G 3468:2017
(1)
追補1のまえがき
このJIS G 3468の追補1は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
がJIS G 3468:2016を改正した内容だけを示すものである。
JIS G 3468:2016は,この追補1の内容の改正がされ,JIS G 3468:2017となる。
なお,平成30年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS G 3468:2016によることができる。
日本工業規格 JIS
G 3468:2017
配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管
(追補1)
Large diameter welded stainless steel pipes
(Amendment 1)
追補1の序文
今回の改正は,オーステナイト・フェライト系のSUS821L1TPY,SUS323LTPY及びSUS327L1TPYを追
加する改正である。
JIS G 3468:2016を,次のように改正する。
まえがきの特許権などに関する記載を,次に置き換える。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
種類の記号
発明の名称
特許番号
設定の登録の年月日
SUS821L1TPY
溶接熱影響部の耐食性と靭性が良好な
省合金二相ステンレス鋼
第5345070号
2013年8月23日
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。
箇条3(種類及び記号)を,次の文に置き換える。
3
種類及び記号
管の種類は,18種類とし,その記号は,表1による。
2
G 3468:2017
表1−種類の記号及び固溶化熱処理
分類
種類の記号
固溶化熱処理
℃
分類
種類の記号
固溶化熱処理
℃
オーステナイ
ト系
SUS304TPY
1 010以上,急冷
オーステナイト
系
SUS317LTPY
1 010以上,急冷
SUS304LTPY
SUS321TPY a)
920以上,急冷
SUS309STPY
1 030以上,急冷
SUS347TPY a)
980以上,急冷
SUS310STPY
オーステナイ
ト・フェライト系
SUS821L1TPY
940以上,急冷
SUS315J1TPY
1 010以上,急冷
SUS323LTPY
950以上,急冷
SUS315J2TPY
SUS329J1TPY
SUS316TPY
SUS329J3LTPY
SUS316LTPY
SUS329J4LTPY
SUS317TPY
SUS327L1TPY
1 025以上,急冷
注a) SUS321TPY及びSUS347TPYについては,安定化熱処理を指定してもよい。この場合の熱処理温度は,850
〜930 ℃とする。
箇条5(化学成分)の表2(化学成分)を,次の表に置き換える。
表2−化学成分
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Ni
Cr
Mo
その他の元素a)
SUS304TPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 8.00〜10.50 18.00〜20.00
b)
−
SUS304LTPY
0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 9.00〜13.00 18.00〜20.00
b)
−
SUS309STPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 12.00〜15.00 22.00〜24.00
b)
−
SUS310STPY
0.08以下 1.50以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 19.00〜22.00 24.00〜26.00
b)
−
SUS315J1TPY
0.08以下 0.50〜2.50 2.00以下 0.045以下 0.030以下 8.50〜11.50 17.00〜20.50 0.50〜1.50 Cu:0.50〜3.50
SUS315J2TPY
0.08以下 2.50〜4.00 2.00以下 0.045以下 0.030以下 11.00〜14.00 17.00〜20.50 0.50〜1.50 Cu:0.50〜3.50
SUS316TPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 10.00〜14.00 16.00〜18.00 2.00〜3.00
−
SUS316LTPY
0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 12.00〜15.00 16.00〜18.00 2.00〜3.00
−
SUS317TPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 11.00〜15.00 18.00〜20.00 3.00〜4.00
−
SUS317LTPY
0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 11.00〜15.00 18.00〜20.00 3.00〜4.00
−
SUS321TPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 9.00〜13.00 17.00〜19.00
b)
Ti:5×C %以上
SUS347TPY
0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 9.00〜13.00 17.00〜19.00
b)
Nb:10×C %以上
SUS821L1TPY
0.030以下 0.75以下 2.00〜4.00 0.040以下 0.020以下 1.50〜2.50
20.50〜21.50 0.60以下 Cu:0.50〜1.50
N:0.15〜0.20
SUS323LTPY
0.030以下 1.00以下 2.50以下 0.040以下 0.030以下 3.00〜5.50
