G 3549 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鋼構造協会 (JSSC) から団体規
格(JSSII03-1994,JSSII04-1994及びJSSII05-1994)を元に作成した工業標準原案を具して日本工業規格を
制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格で
ある。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 3549 : 2000
構造用ワイヤロープ
Wire ropes for structure
1. 適用範囲 この規格は,橋りょう(梁),建築物及び鉄塔などの部材に使用する,亜鉛めっき鋼線をよ
り合わせたワイヤロープ(以下,ロープという。)について規定する。
備考 この規格に含まれない他のロープ規格を,次に示す。
JIS G 3525 ワイヤロープ
JIS G 3535 航空機用ワイヤロープ
JIS G 3540 操作用ワイヤロープ
JIS G 3546 異形線ロープ
JIS G 7301 一般用ワイヤロープ−ISO仕様及び特性
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3502 ピアノ線材
JIS G 3506 硬鋼線材
JIS H 0401 溶融亜鉛めっき試験方法
JIS H 2107 亜鉛地金
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 素線 ロープを構成する亜鉛めっき鋼線。
b) 異形線 ロックドコイルロープの外層に適用するZ線及びT線の総称。
c) ストランド 複数の素線をより合わせたロープの構成要素。
d) 心綱 ロープ心及びストランド心の総称。
1) ロープ心 ロープの中心をなすセンターフィット形のワイヤロープ。構成は,7×7とし,記号は
CFRCとする。
2) ストランド心 ロープの中心をなすストランド。構成は,側ストランドと同一とする。記号が必要
な場合はIWSCとする。
なお,ストランド心入りロープは,共心形ストランドロープと呼称する。
e) ロープ ストランドをストランド心又はロープ心の周りにより合わせたワイヤロープ(共心形ストラ
ンドロープ)若しくは側線を心線の周りにより合わせたワイヤロープ(スパイラルロープ及びロック
ドコイルロープ)。
f)
ロープ径 ロープの任意の断面における外接円の直径。ロープ径には,公称径と実際径がある。
g) よりの長さ
2
G 3549 : 2000
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1) ロープのよりの長さ ロープの外層ストランド又は外層素線が作るらせんのピッチ(図1参照)。
2) ストランドのよりの長さ ストランドの外層素線が作るらせんのピッチ。
図1 よりの長さ(参考例 ストランドロープの場合)
h) より方向 ロープ又はストランドがよられている方向(図2及び図3参照)。ZよりとSよりがある。
図2 より方向(参考例 ストランド,スパイラルロープ又はロックドコイルロープの場合)
図3 より方向(参考例 ストランドロープの場合)
i)
耐力 降伏点の代用特性で,破断試験において全伸びが0.7%になったときの荷重を素線の公称断面積
で除した値 (N/mm2)。
j)
破断荷重 破断試験において,試験片が破断に至るまでの最大荷重。
k) 引張強さ 素線の破断荷重を素線の公称断面積で除した値 (N/mm2)。
l)
伸び 破断試験において,試験片が破断した後の永久伸び。
m) 弾性係数 応力及びひずみで算出された物理定数 (N/mm2) で,ヤング率と称することがある。
n) 種別 ロープを構成する素線の公称引張強さによるロープの破断荷重の区分。
o) つかみ間隔 素線の破断試験,ねじり試験又はロープの破断試験におけるチャックその他による試験
片のつかみ部の内端距離l(図4参照)。
3
G 3549 : 2000
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図4 つかみ間隔
p) マーキング 端部ソケットや中間金具を取り付ける位置などを明示するために,ロープの表面にペイ
ントなどを塗る作業又はその表示。
4. 種類 ロープの種類は,次による。
a) 構成による区分 ロープは,表1に示すように,呼称,構成記号及び断面によって19種類に区分する。
b) より方向による区分 ロープは,より方向によって,図2及び図3に示すように,ZよりとSよりに
区分する。
c) 素線の引張強さによる区分 ロープは,素線の引張強さによって,ST1470 (1 470N/mm2),ST1570 (1
570N/mm2) 及びST1670 (1 670N/mm2) の3種類に区分する。ただし,ロックドコイルロープは,素線
の引張強さによる区分は設けない。
5. 機械的性質
