2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G3201-1988
炭素鋼鍛鋼品
Carbon Steel Forgings for General Use
1. 適用範囲 この規格は,一般用として使用する炭素鋼鍛鋼品(以下,鍛鋼品という。)について規定す
る。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ
って,参考として併記したものである。
なお,この規格の中の従来単位及び数値は,昭和66年1月1日からSI単位及び数値に切り
換える。
引用規格:7ページに示す。
2. 種類の記号 鍛鋼品の種類の記号は,表1-1又は表1-2による。
なお,A,Bの区分は,熱処理の相違による。
表1-1 種類の記号
(昭和65年12月31日まで適用)
種類の記号
熱処理の種類
SF 35 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 40 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 45 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 50 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 55 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 60 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 55 B
焼入焼戻し
SF 60 B
焼入焼戻し
SF 65 B
焼入焼戻し
2
G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1-2 種類の記号
(昭和66年1月1日から適用)
種類の記号
熱処理の種類
SI単位
(参考)
従来単位
SF 340 A
SF 35 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 390 A
SF 40 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 440 A
SF 45 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 490 A
SF 50 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 540 A
SF 55 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 590 A
SF 60 A
焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻し
SF 540 B
SF 55 B
焼入焼戻し
SF 590 B
SF 60 B
焼入焼戻し
SF 640 B
SF 65 B
焼入焼戻し
3. 化学成分 鍛鋼品は,9.2の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
表2 化学成分
単位%
C
Si
Mn
P
S
0.60以下
0.15〜0.50
0.30〜1.20
0.030以下
0.035以下
備考1. 炭素当量は,受渡当事者間の協議によって決めることができる。
2. 化学成分は,表2の範囲内で受渡当事者間の協議によって決めることができ
る。
4. 機械的性質 鍛鋼品は,9.3の試験を行い,その機械的性質は,次による。
(1) 焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻しを行った鍛鋼品の降伏点,引張強さ,伸び,絞り及び硬さは
表3-1又は表3-2による。
(2) 焼入焼戻しを行った鍛鋼品の降伏点,引張強さ,伸び,絞り,シャルピー衝撃値及び硬さは表4-1又
は表4-2による。
3
G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3-1 焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻しを行った鍛鋼品の機械的性質
(昭和65年12月31日まで適用)
種類の記号
降伏点
kgf/mm2
{N/mm2}
引張強さ
kgf/mm2
{N/mm2}
伸び%
絞り%
硬さ(1)
HB
14A号試験片
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
SF 35 A
18 以上
{177} 以上
35〜45
{343〜441}
27以上
23以上
50以上
38以上
90以上
SF 40 A
20 以上
{196} 以上
40〜50
{392〜490}
25以上
21以上
45以上
35以上
105以上
SF 45 A
23 以上
{226} 以上
45〜55
{441〜539}
24以上
19以上
45以上
35以上
121以上
SF 50 A
25 以上
{245} 以上
50〜60
{490〜588}
22以上
17以上
40以上
30以上
134以上
SF 55 A
28 以上
{275} 以上
55〜65
{539〜637}
20以上
16以上
35以上
26以上
152以上
SF 60 A
30 以上
{294} 以上
60〜70
{588〜686}
18以上
14以上
35以上
26以上
167以上
注(1) 同一ロットの鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB30以下とし,1個の鍛鋼品の硬さのばらつきは,
HB30以下とする。
表3-2 焼なまし,焼ならし又は焼ならし焼戻しを行った鍛鋼品の機械的性質
(昭和66年1月1日から適用)
種類の記号
降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び%
絞り%
硬さ(1)
HB
罫線14A号試験片
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
SF 340 A
175以上
340〜440
27以上
23以上
50以上
38以上
90以上
SF 390 A
195以上
