G 3124:2017
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号並びに適用厚さ ······························································································ 1
4 製造方法及び熱処理 ·········································································································· 1
4.1 製造方法 ······················································································································ 1
4.2 熱処理及び熱処理の記号 ································································································· 2
5 化学成分························································································································· 3
5.1 溶鋼分析値 ··················································································································· 3
5.2 炭素当量 ······················································································································ 3
5.3 製品分析値 ··················································································································· 3
6 機械的性質 ······················································································································ 3
6.1 常温引張性質 ················································································································ 3
6.2 高温引張性質 ················································································································ 3
6.3 曲げ性 ························································································································· 4
6.4 シャルピー吸収エネルギー ······························································································ 5
7 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 5
8 外観······························································································································· 6
9 試験······························································································································· 6
9.1 分析試験 ······················································································································ 6
9.2 機械試験 ······················································································································ 6
10 検査 ····························································································································· 8
11 再検査 ·························································································································· 8
12 表示 ····························································································································· 8
13 報告 ····························································································································· 8
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3124:2015は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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中・常温圧力容器用高強度鋼鋼板
High strength steel plates for pressure vessels
for intermediate and moderate temperature service
1
適用範囲
この規格は,中・常温で使用されるボイラ及び圧力容器に用いる高強度の熱間圧延鋼板(以下,鋼板と
いう。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0567 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
3
種類及び記号並びに適用厚さ
鋼板の種類は,3種類とし,その記号及び適用厚さは,表1による。
表1−種類の記号及び適用厚さ
単位 mm
種類の記号
適用厚さ
SEV245
6以上 150以下
SEV295
SEV345
注記 種類の記号の数字は,厚さ100 mm以下の鋼板に
対する,試験温度350 ℃における耐力の規格下限
近似値(N/mm2)を表す。
4
製造方法及び熱処理
4.1
製造方法
2
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鋼板は,細粒キルド鋼から製造する。
4.2
熱処理及び熱処理の記号
4.2.1
熱処理
4.2.1.1
鋼板の熱処理
鋼板の熱処理は,次による。
a) 鋼板は,受渡当事者間の協定によって,圧延のまま,焼ならし,焼ならし焼戻し,又は応力除去焼な
ましのいずれかによる。
b) 鋼板に焼ならし焼戻しを行う場合は,規定の機械的性質を得るため,焼ならしにおいて,液体冷却,
衝風又はその他の適切な方法によって,加速冷却を行ってもよい。
c) a) の焼ならし又は焼ならし焼戻しに代わる熱処理を注文者が行う場合,製造業者が出荷する鋼板は,
受渡当事者間の協定によって,圧延のままとするか,応力除去焼なまし又は指示された熱処理を行う。
注記 圧延のままの状態では,注文者での加工を受ける前までの過程で鋼板に割れを生じるおそれ
があるので,特に厚い鋼板の場合は,応力除去焼なましを行うことが望ましい。
4.2.1.2
試験片の熱処理
試験片の熱処理は,鋼板から採取した供試材の状態で行い,試験片は,熱処理後の供試材から採取する。
供試材の採取は,次による。
a) 製造業者が鋼板の熱処理を行う場合,供試材は熱処理を行った鋼板から採取する。
b) 注文者が鋼板の熱処理を行う場合には,供試材は受渡当事者間で協定された4.2.1.1 c) の状態の鋼板
から採取する。
4.2.1.3
熱処理の指示
注文者による熱処理の指示は,次による。
a) 注文者は,製造業者が行う鋼板の熱処理の種類,記号及び必要な場合には試験片の熱処理条件及び熱
処理回数を注文書によって指示する。
b) 注文者が鋼板の熱処理を行う場合[4.2.1.1 c) 参照]には,その旨を注文書で示し,かつ,製造業者が
行う鋼板の熱処理条件を指示する。
4.2.2
熱処理の記号
熱処理の記号は,次による。熱処理の記号は,表1の種類の記号の末尾に付記する。
a) 圧延のままの場合
R
b) 鋼板に焼ならしを行う場合
N
c) 鋼板に焼ならし焼戻しを行う場合
NT
d) 鋼板に応力除去焼なましを行う場合
P
e) 試験片の熱処理として焼ならしを行う場合
TN
f)
試験片の熱処理として焼ならし焼戻しを行う場合
TNT
g) 試験片に溶接後熱処理に相当する熱処理を行う場合
SR
例 SEV245N
:鋼板に焼ならしを行う場合
SEV295NTSR
:鋼板に焼ならし焼戻しを行い,更に試験片に溶接後熱処理に相当する熱処
理を行う場合
SEV295PTNTSR :鋼板に応力除去焼なましを行い,更に試験片に焼ならし焼戻し及び溶接後
熱処理に相当する熱処理を行う場合
3
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5
化学成分
5.1
溶鋼分析値
鋼板は,9.1によって試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
表2−化学成分a)
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Cu
Mo
Nb
V
SEV245
0.20
以下
0.15〜
0.60
0.80〜
1.60
0.020以下
0.020以下
0.40
以下
0.35
以下
0.05
以下
0.10
以下
SEV295
0.19
以下
0.15〜
0.60
0.80〜
1.60
0.020以下
0.020以下
0.70
以下
0.10〜
0.40
0.05
以下
0.10
以下
SEV345
0.19
以下
0.15〜
0.60
0.80〜
1.70
0.020以下
0.020以下
0.70
以下
0.15〜
0.50
0.05
以下
0.10
以下
注a) 必要に応じて,Ni,Crなど,この表以外の元素を単独又は組み合わせて添加してもよい。
5.2
炭素当量
鋼板の炭素当量は,溶鋼分析値を用いて式(1)によって計算し,その値は,表3による。
14
V
4
Mo
5
Cr
40
Ni
24
Si
6
Mn
C
eq
+
+
+
+
+
+
=
C
··········································· (1)
ここに,
Ceq: 炭素当量(%)
表3−炭素当量
単位 %
種類の記号
厚さ
6 mm以上 75 mm以下
75 mmを超え 150 mm以下
SEV245
0.53以下
0.60以下
SEV295
0.56以下
0.61以下
SEV345
0.60以下
0.62以下
5.3
製品分析値
鋼板の製品分析は,注文者の要求がある場合に9.1によって試験を行い,その値は表2の溶鋼分析値に
対して,JIS G 0321の表2[炭素鋼鋼材の製品分析の許容変動値(1)]の許容変動値以内とする。ただし,
表2及びJIS G 0321の表2に規定されていない元素の許容変動値は,受渡当事者間の協定による。
6
機械的性質
6.1
常温引張性質
鋼板は,9.2によって試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びの値は,表4による。
6.2
高温引張性質
鋼板の高温引張試験は,注文者の要求がある場合に9.2によって試験を行い,400 ℃までの温度におけ
る耐力の下限値は,表5による。試験温度は,注文者が表5の試験温度のうちから指定した一つの温度と
する。ただし,注文者から試験温度の指定がない場合には,350 ℃で試験を行う。
4
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表4−常温引張試験における降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
種類の記号
鋼板の厚さ
mm
降伏点又は
耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸びa) b) c)
%
引張
試験片d)
SEV245
6以上 50以下
370以上
510〜650
16以上
1A号
50を超え 100以下
355以上
20以上
14A号
100を超え 125以下
345以上
500〜640