5.1
素線
5.1.1
引張特性値 ロープを構成する同種線径の各素線は,11.1b)の試験を行い,その引張特性値は,表
2のとおりとする。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,耐力を規定しない。
5.1.2
ねじり特性 素線のねじり特性は,11.1c)の試験を行い,その最小ねじり回数は,表3による。
表1 呼称,構成及び断面
呼称
共心形ストランドロープ
構成
7本線6より
ストランド心入り
19本線6より
ストランド心入り
37本線6より
ストランド心入り
構成記号
7×7
7×19
7×37
断面
呼称
CFRC形ストランドロープ(6×19グループ)
4
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構成
ウォーリントン形
19本線6より
センターフィット形
ロープ心入り
ウォーリントンシール形
26本線6より
センターフィット形
ロープ心入り
構成記号
CFRC 6×W (19)
CFRC 6×WS (26)
断面
呼称
CFRC形ストランドロープ(6×37グループ)
構成
ウォーリントンシール形
31本線6より
センターフィット形
ロープ心入り
ウォーリントンシール形
36本線6より
センターフィット形
ロープ心入り
ウォーリントンシール形
41本線6より
センターフィット形
ロープ心入り
構成記号
CFRC 6×WS (31)
CFRC 6×WS (36)
CFRC 6×WS (41)
断面
呼称
スパイラルロープ
構成
19本より
37本より
61本より
91本より
構成記号
1×19
1×37
1×61
1×91
断面
構成
127本より
169本より
217本より
構成記号
1×127
1×169
1×217
断面
呼称
ロックドコイルロープ
構成
丸線層
+T線1層
+Z線1層
丸線層
+T線1層
+Z線2層
丸線層
+T線2層
+Z線2層
丸線層
+T線2層
+Z線3層
構成記号
LCR C形
LCR D形
LCR E形
LCR F形
断面
5
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表2 素線の引張特性値
区分
種別
公称素線径
mm
引張強さ
N/mm2
耐力
N/mm2
伸び
%
丸線
ST1470
2.80以下
1 470以上
1 720以下
1 080以上
3.0以上
2.80を超えるもの
1 470以上
1 720以下
1 080以上
4.0以上
ST1570
2.80以下
1 570以上
1 810以下
1 160以上
2.0以上
2.80を超えるもの
1 570以上
1 810以下
1 160以上
4.0以上
ST1670
2.80以下
1 670以上
1 910以下
1 220以上
2.0以上
2.80を超えるもの
1 670以上
1 910以下
1 220以上
4.0以上
T線
−
−
1 370以上
1 620以下
−
2.0以上
Z線
−
−
1 270以上
1 520以下
−
2.0以上
表3 最小ねじり回数
単位 回
区分
公称素線径
mm
種別
ST1470
ST1570
ST1670
丸線
2.30以下
20
16
14
2.30を超え3.70以下
18
14
12
3.70を超え4.50以下
16
12
10
4.50を超えるもの
14
10
8
T線
4.90以下
10
4.90を超えるもの
7
Z線
4.90以下
6
4.90を超え5.90以下
5
5.90を超えるもの
4
備考 異形線の公称素線径は,ロープによられたときのロープの半径方
向の高さで表す。
5.1.3
巻付け特性 素線の巻付け特性は,11.1 d)の試験を行い,破断してはならない。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,この規定を設けない。
5.2
ロープ
5.2.1
ロープの弾性係数 ロープは,11.2 b)の試験を行い,その弾性係数はストランドロープでは1.37×
105N/mm2以上,スパイラルロープ及びロックドコイルロープでは1.57×105N/mm2以上とする。
5.2.2
ロープの破断荷重 ロープは,11.2 c)の試験を行い,その破断荷重は,付表1〜16の値以上とする。
6. 亜鉛めっき特性
6.1
亜鉛付着量 亜鉛付着量は,11.1 e)の試験を行い,その最小亜鉛付着量は,表4による。
なお,ロックドコイルロープの異形線の付着量を計算する場合,表面積はその高さを公称径とする丸線
の表面積を用いる。
6
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6.2
めっき付着性 めっき付着性は,11.1 f)の試験を行い,指で軽くこすってはげ落ちるようなめっきの
き裂やはく離を生じてはならない。
表4 最小亜鉛付着量
公称素線径
mm
最小亜鉛付着量
g/m2
1.60以下
120
1.60を超え2.00以下
