0.880
16
165
1.15
18
208
1.45
20
257
1.80
22.4
304
2.25
25
379
2.81
28
475
3.52
30
545
4.04
31.5
565
4.45
33.5
639
5.04
35.5
717
5.66
37.5
800
6.31
40
911
7.18
16
G 3557:2016
表14−6×WS(26)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
30.1
0.252
9
38.1
0.319
10
47.0
0.394
11.2
59.0
0.494
12.5
73.5
0.615
14
87.4
0.771
16
114
1.01
18
144
1.27
20
172
1.57
22.4
216
1.97
25
269
2.46
28
318
3.09
30
365
3.54
31.5
403
3.90
33.5
456
4.42
35.5
477
4.96
37.5
532
5.53
40
605
6.30
SB種
8
37.4
0.252
9
47.3
0.319
10
58.4
0.394
11.2
73.3
0.494
12.5
91.3
0.615
14
108
0.771
16
141
1.01
18
179
1.27
20
208
1.57
22.4
261
1.97
25
326
2.46
28
384
3.09
30
440
3.54
31.5
486
3.90
33.5
549
4.42
35.5
577
4.96
37.5
644
5.53
40
732
6.30
17
G 3557:2016
表15−IWRC 6×WS(26)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
34.2
0.281
9
43.3
0.355
10
53.4
0.439
11.2
67.0
0.550
12.5
83.5
0.685
14
99.3
0.860
16
130
1.12
18
164
1.42
20
196
1.75
22.4
245
2.20
25
306
2.74
28
362
3.44
30
415
3.95
31.5
458
4.35
33.5
517
4.92
35.5
541
5.53
37.5
604
6.17
40
687
7.02
SB種
8
42.5
0.281
9
53.8
0.355
10
66.4
0.439
11.2
83.3
0.550
12.5
104
0.685
14
123
0.860
16
161
1.12
18
204
1.42
20
237
1.75
22.4
297
2.20
25
370
2.74
28
436
3.44
30
501
3.95
31.5
552
4.35
33.5
625
4.92
35.5
656
5.53
37.5
732
6.17
40
833
7.02
18
G 3557:2016
表16−6×WS(31)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
32.1
0.258
9
40.6
0.327
10
47.9
0.404
11.2
60.1
0.506
12.5
74.9
0.631
14
93.9
0.791
16
116
1.03
18
147
1.31
20
182
1.61
22.4
220
2.03
25
274
2.52
28
344
3.17
30
395
3.63
31.5
410
4.01
33.5
464
4.53
35.5
521
5.09
37.5
581
5.68
40
661
6.46
SB種
8
40.2
0.258
9
50.8
0.327
10
59.5
0.404
11.2
74.7
0.506
12.5
93.0
0.631
14
117
0.791
16
144
1.03
18
182
1.31
20
225
1.61
22.4
266
2.03
25
332
2.52
28
416
3.17
30
478
3.63
31.5
495
4.01
33.5
560
4.53
35.5
629
5.09
37.5
701
5.68
40
798
6.46
19
G 3557:2016
表17−IWRC 6×WS(31)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
8
36.6
0.287
9
46.3
0.364
10
54.6
0.449
11.2
68.5
0.563
12.5
85.3
0.701
14
107
0.880
16
133
1.15
18
168
1.45
20
207
1.80
22.4
251
2.25
25
312
2.81
28
392
3.52
30
450
4.04
31.5
468
4.45
33.5
529
5.04
35.5
594
5.66
37.5
663
6.31
40
754
7.18
SB種
8
45.8
0.287
9
58.0
0.364
10
67.9
0.449
11.2
85.2
0.563
12.5
106
0.701
14
133
0.880
