G 3193:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 寸法の表し方 ··················································································································· 1
4 標準寸法························································································································· 1
5 形状及び寸法の許容差 ······································································································· 2
6 質量······························································································································ 10
6.1 鋼板の質量 ·················································································································· 10
6.2 鋼帯の質量 ·················································································································· 10
7 外観······························································································································ 11
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12
G 3193:2019
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3193:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
G 3193:2019
熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及び
その許容差
Dimensions, shape, mass and permissible variations of hot rolled steel
plates, sheets and strips
序文
この規格は,2013年に第3版として発行されたISO 7452を基に作成した日本工業規格であるが,取引
の実態に整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,熱間圧延によって製造された鋼板(鋼帯からの切板を含む。)及び鋼帯の外観,形状及びそ
の許容限度並びに寸法,質量及びその許容差について規定する。ただし,平鋼には適用しない。
なお,この規格の適用については,それぞれの製品規格に規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 7452:2013,Hot-rolled steel plates−Tolerances on dimensions and shape(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
寸法の表し方
鋼板及び鋼帯の寸法の表し方は,次による。
a) 鋼板の寸法は,厚さ,幅及び長さをミリメートルで表す。
b) 鋼帯の寸法は,厚さ及び幅をミリメートルで表す。
4
標準寸法
標準寸法は,次による。
a) 鋼板及び鋼帯の標準厚さは,表1による。
2
G 3193:2019
表1−標準厚さ a)
単位 mm
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
(2.6)
2.8
(2.9)
3.2
3.6
4.0
4.5
5.0
5.6
6.0
6.3
7.0
8.0
9.0
10.0
11.0
12.0
12.7
13.0
14.0
15.0
16.0
(17.0)
18.0
19.0
20.0
22.0
25.0
25.4
28.0
(30.0)
32.0
36.0
38.0
40.0
45.0
50.0
鋼帯及び鋼帯からの切板は,厚さ12.7 mm以下を適用する。
注a) 括弧以外の標準厚さの適用が望ましい。
b) 鋼板及び鋼帯の標準幅は,表2による。
表2−標準幅
単位 mm
600
630
670
710
750
800
850
900
914
950
1 000
1 060
1 100
1 120
1 180
1 200
1 219
1 250
1 300
1 320
1 400
1 500
1 524
1 600
1 700
1 800
1 829
1 900
2 000
2 100
2 134
2 438
2 500
2 600
