G 3445:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 製造方法························································································································· 1
5 化学成分························································································································· 2
6 機械的性質 ······················································································································ 3
6.1 引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸び················································································ 3
6.2 へん平性 ······················································································································ 3
6.3 曲げ性 ························································································································· 3
7 寸法及び寸法許容差 ·········································································································· 6
7.1 寸法 ···························································································································· 6
7.2 寸法許容差 ··················································································································· 6
8 外観······························································································································· 7
9 試験······························································································································· 8
9.1 分析試験 ······················································································································ 8
9.2 機械試験 ······················································································································ 8
9.3 その他の試験 ··············································································································· 10
10 検査及び再検査 ············································································································· 10
10.1 検査 ·························································································································· 10
10.2 再検査 ······················································································································· 10
11 表示 ···························································································································· 10
12 報告 ···························································································································· 11
附属書A(参考)めっき鋼板及びめっき鋼帯を用いる場合のめっきの種類及びめっき付着量 ·············· 12
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3445:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年3月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3445:2010によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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機械構造用炭素鋼鋼管
Carbon steel tubes for machine structure
1
適用範囲
この規格は,機械器具,自動車,自転車,家具,器具,その他の機械部品に使用する炭素鋼鋼管(以下,
管という。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3314 溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3317 溶融亜鉛−5 %アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3321 溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
種類及び記号
管の種類は,22種類とし,その記号及び製造方法を表す記号は,表1による。
4
製造方法
製造方法は,次による。
a) 管は,表1に示す製管方法及び仕上方法の組合せによって製造する。ただし,必要な場合には,管に
適切な熱処理を施してもよい。
b) 管は,注文者の要求のある場合には,めっき鋼板及びめっき鋼帯を用いて製造してもよい。
なお,めっき鋼板又はめっき鋼帯を用いて管を製造する場合には,附属書Aに示すめっきの種類及
びめっき付着量を適用することが望ましい。
c) 管端形状は,特に指定のない場合はプレンエンドとする。
d) 管を電気抵抗溶接によって製造する場合,外面及び内面の溶接ビードは除去する。ただし,受渡当事
2
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者間の協定によって内面溶接ビードは除去しなくてもよい。
表1−種類の記号及び製造方法を表す記号
種類
種類の記号
製造方法を表す記号
製管方法
仕上方法
表示
11種
A
STKM11A
継目無し:S
電気抵抗溶接:E
鍛接:B
熱間仕上げ:H
冷間仕上げ:C
電気抵抗溶接まま:G
製造方法を表す記
号の表示は,箇条
11 b) による。
12種
A
STKM12A
B
STKM12B
C
STKM12C
13種
A
STKM13A
B
STKM13B
C
STKM13C
14種
A
STKM14A
継目無し:S
電気抵抗溶接:E
熱間仕上げ:H
冷間仕上げ:C
電気抵抗溶接まま:G
B
STKM14B
C
STKM14C
15種
A
STKM15A
C
STKM15C
16種
A
STKM16A
C
STKM16C
17種
A
STKM17A
C
STKM17C
18種
A
STKM18A
B
STKM18B
C
STKM18C
19種
A
STKM19A
C
STKM19C
20種
A
STKM20A
5
化学成分
管は,9.1によって試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。また,注文者の要求によって管の製品
分析を行う場合は,9.1によって試験を行い,製品分析値は表2に対して,継目無管はJIS G 0321の表3
[炭素鋼鋼材の製品分析の許容変動値(2)]による製品分析の許容変動値を,電気抵抗溶接管及び鍛接鋼
管はJIS G 0321の表2[炭素鋼鋼材の製品分析の許容変動値(1)]による製品分析の許容変動値を適用し
た値とする。
3
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表2−化学成分a)
単位 %
種類
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Nb又はV
11種
A
STKM11A
0.12以下
0.35以下
0.60以下
0.040以下
0.040以下
−
12種
A
STKM12A
0.20以下
0.35以下
0.60以下
0.040以下
0.040以下
−
B
STKM12B
C
STKM12C
13種
A
STKM13A
0.25以下
0.35以下
0.30〜0.90
0.040以下
0.040以下
−
B
STKM13B
C
STKM13C
14種
A
STKM14A
0.30以下
0.35以下
0.30〜1.00
0.040以下
0.040以下
−
B
STKM14B
C
STKM14C
15種b)
A
STKM15A
0.25〜0.35
0.35以下
0.30〜1.00
0.040以下
0.040以下
−
C
STKM15C
16種
A
STKM16A
0.35〜0.45
0.40以下
0.40〜1.00
0.040以下
0.040以下
−
C
STKM16C
17種
A
STKM17A
0.45〜0.55
0.40以下
0.40〜1.00
0.040以下
0.040以下
−
C
STKM17C
18種
A
STKM18A
0.18以下
0.55以下
1.50以下
0.040以下
0.040以下
−
B
STKM18B
C
STKM18C
19種
A
STKM19A
0.25以下
0.55以下
1.50以下
0.040以下
0.040以下
−
C
STKM19C
20種c)
A
STKM20A
0.25以下
0.55以下
1.60以下
0.040以下
0.040以下
0.15以下
注a) 必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
b) 15種の管は,電気抵抗溶接鋼管の場合,受渡当事者間の協定によって,Cの下限値を変更してもよい。
c) 20種の管は,Nb及びVを複合して添加してもよい。この場合,Nb+Vの含有率は0.15 %以下とする。
6
機械的性質
6.1
引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸び
管は,9.2.3によって試験を行い,引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸びは,表3による。ただし,厚さ
8 mm未満の管で5号試験片又は12号試験片を用いて引張試験を行う場合には,伸びは,管の厚さが8 mm
から1 mm減じるごとに表3の伸びの値から1.5を減じたものを,JIS Z 8401の規則Aによって整数値に
丸めた値とし,表4による。
6.2
へん平性
管は,9.2.4によって試験を行い,表3の平板間の距離(H)になるまで試験片に割れを生じてはならな
い。
注記 へん平性の試験の実施については,9.2.4を参照。
