2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 3538-1994
PC硬鋼線
Hord drawn steel wire for prestressed concrete
1. 適用範囲 この規格は,鋼線に冷間加工を与えながら製造するプレストレストコンクリートタンク及
び管に用いるPC硬鋼線(以下,線という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 3506 硬鋼線材
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
2. 種類,記号及び呼び名
2.1
種類及び記号 線の種類は2種類とし,その記号は表1による。
表1 種類及び記号
種類
記号
丸線
SWCR
異形線
SWCD
2.2
呼び名 線の呼び名は,表2による。
表2 呼び名
種類
呼び名
丸線及び異形線
3 mm 3.5 mm 4 mm 4.5 mm 5 mm 6 mm 7 mm 8 mm 9 mm
3. 機械的性質 線の機械的性質は,8.2及び8.3によって試験を行い,その値は,表3による。
表3 機械的性質
記号
呼び名
0.2%永久伸びに対する荷重
引張荷重
伸び
%
リラクセーション値
%
kN
kN
SWCR
3
mm
9.71 以上
12.3以上
2.5以上
4.5以下
SWCD
3.5 mm
12.7 以上
16.2以上
2.5以上
4
mm
16.7 以上
21.1以上
2.5以上
4.5 mm
20.1 以上
25.0以上
3.0以上
5
mm
24.0 以上
29.9以上
3.0以上
6
mm
33.3 以上
41.7以上
3.0以上
7
mm
43.6 以上
54.9以上
3.5以上
8
mm
54.4 以上
69.1以上
3.5以上
9
mm
68.6 以上
87.3以上
3.5以上
2
G 3538-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 形状,寸法及び許容差
4.1 形状 線の形状は,平滑な表面をもつものとし,異形線は,線の表面に一様な突起若しくはくぼみを
連続又は一定間隔で付けたものとする。
4.2
寸法及びその許容差 線の寸法及びその許容差は,8.4によって測定を行い,その値は,表4による。
なお,異形線の公称径には表4の寸法を適用し,その許容差は規定しない。
4.3
公称断面積及び単位質量 線の公称断面積及び単位質量は,表4による。
表4 寸法,許容差,公称断面積及び単位質量
呼び名
寸法
mm
許容差
mm
公称断面積
mm2
単位質量
kg/km
3 mm
3.00
±0.04
7.069
55.5
3.5 mm
3.50
±0.05
9.621
75.5
4 mm
4.00
±0.05
12.57
98.7
4.5 mm
4.50
±0.05
15.90
125
5 mm
5.00
±0.05
19.64
154
6 mm
6.00
±0.06
28.27
222
7 mm
7.00
±0.06
38.48
302
8 mm
8.00
±0.06
50.27
395
9 mm
9.00
±0.06
63.62
499
5. 外観 線の外観は,きずなど有害な欠点がなく,表面に油その他が付着してはならない。ただし,点
食を起こさない程度の表面さびは,差し支えない。
6. 材料 線の製造に用いる材料は,JIS G 3506の線材又はこれと同等以上の線材とする。
7. 製造方法 線の製造方法は,次による。
(1) 線は,線材に熱処理を行った後,冷間加工したものとする。
(2) 線は,継ぎ目があってはならない。
8. 試験
8.1
試験片の採り方 試験片の採り方は,次による。
(1) 引張荷重及び伸びの試験片は5条又はその端数を一組とし,その組から任意の1条を選び,その一端
から採る。
(2) 0.2%永久伸びに対する荷重の試験片,及びリラクセーション試験の試験片は,30条又はその端数を一
組とし,その組から任意の1条を選び,その一端から採る。
(3) 同一の素線を用い,同一機械において連続製造した線を短く切断した製品に対しては(1)及び(2)の規定
は,切断前の1条を1条とみなす。
8.2
引張試験 引張試験は,次による。
(1) 引張試験は,JIS Z 2241によって行い,つかみの間隔は,100 mm以上とする。試験片がつかみの部分
で破断し,規定に適合しない場合は,その試験は無効とし,更に試験片を採り,試験をやり直す。
(2) 引張荷重は,試験中の最大荷重とし,0.2 %永久伸びに対する荷重は,荷重−伸び曲線の直線部分に対
し伸び0.2 %の隔たりをもつ平行線を引き,原曲線との交点をもって定める。
(3) 線の伸びは,100 mmの標点距離に対する突合せ伸びとする。
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G 3538-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.3
リラクセーション試験 リラクセーション試験は,常温で試験片を適当な間隔でつかみ,約1分間
で表3に規定された0.2 %永久伸びに対する荷重の最小値の80 %に相当する荷重(載荷荷重)をかけ,そ
の後10時間つかみ間隔をそのまま保持して,荷重の減少を測定する。そして元の載荷荷重に対するその減
少した荷重の百分率をリラクセーション値とする。
8.4
寸法の測定 線の寸法の測定は,任意の箇所の最大径と最小径を測定して求める。
9. 検査
9.1
機械的性質 機械的性質は,3.に適合しなければならない。
なお,リラクセーション試験は,受渡当事者間の協定によって省略することができる。
9.2
形状,寸法及び外観 形状,寸法及び外観は,1条ごとに行い,4.及び5.に適合しなければならない。
9.3
再検査 引張試験又はリラクセーション試験の結果が,3.に適合しなかった場合には,最初の試験片
を採った条から新しく1個の試験片を採り,さらに,別に同じ組の他の2条の一端からそれぞれ試験片を
採り,再試験を行うことができる。再試験の結果,3個の試験片がすべて規定に適合すれば,その組は合
格とする。
10. 表示 検査に合格した線には,1条ごとに,次の項目を適当な方法で表示する。
(1) 種類の記号
(2) 呼び名
(3) 質量
(4) 製品の製造工程が追跡できる識別番号
(5) 製造業者名又はその略号
11. 報告 製造業者は,種類の記号,呼び名,数量,質量,製品の製造工程が追跡できる識別番号及び機
械的性質を記載した明細書を,注文者に提出しなければならない。
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G 3538-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
線材製品(特線)JIS検討委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
木 原 諄 二
東京大学工学部
(委員)
水 野 幸四郎
線材製品団体技術連絡会(社団法人日本鉄鋼協会)
青 柳 桂 一
通商産業省基礎産業局
高 木 譲 一
工業技術院標準部
宮 本 一 郎
社団法人日本鉄鋼協会(株式会社神戸製鋼所)
鷲 田 吉 秀
鈴木金属工業株式会社
大 西 稔 泰
神鋼鋼線工業株式会社
秋 山 清 澄
興国鋼線索株式会社
山 本 進
住友電気工業株式会社
須 方 正 文
東京製鋼株式会社
岡 田 良 規
南海泉州製線鋼索株式会社
木 本 勲 男
日亜鋼業株式会社
鈴 木 素 彦
社団法人プレストレストコンクリート技術協会
(オリエンタル建設株式会社)
中 條 友 義
社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会
(日本鋼弦コンクリート株式会社)
高 沢 壽 佳
日本電信電話株式会社
上 田 宏
東日本旅客鉄道株式会社
森 田 晃 治
社団法人日本ばね工業会
佐名木 崇 夫
社団法人日本自動車工業会
坂 井 正 行
電気事業連合会
(事務局)
本 橋 保 久
線材製品協会