2 800
3 000
3 048
鋼帯及び鋼帯からの切板は,幅2 000 mm以下を適用する。鋼板(鋼帯からの切板を除く。)は,幅914
mm,1 219 mm及び1 400 mm以上を適用する。
c) 鋼板の標準長さは,表3による。
表3−鋼板の標準長さ
単位 mm
1 829
2 438
3 048
6 000
6 096
7 000
8 000
9 000
9 144
10 000
12 000
12 192
鋼帯からの切板には適用しない。
5
形状及び寸法の許容差
鋼板及び鋼帯の形状及び寸法の許容差は,次による。ただし,鋼帯の場合,圧延時の先端部及び尾端部
には適用しない。
a) 鋼板及び鋼帯の厚さの許容差は,表4及び表5による。受渡当事者間の協定によって表5に代えて表
6を適用してもよい。
厚さの測定箇所は,ミルエッジの鋼帯及び鋼帯からの切板の場合は,その縁から25 mm以上内側の
任意の点,カットエッジの鋼帯及び鋼帯からの切板の場合は,その縁から15 mm以上内側の任意の点
とする。
また,圧延のままのミルエッジの鋼板の場合は,幅切断予定線より内側の任意の点,カットエッジ
の鋼板の場合は,その縁から15 mm以上内側の任意の点とする。
b) 鋼板及び鋼帯の幅の許容差は,表7による。
3
G 3193:2019
表4−厚さの許容差(厚さ4 mm未満)
単位 mm
厚さ
幅
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 300以下
1.25未満
±0.16
−
−
1.25以上 1.60未満
±0.18
−
−
1.60以上 2.00未満
±0.19
±0.23
−
2.00以上 2.50未満
±0.20
±0.25
−
2.50以上 3.15未満
±0.22
±0.29
±0.29
3.15以上 4.00未満
±0.24
±0.34
±0.34
受渡当事者間の協定によって,上記の許容差についてプラス側又はマイナス側を制限し
てもよい。ただし,その場合の全許容差範囲は,この表の全許容差範囲に等しいものとす
る。
表5−厚さの許容差(厚さ4 mm以上)
単位 mm
厚さ a)b)
幅 c)
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 500未満
2 500以上
3 150未満
3 150以上
4 000未満
4 000以上
5 000未満
4.00以上 5.00未満
±0.45
±0.55
±0.55
±0.65
−
−
5.00以上 6.30未満
±0.50
±0.60
±0.60
±0.75
±0.75
±0.85
6.30以上 10.0未満
±0.55
±0.65
±0.65
±0.80
±0.80
±0.90
10.0以上 16.0未満
±0.55
±0.65
±0.65
±0.80
±0.80
±1.00
16.0以上 25.0未満
±0.65
±0.75
±0.75
±0.95
±0.95
±1.10
25.0以上 40.0未満
±0.70
±0.80
±0.80
±1.00
±1.00
±1.20
40.0以上 63.0未満
±0.80
±0.95
±0.95
±1.10
±1.10
±1.30
63.0以上 100未満
±0.90
±1.10
±1.10
±1.30
±1.30
±1.50
100以上 160未満
±1.30
±1.50
±1.50
±1.70
±1.70
±1.90
160以上 200未満
±1.60
±1.80
±1.80
±1.90
±1.90
±2.10
200以上 250未満
±1.80
±1.90
±1.90
±2.00
±2.00
±2.20
250以上 300未満
±2.00
±2.10
±2.10
±2.20
±2.20
±2.50
300以上 350以下
±2.10
±2.30
±2.30
±2.40
±2.40
±2.80
受渡当事者間の協定によって,この表の許容差は,プラス側又はマイナス側を制限してもよい。ただし,そ
の場合の全許容差範囲は,この表の全許容差範囲に等しいものとする。
注a) 厚さ40.0 mm以上に対しては,受渡当事者間の協定によってプラス側許容差を緩和してもよい。
b) 厚さ350 mm超えの厚さの許容差は,受渡当事者間の協定による。
c) 幅5 000 mm以上の厚さの許容差は,受渡当事者間の協定による。
4
G 3193:2019
表6−厚さの許容差(厚さ4 mm以上)
単位 mm
厚さ
幅
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 500未満
クラスA
クラスB
クラスC
クラスA
クラスB
クラスC
クラスA
クラスB
クラスC
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
4.00以上 5.00未満
−0.30
+0.60
−0.30
+0.60
0
+0.90
−0.35
+0.75
−0.30
+0.80
0
+1.10
−0.35
+0.75
−0.30
+0.80
0
+1.10
5.00以上 6.30未満
−0.35
+0.65
−0.30
+0.70
0
+1.00
−0.40
+0.80
−0.30
+0.90
0
+1.20
−0.40
+0.80
−0.30
+0.90
0
+1.20
6.30以上 10.0未満
−0.35
+0.75
−0.30
+0.80
0
+1.10
