G 3443-1:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類及び記号 ··················································································································· 2
5 製造方法························································································································· 2
5.1 原管 ···························································································································· 2
5.2 塗覆装及びその方法 ······································································································· 3
6 化学成分························································································································· 3
7 機械的性質 ······················································································································ 3
7.1 引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸び················································································ 3
7.2 へん(扁)平性 ············································································································· 4
7.3 溶接部の引張強さ ·········································································································· 4
8 非破壊試験特性又は水圧試験特性 ························································································ 4
9 寸法,質量及び寸法許容差 ································································································· 5
9.1 寸法及び質量 ················································································································ 5
9.2 寸法許容差 ··················································································································· 7
10 外観 ····························································································································· 7
11 試験 ····························································································································· 7
11.1 分析試験 ····················································································································· 7
11.2 機械試験 ····················································································································· 8
11.3 非破壊試験又は水圧試験 ································································································ 9
12 検査及び再検査 ·············································································································· 9
12.1 検査 ··························································································································· 9
12.2 再検査 ······················································································································· 10
13 表示 ···························································································································· 10
13.1 管の表示 ···················································································································· 10
13.2 塗覆装の種類の記号の表示 ···························································································· 10
13.3 寸法の表示 ················································································································· 10
14 報告 ···························································································································· 10
G 3443-1:2014
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本水道鋼管協会
(WSP)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3443-1:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成27年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS G 3443-1:2007によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS G 3443の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 3443-1 第1部:直管
JIS G 3443-2 第2部:異形管
JIS G 3443-3 第3部:長寿命形外面プラスチック被覆
JIS G 3443-4 第4部:内面エポキシ樹脂塗装
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 3443-1:2014
水輸送用塗覆装鋼管−第1部:直管
Coated steel pipes for water service-Part 1: Pipes
1
適用範囲
この規格は,主に上水道,下水道,工業用水道及び農業用水路に使用する塗覆装鋼管の直管(以下,管
という。)について規定する。この規格は,通常,呼び径80 A(外径89.1 mm)〜呼び径3 000 A(外径3 048.0
mm)の管に適用する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0202 鉄鋼用語(試験)
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0582 鋼管の自動超音波探傷検査方法
JIS G 0583 鋼管の自動渦電流探傷検査方法
JIS G 0584 アーク溶接鋼管の超音波探傷検査方法
JIS G 3443-3 水輸送用塗覆装鋼管−第3部:長寿命形外面プラスチック被覆
JIS G 3443-4 水輸送用塗覆装鋼管−第4部:内面エポキシ樹脂塗装
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 3104 鋼溶接継手の放射線透過試験方法
JIS Z 3121 突合せ溶接継手の引張試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0202によるほか,次による。
3.1
塗覆装鋼管
外面に長寿命形プラスチック被覆,内面にエポキシ樹脂塗装などを施した鋼管。
3.2
原管
被覆又は塗装を施す前の鋼管。
2
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4
種類及び記号
管の種類は,3種類とし,その記号は,表1による。
表1−種類の記号
種類の記号
STW290
STW370
STW400
5
製造方法
5.1
原管
原管の製造方法は,次による。
a) 原管は,鋼帯又は鋼板を用いて表2の方法によって製造する。
表2−製造方法
種類の記号
製造方法
STW290
鍛接又は電気抵抗溶接
STW370
電気抵抗溶接
STW400
電気抵抗溶接,又は突合せ内外面自動サブマージア
ーク溶接(以下,アーク溶接という。)
b) 原管は,製造のままとし,通常,熱処理は行わない。
c) 原管の両端は,プレンエンド又は突合せ溶接継手に適する形状とする。
d) 突合せ溶接継手のための原管端部の開先形状は,特に指定のない限り,図1による。ただし,これ以
外の開先形状を必要とするときは,受渡当事者間の協定による。
単位 mm
図1−開先形状
注a) Aは呼び径を表す符号
[呼び径800 Aa)未満]
3
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
塗覆装及びその方法
塗覆装及びその方法は,次による。ただし,これ以外の塗覆装を必要とするときは,受渡当事者間の協
定によるほか,管の用途に上水道が含まれている場合1)の内面塗装は,人の飲用に適する水の供給に使用
できるものでなくてはならない。
a) 外面は,JIS G 3443-3による。
b) 内面は,JIS G 3443-4による。
注1) 水源からの導水管など,多目的用途に使用される管路で,上水道が用途に含まれている場合を
指す。
6
化学成分
原管は,11.1の試験を行い,その溶鋼分析による化学成分の値は,表3による。ただし,必要に応じて
表3以外の合金元素を添加してもよい。
表3−化学成分
単位 %
種類の記号
化学成分
C
P
S
STW290
−
0.040以下
0.040以下
STW370
0.25以下
0.040以下
0.040以下
STW400
0.25以下
0.040以下
0.040以下
7
機械的性質
7.1
引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸び
原管は,11.2.3の試験を行い,その引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸びは,表4による。ただし,厚