6.3
曲げ性
注文者は,外径50 mm以下の管に対し,へん平性に代えて曲げ性を指定してもよい。曲げ性は,9.2.5
によって試験を行い,表3の曲げ角度及び内側半径で曲げたとき,試験片に割れを生じてはならない。
4
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表3−機械的性質
種類
種類の記号
引張強さ
N/mm2
降伏点
又は
耐力
N/mm2
伸びa) b)
%
へん平性
曲げ性
11号試験
片
12号試験
片
5号試験片
4号試験片c)
平板間
の距離
(H)d)
曲げ
角度e)
内側
半径
管軸方向 管軸直角
方向
管軸方向 管軸直角
方向
11種 A STKM11A
290以上
−
35以上
30以上
33以上
28以上
D
2
1
180°
4 D
12種
A STKM12A
340以上 175以上
35以上
30以上
33以上
28以上
D
3
2
90°
6 D
B STKM12B
390以上 275以上
25以上
20以上
23以上
18以上
D
3
2
90°
6 D
C STKM12C
470以上 355以上
20以上
15以上
18以上
14以上
−
−
−
13種
A STKM13A
370以上 215以上
30以上
25以上
28以上
23以上
D
3
2
90°
6 D
B STKM13B
440以上 305以上
20以上
15以上
18以上
14以上
D
4
3
90°
6 D
C STKM13C
510以上 380以上
15以上
10以上
14以上
9以上
−
−
−
14種
A STKM14A
410以上 245以上
25以上
20以上
23以上
18以上
D
4
3
90°
6 D
B STKM14B
500以上 355以上
15以上
10以上
14以上
9以上
D
8
7
90°
8 D
C STKM14C
550以上 410以上
15以上
10以上
14以上
9以上
−
−
−
15種 A STKM15A
470以上 275以上
22以上
17以上
20以上
16以上
D
4
3
90°
6 D
C STKM15C
580以上 430以上
12以上
7以上
11以上
6以上
−
−
−
16種 A STKM16A
510以上 325以上
20以上
15以上
18以上
14以上
D
8
7
90°
8 D
C STKM16C
620以上 460以上
12以上
7以上
11以上
6以上
−
−
−
17種 A STKM17A
550以上 345以上
20以上
15以上
18以上
14以上
D
8
7
90°
8 D
C STKM17C
650以上 480以上
10以上
5以上
9以上
4以上
−
−
−
18種
A STKM18A
440以上 275以上
25以上
20以上
23以上
18以上
D
8
7
90°
6 D
B STKM18B
490以上 315以上
23以上
18以上
21以上
17以上
D
8
7
90°
8 D
C STKM18C
510以上 380以上
15以上
10以上
14以上
9以上
−
−
−
19種 A STKM19A
490以上 315以上
23以上
18以上
21以上
17以上
D
8
7
90°
6 D
C STKM19C
550以上 410以上
15以上
10以上
14以上
9以上
−
−
−
20種 A STKM20A
540以上 390以上
23以上
18以上
21以上
17以上
D
8
7
90°
6 D
5
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表3−機械的性質(続き)
注記1 この表のDは管の外径を表す。
注記2 1 N/mm2=1 MPa
注a) 外径40 mm以下の管については,伸びは規定しないが,試験の結果は記録する。ただし,受渡当事者間の協
定によって,伸びを規定してもよい。
b) 冷間仕上げ後,熱処理を実施しない管については,伸びは規定しないが,試験の結果は記録する。ただし,
受渡当事者間の協定によって,伸びを規定してもよい。
c) 引張方向は管軸方向とする。ただし,管軸直角方向から試験片を採取できる場合は,管軸方向に代えて管軸
直角方向としてもよい。
d) へん平試験における平板間の距離(H)の最小値は,厚さの5倍とする。
e) 曲げ角度は,曲げ開始位置を基準とする。
表4−厚さ8 mm未満の管の5号試験片(管軸直角方向)及び12号試験片(管軸方向)の場合の伸び
単位 %
種類
種類の記号
試験片
厚さ
1 mm
以下
1 mm
を超え
2 mm
以下
2 mm
を超え
3 mm
以下
3 mm
を超え
4 mm
以下
4 mm
を超え
5 mm
以下
5 mm
を超え
6 mm
以下
6 mm
を超え
7 mm
以下
7 mm
を超え
8 mm
未満
11種 A
STKM11A
5号試験片 20以上 21以上 22以上 24以上 26以上 27以上 28以上 30以上
12号試験片 24以上 26以上 28以上 29以上 30以上 32以上 34以上 35以上
12種
A
STKM12A
5号試験片 20以上 21以上 22以上 24以上 26以上 27以上 28以上 30以上
12号試験片 24以上 26以上 28以上 29以上 30以上 32以上 34以上 35以上
B
STKM12B
5号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
12号試験片 14以上 16以上 18以上 19以上 20以上 22以上 24以上 25以上
C
STKM12C
5号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
12号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
13種
A
STKM13A
5号試験片 14以上 16以上 18以上 19以上 20以上 22以上 24以上 25以上
12号試験片 20以上 21以上 22以上 24以上 26以上 27以上 28以上 30以上
B
STKM13B
5号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
12号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
C
STKM13C
5号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