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
10.0以上 16.0未満
−0.35
+0.75
−0.30
+0.80
0
+1.10
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
16.0以上 25.0未満
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
−0.50
+1.00
−0.30
+1.20
0
+1.50
−0.50
+1.00
−0.30
+1.20
0
+1.50
25.0以上 40.0未満
−0.45
+0.95
−0.30
+1.10
0
+1.40
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
40.0以上 63.0未満
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.65
+1.25
−0.30
+1.60
0
+1.90
−0.65
+1.25
−0.30
+1.60
0
+1.90
63.0以上 100未満
−0.60
+1.20
−0.30
+1.50
0
+1.80
−0.70
+1.50
−0.30
+1.90
0
+2.20
−0.70
+1.50
−0.30
+1.90
0
+2.20
100以上 160未満
−0.90
+1.70
−0.30
+2.30
0
+2.60
−1.00
+2.00
−0.30
+2.70
0
+3.00
−1.00
+2.00
−0.30
+2.70
0
+3.00
160以上 200未満
−1.00
+2.20
−0.30
+2.90
0
+3.20
−1.20
+2.40
−0.30
+3.30
0
+3.60
−1.20
+2.40
−0.30
+3.30
0
+3.60
200以上 250未満
−1.20
+2.40
−0.30
+3.30
0
+3.60
−1.30
+2.50
−0.30
+3.50
0
+3.80
−1.30
+2.50
−0.30
+3.50
0
+3.80
250以上 300未満
−1.30
+2.70
−0.30
+3.70
0
+4.00
−1.40
+2.80
−0.30
+3.90
0
+4.20
−1.40
+2.80
−0.30
+3.90
0
+4.20
300以上 350以下
−1.40
+2.80
−0.30
+3.90
0
+4.20
−1.50
+3.10
−0.30
+4.30
0
+4.60
−1.50
+3.10
−0.30
+4.30
0
+4.60
4
G
3
1
9
3
:
2
0
1
9
5
G 3193:2019
表6−厚さの許容差(厚さ4 mm以上)(続き)
単位 mm
厚さ
幅
2 500以上
3 150未満
3 150以上
4 000未満
4 000以上
5 000未満
クラスA
クラスB
クラスC
クラスA
クラスB
クラスC
クラスA
クラスB
クラスC
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
下限
上限
4.00以上
5.00未満
−0.45
+0.85
−0.30
+1.00
0
+1.30
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
5.00以上
6.30未満
−0.50
+1.00
−0.30
+1.20
0
+1.50
−0.50
+1.00
−0.30
+1.20
0
+1.50
−0.55
+1.15
−0.30
+1.40
0
+1.70
6.30以上
10.0未満
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.60
+1.20
−0.30
+1.50
0
+1.80
10.0以上
16.0未満
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.55
+1.05
−0.30
+1.30
0
+1.60
−0.70
+1.30
−0.30
+1.70
0
+2.00
16.0以上
25.0未満
−0.65
+1.25
−0.30
+1.60
0
+1.90
−0.65
+1.25
−0.30
+1.60
0
+1.90
−0.70
+1.50
−0.30
+1.90
0
+2.20
25.0以上
40.0未満
−0.70
+1.30
−0.30
+1.70
0
+2.00
−0.70
+1.30
−0.30
+1.70
0
+2.00
−0.80
+1.60
−0.30
+2.10
0
+2.40
40.0以上
63.0未満
−0.70
+1.50
−0.30
+1.90
0
+2.20
−0.70
+1.50
−0.30
+1.90
0
+2.20
−0.90
+1.70
−0.30
+2.30
0
+2.60
63.0以上
100未満
−0.90
+1.70
−0.30
+2.30
0
+2.60
−0.90
+1.70
−0.30
+2.30
0
+2.60
−1.00
+2.00
−0.30
+2.70
0
+3.00
100以上
160未満
−1.10
+2.30
−0.30
+3.10
0
+3.40
−1.10
+2.30
−0.30
+3.10
0
+3.40
−1.30
+2.50
−0.30
+3.50
0
+3.80
160以上
200未満
−1.30
+2.50
−0.30
