G 3115:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号並びに適用厚さ ······························································································ 2
4 製造方法及び熱処理 ·········································································································· 2
4.1 製造方法 ······················································································································ 2
4.2 鋼板の熱処理 ················································································································ 2
4.3 熱処理の指示 ················································································································ 2
4.4 試験片の熱処理 ············································································································· 2
4.5 熱処理の記号 ················································································································ 2
5 化学成分························································································································· 3
6 炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ························································································ 4
6.1 SPV315,SPV355及びSPV410の炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ········································· 4
6.2 SPV450及びSPV490の炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ······················································ 4
7 機械的性質 ······················································································································ 5
7.1 降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性 ······································································· 5
7.2 シャルピー吸収エネルギー ······························································································ 5
8 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 7
9 外観······························································································································· 7
10 試験 ····························································································································· 8
10.1 分析試験 ····················································································································· 8
10.2 機械試験 ····················································································································· 8
11 検査 ····························································································································· 9
12 再検査 ·························································································································· 9
13 表示 ····························································································································· 9
14 報告 ····························································································································· 9
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3115:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年2月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3115:2010によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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圧力容器用鋼板
Steel plates for pressure vessels for intermediate temperature service
序文
この規格は,2011年に第3版として発行されたISO 9328-1,ISO 9328-3及びISO 9328-5並びに2011年
に第2版として発行されたISO 9328-6を基に,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,圧力容器,高圧設備など(高温及び低温で使用するものを除く。)に用いる,溶接性のよい
熱間圧延鋼板(以下,鋼板という。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9328-1:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 1:
General requirements
ISO 9328-3:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 3:
Weldable fine grain steels, normalized
ISO 9328-5:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 5:
Weldable fine grain steels, thermomechanically rolled