16
165
1.15
18
208
1.45
20
257
1.80
22.4
304
2.25
25
379
2.81
28
475
3.52
30
545
4.04
31.5
565
4.45
33.5
639
5.04
35.5
717
5.66
37.5
800
6.31
40
911
7.18
20
G 3557:2016
表18−6×WS(36)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
20
182
1.61
22.4
228
2.03
25
274
2.52
28
344
3.17
30
395
3.63
31.5
435
4.01
33.5
492
4.53
35.5
521
5.09
37.5
581
5.68
40
661
6.46
42.5
747
7.29
45
837
8.18
47.5
869
9.11
50
963
10.1
53
1080
11.3
56
1210
12.7
60
1390
14.5
SB種
20
225
1.61
22.4
283
2.03
25
332
2.52
28
416
3.17
30
478
3.63
31.5
527
4.01
33.5
596
4.53
35.5
629
5.09
37.5
701
5.68
40
798
6.46
42.5
901
7.29
45
1010
8.18
47.5
1050
9.11
50
1170
10.1
53
1310
11.3
56
1460
12.7
60
1680
14.5
21
G 3557:2016
表19−IWRC 6×WS(36)の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
20
207
1.80
22.4
260
2.25
25
312
2.81
28
392
3.52
30
450
4.04
31.5
496
4.45
33.5
561
5.04
35.5
594
5.66
37.5
663
6.31
40
754
7.18
42.5
851
8.11
45
954
9.09
47.5
991
10.1
50
1100
11.2
53
1230
12.6
56
1380
14.1
60
1580
16.2
SB種
20
257
1.80
22.4
322
2.25
25
379
2.81
28
475
3.52
30
545
4.04
31.5
601
4.45
33.5
680
5.04
35.5
717
5.66
37.5
800
6.31
40
911
7.18
42.5
1030
8.11
45
1150
9.09
47.5
1200
10.1
50
1330
11.2
53
1500
12.6
56
1670
14.1
60
1920
16.2
22
G 3557:2016
表20−19×7の破断力
種別
ロープの
公称径
mm
破断力
(最小値)
kN
概算単位質量
kg/m
(参考)
SA種
12
73.6
0.625
14
100
0.850
16
124
1.11
18
157
1.41
20
194
1.73
22
226
2.10
SB種
12
91.5
0.625
14
125
0.850
16
154
1.11
18
195
1.41
20
241
1.73
22
274
2.10
8
寸法及び許容差
8.1
素線の径の差
より合わせ後の同種同線径の素線径は,10.2.4によって測定を行い,素線の径の最大値と最小値の差は,
表21による。
表21−素線の径の差
単位 mm
素線径
素線の径の差
0.20以上
1.00以下
0.04以下
1.00を超え 2.24以下
0.06以下
2.24を超え 3.75以下
0.08以下
3.75を超え 4.50以下
0.10以下
8.2
ロープ径
8.2.1
ロープの公称径
ロープの公称径は,表4〜表20による。
8.2.2
ロープの実際径の許容差
ロープの実際径は,10.3.4によって測定を行い,その許容差は,公称径10 mm未満ではその径に対して
10
0
+ %とし,公称径10 mm以上は70
+ %とする。プラス側許容差の計算結果は,JIS Z 8401の規則Bによっ
て丸め,丸めの幅は0.01 mmとする。
9
外観
9.1
素線
素線は,10.2.2によって試験を行い,全長を通じて,断面は円形であり,表面は滑らかで,使用上有害
なきずなどがあってはならない。
9.2
ロープ
ロープは,10.3.2によって試験を行い,全長を通じて,使用上有害なつぶれ,きずなどがあってはなら
23
G 3557:2016
ない。
10 試験
10.1 一般
試験は,素線及びロープについて行う。
10.2 素線試験
素線試験は,ロープにより合わせた後,これを素線に解いて試験片とする。
10.2.1 試験片の採り方
各試験に供する試験片は,ロープの一端から適切な長さを切り取る。この試験片から単層ストランドロ
ープ(表2参照)については,1本のストランド(ロープ心入りロープのロープ心,及びストランド心入
りロープのストランド心を除く。),多層ストランドロープ(表2参照)については,各層ごとに1本のス
トランド(ストランド心を除く。)を採り,これを素線に解き,心線及びフィラー線を除いたものを試験片