+3.50
0
+3.80
−1.30
+2.50
−0.30
+3.50
0
+3.80
−1.40
+2.80
−0.30
+3.90
0
+4.20
200以上
250未満
−1.30
+2.70
−0.30
+3.70
0
+4.00
−1.30
+2.70
−0.30
+3.70
0
+4.00
−1.50
+2.90
−0.30
+4.10
0
+4.40
250以上
300未満
−1.50
+2.90
−0.30
+4.10
0
+4.40
−1.50
+2.90
−0.30
+4.10
0
+4.40
−1.70
+3.30
−0.30
+4.70
0
+5.00
300以上
350以下
−1.60
+3.20
−0.30
+4.50
0
+4.80
−1.60
+3.20
−0.30
+4.50
0
+4.80
−1.90
+3.70
−0.30
+5.30
0
+5.60
クラスBについては,製品規格で規定されている場合は,下限値を−0.30 mmに代えて−0.25 mmとしてもよい。この場合,上限値はそれぞれの値に対して0.05 mm
を加える。
5
G
3
1
9
3
:
2
0
1
9
6
G 3193:2019
表7−幅の許容差
単位 mm
幅
厚さ
ミルエッジ
カットエッジ
鋼板
鋼帯及
び鋼帯
からの
切板
A
通常の切断方法に
よったもの
B
再切断又は精密切
断を行ったもの
C
スリット
を行った
もの
+
−
+
−
160未満
3.15未満
−
±2
5
0
2.0
0
±0.3
3.15以上 6.00未満
5
3.0
±0.5
6.00以上 20.0未満
10
4.0
−
20.0以上
−
10
−
160以上
250未満
3.15未満
−
±2
5
0
2.0
0
±0.4
3.15以上 6.00未満
5
3.0
±0.5
6.00以上 20.0未満
10
4.0
−
20.0以上
−
15
−
250以上
400未満
3.15未満
+規定せず
0
±5
5
0
2.0
0
±0.5
3.15以上 6.00未満
5
3.0
±0.5
6.00以上 20.0未満
10
4.0
−
20.0以上
−
15
−
400以上
630未満
3.15未満
+規定せず
0
+20
0
10
0
3.0
0
±0.5
3.15以上 6.00未満
10
3.0
±0.5
6.00以上 20.0未満
10
5.0
−
20.0以上
−
15
−
630以上
1 000未満
3.15未満
+規定せず
0
+25
0
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
10
6.0
20.0以上
15
−
1 000以上
1 250未満
3.15未満
+規定せず
0
+30
0
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
15
6.0
20.0以上
15
−
1 250以上
1 600未満
3.15未満
+規定せず
0
+35
0
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
15
6.0
20.0以上
15
−
1 600以上
2 000未満
3.15未満
+規定せず
0
+40
0
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
20
6.0
20.0以上
20
−
2 000以上
3 000未満
3.15未満
+規定せず
0
+40
0
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
20
6.0
20.0以上
20
−
3 000以上
3.15未満
+規定せず
0
−
10
0
4.0
0
−
3.15以上 6.00未満
10
4.0
6.00以上 20.0未満
25
6.0
20.0以上
25
−
幅400 mm未満のミルエッジの鋼帯及び鋼帯からの切板の許容差は,マイナス側を0としてもよい。その場合
のプラス側の許容差は,この表の数値の2倍とする。
なお,幅の許容差は,この表以外の値を,受渡当事者間で協定してもよい。
7
G 3193:2019
c) 鋼板の長さの許容差は,表8及び表9による。
d) 鋼板の横曲がりの最大値は,鋼板の長さの0.2 %以下とし,鋼板の横曲がりの適用は,図1による。
ただし,幅250 mm未満の鋼板の横曲がりは,表10による。
なお,圧延のままのミルエッジの鋼板には適用しない。
表8−鋼板の長さの許容差A
単位 mm
長さ
許容差 a)b)
600以上 4 000未満
+20
0
4 000以上 6 000未満
+30
0
6 000以上 8 000未満
+40
0
8 000以上 10 000未満
+50
0
10 000以上 15 000未満
+75
0
15 000以上 20 000未満
+100
0
20 000以上
+ 0.5 %
0
注a) 受渡当事者間の協定によって,この表に規定する長
さの全許容差範囲と同一の幅でマイナス側に移動
してもよい。ただし,協定した許容差の上限値は,
ゼロより下回ってはならない。
b) プラス側許容差は,受渡当事者間で協定してもよい。
表9−鋼板の長さの許容差B(再切断又は精密切断を行ったもの)
単位 mm
長さ
厚さ
許容差a)
6 300未満
6.00未満
+5
0
6.00以上
+10
0
6 300以上
6.00未満
+10
0
6.00以上
+15
0