150
2.00を超え2.30以下
180
2.30を超え2.60以下
210
2.60を超え3.00以下
240
3.00を超え3.60以下
260
3.60を超え4.80以下
270
4.80を超えるもの
300
7. 寸法及び許容差
7.1
素線径及び偏径差の許容差 ロープを構成する同種線径の各素線径は,11.1 g)の試験を行い,その許
容範囲は,表5による。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,この規定を設けない。
表5 素線径の許容範囲
単位 mm
公称素線径
素線径の公差
偏径差
2.30以下
公称素線径±0.05
0.05以下
2.30を超え3.70以下
公称素線径±0.06
0.06以下
3.70を超え4.50以下
公称素線径±0.07
0.07以下
4.50を超えるもの
公称素線径±0.08
0.08以下
7.2
ロープの公称径 ロープの公称径は,付表1〜16による。
7.3
ロープの実際径の許容差 ロープ径は,11.2 d)の試験を行い,その許容差は,ストランドロープは
%
60
+
とし,スパイラルロープ及びロックドコイルロープは,
%
50
+
とする。
7.4
ロープの長さの許容差 ロープの長さ及びマーキングの位置に対する許容差は,受渡当事者間の協
定による。
8. 外観
8.1
素線 素線は,全長を通じて,断面の形状が均一であり,表面は滑らかで,きず,裂け目その他使
用上有害な欠陥があってはならない。
8.2
ロープ ロープは,全長を通じて,つぶれ,きずなどの使用上有害な欠陥があってはならない。
9. 材料
9.1
線材 素線の製造に用いる線材は,JIS G 3506のSWRH62〜82の線材,JIS G 3502のSWRS62〜82
の線材又はこれらと同等以上の線材,又はこれらの熱処理材とする。ただし,ロックドコイルロープのZ
線については,線材の形状寸法に関する規定を適用しない。
9.2
亜鉛 素線のめっきに用いる亜鉛は,JIS H 2107の最純亜鉛地金とする。
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10. 製造方法
10.1 素線 素線の製造は,次による。
a) 線材を必要に応じて熱処理を行った後,冷間加工し,亜鉛めっきを行う。
b) 最外層素線は,接続を行ってはならない。
c) 最外層素線には,伸線加工前の溶接による接続部を含んではならない。
d) 異形線は,亜鉛めっきを行った後,更に成形のため,伸線を行う。
10.2 ロープ
10.2.1 より合わせ ロープは,10.1によって製造した素線を用い,全長を通じて径,よりの長さなどが均
一になるようにより合わせる。より合わせ過程において,やむをえず素線の接続を必要とする場合は,最
外層素線を除き接続を行うことができる。ただし,この溶接は,特に指定がある場合を除いて,ロープの
よりの長さ10mにつき1か所を超えないものとし,接続点が互いに接近しないようにロープによりあげる
ものとする。
なお,ストランドロープにおいては,ストランド心及びロープ心のより方向は,ロープのより方向と同
一とする。また,スパイラルロープ及びロックドコイルロープにおいては,各層のより方向は,原則とし
て交互に逆方向により合わせるものとする。
10.2.2 グリースの塗布 ロープにより合わせる際のグリースの塗布については,受渡当事者間の協定によ
る。
10.2.3 プレストレッチング ロープは,プレストレッチングを行うものとする。プレストレッチングの荷
重は,通常付表1〜16に示す破断荷重に対して次の所定荷重を30分以上保持し,これを2回以上繰り返す
ものとする。プレストレッチング装置の荷重精度は±2%以内とする。
a) ストランドロープの所定荷重は,破断荷重の45〜50%とする。
b) スパイラルロープ及びロックドコイルロープの所定荷重は,破断荷重の50〜55%とする。
10.2.4 ロープの長さ及びマーキング ロープの長さ及びマーキングの有無並びにその測長方法は,受渡当
事者間の協定による。
11. 試験
11.1 素線試験 素線試験は,a)〜g)の試験項目について行う。各試験の試験本数は,表6による。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,d),f)及びg)の試験は行わない。
表6 素線の試験本数
試験項目
試験本数
引張強さ
耐力
伸び
ねじり
巻付け
亜鉛付着量
めっき付着性
素線径の測定
1ロットが3コイル以上の場合は,任意の3コイルの両端か
ら1本ずつ。ただし,1ロットが3コイルに満たない場合は,
各コイルごととする。
外観
全コイル
a) 外観試験 外観試験は,目視によって行う。
b) 破断試験 破断試験は,試験片の両端を,つかみ間隔を約350mmでつかみ,破断するまで徐々に引