21.50〜24.50 0.05〜0.60 Cu:0.05〜0.60
N:0.05〜0.20
SUS329J1TPY c)
0.08以下 1.00以下 1.50以下 0.040以下 0.030以下 3.00〜6.00
23.00〜28.00 1.00〜3.00
−
SUS329J3LTPY d) 0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.040以下 0.030以下 4.50〜6.00 21.00〜24.00 2.50〜3.50 N:0.08〜0.20
SUS329J4LTPY d) 0.030以下 1.00以下 1.50以下 0.040以下 0.030以下 5.50〜7.50 24.00〜26.00 2.50〜3.50 N:0.08〜0.30
SUS327L1TPY
0.030以下 0.80以下 1.20以下 0.035以下 0.020以下 6.00〜8.00
24.00〜26.00 3.00〜5.00 Cu:0.50以下
N:0.24〜0.32
必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
注a)
必要に応じて合金元素を添加する場合は,当該種類が他の種類の規定値を満たして種類の区別ができなくなるほど添加しては
ならない。
b)
必要に応じてMoを添加する場合は,当該種類が他の種類の規定値を満たして種類の区別ができなくなるほど添加してはなら
ない。
c)
必要に応じてCu,W及びNのうち一つ又は複数の元素を添加する場合は,その含有率を報告しなければならない。
d)
必要に応じてCu及び/又はWを添加する場合は,その含有率を報告しなければならない。
3
G 3468:2017
6.1(母材の引張強さ,耐力及び伸び)の表3(機械的性質)を,次の表に置き換える。
表3−機械的性質
種類の記号
引張強さ
N/mm2
耐力
N/mm2
溶接部
引張強さ
N/mm2
伸び
%
管
鋼板又は鋼帯
12号試験片
5号試験片
13B号,14B号
又は5号試験片
管軸方向
管軸直角方向
a)
SUS304TPY
520以上
205以上
520以上
35以上
25以上
40以上
SUS304LTPY
480以上
175以上
480以上
SUS309STPY
520以上
205以上
520以上
SUS310STPY
SUS315J1TPY
SUS315J2TPY
SUS316TPY
SUS316LTPY
480以上
175以上
480以上
SUS317TPY
520以上
205以上
520以上
SUS317LTPY
480以上
175以上
480以上
SUS321TPY
520以上
205以上
520以上
SUS347TPY
SUS821L1TPY
600以上
400以上
600以上
20以上
14以上
20以上
SUS323LTPY
SUS329J1TPY
590以上
390以上
590以上
18以上
13以上
18以上
SUS329J3LTPY
620以上
450以上
620以上
SUS329J4LTPY
SUS327L1TPY
795以上
550以上
795以上
15以上
10以上
15以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 圧延方向又は圧延方向に直角の方向
6.1(母材の引張強さ,耐力及び伸び)の表4[厚さ8 mm未満の管の12号試験片(管軸方向)及び5号試
験片(管軸直角方向)の場合の伸び]を,次の表に置き換える。
4
G 3468:2017
表4−厚さ8 mm未満の管の12号試験片(管軸方向)及び5号試験片(管軸直角方向)の場合の伸び
単位 %
種類の記号
試験片
厚さ
2 mm
を超え
3 mm
以下
3 mm
を超え
4 mm
以下
4 mm
を超え
5 mm
以下
5 mm
を超え
6 mm
以下
6 mm
を超え
7 mm
以下
7 mm
を超え
8 mm
未満
SUS821L1TPY
SUS323LTPY
12号試験片
12以上
14以上
16以上
17以上
18以上
20以上
5号試験片
6以上
8以上
10以上
11以上
12以上
14以上
SUS329J1TPY
SUS329J3LTPY
SUS329J4LTPY
12号試験片
10以上
12以上
14以上
15以上
16以上
18以上
5号試験片
6以上
7以上
8以上
10以上
12以上
13以上
SUS327L1TPY
12号試験片
8以上
9以上
10以上
12以上
14以上
15以上
5号試験片
2以上
4以上
6以上
7以上
8以上
10以上
上記以外
12号試験片
28以上
29以上
30以上
32以上
34以上
35以上
5号試験片
18以上
19以上
20以上
22以上
24以上
25以上
8.1(寸法及び単位質量)の表6(配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管の寸法及び単位質量)及び表7(管の
単位質量の算出式)を,それぞれ次の表に置き換える。
5
G 3468:2017
表6−配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管の寸法及び単位質量
呼び径a)
外径
mm
呼び厚さa)(スケジュール番号:Sch)
5S
10S
20S
40
厚さ
mm
単位質量 kg/m
厚さ
mm
単位質量 kg/m
厚さ
mm
単位質量 kg/m
厚さ
mm
単位質量 kg/m
種類の記号
種類の記号
種類の記号
種類の記号
A
B
SUS304TPY
SUS304LTPY
SUS321TPY
SUS309STPY
SUS310STPY
SUS315J1TPY
SUS315J2TPY
SUS316TPY
SUS316LTPY
SUS317TPY
SUS317LTPY
SUS347TPY
SUS821L1TPY
SUS323LTPY
SUS329J1TPY
SUS329J3LTPY
SUS329J4LTPY
SUS327L1TPY
SUS304TPY
SUS304LTPY
SUS321TPY
SUS309STPY
SUS310STPY
SUS315J1TPY
SUS315J2TPY
SUS316TPY
SUS316LTPY
SUS317TPY
SUS317LTPY
SUS347TPY
SUS821L1TPY
SUS323LTPY