390〜490
25以上
21以上
45以上
35以上
105以上
SF 440 A
225以上
440〜540
24以上
19以上
45以上
35以上
121以上
SF 490 A
245以上
490〜590
22以上
17以上
40以上
30以上
134以上
SF 540 A
275以上
540〜640
20以上
16以上
35以上
26以上
152以上
SF 590 A
295以上
590〜690
18以上
14以上
35以上
26以上
167以上
注(1) 同一ロットの鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB30以下とし,1個の鍛鋼品の硬さのばらつきは,
HB30以下とする。
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G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4-1 焼入焼戻しを行った鍛鋼品の機械的性質
(昭和65年12月31日まで適用)
種類の
記号
熱処理時
の供試部
の直径,
厚さ又は
軸方向の
長さmm
降伏点
引張強さ(2)
伸び%
絞り%
シャルピー衝撃値
kgf・m/cm2 {J/cm2}
硬さ(3)
kgf/mm2
{N/mm2}
kgf/mm2
{N/mm2}
14A号試験片
3号試験片
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
HB
SF
55B
100未満
34 以上
{333} 以上
55〜70
{539〜686}
21以上
17以上
45以上
36以上
6.0 以上
{58.8} 以上
4.0 以上
{39.2} 以上
152以上
100以上
250未満
32 以上
{314} 以上
21以上
17以上
43以上
34以上
6.0 以上
{58.8} 以上
4.0 以上
{39.2} 以上
250以上
400未満
30 以上
{294} 以上
20以上
16以上
40以上
32以上
5.0 以上
{49.0} 以上
3.5 以上
{34.3} 以上
SF
60B
100未満
37 以上
{363} 以上
60〜75
{588〜735}
19以上
15以上
43以上
34以上
5.0 以上
{49.0} 以上
3.5 以上
{34.3} 以上
167以上
100以上
250未満
34 以上
{333} 以上
19以上
14以上
40以上
32以上
5.0 以上
{49.0} 以上
3.5 以上
{34.3} 以上
250以上
400未満
33 以上
{324} 以上
18以上
14以上
38以上
30以上
4.0 以上
{39.2} 以上
3.0 以上
{29.4} 以上
SF
65B
l00未満
40 以上
{392} 以上
65〜80
{637〜785}
16以上
11以上
40以上
32以上
4.0 以上
{39.2} 以上
3.0 以上
{29.4} 以上
183以上
100以上
250未満
37 以上
{363} 以上
16以上
11以上
38以上
30以上
4.0 以上
{39.2} 以上
3.0 以上
{29.4} 以上
250以上
400未満
35 以上
{343} 以上
15以上
10以上
35以上
28以上
3.0 以上
{29.4} 以上
2.5 以上
{24.5} 以上
注(2) 1個の鍛鋼品の引張強さのばらつきは,10kgf/mm2 {98.1N/mm2} 以下とする。
(3) 同一ロットの鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB50以下とし,1個の鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB30以下と
する。
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G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4-2 焼入焼戻しを行った鍛鋼品の機械的性質
(昭和66年1月1日から適用)
種類の
記号
熱処理時の供
試部の直径,
厚さ又は軸方
向の長さ
mm
降伏点
N/mm2
引張強さ(4)
N/mm2
伸び%
絞り%
シャルピー衝撃値
J/cm2
硬さ(3)
HB
14A号試験片
3号試験片
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
軸方向
切線方向
SF
540B
100未満
335以上
540〜690
21以上
17以上
45以上
36以上
59以上
39以上
152以上
100以上
250未満
315以上
21以上
17以上
43以上
34以上
59以上
39以上
250以上
400未満
295以上
20以上
16以上
40以上
32以上
49以上
34以上
SF
590B
100未満
360以上
590〜740
19以上
15以上
43以上
34以上
49以上
34以上
167以上
100以上
250未満
335以上
19以上
14以上
40以上
32以上
49以上
34以上
250以上
400未満
325以上
18以上
14以上
38以上
30以上
39以上
29以上
SF
640B
100未満
390以上
640〜780
16以上
11以上
40以上
32以上
39以上
29以上
183以上
100以上
250未満
360以上
16以上
11以上
38以上
30以上
39以上
29以上
250以上
400未満
345以上
15以上
10以上
35以上
28以上
29以上
25以上
注(3) 同一ロットの鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB50以下とし,1個の鍛鋼品の硬さのばらつきは,HB30以下とす
る。
(4) 1個の鍛鋼品の引張強さのばらつきは,100N/mm2以下とする。
5. 形状,寸法及びその許容差 鍛鋼品は,9.4の試験を行い,その形状,寸法及び許容差は,受渡当事者
間の協定による。
6. 外観 鍛鋼品は,9.5の試験を行い,その外観は,仕上げ良好で,使用上有害な割れ,きずなどがあっ
てはならない。
7. 健全性 鍛鋼品は原則として,9.6又は適当な方法によって超音波探傷試験を行い,その健全性は,使
用上有害な欠陥があってはならない。
なお,鍛鋼品の健全性の合否判定基準については,受渡当事者間の協定による。