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っ張り,引張強さ,耐力及び破断後の伸びを測定する。なお,伸び測定の標点距離は,250mmとする。
c) ねじり試験 ねじり試験は,試験片の両端を,その径の100倍のつかみ間隔で固くつかみ,一端は素
線の軸方向に移動できるようにし,他端を通常,毎分60回以下の速度で回転し,試験片が破断したと
きのねじり回数を調べる。
なお,ロックドコイルロープの異形線のつかみ間隔は,200mmとする。
d) 巻付け試験 巻付け試験は,試験片をその径の3倍の径の心金の周囲に2回以上密接して巻き付け,
試験片の破断の有無を調べる。
e) 亜鉛付着量試験 亜鉛付着量試験は,JIS H 0401の4.2(間接法)による。
f)
めっき付着性試験 めっき付着性試験は,試験片をその径の5倍の径の心金の周囲に2回以上密接し
て巻き付け,試験片の表面状態を調べる。
なお,巻付け試験で異常がない場合には,これを省略してもよい。
g) 径の測定 径の測定は,試験片を同一断面において最大径と最小径をマイクロメータで0.01mmまで
測定し,両者の平均値を素線径とし,両者の差を偏径差とする。
11.2 ロープ試験 ロープ試験は,次の項目について行う。
a) 外観試験 外観試験は,目視によって行う。
b) 弾性係数の測定 弾性係数の測定は,プレストレッチングを行ったロープの一端から,適切な長さを
切り取り,図4 b)のように両端を亜鉛などで円すい形に固める方法か,これに代わる適当な方法でロ
ープを引張試験機に取り付けて徐々に引っ張り,プレストレッチング荷重の20〜90%の範囲で行う。
なお,弾性係数の測定は,プレストレッチング作業終了後,この装置で行ってもよい。
c) 破断試験 破断試験は,プレストレッチングを行ったロープの一端から,適切な長さを切り取り,図
4b)のように両端を亜鉛などで円すい形に固める方法か,これに代わる適切な方法でロープを引張試験
機に取り付け,これを破断するまで徐々に引っ張り,そのときの破断荷重を測定する。
つかみ間隔は,ロープ径の40倍以上とする。ただし,その長さが2mを超える場合は,つかみ間隔
を2mとしてもよい。
この試験において,試験片がつかみ部から破断し,規格値を満足しない場合は,受渡当事者間の協
議によって,再試験を行うことができる。
d) 実際径の測定 実際径の測定は,プレストレッチング後のロープの一端から1.5m以上離れた任意の
点2か所以上又は同一断面において,2方向以上の最大径をノギスで0.1mmまで測定し,その平均値
を実際径とする。
なお,弾性係数の測定又は破断試験の試験片のほぼ中央における任意の点2か所以上について測定
してもよい。
12. 検査
12.1 素線の検査 素線の検査は,より合わせ前の全ロットについて,表6の試験本数に対して行い,次
による。
a) 引張特性 引張特性の検査は,11.1 b)の試験を行い,5.1.1に適合しなければならない。
b) ねじり特性 ねじり特性の検査は,11.1 c)の試験を行い,5.1.2に適合しなければならない。
c) 巻付け特性 巻付け特性の検査は,11.1 d)の試験を行い,5.1.3に適合しなければならない。
d) 亜鉛めっき特性 亜鉛めっき特性の検査は,11.1 e)及びf)の試験を行い,6.に適合しなければならない。
e) 素線径及び偏径差の許容差 素線径及び偏径差の検査は,11.1 g)の試験を行い,7.1に適合しなければ
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ならない。
f)
外観 外観の検査は,11.1 a)の試験を行い,8.1に適合しなければならない。
なお,1ロットとは,同一チャージの材料を用いた同一線径の素線で,同一のめっき炉で同一条件
によって連続して製造されたものをいう。ただし,コイルが数条に分かれても同一ロットとみなす。
また,1コイルとは,亜鉛めっき直後に巻き取られた単位をいう。
素線の検査において,次の場合には再検査を行うことができる。
a) 引張試験及びねじり試験において,試験片がつかみの部分から破断した場合は,受渡当事者間の協議
によって,該当項目について再試験を行うことができる。
b) 素線の引張強さ又は径の測定の試験結果が規定に適合しない場合は,受渡当事者間の協議によって,
該当のコイルについて再試験を行うことができる。この場合,コイルの両端から更に1本ずつ試験片
をとり試験を行い,全数が規定に合格しなければならない。
c) 耐力,伸び,ねじり,巻付け,亜鉛付着量又はめっき付着性の試験において,その一部の試験結果が
規定に合格しない場合は,注文者との協議により,該当項目について再試験を行うことができる。こ
の場合,該当コイルの両端から1本ずつ試験片をとり試験を行う。その結果,その全数が規定に適合
する場合は,更に5コイル又はその端数ごとにコイル端から1本ずつの試験片をとり試験を行い,全
数が規定に適合する場合はそのロットを合格とし,そうでない場合は不合格とする。