さ8 mm未満の原管で,JIS Z 2241に規定する12B号,12C号又は5号試験片を用いて引張試験を行う場
合の伸びの最小値は,表5による。
表4−引張強さ,降伏点又は耐力,及び伸び
種類の記号
引張強さ
N/mm2
降伏点又
は耐力
N/mm2
伸び %
11号試験片
12B号試験片a)
12C号試験片a)
1A号試験片
5号試験片a)
管軸方向
管軸直角方向
STW290
290以上
−
30以上
25以上
STW370
370以上
215以上
30以上
25以上
STW400
400以上
225以上
−
18以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 12B号,12C号及び5号試験片の,厚さ8 mm未満の場合の伸びは表5
による。
4
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5−厚さ8 mm未満の場合の伸び(12B号,12C号及び5号試験片)
種類の記号
厚さ
mm
伸び %
12B号試験片
12C号試験片
5号試験片
管軸方向
管軸直角方向
STW290
STW370
4を超え5以下
26以上
20以上
5を超え6以下
27以上
22以上
6を超え7以下
28以上
24以上
7を超え8未満
30以上
25以上
STW400
5を超え6以下
−
15以上
6を超え7以下
−
16以上
7を超え8未満
−
18以上
注記 伸びの最小値は,厚さ 8 mmから1 mmを減じるごとに表4の伸び
の値から1.5を減じたものを,JIS Z 8401の規則Aによって整数値
に丸めた値である。
7.2
へん(扁)平性
鍛接又は電気抵抗溶接によって製造する原管は,11.2.4の試験を行い,試験片に割れを生じてはならな
い。
7.3
溶接部の引張強さ
アーク溶接によって製造する原管の溶接部の引張強さは,11.2.3の試験を行い,その値は,表4による。
ただし,拡管成形する原管は,受渡当事者間の協定によって溶接部引張試験を省略してもよい。
8
非破壊試験特性又は水圧試験特性
原管は,非破壊試験又は水圧試験のいずれかを11.3のa)又はb)によって行い,その非破壊試験特性又は
水圧試験特性は,それぞれ次のa)又はb)による。ただし,次のa)又はb)のいずれの特性を採用するかは,
注文者の指定による。指定のない場合は,製造業者の選択による。
a) 非破壊試験特性 非破壊試験特性は,次による。
1) STW290は,JIS G 0582による自動超音波探傷試験又はJIS G 0583による自動渦電流探傷試験のい
ずれかの非破壊試験を行い,その特性は,次のいずれかによる。
1.1) JIS G 0582に規定する許容レベルU5若しくは区分UE,又はこれより厳しい許容レベル及び区分
の対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号があってはならない。
1.2) JIS G 0583に規定する許容レベルE4H若しくは区分EZ,又はこれより厳しい許容レベル及び区分
の対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号があってはならない。
2) STW370及び電気抵抗溶接によって製造したSTW400は,JIS G 0582による自動超音波探傷試験又
はJIS G 0583による自動渦電流探傷試験のいずれかの非破壊試験を行い,その特性は,次のいずれ
かによる。
2.1) JIS G 0582に規定する許容レベルU4若しくは区分UD,又はこれより厳しい許容レベル及び区分
の対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号があってはならない。
2.2) JIS G 0583に規定する許容レベルE4H若しくは区分EY,又はこれより厳しい許容レベル及び区
分の対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号があってはならない。
3) アーク溶接によって製造したSTW400は,JIS G 0584による超音波探傷試験又はJIS Z 3104による
5
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
放射線透過試験を行い,その特性は,次のいずれかによる。
3.1) JIS G 0584に規定する探傷感度区分UY又はこれより厳しい感度区分の対比試験片の人工きずか
らの信号と同等以上の信号があってはならない。
3.2) きずの種類が,JIS Z 3104に規定するきずの種別の第1種及び第2種の1類〜3類のいずれかに合
致する。
b) 水圧試験特性 原管は,表6に示す水圧試験下限圧力に耐え,漏れがあってはならない。
表6−水圧試験下限圧力
単位 MPa
種類の記号
水圧試験下限圧力
STW290
2.5
STW370
3.5
STW400 a)
A種
2.5
B種
2.0
注a) STW400のA種及びB種は,厚さ
によって区分し,表7による。
9
寸法,質量及び寸法許容差
9.1
寸法及び質量
原管の寸法及び質量は,次による。
a) 原管の外径,厚さ及び質量(参考値)は,表7による。表7以外の厚さを必要とするときは,受渡当
事者間の協定による。
6
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表7−外径,厚さ及び質量
呼び径
外径
mm
種類の記号
STW 290
STW 370
STW 400
A種
B種
厚さ
mm
質量a)
kg/m
厚さ
mm
質量a)
kg/m
厚さ
mm
質量a)
kg/m
厚さ
mm
質量a)
kg/m
80 A
100 A
125 A
150 A
200 A
250 A
300 A
350 A
400 A
450 A
500 A
600 A
700 A
800 A
900 A
1 000 A
1 100 A
1 200 A
1 350 A
1 500 A
1 600 A
1 650 A
1 800 A
1 900 A
2 000 A
2 100 A
2 200 A
2 300 A
2 400 A
2 500 A
2 600 A
2 700 A
2 800 A
2 900 A
3 000 A
89.1
114.3
139.8
165.2
216.3
267.4
318.5
355.6
406.4
457.2
508.0
609.6
711.2
812.8
914.4
1 016.0