125を超え 150以下
335以上
490〜630
SEV295
6以上 50以下
420以上
540〜690
15以上
1A号
50を超え 100以下
400以上
19以上
14A号
100を超え 125以下
390以上
530〜680
125を超え 150以下
380以上
520〜670
SEV345
6以上 50以下
430以上
590〜740
14以上
1A号
50を超え 100以下
430以上
18以上
14A号
100を超え 125以下
420以上
580〜730
125を超え 150以下
410以上
570〜720
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 厚さ8 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ1 mm又はその端数を減じるごとに,この表の伸び
の値から1を減じる。
b) 厚さ90 mmを超える鋼板の14A号試験片の伸びは,厚さ12.5 mm又はその端数を増すごとに,この表の
伸びの値から0.5を減じる。ただし,減じる限度は3とする。
c) 厚さ20 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びが,この表の規定値を満足しない場合に,その伸びがこの
表の規定値から3を減じた値以上の場合は,破断部を含む標点距離50 mmの伸びの値を測定して合否判
定をしてもよい。その値が25 %以上あれば,合格とする。
d) 厚さ25 mmを超える鋼板については,1A号試験片に替えて14A号試験片を用いてもよい。ただし,こ
の場合の伸びの規定値は,50 mmを超える場合の値を適用する。
表5−高温における耐力の下限値
単位 N/mm2
種類の記号
試験温度
100 ℃
150 ℃
200 ℃
250 ℃
300 ℃
350 ℃
375 ℃
400 ℃
SEV245
333
314
294
275
255
245
235
226
SEV295
382
363
343
324
304
294
284
275
SEV345
392
382
373
363
353
343
324
314
厚さ100 mmを超え125 mm以下の場合は,この表の値から10 N/mm2を,125 mmを超え150 mm以下の場合
は,この表の値から20 N/mm2を減じる。
注記 1 N/mm2=1 MPa
6.3
曲げ性
鋼板は,9.2の試験を行い,その曲げ性は,表6によって,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。
注記 曲げ性の試験の実施については,9.2.1を参照。
5
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表6−曲げ性
種類の記号
曲げ角度
鋼板の厚さ
mm
内側半径
試験片
SEV245
180°
6以上 25以下
厚さの1.0倍
1号
25を超え 50以下
厚さの1.25倍
50を超え 150以下
厚さの1.5倍
SEV295
180°
6以上 25以下
厚さの1.25倍
25を超え 50以下
厚さの1.5倍
50を超え 150以下
厚さの1.75倍
SEV345
180°
6以上 25以下
厚さの1.25倍
25を超え 50以下
厚さの1.5倍
50を超え 150以下
厚さの1.75倍
6.4
シャルピー吸収エネルギー
鋼板は,9.2の試験を行い,そのシャルピー吸収エネルギーは,次による。ただし,厚さ12 mm以下の
鋼板の衝撃試験は,注文者の指定があった場合に行う。
a) 厚さ12 mmを超える鋼板のシャルピー吸収エネルギーは,表7による。
b) 厚さ12 mm以下の鋼板のシャルピー吸収エネルギーは,表7のシャルピー吸収エネルギーの最小値に,
表8の係数を乗じた値以上とする。
表7−シャルピー吸収エネルギー
種類の記号
試験温度a)
℃
シャルピー吸収エネルギー
J
試験片
及び
試験片採取方向
3個の試験片の平均値
個々の試験片の値
SEV245
0
31以上
25以上
Vノッチ
圧延直角方向
SEV295
SEV345
注a) 受渡当事者間の協定によって,この試験温度より低い温度で試験を行う場合は,その試験温度に置き
換えてよい。
表8−シャルピー吸収エネルギーの最小値を求める係数
試験片
鋼板の厚さと試験片の幅と
の差が3 mm以下の場合
鋼板の厚さと試験片の幅と
の差が3 mmを超える場合
Vノッチ(幅10 mm)
1
−
サブサイズ試験片
Vノッチ(幅7.5 mm)
0.75
0.83
Vノッチ(幅5 mm)
0.5
0.67
7
形状,寸法,質量及びその許容差
鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,鋼板の長さ及びカットエッジ
の場合の幅の許容差は,特に指定がない限りJIS G 3193の許容差Aとし,厚さの許容差は,表9による。
6
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表9−厚さの許容差
単位 mm
厚さ
幅a)
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 500未満
2 500以上
3 150未満
3 150以上
4 000未満
4 000以上
5 000未満
6.00以上 6.30未満
+0.75
+0.95
+0.95
+1.25
+1.25
−
6.30以上 10.0未満
+0.85
+1.05
+1.05
+1.35
+1.35
+1.55
10.0以上 16.0未満
+0.85
+1.05
+1.05
+1.35
+1.35
+1.75
16.0以上 25.0未満
+1.05
+1.25
+1.25
+1.65
+1.65
+1.95
25.0以上 40.0未満
+1.15
+1.35
+1.35
+1.75
+1.75
+2.15
40.0以上 63.0未満
+1.35
+1.65
+1.65
+1.95
+1.95
+2.35
63.0以上 100未満
+1.55
+1.95
+1.95
+2.35
+2.35
+2.75
100以上 150以下
+2.35
+2.75
+2.75
+3.15
+3.15
+3.55
マイナス側の許容差は0.25 mmとする。受渡当事者間の協定によって,マイナス側の許容差を0 mmと
した場合のプラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。
注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。
8
外観
鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修を行うときは,注文者の承認を
得なければならない。
9
試験
9.1
分析試験
分析試験は,次による。
a) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。