許容差Bは,厚さ20 mm以上には適用しない。
注a) 受渡当事者間の協定によって,上記に規定する長さ
の全許容差範囲と同一の幅でマイナス側に移動して
もよい。ただし,協定した許容差の上限値は,ゼロ
より下回ってはならない。
8
G 3193:2019
単位 mm
(鋼板の長さ 10 000 mm未満)
(鋼板の長さ 10 000 mm以上)
図1−鋼板の横曲がりの適用
e) 鋼帯の横曲がりの最大値は,表10によるものとし,鋼帯の横曲がりの適用は,図2による。ただし,
鋼帯の横曲がりの測定については,注文者の要求がある場合に行う。
表10−鋼板及び鋼帯の横曲がり
単位 mm
幅
最大値
250 未満
長さ2 000につき 8
250 以上
長さ2 000につき 5
単位 mm
図2−鋼帯の横曲がりの適用
f)
鋼板の平たん度の最大値は,表11による。
9
G 3193:2019
表11−鋼板の平たん度の最大値 a)
単位 mm
厚さ
測定長さb)
2 000
4 000
板幅
板幅
1 250未満
1 250以上
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 000未満
2 000以上
3 000未満
3 000以上
1.60未満
18
20
−
−
−
−
−
1.60以上 3.15未満
16
18
20
−
−
−
−
3.15以上 4.00未満
16
−
−
−
−
4.00以上 5.00未満
14
24
26
c)
c)
5.00以上 8.00未満
13
21
22
28
c)
8.00以上 15.0未満
12
16
12
16
24
15.0以上 25.0未満
12
16
12
16
22
25.0以上 40.0未満
9
13
9
13
19
40.0以上 80.0未満
8
11
8
11
16
80.0以上 150未満
8
10
8
10
15
150以上 250未満
10
15
10
15
20
250以上 350未満
20
20
20
20
20
350以上
25
25
25
25
25
平たん度の測定は,通常,図3のように定盤の上で行い,その値は,ひずみ(波又は反り)の最大値から鋼板
の厚さを減じたものとし,鋼板の上側の面に適用する。ただし,圧延のままの鋼板(耳付鋼板)は,受渡当事者
間で協定してもよい。
注a) 特に指定のない限り,引張試験の降伏点又は耐力の規格下限値が460 N/mm2以上の鋼板,及びこれらに相
当する化学成分又は硬さを有する鋼板並びに焼入焼戻しを施した鋼板の平たん度の最大値は,この表の数
値の1.5倍とする。
b) この表は,任意の位置の長さ2 000 mmについて適用し,鋼板の長さ2 000 mm未満の場合には,全長につ
いて適用する。また,波のピッチが2 000 mmを超える鋼板については,その波のピッチの長さにおいて適
用する。ただし,波のピッチが4 000 mmを超える鋼板については,任意の位置の長さ4 000 mmについて
適用する。
c) 受渡当事者間の協定による。
1 直尺又は水糸 a 波のピッチ
2 鋼板 b 平たん度
図3−平たん度の測定
10
G 3193:2019
g) カットエッジの鋼帯からの切板の直角度は,次のいずれかによる。ただし,疑義が生じた場合は,1)
の方法による。
1) 隅点において,辺に垂線を立て,図4の(A/W)×100(%)を求め,この値は,1.0 %を超えてはな
らない。Aは実測値とし,Wは表示の幅とする。
2) 鋼板の2本の対角線の長さ(図5のX1及びX2)の差の絶対値の1/2を求め,この値(|X1−X2|/2)
が鋼板の実測幅Wの0.7 %を超えてはならない。
図4−鋼帯からの切板の直角度
図5−鋼帯からの切板の直角度(対角線を用いる方法)
6
質量
6.1
鋼板の質量
鋼板の質量は,次による。
a) 鋼板の質量は,通常,計算質量によるものとし,キログラムで表す。
b) 鋼板の質量の計算方法は,表12によるが,この場合の寸法は呼称寸法を用いる。ただし,表6の厚さ
の許容差を適用した場合は,受渡当事者間の協定によって,許容差の上限値と下限値との平均値を厚
さに加えてもよい。
なお,耳付鋼板(圧延のままのミルエッジの鋼板及びミルエッジの鋼帯からの切板)の質量の計算
方法は,耳部の質量を考慮して受渡当事者間の協定によってもよい。
6.2
鋼帯の質量
鋼帯の質量は,次による。
a) 鋼帯の質量は,実測質量によるものとし,キログラムで表す。
b) 鋼帯の質量は,通常,最大質量を協定によって指定するものとし,その場合の質量範囲は,全鋼帯数
の75 %以上が指定質量の70 %以上でなければならない。残りの鋼帯は,指定質量の30 %以上70 %未
満の短尺鋼帯を混入してもよい。
11
G 3193:2019
表12−質量の計算方法
計算順序
計算方法
結果の桁数
基本質量 kg/mm・m2
7.85(厚さ1 mm,面積1 m2の質量)
−
単位質量 kg/m2
基本質量(kg/mm・m2)×板の厚さ(mm)
有効数字4桁の数値に丸める。
鋼板の面積 m2
幅(m)×長さ(m)
有効数字4桁の数値に丸める。
1枚の質量 kg
単位質量(kg/m2)×面積(m2)
有効数字3桁の数値に丸める。ただ
し,1 000 kgを超えるものはkgの整
数値に丸める。
結束(又はこん包)
をしない場合
総質量
kg
1枚の質量(kg)×同一寸法の枚数
kgの整数値に丸める。
結束(又はこん包)
をする場合 a)
1結束の質量
kg
1枚の質量(kg)×同一寸法の1結束内の