12.2 ロープの検査 ロープの検査は,ロープの1条ごとに行い,次による。
なお,同一の素線を用い,同一の機械によって連続して製造された複数のロープの場合は,そのうちの
任意の1条を選んでもよい。
a) 弾性係数 弾性係数の検査は,11.2 b)の試験を行い,5.2.1に適合しなければならない。
b) 破断荷重 破断荷重の検査は,11.2 c)の試験を行い,5.2.2に適合しなければならない。
c) ロープの実際径 ロープの実際径の検査は,11.2 d)の試験を行い,7.3に適合しなければならない。
d) 外観 外観の検査は,11.2 a)の試験を行い,8.2に適合しなければならない。
13. 表示 検査に合格したロープの巻枠には,1条ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受
渡当事者間の協議によって,その一部を省略することができる。
a) 製造業者名又はその略号
b) 製品番号
c) 製造年月又はその略号
d) ロープの呼び又は構成記号
e) グリースの種類
f)
ロープのより方向
g) 種別又は破断荷重
h) 公称径及び長さ
i)
ロープの質量(総質量及び正味質量)
j)
引出し方向
14. 包装
14.1 巻取り方法 ロープは,通常,巻枠に巻く。巻枠の胴径は,ロープ径の30倍以上,かつ素線径の200
倍以上とし,巻き方は整列巻きとする。
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14.2 外装の形態 外装の形態は,受渡当事者間の協定による。
15. 報告 注文者からの要求があった場合,製造業者は,試験の結果を記載した成績表を提出する。
付表1 構造用ストランドロープ:7×7
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
9
0.99
39.4
52.2
55.7
58.6
0.327
10
1.10
48.7
64.4
68.8
72.4
0.403
11.2
1.23
61.1
80.8
86.3
90.8
0.506
12.5
1.38
76.1
101
108
113
0.630
14
1.54
95.5
126
135
142
0.790
16
1.76
125
165
176
185
1.03
18
1.98
158
209
223
235
1.31
20
2.20
195
258
275
290
1.61
22.4
2.46
244
323
345
363
2.02
25
2.75
304
403
430
452
2.52
28
3.08
382
505
539
567
3.16
30
3.30
438
580
619
651
3.63
31.5
3.47
483
639
683
718
4.00
33.5
3.69
547
723
772
812
4.52
35.5
3.91
614
812
867
912
5.08
11
G 3549 : 2000
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付表2 構造用ストランドロープ:7×19
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
16
1.07
122
159
170
179
1.01
18
1.20
155
201
215
226
1.28
20
1.34
191
249
265
279
1.58
22.4
1.50
239
312
333
350
1.98
25
1.67
298
388
415
436
2.47
28
1.87
374
487
520
547
3.10
30
2.00
429
559
597
628
3.56
31.5
2.10
473
616
658
692
3.92
33.5
2.24
535
697
745
783
4.44
35.5
2.37
601
783
836
879
4.98
37.5
2.51
671
874
933
981
5.56
40
2.67
763
994
1 060
1 120
6.33
42.5
2.84
862
1 120
1 200
1 260
7.14
45
3.01
966
1 260
1 340
1 410
8.01
47.5
3.17
1 080
1 400
1 500
1 570
8.92
50
3.34
1 190
1 550
1 660
1 740
9.89
53
3.54
1 340
1 750
1 860
1 960
11.1
56
3.74
1 500
1 950
2 080
2 190
12.4
12
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表3 構造用ストランドロープ:7×37
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
40
1.90
758
973
1 040
1 090
6.30
42.5