12号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
14種
A
STKM14A
5号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
12号試験片 14以上 16以上 18以上 19以上 20以上 22以上 24以上 25以上
B
STKM14B
5号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
12号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
C
STKM14C
5号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
12号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
15種
A
STKM15A
5号試験片 6以上 8以上 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上
12号試験片 12以上 13以上 14以上 16以上 18以上 19以上 20以上 22以上
C
STKM15C
5号試験片
−
−
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上
12号試験片 2以上 3以上 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上
16種
A
STKM16A
5号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
12号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
C
STKM16C
5号試験片
−
−
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上
12号試験片 2以上 3以上 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上
17種
A
STKM17A
5号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
12号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
C
STKM17C
5号試験片
−
−
−
−
−
2以上 4以上 5以上
12号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
6
G 3445:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4−厚さ8 mm未満の管の5号試験片(管軸直角方向)及び12号試験片(管軸方向)の場合の伸び
(続き)
単位 %
種類
種類の記号
試験片
厚さ
1 mm
以下
1 mm
を超え
2 mm
以下
2 mm
を超え
3 mm
以下
3 mm
を超え
4 mm
以下
4 mm
を超え
5 mm
以下
5 mm
を超え
6 mm
以下
6 mm
を超え
7 mm
以下
7 mm
を超え
8 mm
未満
18種
A
STKM18A
5号試験片 10以上 11以上 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上
12号試験片 14以上 16以上 18以上 19以上 20以上 22以上 24以上 25以上
B
STKM18B
5号試験片 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上 16以上 18以上
12号試験片 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上 22以上 23以上
C
STKM18C
5号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
12号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
19種
A
STKM19A
5号試験片 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上 16以上 18以上
12号試験片 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上 22以上 23以上
C
STKM19C
5号試験片
−
1以上 2以上 4以上 6以上 7以上 8以上 10以上
12号試験片 4以上 6以上 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上
20種 A
STKM20A
5号試験片 8以上 9以上 10以上 12以上 14以上 15以上 16以上 18以上
12号試験片 12以上 14以上 16以上 17以上 18以上 20以上 22以上 23以上
7
寸法及び寸法許容差
7.1
寸法
寸法は,受渡当事者間の協定による。
7.2
寸法許容差
寸法許容差は,次による。
a) 管の外径及び厚さの許容差は,それぞれ表5及び表6による。ただし,熱間仕上継目無鋼管は,表5
及び表6の区分の1号を適用し,その他の管の場合,いずれの区分を適用するかは受渡当事者間の協
定による。
めっき鋼板又はめっき鋼帯を用いて管を製造する場合の外径及び厚さの許容差は,めっき層を含め
た実測外径及び実測厚さに適用し,表5及び表6による。ただし,寸法許容差の下限値は,相当めっ
き厚さ又は実測めっき厚さを減じた外径又は厚さに対して表5及び表6の許容差を適用する。
なお,相当めっき厚さは,溶融亜鉛めっきの場合はJIS G 3302,電気亜鉛めっきの場合はJIS G 3313,
溶融アルミニウムめっきの場合はJIS G 3314,溶融亜鉛−5 %アルミニウム合金めっきの場合はJIS G
3317,及び溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっきの場合はJIS G 3321を適用する。
b) 管の長さの許容差は,
0
50
+ mmとする。ただし,これ以外の許容差を必要とする場合,その許容差は,
受渡当事者間の協定による。