SUS329J1TPY
SUS329J3LTPY
SUS329J4LTPY
SUS327L1TPY
SUS304TPY
SUS304LTPY
SUS321TPY
SUS309STPY
SUS310STPY
SUS315J1TPY
SUS315J2TPY
SUS316TPY
SUS316LTPY
SUS317TPY
SUS317LTPY
SUS347TPY
SUS821L1TPY
SUS323LTPY
SUS329J1TPY
SUS329J3LTPY
SUS329J4LTPY
SUS327L1TPY
SUS304TPY
SUS304LTPY
SUS321TPY
SUS309STPY
SUS310STPY
SUS315J1TPY
SUS315J2TPY
SUS316TPY
SUS316LTPY
SUS317TPY
SUS317LTPY
SUS347TPY
SUS821L1TPY
SUS323LTPY
SUS329J1TPY
SUS329J3LTPY
SUS329J4LTPY
SUS327L1TPY
150
200
250
300
350
400
450
500
550
600
650
700
750
800
850
900
1 000
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28
30
32
34
36
40
165.2
216.3
267.4
318.5
355.6
406.4
457.2
508.0
558.8
609.6
660.4
711.2
762.0
812.8
863.6
914.4
1 016.0
2.8
2.8
3.4
4.0
4.0
4.5
4.5
5.0
5.0
5.5
5.5
5.5
6.5
−
−
−
−
11.3
14.9
22.4
31.3
35.0
45.1
50.7
62.6
69.0
82.8
89.7
96.7
122
−
−
−
−
11.4
15.0
22.5
31.5
35.3
45.3
51.1
63.1
69.4
83.3
90.3
97.3
123
−
−
−
−
11.1
14.6
22.0
30.8
34.5
44.3
49.9
61.6
67.8
81.4
88.2
95.1
120
−
−
−
−
3.4
4.0
4.0
4.5
5.0
5.0
5.0
5.5
5.5
6.5
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
9.5
13.7
21.2
26.2
35.2
43.7
50.0
56.3
68.8
75.8
97.7
130
140
150
160
171
181
238
13.8
21.3
26.4
35.4
43.9
50.3
56.7
69.3
76.3
98.3
131
141
151
161
172
182
240
13.5
20.8
25.8
34.6
42.9
49.2
55.4
67.7
74.6
96.0
128
138
148
158
168
178
234
5.0
6.5
6.5
6.5
8.0
8.0
8.0
9.5
9.5
9.5
12.7
12.7
12.7
12.7
12.7
12.7
14.3
20.0
34.0
42.2
50.5
69.3
79.4
89.5
118
130
142
205
221
237
253
269
285
357
20.1
34.2
42.5
50.8
69.7
79.9
90.1
119
131
143
206
222
239
255
271
287
359
19.6
33.4
41.5
49.7
68.1
78.1
88.0
116
128
140
202
217
233
249
265
281
351
7.1
8.2
9.3
10.3
11.1
12.7
14.3
15.1
15.9
17.5
−
−
−
−
−
−
−
28.0
42.5
59.8
79.1
95.3
125
158
185
215
258
−
−
−
−
−
−
−
28.1
42.8
60.2
79.6
95.9
125
159
187
216
260
−
−
−
−
−
−
−
27.5
41.8
58.8
77.8
93.7
122
155
182
211
254
−
−
−
−
−
−
−
注記1 この表のSch5S,Sch10S及びSch20Sと呼び厚さに“S”が表記されているのは,これらのスケジュール番号がASME/ANSI B36.19[1]から引用されたものであり,呼び厚さがASME/ANSI B36.10[2]から引用されているSch40と区別するためである。
注記2 単位質量は,表7によって求めたものである。
注a) 管の呼び方は,外径及び厚さによる。ただし,受渡当事者間の協定によって呼び径及び厚さを用いてもよい。この場合,呼び径はA又はBのいずれかを用い,Aによる場合にはA,Bによる場合にはBの符号を,それぞれの数字の後に付ける。
表7−管の単位質量の算出式
種類の記号
基本質量a)
g
算出式b)
SUS304TPY,SUS304LTPY,SUS321TPY
7.93
W=0.024 91 t (D−t)
SUS309STPY,SUS310STPY,SUS315J1TPY,SUS315J2TPY,
SUS316TPY,SUS316LTPY,SUS317TPY,SUS317LTPY,SUS347TPY
7.98
W=0.025 07 t (D−t)
SUS821L1TPY,SUS323LTPY,SUS329J1TPY,SUS329J3LTPY,
SUS329J4LTPY,SUS327L1TPY
7.80
W=0.024 50 t (D−t)
注a) 基本質量は,1 cm3の鋼の質量とする。
b) 算出式に用いる記号は,次による。
W:管の単位質量(kg/m),t:管の厚さ(mm),D:管の外径(mm)
それぞれの算出式の係数は,単位の変換係数である。
6
G 3468:2017
附属書JB(JISと対応国際規格との対比表)の(I)JISの規定の3種類及び記号の内容欄を,“オーステナ
イト系12種類及びオーステナイト・フェライト系6種類を規定している。”に置き換える。
附属書JBの(I)JISの規定の5化学成分の内容欄を,“オーステナイト系12種類及びオーステナイト・フ
ェライト系6種類の化学成分を規定している。”に置き換える。