2.01
856
1 100
1 170
1 230
7.11
45
2.13
960
1 230
1 320
1 380
7.98
47.5
2.25
1 070
1 370
1 470
1 540
8.89
50
2.37
1 190
1 520
1 620
1 710
9.85
53
2.51
1 330
1 710
1 830
1 920
11.1
56
2.65
1 490
1 910
2 040
2 140
12.4
60
2.84
1 710
2 190
2 340
2 460
14.2
63
2.99
1 880
2 410
2 580
2 710
15.6
65
3.08
2 000
2 570
2 740
2 890
16.6
67
3.18
2 130
2 730
2 920
3 070
17.7
69
3.27
2 260
2 900
3 090
3 250
18.8
71
3.37
2 390
3 070
3 280
3 440
19.9
付表4 構造用ストランドロープ:CFRC 6×19 グループ
ロープ径
mm
最外層の公称素線径mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
W (19)
WS (26)
太
細
ST1470
ST1570
ST1670
40
3.00
2.18
3.00
822
1 030
1 100
1 150
7.19
42.5
3.19
2.32
3.19
928
1 160
1 240
1 300
8.12
45
3.38
2.45
3.38
1 040
1 300
1 390
1 460
9.10
47.5
3.56
2.59
3.56
1 160
1 450
1 550
1 630
10.1
50
3.75
2.73
3.75
1 290
1 610
1 710
1 800
11.2
53
3.98
2.89
3.98
1 440
1 800
1 930
2 030
12.6
56
4.20
3.05
4.20
1 610
2 010
2 150
2 260
14.1
60
4.50
3.27
4.50
1 850
2 310
2 470
2 600
16.2
13
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表5 構造用ストランドロープ:CFRC 6×37 グループ
ロープ径
mm
最外層の公称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
WS (31)
WS (36)
WS (41)
ST1470
ST1570
ST1670
40
2.60
2.32
2.06
853
1 050
1 120
1 180
7.36
42.5
2.76
2.47
2.19
963
1 190
1 270
1 330
8.31
45
2.93
2.61
2.32
1 080
1 330
1 420
1 500
9.31
47.5
3.09
2.76
2.45
1 200
1 480
1 590
1 670
10.4
50
3.25
2.90
2.58
1 330
1 650
1 760
1 850
11.5
53
3.45
3.07
2.73
1 500
1 850
1 970
2 080
12.9
56
3.64
3.25
2.88
1 670
2 060
2 200
2 320
14.4
60
3.90
3.48
3.09
1 920
2 370
2 530
2 660
16.6
63
4.10
3.65
3.24
2 120
2 610
2 790
2 930
18.3
65
4.23
3.77
3.35
2 250
2 780
2 970
3 120
19.4
67
4.36
3.89
3.45
2 390
2 950
3 160
3 320
20.6
69
4.49
4.00
3.55
2 540
3 130
3 350
3 520
21.9
71
4.62
4.12
3.66
2 690
3 320
3 540
3 720
23.2
73
4.75
4.23
3.76
2 840
3 510
3 750
3 940
24.5
75
4.88
4.35
3.86
3 000
3 700
3 950
4 160
25.9
77.5
5.04
4.50
3.99
3 200
3 950
4 220
4 440
27.6
80
5.20
4.64
4.12
3 410
4 210
4 500
4 730
29.4
付表6 構造用スパイラルロープ 1×19
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
14
2.80
117
161
172
180
0.960
16
3.20
153
210
224
236
1.25
18
3.60
193
265
284
298
1.59
20
4.00
239
328
350
368
1.96
22.4
4.48
300
411