b) 製品分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(製品分析用試料)による。ただし,供試材は,破
断後の引張試験片を用いてもよい。
c) 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。製品分析方法は,JIS G 0321による。
9.2
機械試験
9.2.1
試験一般
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供
試材の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とする。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない
ことを意味する。
9.2.2
試験片の数
試験片の数は,次による。
a) 常温引張試験片及び曲げ試験片の数 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧延した鋼
板を一括して試験単位とし,最終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。熱処理を行った鋼板は,
同一スラブ又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条件で熱処理した鋼板を一括して試験単位とし,最
終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。
7
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b) 高温引張試験片の数 同一溶鋼及び同一熱処理条件に属する鋼板から最大厚さの鋼板を2枚選び,各
鋼板からそれぞれ1個採取する。
なお,最大厚さの鋼板が1枚しかない場合は,次に厚い鋼板から試験片を更に1個採取する。
c) 衝撃試験片の数 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧延した鋼板を一括して試験単
位とし,供試材1個を採取し,これから試験片3個を採取する。熱処理を行った鋼板は,同一スラブ
又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条件で熱処理した鋼板を一括して試験単位とし,供試材1個を
採取し,これから試験片3個を採取する。
9.2.3
試験片の採取位置
試験片の採取位置は,次による。
a) 常温引張試験片及び高温引張試験片の採取位置 鋼板の圧延頭部側の板幅の1/4又はそれに近い位置
とし,最終圧延方向に直角に採取する。この場合,標点間は熱処理時の端から鋼板の厚さ以上離れた
位置とする。
なお,JIS Z 2241の14A号試験片又はJIS G 0567の棒状試験片を用いる場合は,試験片の軸の中心
は鋼板表面から厚さの1/4の位置とする。ただし,厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに近
い位置とする。
b) 曲げ試験片の採取位置 鋼板の圧延頭部側の板幅の1/4又はそれに近い位置とし,最終圧延方向に直
角に採取する。
c) 衝撃試験片の採取位置 特に指定がない限り,鋼板の圧延頭部側の引張試験片を採取した位置に隣接
した部分とし,その採取方向は,最終圧延方向に直角とする。この場合,試験片の切欠き部は,熱処
理時の端から鋼板の厚さ以上離れ,試験片の軸は,鋼板表面から厚さの1/4の位置とする。ただし,
厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに近い位置とする。
9.2.4
試験片
常温引張試験片,高温引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片は,次による。
a) 常温引張試験片は,JIS Z 2241の1A号又は14A号試験片による。
b) 高温引張試験片は,JIS G 0567による。
c) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。
d) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のVノッチ試験片による。この場合,試験片切欠き部の切欠きの長さ方向
は,圧延面に垂直とする。
9.2.5
試験方法
試験の方法は,次による。
a) 常温引張試験の方法は,JIS Z 2241による。
b) 高温引張試験の方法は,JIS G 0567による。
c) 曲げ試験の方法は,JIS Z 2248による。
d) 衝撃試験の方法は,JIS Z 2242による。
注記 この規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によって,JIS G 0560のサルファ
プリント試験,JIS G 0801などの超音波探傷試験及びJIS Z 2320-1の磁粉探傷試験が行われる
ことがある。この場合,事前に試験片の採り方,試験方法などについて,受渡当事者間で協定
される。
8
G 3124:2017
10
検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条6に適合しなければならない。
d) 形状,寸法及び質量は,箇条7に適合しなければならない。
e) 外観は,箇条8に適合しなければならない。
11
再検査
再検査は,次による。
a) 常温引張試験,高温引張試験,曲げ試験又は衝撃試験で合格にならなかった鋼板は,JIS G 0404の9.8
(再試験)によって再試験を行って,合否を決定してもよい。
b) 機械試験で合格とならなかった鋼板は,熱処理又は再熱処理を行った後,改めて試験を行い,合否を
決定してもよい。
12
表示
検査に合格した鋼板は,鋼板ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受渡当事者間の協定に
よって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号及び熱処理の記号(4.2.2参照)
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)による。
d) 製造業者名又はその略号
13
報告
製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類は,JIS G 0415の5.1(検査証明書3.1)によ
る。
なお,炭素当量の計算式(1)に含まれる合金元素の含有率を報告しなければならない。また,表2の注a) に
よった場合は,成績表に添加した合金元素の含有率を付記する。
参考文献 JIS G 0560 鋼のサルファプリント試験方法
JIS G 0801 圧力容器用鋼板の超音波探傷検査方法
JIS Z 2320-1 非破壊試験−磁粉探傷試験−第1部:一般通則