枚数
kgの整数値に丸める。
総質量
kg
各結束質量の和
kgの整数値
数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則Aによる。
注a) 結束(又はこん包)をする場合の総質量は,1枚の質量(kg)×同一寸法の枚数として計算してもよい。
7
外観
鋼板及び鋼帯の外観は,次による。
a) 鋼板及び鋼帯には,使用上有害となる程度の欠点(以下,欠点という。)があってはならない。ただし,
鋼帯の場合は,一般に,検査によって欠点を含む部分を除去する機会がないため,若干の欠点を含む
ことがある。
b) 表面の欠点は,鋼帯及び鋼帯からの切板の場合,通常,片側の面に適用する。片側の面とは鋼帯の場
合は外側の面をいい,鋼帯からの切板の場合は上側の面をいう。
c) 鋼板の表面に欠点のある場合,製造業者はグラインダ又は溶接によって欠点の除去又は補修を行って
もよい。ただし,この場合の条件は,次による。
1) グラインダ手入れ
1.1) 鋼板の手入れ後の厚さは,厚さの許容差範囲内でなければならない。
1.2) 鋼板の手入れ部分はきれいに仕上げられており,圧延のままの面との境は滑らかでなければなら
ない。
2) 溶接補修
2.1) 鋼板の欠点は,溶接前にチッピング又はグラインダなどの適切な方法によって完全に除去する。
除去した部分の深さは,鋼板の呼称厚さの20 %以下,片面における手入れ面積の合計は,鋼板の
片側面積の2 %以下とする。
2.2) 溶接補修は,鋼材の種類に応じた適切な方法で行わなければならない。
2.3) 鋼板の溶接箇所は,縁にアンダーカットや重なりがあってはならない。余盛は,圧延面からの高
さが少なくとも1.5 mm以上とし,これをチッピング又はグラインダなどの方法で除去し,圧延面
を同一高さにきれいに仕上げなければならない。
2.4) 熱処理を行った鋼板は,溶接補修後に改めて鋼板本体について熱処理を行わなければならない。
12
G 3193:2019
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3193:2019 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差
ISO 7452:2013,Hot-rolled steel plates−Tolerances on dimensions and shape
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 熱間圧延鋼板及び
鋼帯の形状,寸法,
及び質量並びにそ
の許容差を規定。
1
可逆式圧延機によって製
造した構造用鋼板の寸法
及び形状。
追加
JISは,連続式圧延機による熱
間圧延鋼帯を追加している。
規格体系の相違。ISO規格の熱間
圧延鋼帯の寸法及び形状の規格
は,別途,TC17/SC12活動で整
合化を進める。
2 引用規格
3 寸法の表
し方
寸法の表し方を規
定。
−
−
追加
表示の単位について,JISは,
明確に規定している。
次回の改正時に提案する。
4 標準寸法 JISは標準厚さ,幅,
長さを規定。
−
−
追加
JISは,総合的な便益を配慮し
て標準寸法を規定し推奨して
いる。ただし,ISO規格も,例
示で同等のことを表現してい
る。
規格体系の相違であり,当面,
静観する。
5 形状及び
寸法の許容
差
形状及び寸法を規
定。JIS+ISOを規
定。
4,5
形状及び寸法を規定。
追加
JISは,鋼帯も対象にしており,
厚さ4 mm未満も規定するとと
もに,厚さの測定箇所を明記し
ている。
JISの厚さ許容差の規定は,ISO
規格に比べて厚さ,幅区分で細
かな分類で規定している。ただ
し,規定値レベルは,ほぼ同等
である。
規格体系の相違であり,当面,
静観する。
11
G
3
1
9
3
:
2
0
1
9
13
G 3193:2019
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 質量
質量の計算方法及
び受渡当事者間の
協定によって質量
の許容差を規定。
7
協定によって質量の許容
差を適用。
追加
JISは,耳付鋼板の質量の計算
方法について追加している。
日本の独自の規定であり,静観
する。
7 外観
有害な欠点の除去
のやり方及び溶接
補修について規定。
−
−
追加
ISO規格は,ISO 7788でほぼ同
等な内容を規定している。
ISO 7788の整合化活動の中で,
JISとしての提案を行う。
−
−
附属書A 許容差に関して,EN規格
を基礎として規定。厚さ
の許容差については,幅
の大小によらない規定値
となっている。
削除
ISO規格は,欧州の規定を基礎
としており,国内では適用され
る見通しがないため,削除して
いる。
JISの規定をISO規格に織り込
む整合化が全体として行われて
おり,静観する。
−
−
附属書B 許容差に関して,JIS及
びASTM規格を基礎とし
て規定。JISの規定がほ
ぼそのまま取り込まれて
いる。
削除
JISは,本体に規定している。
JISの規定が取り込まれており,
静観する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7452:2013,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
11
G
3
1
9
3
:
2
0
1
9