439
462
2.46
25.0
5.00
373
512
547
576
3.06
14
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表7 構造用スパイラルロープ 1×37
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
20
2.86
240
324
346
364
1.96
22.4
3.20
301
407
434
456
2.46
25
3.58
375
507
540
568
3.07
28
4.00
470
636
678
713
3.85
30
4.29
540
730
778
819
4.42
31.5
4.50
595
805
858
902
4.87
33.5
4.79
673
910
970
1 020
5.51
35.5
5.08
756
1 020
1 090
1 150
6.19
付表8 構造用スパイラルロープ 1×61
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
28
3.14
474
633
674
709
3.89
30
3.36
545
726
773
814
4.46
31.5
3.53
600
801
853
897
4.92
33.5
3.75
679
906
964
1 010
5.56
35.5
3.98
762
1 020
1 080
1 140
6.25
37.5
4.20
851
1 130
1 210
1 270
6.97
40
4.48
968
1 290
1 370
1 450
7.93
42.5
4.76
1 090
1 460
1 550
1 630
8.95
45
5.04
1 230
1 630
1 740
1 830
10.0
15
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表9 構造用スパイラルロープ 1×91
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
40
3.67
962
1 270
1 350
1 420
7.92
42.5
3.90
1 090
1 430
1 530
1 600
8.94
45
4.13
1 220
1 600
1 710
1800
10.0
47.5
4.36
1 360
1 790
1 910
2 000
11.2
50
4.59
1 500
1980
2 110
2 220
12.4
53
4.86
1 690
2 230
2 370
2 490
13.9
56
5.14
1 880
2 490
2 650
2 790
15.5
付表10 構造用スパイラルロープ 1×127
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
45
3.52
1 240
1 610
1 720
1 810
10.2
47.5
3.71
1 380
1 800
1 910
2 010
11.3
50
3.91
1 530
1 990
2 120
2 230
12.6
53
4.14
1 710
2 240
2 380
2 510
14.1
56
4.38
1 910
2 500
2 660
2 800
15.7
60
4.69
2 200
2 870
3 050
3 210
18.1
63
4.93
2 420
3 160
3 370
3 540
19.9
16
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表11 構造用スパイラルロープ 1×169
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
60
4.08
2 210
2 850
3 030
3 190
18.1
63
4.28
2 440
3 140
3 340
3 510
20.0
65
4.42
2 590
3 340
3 560
3 740
21.3
67
4.56
2 760
3 550
3 780
3 970
22.6
69
4.69
2 920
3 760
4 010
4 210
24.0
71
4.83
3 100
3 990
4 240
4 460
25.4
73
4.96
3 270
4 210
4 480
4 720
26.8
75
5.10
3 450
4 450
4 730
4 980
28.3
77.5
5.27
3 690
4 750
5 050
5 310
30.2
80
5.44
3 930
5 060
5 390
5 660
32.2
付表12 構造用スパイラルロープ 1×217
ロープ径
mm
最外層の公
称素線径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重kN
単位質量
kg/m
ST1470
ST1570
ST1670
75
4.50