とする。この場合,各試験項目ごとに,任意のストランドを採ってもよい。素線試験の試験片については,
表23による。
なお,試験片は,加熱することなく,きずを付けないよう,適切な方法で,曲がりを矯正してもよい。
10.2.2 外観
外観は,目視による。
10.2.3 破断力試験
破断力試験は,次による。
a) 破断力試験は,試験片を,素線径1.00 mm未満のものは,つかみ間隔約100 mm,素線径1.00 mm以
上のものは,つかみ間隔約200 mmで,引張試験機に取り付ける。
b) 試験片を破断するまで徐々に引っ張り,そのときの同種同線径の各試験片の最大試験力とその平均値
との差を算出する。平均値の算出結果は,JIS Z 8401の規則Bによって丸め,丸めの幅は有効数字3
桁とする。
c) 破断力試験において,試験片がつかみ部から破断し,規格値を満足しない場合は,その試験を無効と
し,更に試験片を採り試験をやり直す。
10.2.4 素線径の測定
素線径の測定は,試験片の任意の同一箇所において2方向以上を測定して,その平均値を素線径とする。
算出結果は,JIS Z 8401の規則Bによって丸め,丸めの幅は0.01 mmとする。同種同線径の各素線の試験
片について,最大と最小との線径の差を求める。
10.3 ロープ試験
10.3.1 試験片の採り方
各試験の試験片は,ロープの一端から適切な長さを切り取る。
10.3.2 外観
外観は,目視による。
10.3.3 破断力試験
破断力試験は,次による。
a) 破断力試験は,試験片に軸方向の力だけが加わるように,試験片の両端をホワイトメタル,亜鉛など
で円すい形に固める方法,又はこれに代わる適切な方法でロープを引張試験機に取り付ける。
b) これを破断するまで徐々に引っ張り,そのときの破断に至るまでの最大試験力を測定する。測定結果
24
G 3557:2016
は,JIS Z 8401の規則Bによって丸め,丸めの幅は有効数字3桁とする。
c) つかみ間隔は,表22による。ただし,その長さが2 mを超える場合は,つかみ間隔を2 mとしても
よい。
d) この試験において,試験片がつかみ部から破断し,規格値を満足しない場合は,その試験を無効とし,
更に試験片を採り試験をやり直す。
e) ロープ破断力は,附属書Aによって素線の集合破断力から算出してもよい。算出結果は,JIS Z 8401
の規則Bによって丸め,丸めの幅は有効数字3桁とする。ただし,この方法を用いた場合,試験結果
を記載した成績表に,集合破断力から算出したことを記載する。
表22−つかみ間隔
ロープの公称径
つかみ間隔
20 mm以下
600 mm以上
20 mmを超えるもの
ロープの公称径の30倍以上
10.3.4 実際径の測定
実際径の測定は,試験片の中央部付近の任意の点2か所以上又は同一断面において,2方向以上での外
接円に相当する直径をJIS B 7507に規定するノギス又は同等以上の精度をもつ測定器具を用いて図3のよ
うに測定して,その平均値を実際径とする。算出結果は,JIS Z 8401の規則Bによって丸め,丸めの幅は
0.01 mmとする。
なお,この試験において,最小破断力の5 %に相当する引張力の下で測定してもよい。
図3−実際径の測り方
11 検査
11.1 一般
ロープの検査は,ロットごとに素線及びロープについて箇条10によって試験したとき,箇条7〜箇条9
にそれぞれ適合しなければならない。ただし,規定に適合しないものがある場合には,その数が,表23
25
G 3557:2016
に示した不適合試験片数以内であれば,そのロープを合格とし,その数がこれを超える場合は,不合格と
する。
なお,同一素線を用い,同一機械によって製造された複数のロットの場合は,5ロットごと及びその端
数で,検査を行ってもよい。
11.2 より合わせ後の素線の検査
より合わせ後の素線の検査は,次による。
なお,素線試験の試験片数は,表23による。
表23−素線試験片数及び不適合試験片数
構成記号
素線試験
片数
不適合試験
片数
素線試験片の採取方法
6×7,7×7
3
0
ストランドの最外層の素線から任意に素線数の
1/2の本数を採取する。
6×19,7×19
6
1
ストランドの各層の素線から,それぞれ任意に
素線数の1/3の本数を採取するか,ストランド
の心の素線を除く素線の径が同じときは,任意
に素線数の1/3の本数を採取する。
6×37,7×37
12
1
6×Fi(25),IWRC 6×Fi(25)
9
1
ストランドの各層の素線から,それぞれ任意に
素線数の1/2の本数を採取する。
なお,端数は切り上げる。
6×Fi(29),IWRC 6×Fi(29)
11
1
6×WS(26),IWRC 6×WS(26)
14
1
6×WS(31),IWRC 6×WS(31)
15
1
6×WS(36),IWRC 6×WS(36)
19
2
19×7
6
1
第1層目のストランドの最外層の素線から任意
に素線数の1/2の本数,及び第2層目のストラ
ンドの最外層の素線から任意に素線数の1/2の
本数を採取する。
素線試験片の採取方法の例を,次に示す。
例1 6×19の場合