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表5−外径の許容差a)
区分
外径
mm
外径の許容差
1号
50未満
±0.5 mm
50以上
±1.0 %
2号
50未満
±0.25 mm
50以上
±0.50 %
3号
25未満
±0.12 mm
25以上
40未満
±0.15 mm
40以上
50未満
±0.18 mm
50以上
60未満
±0.20 mm
60以上
70未満
±0.23 mm
70以上
80未満
±0.25 mm
80以上
90未満
±0.30 mm
90以上
100未満
±0.40 mm
100以上
±0.50 %
注a) 局部的な手入れ部には,外径の許容差を適用しない。
表6−厚さの許容差
区分
厚さ
mm
厚さの許容差
1号
4未満
+0.6 mm
−0.5 mm
4以上
+15 %
−12.5 %
2号
3未満
±0.3 mm
3以上
±10 %
3号
2未満
±0.15 mm
2以上
±8 %
c) 管の溶接部の厚さの許容差は,次のいずれかによる。
1) 溶接部の厚さの許容差は,管(母材部)と同じ厚さの許容差を適用する。ただし,受渡当事者間の
協定によって,溶接部と母材部とは異なる厚さの許容差の区分を適用してもよい。
2) 受渡当事者間の協定によって内面溶接ビードを除去しない場合には,溶接部の厚さの上限は表7を
適用する。
表7−溶接部の厚さの上限(内面溶接ビードを除去しない場合)
母材部の厚さ
厚さの上限
2.38 mm以下
母材厚さの2倍
2.38 mm超え
母材厚さ+2.38 mm
8
外観
外観は,次による。
a) 管は,実用的に真っすぐ,かつ,その両端が管軸に対し実用的に直角でなければならない。
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b) 管の内外面は,仕上げが良好で,使用上有害な欠点があってはならない。
c) 表面手入れを実施する場合は,グラインダ,機械加工などによってもよい。ただし,手入れ後の厚さ
は,厚さの許容差内でなければならない。
d) 手入れ跡は,管の形状に滑らかに沿わなければならない。
e) 管の表面仕上げ及びめっきについて,特に要求のある場合は,受渡当事者間の協定による。
9
試験
9.1
分析試験
9.1.1
分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方
分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。注文者
が製品分析を要求した場合の製品分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(分析用試料採取方法)に
よる。
9.1.2
分析方法
溶鋼分析の方法は,JIS G 0320による。製品分析の方法は,JIS G 0321による。
9.2
機械試験
9.2.1
機械試験の一般事項
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,JIS
G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のうち,機械試験に供される供試材の採り方は,A類とする。
なお,めっき鋼板又はめっき鋼帯を用いて管を製造する場合の機械試験は,めっきを付けた状態で試験
を行う。
9.2.2
供試材の採り方及び試験片の数
供試材の採り方及び試験片の数は,表8による。
表8−供試材の採り方及び試験片の数
外径
供試材の採り方
試験片の数
65 mm以下
同一寸法a) 及び同時熱処理b) c) の管2 000
mごと,及びその端数からそれぞれ一つの
供試材を採取する。
供試材から試験片を採取する
個数は次による。ただし,適
用する試験片は,9.2.3,9.2.4
及び9.2.5による。
引張試験片:1個
へん平試験片:1個
曲げ試験片:1個
65 mmを超え
100 mm以下
同一寸法a) 及び同時熱処理b) c) の管1 000
mごと,及びその端数からそれぞれ一つの
供試材を採取する。
100 mmを超え
200 mm以下
同一寸法a) 及び同時熱処理b) c) の管500 m
ごと,及びその端数からそれぞれ一つの供
試材を採取する。
200 mmを超え
同一寸法a) 及び同時熱処理b) c) の管250 m
ごと,及びその端数からそれぞれ一つの供
試材を採取する。
注a) 同一寸法とは,同一外径及び同一厚さをいう。
b) 管に熱処理を行った場合に適用する。また,連続炉を用いる場合の同時熱処理とは,同一熱
処理条件での連続した熱処理をいい,連続炉を停止した場合は,同時熱処理に含まない。
c) 試験の対象とする同一寸法の管が全て同一溶鋼である場合には,同時熱処理に代えて,同一
熱処理条件としてもよい。
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9.2.3
引張試験
引張試験は,次による。
a) 試験片 試験片は,JIS Z 2241の11号,12号(12A号,12B号又は12C号),4号又は5号試験片の
いずれかとする。ただし,4号試験片は,径14 mm(標点距離50 mm)とする。電気抵抗溶接鋼管及
び鍛接鋼管から引張試験片を採取する場合,12号試験片又は5号試験片は,溶接部を含まない部分か
ら採取する。
なお,めっき鋼板又はめっき鋼帯を用いて管を製造する場合の降伏点又は耐力,及び引張強さの算
出に用いる厚さは,次のいずれかによる。
− めっき層除去後の実測厚さ
− めっき層を含めた実測厚さから,相当めっき厚さを減じたもの
− めっき層を含めた実測厚さから,実測しためっき付着量の換算めっき厚さを減じたもの
b) 試験方法 試験方法は,JIS Z 2241による。
9.2.4
へん平試験
へん平試験は,次による。
なお,継目無鋼管のへん平試験は,特に注文者の指定がない限り,省略してもよい1)。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,へん平性は規定を満足しなければならな
いことを意味する。
a) 試験片 試験片の長さは,50 mm以上とする。ただし,厚さが外径の15 %以上の管では,環状試験片
の円周の一部を取り除いたC形試験片としてもよい。
b) 試験方法 試験片を常温のまま2枚の平板間に挟み,平板間の距離(H)が表3の値以下になるまで
圧縮し,へん平にしたとき,試験片に割れが生じたかどうかを調べる。ただし,電気抵抗溶接鋼管及