3 450
4 390
4 670
4 910
28.3
77.5
4.65
3 690
4 680
4 990
5 240
30.2
80
4.80
3 930
4 990
5 310
5 580
32.2
82.5
4.95
4 180
5 310
5 650
5 940
34.2
85
5.10
4 440
5 630
6 000
6 300
36.4
87.5
5.25
4 700
5 970
6 350
6 680
38.5
90
5.40
4 970
6 320
6 720
7 070
40.8
92.5
5.55
5 250
6 670
7 100
7 470
43.1
95
5.70
5 540
7 040
7 490
7 880
45.4
97.5
5.85
5 840
7 410
7 890
8 300
47.8
100
6.00
6 140
7 800
8 300
8 730
50.3
17
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表13 構造用ロックドコイルロープ C形
ロープ径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重
kN
単位質量
kg/m
34
804
1 020
6.71
36
898
1 140
7.50
38
999
1 270
8.34
40
1 110
1 320
9.26
42
1 220
1 460
10.2
44
1 340
1 610
11.2
46
1 460
1 760
12.2
48
1 580
1 910
13.2
50
1 710
2 070
14.3
52
1 840
2 240
15.4
54
1 980
2 400
16.5
付表14 構造用ロックドコイルロープ D形
ロープ径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重
kN
単位質量
kg/m
56
2 200
2 550
18.3
58
2 350
2 740
19.6
60
2 510
2 930
20.9
62
2 670
3 120
22.3
64
2 840
3 330
23.7
66
3 000
3 520
25.0
68
3 190
3 760
26.6
70
3 380
3 980
28.2
72
3 570
4 220
29.8
74
3 760
4 440
31.4
76
3 960
4 700
33.1
18
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表15 構造用ロックドコイルロープ E形
ロープ径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重
kN
単位質量
kg/m
78
4 250
4 940
35.4
80
4 460
5 200
37.2
82
4 680
5 460
39.0
84
4 980
5 730
40.9
86
5 130
6 010
42.8
88
5 360
6 290
44.7
90
5 610
6 590
46.8
92
5 850
6 870
48.3
94
6 100
7 180
50.9
96
6 360
7 490
53.1
98
6 610
7 800
55.2
100
6 870
8 110
57.3
付表16 構造用ロックドコイルロープ F形
ロープ径
mm
標準断面積
mm2
破断荷重
kN
単位質量
kg/m
92
5 960
6 790
49.7
94
6 210
7 080
51.8
96
6 470
7 380
54.0
98
6 740
7 700
56.2
100
7 000
8 010
58.4
19
G 3549 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS G 3549(構造用ワイヤロープ)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
佐 伯 彰 一
本州四国連絡橋公団
(委員)
大 山 宏
千葉大学工学部建築学科
押 尾 祐 三
東京製鋼株式会社機工設計部
北 川 信
本州四国連絡橋公団設計部
工 藤 恭 一
太陽工業株式会社技術本部設計部
斎 藤 公 男
日本大学理工学部建築学科
篠 原 浩一郎
神鋼鋼線工業株式会社営業本部ロープ営業部
聖 生 守 雄
新日本製鐵株式会社橋梁構造部
高 木 和 明
株式会社神戸製鋼所社会開発部本部鉄構橋梁部
築 田 凌 一
株式会社テザック製鋼技術部
中 川 淳
株式会社構建設計研究所
中 島 肇
清水建設株式会社設計本部構造設計部1部
西 川 和 廣
建設省土木研究所構造橋梁部
藤 野 陽 三
東京大学工学部土木工学科
三 浦 章三郎
三菱重工業株式会社横浜製作所鉄構技術部
三 木 千 寿
東京工業大学工学部土木工学科
森 安 宏
石川島播磨重工業株式会社橋梁事業部設計部