8. 製造方法
8.1
製造方法の一般事項 製造方法の一般事項は,JIS G 0306(鍛鋼品の製造,試験及び検査の通則)の
3.による。ただし,ガス切断によって鍛鋼品の一部を成形する場合は,受渡当事者間の協定による。
8.2
熱処理 鍛鋼品は,表1-1又は表1-2の熱処理を行う。
9. 試験
9.1
試験場所 試験場所は,原則として当該製造所とする。
また,注文者の要求がある場合,製造業者は,その試験に注文者を立ち合わせる。
6
G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.2
分析試験
9.2.1
分析試験の一般事項 分析試験の一般事項は,JIS G 0306の4.1による。
9.2.2
分析方法 分析方法は,次のいずれかによる。
JIS G 1211 (鉄及び鋼中の炭素定量方法)
JIS G 1212 (鉄及び鋼中のけい素定量方法)
JIS G 1213 (鉄及び鋼中のマンガン定量方法)
JIS G 1214 (鉄及び鋼中のりん定量方法)
JIS G 1215 (鉄及び鋼中の硫黄定量方法)
JIS G 1253 (鉄及び鋼の光電測光法による発光分光分析方法)
JIS G 1256 (鉄及び鋼の蛍光X線分析方法)
JIS G 1257 (鉄及び鋼の原子吸光分析方法)
9.3
機械試験 注文者は,JIS G 0306の表5の区分のA−1,A−2又はA−3のいずれかをあらかじめ指
定することができる。ただし,注文者から区分の指定のない場合には,A−2による。
9.3.1
供試材及び試験片の採り方 供試材及び試験片の採り方は,JIS G 0306の4.2.2(2.1)による。
9.3.2
供試材の数 供試材の数は,JIS G 0306の4.2.2(2.2)による。
9.3.3
試験片の数 試験片の数は,JIS G 0306の4.2.2(2.3)による。
9.3.4
硬さ測定位置及び測定数 硬さ測定位置及び測定数は,JIS G 0306の4.2.2(2.4)による。
9.3.5
試験方法 試験方法は,次による。
(1) 引張試験方法は,JIS G 0306の4.2.2(2.5)による。
(2) 衝撃試験方法は,JIS G 0306の4.2.2(2.6)による。
(3) 硬さ試験方法は,JIS G 0306の4.2.2(2.7)による。
9.4
形状及び寸法 鍛鋼品の形状及び寸法の測定は,JIS G 0306の4.5による。
9.5
外観試験 鍛鋼品の外観試験は,JIS G 0306の4.3による。
9.6
超音波探傷試験 鍛鋼品は原則として,超音波探傷試験を行う。その試験方法は,JIS G 0587(炭素
鋼及び低合金鋼鍛鋼品の超音波探傷試験方法及び試験結果の等級分類方法)に準じる。
10. 再試験 機械試験の再試験は,JIS G 0306の5.1による。
11. 検査
11.1 鍛鋼品の検査は,次による。
(1) 検査の一般事項は,JIS G 0306の6.による。
(2) 化学成分は,3.に適合しなければならない。
(3) 機械的性質は,4.に適合しなければならない。
(4) 形状及び寸法は,5.に適合しなければならない。
(5) 外観は,6.に適合しなければならない。
(6) 健全性は,7.に適合しなければならない。
11.2 11.1の検査のほか,注文者は次に列挙する検査を指定することができる。この場合,検査項目,試
料の採り方,試験方法及び合否判定基準について,あらかじめ受渡当事者間で協定しなければならない。
曲げ試験(5),磁粉探傷検査(6),浸透探傷検査(7),マクロ組織検査(8),結晶粒度検査(9),非金属介在物検
査(10),顕微鏡組織検査
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G3201-1988
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注(5) 試験片は,JIS Z 2204(金属材料曲げ試験片)の5号試験片を用い,試験方法はJIS Z 2248(金
属材料曲げ試験方法)による。
(6) JIS G 0565(鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び欠陥磁粉模様の等級分類)による。
(7) JIS Z 2343(浸透探傷試験方法及び欠陥指示模様の等級分類)による。
(8) JIS G 0553(鋼のマクロ組織試験方法)による。
(9) JIS G 0551(鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法)による。
(10) JIS G 0555(鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法)による。
12. 表示 検査に合格した鍛鋼品の表示は,JIS G 0306の7.による。
13. 報告 報告は,JIS G 0306の8.による。
引用規格:
JIS G 0306 鍛鋼品の製造,試験及び検査の通則
JIS G 0551 鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法
JIS G 0553 鋼のマクロ組織試験方法
JIS G 0555 鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法
JIS G 0565 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び欠陥磁粉模様の等級分類
JIS G 0587 炭素鋼及び低合金鋼鍛鋼品の超音波探傷試験方法及び試験結果の等級分類方法
JIS G 1211 鉄及び鋼中の炭素定量方法
JIS G 1212 鉄及び鋼中のけい素定量方法
JIS G 1213 鉄及び鋼中のマンガン定量方法
JIS G 1214 鉄及び鋼中のりん定量方法
JIS G 1215 鉄及び鋼中の硫黄定量方法
JIS G 1253 鉄及び鋼の光電測光法による発光分光分析方法
JIS G 1256 鉄及び鋼の蛍光X線分析方法
JIS G 1257 鉄及び鋼の原子吸光分析方法
JIS Z 2204 金属材料曲げ試験片
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
JIS Z 2343 浸透探傷試験方法及び欠陥指示模様の等級分類