ストランドの素線配置は,6×(1+6+12)であり,6×1/3=2,12×1/3=4,合計6本となる。
ストランドの心の素線を除く素線の径が同じときは,ストランドの心の素線を除く素線の(6
+12)×1/3=6本となる。
例2 6×WS(31)及びIWRC 6×WS(31)の場合
ストランドの素線配置は,6×WS[1+6+(6+6)+12]であり,6×1/2=3,6×1/2=3,6×1/2
=3,12×1/2=6,合計15本となる。ここで,(6+6)はウォーリントンの素線である。
例3 19×7の場合
ストランドの素線配置は,7+6×(1+6)+12×(1+6)であり,第1層目のストランドから6×
1/2=3,第2層目のストランドから6×1/2=3,合計6本となる。
12 包装
注文者による指示がない限り,ロープは製造業者の判断でコイル巻き又は木枠などのリール巻きで供給
し,輸送中における水分,ほこり,汚れなどに対し,ロープを紙などで包装して保護する。
26
G 3557:2016
13 ロープの呼び方
ロープの呼び方は,ロープの呼び又は構成記号,より方及びより方向,種別又は破断力,ステンレス鋼
線材の種類,並びに公称径及び長さとする。ただし,種別がSB種の場合には,ステンレス鋼線材の種類
を省略してもよい。
なお,より方及びより方向の呼び方並びに表示記号は,表24による。
表24−より方及びより方向の呼び方並びに表示記号
より方
より方向
呼び方
表示記号
普通より
Zより
普通Zより
SS/O
Sより
普通Sより
SS/S
ロープの呼び方の例を,次に示す。
例 6×WS(31) SS/O SA種(SUS316) 16 mm 500 m
この例は,ウォーリントンシール形31本線6より,普通Zより,SA種(SUS316),公称径16
mm,及び長さ500 mのロープの場合の呼び方である。
14 表示
この規格の全ての要求事項に適合したロープには,1条ごとに次の項目を容易に消えない方法で表示す
る。ただし,より方及びより方向の表示については,表24の表示記号を用いてもよい。
また,種別がSB種の場合は,ステンレス鋼線材の種類を省略してもよい。
a) この規格の番号(JIS G 3557)
b) ロープの呼び又は構成記号
c) より方及びより方向
d) 種別(ステンレス鋼線材の種類)又は破断力
e) ロープの公称径及び長さ
f)
製造業者名又はその略号
g) 製造年月又はその略号
15 報告
注文者から要求があった場合,製造業者は,試験の結果を記載した成績表を提出しなければならない。
27
G 3557:2016
附属書A
(規定)
集合破断力からロープ破断力を算出する方法
A.1 供試ストランドの採取
供試ストランドの採取は,ロープ構成に応じて次による。
a) 繊維心入り単層ストランドロープ 任意の1ストランドを採る。
b) ストランド心入り単層ストランドロープ 任意の1ストランド及びストランド心を採る。
c) ロープ心入り単層ストランドロープ 任意の1ストランド並びにロープ心の任意の側ストランド及び
ストランド心の合計3ストランドを採る。
d) 多層ストランドロープ(19×7) ストランド心及び各層からそれぞれ任意の1ストランドの合計3ス
トランドを採る。
A.2 集合破断力の求め方
A.2.1 供試ストランドの素線試験
供試ストランドを素線に解いたもの全てを試験片とし,10.2.3によって破断力試験を行い,個々の素線
の破断力の合計S0,S1及びS2を求める。記号の意味は,次による。
S0:ストランド心,ロープ心の中心ストランド又は19×7のストランド心のもの。
S1:ロープ心の側ストランド又は19×7の第1層目(内層)のストランドのもの。
S2:単層ストランドロープのストランド又は19×7の第2層目(最外層)のストランドのもの。
A.2.2 集合破断力の求め方
集合破断力[Fa(kN)]の求め方は,ロープの構成に応じて次による。
a) 繊維心入り単層6ストランドロープは,Fa=6×S2によって求める。
b) ストランド心入り単層6ストランドロープは,Fa=S0+6×S2によって求める。
c) ロープ心入り単層6ストランドロープは,Fa=S0+6×S1+6×S2によって求める。
d) 19×7は,Fa=S0+6×S1+12×S2によって求める。
A.3 ロープ破断力の求め方
ロープ破断力[Fr(kN)]は,次の式によって求める。
Fr=(100−κ)×Fa/100
ここに,
κ: より減り値(表A.1による。)
28
G 3557:2016
表A.1−より減り値
構成記号
より減り値a)
種別
SA種
SB種
6×7
17
15
7×7
22
20
6×19
24
22
7×19
25
23
6×37
25
23
7×37
26
24
6×Fi(25)
25
23
IWRC 6×Fi(25)
29
27
6×Fi(29)
27
25
IWRC 6×Fi(29)
30
28
6×WS(26)
25
23
IWRC 6×WS(26)
29
27
6×WS(31)
27
25
IWRC 6×WS(31)
30
28
6×WS(36)
27
25
IWRC 6×WS(36)
30
28
19×7
31
29
注a) より減り値とは,ロープのよりに基づい
て生じるロープ破断力の低下率をいう。