1 117.6
1 219.2
1 371.6
1 524.0
1 625.6
1 676.4
1 828.8
1 930.4
2 032.0
2 133.6
2 235.2
2 336.8
2 438.4
2 540.0
2 641.6
2 743.2
2 844.8
2 946.4
3 048.0
4.2
4.5
4.5
5.0
5.8
6.6
6.9
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
8.79
12.2
15.0
19.8
30.1
42.4
53.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
4.5
4.9
5.1
5.5
6.4
6.4
6.4
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
9.39
13.2
16.9
21.7
33.1
41.2
49.3
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
6.0
6.0
6.0
6.0
6.0
7.0
8.0
8.0
9.0
10.0
11.0
12.0
14.0
15.0
15.0
16.0
17.0
18.0
19.0
20.0
21.0
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
29.0
−
−
−
−
−
−
−
51.7
59.2
66.8
74.3
89.3
122
159
179
223
273
328
402
521
596
615
715
802
894
991
1 093
1 199
1 311
1 428
1 549
1 676
1 807
1 944
2 159
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
6.0
7.0
7.0
8.0
8.0
9.0
10.0
11.0
12.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
16.0
17.0
18.0
18.0
19.0
20.0
21.0
21.0
22.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
104
139
157
199
219
269
336
410
477
493
582
662
746
836
876
973
1 074
1 119
1 229
1 343
1 462
1 515
1 642
注a) 質量の数値は,1 cm3の鋼を7.85 gとし,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規則Aによ
って有効数字3桁に丸めた参考値を示している。ただし,1 000 kg/mを超えるものは,kg
単位の整数値に丸めている。
W=0.024 66 t(D−t)
ここに,W:原管の質量(kg/m)
t:原管の厚さ(mm)
D:原管の外径(mm)
0.024 66:Wを求めるための単位の変換係数
7
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 原管の長さは,表8による。表8以外の長さを必要とするときは,受渡当事者間の協定による。
表8−長さ
単位 mm
呼び径
長さ
80A 〜300A
5 500
350A 〜2 500 A
6 000
2 600A 〜3 000 A
4 000
9.2
寸法許容差
原管の外径,厚さ及び長さの許容差は,表9による。
表9−外径,厚さ及び長さの許容差
条件
許容差
外径
呼び径
80 A以上
200 A未満
±1 %
呼び径 200 A以上
600 A未満a)
±0.8 %
呼び径 600 A以上b)
±0.5 %
厚さ
呼び径 350 A未満
厚さ4.2 mm以上
+15 % −12.5 %
呼び径 350 A以上
厚さ7.5 mm未満
+15 % − 0.6 mm
厚さ7.5 mm以上 12.5 mm未満 +15 % − 8 %
厚さ12.5 mm以上
+15 % − 1.0 mm
長さ
全ての原管
+制限しない。 0
注a) 呼び径350 A以上600 A未満の原管の外径許容差は,周長測定によってもよい。この場合
の許容差は,±0.5 %とする。また,この場合の外径の許容差の判定は,周長実測値又は周
長実測値からの換算外径のいずれによってもよい。ただし,外径と周長との相互換算は,
次の式による。
D=l/π
ここに,D:外径(mm)
l:周長(mm)
π=3.141 6
b)
呼び径600 A以上の原管の外径許容差は,周長測定による。外径許容差の判定は,周長実
測値又は周長実測値からの換算外径のいずれによってもよい。ただし,外径(D)及び周長(l)
の相互換算は,注a)の式による。
10 外観
原管は,実用的に,まっすぐ,かつ,その両端が管軸に対して直角でなければならない。また,内外面
は,仕上げ良好で,使用する上で有害な欠点があってはならない。
11 試験
11.1 分析試験
11.1.1 分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方
分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)及び
JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。
11.1.2 分析方法
8
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
分析方法は,JIS G 0320による。
11.2 機械試験
11.2.1 機械試験の一般事項
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。
11.2.2 供試材の採り方及び試験片の数
供試材の採り方及び試験片の数は,次による。
a) 鍛接又は電気抵抗溶接によって製造する原管の引張試験及びへん平試験は,表10によって供試材を採
取し,それぞれの供試材から各試験片1個を採取する。
表10−供試材の採り方
区分
供試材の採り方
呼び径 80 A以上 125 A以下
同一寸法a)の原管1 000本ごと及びその端数に一つ
呼び径 150 A以上 300 A以下
同一寸法a)の原管500本ごと及びその端数に一つ
呼び径 350 A以上
同一寸法a)の原管300本ごと及びその端数に一つ