び鍛接鋼管の場合は,溶接部を図1のように,管の中心と溶接部とを結ぶ線が圧縮方向に対し直角に
なるように置く。また,C形試験片は図2のように置く。
図1−へん平試験
(環状試験片の場合)
図2−へん平試験
(C形試験片の場合)
9.2.5
曲げ試験
曲げ試験は,次による。
a) 試験片 供試材の端から適切な長さを採取し,試験片とする。
b) 試験方法 試験片を常温において,表3による曲げ角度以上及び内側半径以下で,円筒の周りで曲げ
たとき,試験片に割れが生じたかどうかを調べる。この場合,電気抵抗溶接鋼管及び鍛接鋼管につい
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ては,溶接部を曲げの最外部から90°に置く。
9.3
その他の試験
注文者は,水圧試験,溶接部の非破壊試験などを指定してもよい。この場合,試験項目,試料の採り方,
試験方法及び合否判定基準は,あらかじめ受渡当事者間で協定しなければならない。
10
検査及び再検査
10.1
検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条6に適合しなければならない。
d) 寸法は,箇条7に適合しなければならない。
e) 外観は,箇条8に適合しなければならない。
f)
その他の検査。9.3に規定する試験のいずれかを実施した場合は,受渡当事者間の協定によって合意し
た合否判定基準に適合しなければならない。
10.2
再検査
機械試験で合格とならなかった管は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験を行い,合否を決定し
てもよい。
11
表示
検査に合格した管は,管ごとに,次の事項を表示しなければならない。ただし,外径の小さい管及び注
文者の要求のある場合には,これを結束して一束ごとに適正な方法で表示してもよい。表示の順序は,指
定しない。また,受渡当事者間の協定によって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号
b) 製造方法を表す記号 製造方法を表す記号は,次による。ただし,−は空白でもよい。
1) 熱間仕上継目無鋼管
:−S−H
2) 冷間仕上継目無鋼管
:−S−C
3) 電気抵抗溶接まま鋼管
:−E−G
4) 熱間仕上電気抵抗溶接鋼管
:−E−H
5) 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管
:−E−C
6) 鍛接鋼管
:−B
c) 寸法。寸法は,外径及び厚さを表示する。
d) 製造業者名又はその略号
e) めっきの種類を表す記号(めっき鋼板及び鋼帯を用いた場合)。記号は,受渡当事者間の協定による。
f)
溶接部と母材とで異なる厚さの許容差を適用したことを表す記号W(受渡当事者間の協定によって適
用した場合)。
例 めっき鋼板を用いた電気抵抗溶接ままの鋼管に,受渡当事者間の協定によって溶接部と母材と
で異なる厚さの許容差を適用した場合。ただし,Wの前の−は空白でもよい。
STKM11A−E−G−(めっきの種類を表す記号:PZ)−W
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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報告
製造業者は,特に指定のない限り,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404
の箇条13(報告)による。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類はJIS G 0415の5.1(検
査証明書3.1)とする。
なお,ニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo),バナジウム(V),銅(Cu)及び/又はほう素
[ボロン(B)]を意図的に添加した場合は,添加した元素の含有率を検査文書に付記する。
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附属書A
(参考)
めっき鋼板及びめっき鋼帯を用いる場合のめっきの種類及び
めっき付着量
A.1 めっきの種類及びめっき付着量
めっきの種類及びめっき付着量は,次による。
a) 溶融亜鉛めっき,電気亜鉛めっき,溶融アルミニウムめっき,溶融亜鉛−5 %アルミニウム合金めっ
き,及び溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっきの5種類とする。等厚めっきを用いる場合のめっき
付着量は,JIS G 3302,JIS G 3313,JIS G 3314,JIS G 3317及びJIS G 3321による。
b) 溶融亜鉛めっき及び溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっきによるめっきの場合には,めっき鋼板及
びめっき鋼帯の表裏面で異なる付着量(差厚めっき)としてもよい。この場合,次の条件を満たすこ
とが望ましい。
1) 管の外面のめっきの最小の付着量は,溶融亜鉛めっきの場合,3点平均最小付着量1) は30 g/m2以上,
及び1点最小付着量1) は26 g/m2以上とする。また,溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっきの場
合,3点平均最小付着量は35 g/m2以上,及び1点最小付着量は30 g/m2以上とする。
注1) JIS G 3302の5.2.2(めっきの付着量)を参照。
2) 管の内面のめっきの最小の付着量は,溶融亜鉛めっき及び溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっき
のいずれの場合においても,3点平均最小付着量は30 g/m2以上,及び1点最小付着量は26 g/m2以
上とする。
c) その他のめっき。受渡当事者間の協定によって,めっきの種類は,a) 以外の溶融めっき又は電気めっ
きとしてもよい。この場合,次の条件を満たすことが望ましい。
1) 溶融めっきの付着量は,めっきの両面合計の最小付着量を3点平均最小付着量は60 g/m2以上及び1
点最小付着量は51 g/m2以上とする。
2) 電気めっきの付着量は,めっきの片面の最小付着量を,等厚めっきは8.5 g/m2以上,差厚めっきは
8 g/m2以上とする。