注a) 同一寸法とは,外径及び厚さが同一のものをいう。
b) アーク溶接によって製造する原管の引張試験及び溶接部引張試験の供試材の採り方及び試験片の数は,
それぞれ表11及び表12による。
表11−供試材の採り方及び試験片の数(引張試験)
原管から採る場合
鋼帯から採る場合
鋼板から採る場合
同一寸法a)の原管1 200 mご
と及びその端数から1本の
供試材を採取し,それぞれか
ら試験片1個を採取する。
同一溶鋼b)に属し,同一厚さ
のものを一括して任意の鋼
帯から試験片1個を採取す
る。ただし,一括した質量が
50 tを超えるときには,その
うちの任意の二つの鋼帯か
ら,それぞれ試験片1個を採
取する。
同一溶鋼b)に属し,最大厚さ
が最小厚さの2倍以内のも
のを一括して任意の鋼板か
ら試験片1個を採取する。た
だし,一括した質量が50 t
を超えるときは,そのうちの
任意の二つの鋼板から,それ
ぞれ試験片1個を採取する。
注a) 同一寸法とは,外径及び厚さが同一のものをいう。
b) 同一溶鋼とは,同時かつ同一の生産工程を経た溶鋼をいう。
表12−供試材の採り方及び試験片の数(溶接部引張試験)
原管から採る場合
管体と同一条件で溶接された管端の供試材から採る場合
同一寸法a)の原管1 200 mごと及びその端数
から1本の供試材を採取し,それぞれから溶
接部引張試験片1個を採取する。
同一寸法a)の原管1 200 m相当量ごと及びその端数から1
個の供試材を採取し,それぞれから溶接部引張試験片1個
を採取する。
注a) 同一寸法とは,外径及び厚さが同一のものをいう。
11.2.3 引張試験
引張試験は,次による。
a) 試験片 試験片は,次による。
1) 鍛接又は電気抵抗溶接によって製造する原管の引張試験片は,JIS Z 2241に規定する11号,12B号,
9
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
12C号又は5号のいずれかとする。12B号試験片,12C号試験片又は5号試験片は,溶接部を含ま
ない部分から採取する。
2) アーク溶接によって製造する原管の引張試験片は,JIS Z 2241に規定する5号又は1A号のいずれ
かとする。
なお,試験片は,拡管成形するものは拡管成形後の原管から,拡管成形しないものは原管又は使
用する鋼帯若しくは鋼板から採取し,原管から採取する試験片は,原管の管軸直角方向から溶接部
を含まないように切り取って平たくする。
3) アーク溶接によって製造する原管の溶接部引張試験片は,JIS Z 3121に規定する1号とする。採取
方法は,原管から又は原管と同一条件で溶接された管端の供試材から採取し,平たくする。
b) 試験方法 試験方法は,JIS Z 2241による。ただし,溶接部引張試験は,引張強さだけを調べる。
11.2.4 へん平試験
鍛接又は電気抵抗溶接によって製造する原管のへん平試験は,次による。
a) 試験片 供試材の端から長さ50 mm以上を切り取り,試験片とする。
b) 試験方法 試験片を常温のまま2枚の平板間にはさみ,平板間の距離が外径の2/3の値以下になるま
で圧縮してへん平にしたとき,試験片に割れが生じたかどうかを調べる。この場合,溶接部は,図2
のように,原管の中心と溶接部とを結ぶ線が圧縮方向に対して直角になるように置く。
D:外径
図2−へん平試験
11.3 非破壊試験又は水圧試験
試験方法は,次のいずれかによる。
なお,試験の頻度は,超音波探傷試験,渦電流探傷試験及び水圧試験は,原管1本ごとに行い,放射線
透過試験は,受渡当事者間の協定によって定める。
a) 非破壊試験 JIS G 0582,JIS G 0583,JIS G 0584又はJIS Z 3104のいずれかによる。
b) 水圧試験 原管に表6に規定する水圧試験下限圧力以上の圧力を加えて5秒間以上保持したとき,こ
れに耐え,漏れが生じたかどうかを調べる。
12 検査及び再検査
12.1 検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
D
2 3
10
G 3443-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 化学成分は,箇条6の規定に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条7の規定に適合しなければならない。
d) 非破壊試験特性又は水圧試験特性は,箇条8の規定に適合しなければならない。
e) 寸法,質量及び寸法許容差は,箇条9の規定に適合しなければならない。
f)
外観は,箇条10の規定に適合しなければならない。
g) 管の塗覆装の検査は,JIS G 3443-3の箇条9(検査)及びJIS G 3443-4の箇条9(検査)による。
12.2 再検査
機械試験で合格とならなかった原管は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験を行い,箇条7の規
定に適合するか否かによって合否を決定してもよい。
13 表示
13.1 管の表示
検査に合格した管は,管ごとに次の事項を表示しなければならない。表示の順序は,指定しない。また,
注文者の承認を得た場合には,製品識別が可能な範囲で次の項目の中の一部の表示を省略してもよい。
a) 製造業者名又はその略号
b) 種類の記号
c) 塗覆装の種類の記号(13.2 参照)
d) 寸法(13.3 参照)
e) 管番号
f)
製造年月又はその略号
13.2 塗覆装の種類の記号の表示
塗覆装の種類の記号を表示する場合は,JIS G 3443-3及びJIS G 3443-4による(例参照)。
例 外 JISPU - I 2.0 内 JISLE 0.3
13.3 寸法の表示
寸法を表示する場合は,次の例のいずれかのように表す。
例 400 A×6.0
又は406.4×6.0
14 報告
あらかじめ注文者の要求があった場合には,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS
G 0404の箇条13(報告)による。ただし,注文時に特に指定がない場合は,検査文書の種類はJIS G 0415
の表1(検査文書の総括表)の記号3.1(検査証明書3.1)による。
外面を表す略号
JIS G 3443-3に規定する長寿命形
プラスチック被覆の記号
長寿命形プラスチック被覆厚さ
JIS G 3443-4に規定する塗膜の記号
塗膜厚さ
内面を表す略号
管の厚さ
呼び径
管の厚さ
外径