ISO 9328-6:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 6:
Weldable fine grain steels, quenched and tempered(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
2
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3
種類及び記号並びに適用厚さ
鋼板の種類は,6種類とし,その記号及び適用厚さは,表1による。
表1−種類の記号及び適用厚さ
単位 mm
種類の記号
適用厚さ
SPV235
6以上 200以下
SPV315
6以上 150以下
SPV355
SPV410
SPV450
SPV490
4
製造方法及び熱処理
4.1
製造方法
鋼板は,キルド鋼から製造する。
4.2
鋼板の熱処理
鋼板の熱処理は,表2による。
表2−熱処理
種類の記号
熱処理a)
SPV235
圧延のまま。ただし,必要に応じて焼ならしを行ってもよい。
SPV315
SPV355
圧延のまま。ただし,必要に応じて焼ならしを行ってもよい。また,受渡当事者間の協定によって,
熱加工制御又は焼入焼戻しを行ってもよい。
SPV410
熱加工制御。ただし,熱加工制御によって製造できる最大板厚は100 mmとする。また,受渡当事
者間の協定によって,熱加工制御に代えて焼ならし又は焼入焼戻しを行ってもよい。
SPV450
SPV490
焼入焼戻し。ただし,受渡当事者間の協定によって,焼ならしを行ってもよい。
注a) 受渡当事者間の協定によって,注文者が焼ならし又は焼入焼戻しの熱処理を行う場合には,製造業者は,
試験片にだけ熱処理を行い,鋼板は,圧延のままで出荷してもよい。
4.3
熱処理の指示
熱処理の指示は,次による。
a) 注文者は,注文書に製造業者が行う鋼板の熱処理の種類,及び必要な場合には,試験片の熱処理条件
及び回数を明示する。
b) 表2の注a) によって,注文者が鋼板の熱処理を行う場合には,その旨を注文書で指示し,かつ,その
熱処理条件を明示する。
4.4
試験片の熱処理
試験片の熱処理は,鋼板から採取した供試材の状態で行い,試験片は,熱処理後の供試材から採取する。
4.5
熱処理の記号
注文書に記入する鋼板及び試験片の熱処理を示す記号は,次によって,表1の種類の記号の末尾に付記
する。
3
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a) 鋼板に熱加工制御を行う場合
TMC
b) 受渡当事者間の協定によって,鋼板に焼ならしを行う場合
N
c) 鋼板に焼入焼戻しを行う場合
Q
d) 試験片の熱処理として焼ならしを行う場合
TN
e) 試験片の熱処理として溶接後熱処理に相当する熱処理を行う場合
SR
f)
試験片の熱処理として焼入焼戻しを行う場合
TQ
例 SPV410TMC :鋼板に熱加工制御を行う場合。
SPV450Q
:鋼板に焼入焼戻しを行う場合。
SPV450NSR
:鋼板に焼ならしを行い,更に試験片の熱処理として溶接後熱処理に相当する熱
処理を1回行う場合。
SPV450TN
:鋼板を圧延のままとし,試験片の熱処理として焼ならしを行う場合。
SPV490TNSR :鋼板を圧延のままとし,試験片の熱処理として焼ならし及び溶接後熱処理に相
当する熱処理を1回行う場合。
SPV490TN3SR :鋼板を圧延のままとし,試験片の熱処理として焼ならし及び3回の溶接後熱処
理に相当する熱処理を行う場合。
SPV490TQ2SR :鋼板を圧延のままとし,試験片の熱処理として焼入焼戻し及び2回の溶接後熱
処理に相当する熱処理を行う場合。
5
化学成分
鋼板は,10.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表3による。
表3−化学成分a)
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
SPV235
厚さ100 mm以下
0.18以下
0.35以下
1.40以下
0.020以下
0.020以下
厚さ100 mmを超えるもの
0.20以下
SPV315
0.18以下
0.55以下
1.60以下
0.020以下
0.020以下
SPV355
0.20以下
0.55以下
1.60以下
0.020以下
0.020以下
SPV410
0.18以下
0.75以下
1.60以下
0.020以下
0.020以下
SPV450 b)
0.18以下
0.75以下
1.60以下
0.020以下
0.020以下
SPV490 b)
0.18以下
0.75以下
1.60以下
0.020以下
0.020以下
注a) この表に規定のない合金元素を添加してもよい。
b) 焼ならしを行うSPV450及びSPV490の鋼板の場合,この表に規定のない合金元素については,受渡当事者間
の協定による。
4
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6
炭素当量及び溶接割れ感受性組成
6.1
SPV315,SPV355及びSPV410の炭素当量及び溶接割れ感受性組成
熱加工制御又は焼入焼戻しを行うSPV315,SPV355及びSPV410の炭素当量及び溶接割れ感受性組成は,
次による。
a) 熱加工制御を行う鋼板 熱加工制御を行う鋼板の炭素当量は,表4による。炭素当量の計算は,10.1
の溶鋼分析値を用い,式(1)による。
なお,受渡当事者間の協定によって,炭素当量の代わりに溶接割れ感受性組成を適用してもよい。
この場合の溶接割れ感受性組成は,表5による。溶接割れ感受性組成の計算は,10.1の溶鋼分析値を
用い,式(2)による。
14
V
4
Mo
5
Cr
40
Ni
24
Si
6
Mn
C
eq
+
+
+
+
+
+
=
C
·········································· (1)
ここに,
Ceq: 炭素当量(%)
B
5
10
V
15
Mo
20
Cr
60
Ni
20
Cu
20
Mn
30
Si
C
CM
+
+
+
+
+
+
+
+
=
P
····························· (2)
ここに,
PCM: 溶接割れ感受性組成(%)
表4−熱加工制御を行うSPV315,SPV355及びSPV410の炭素当量
単位 %
種類の記号
厚さ
50 mm以下
50 mmを超え
100 mm以下
100 mmを超え
150 mm以下
SPV315
0.39以下
0.41以下
0.43以下
SPV355
0.40以下
0.42以下
0.44以下
SPV410
0.43以下
0.45以下
−
表5−熱加工制御を行うSPV315,SPV355及びSPV410の溶接割れ感受性組成
単位 %
種類の記号
厚さ
50 mm以下
50 mmを超え
75 mm以下
75 mmを超え
100 mm以下
100 mmを超え
150 mm以下
SPV315
0.24以下
0.26以下
0.26以下
0.28以下
SPV355
0.26以下
0.27以下
0.27以下
0.29以下
SPV410
0.27以下
0.28以下
0.29以下
−
b) 焼入焼戻しを行う鋼板 焼入焼戻しを行うSPV315,SPV355及びSPV410の炭素当量又は溶接割れ感
受性組成は,受渡当事者間の協定による。
6.2
SPV450及びSPV490の炭素当量及び溶接割れ感受性組成
SPV450及びSPV490の炭素当量及び溶接割れ感受性組成は,次による。
a) 焼入焼戻しを行う鋼板 焼入焼戻しを行うSPV450及びSPV490の炭素当量は,表6による。炭素当
量の計算は,10.1の溶鋼分析値を用い,式(1)による。
なお,受渡当事者間の協定によって,炭素当量の代わりに溶接割れ感受性組成を適用してもよい。
5
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この場合の溶接割れ感受性組成は,表7による。溶接割れ感受性組成の計算は,10.1の溶鋼分析値を
用い,式(2)による。
表6−焼入焼戻しを行うSPV450及びSPV490の炭素当量
単位 %
種類の記号
厚さ
50 mm以下
50 mmを超え
75 mm以下
75 mmを超え
100 mm以下
100 mmを超え
125 mm以下
125 mmを超え
150 mm以下
SPV450
0.44以下
0.46以下
0.49以下
0.52以下
0.54以下
SPV490
0.45以下
0.47以下
0.50以下
0.53以下
0.55以下
表7−焼入焼戻しを行うSPV450及びSPV490の溶接割れ感受性組成
単位 %
種類の記号
厚さ
50 mm以下
50 mmを超え 150 mm以下
SPV450
0.28以下
0.30以下
SPV490
0.28以下
0.30以下
b) 焼ならしを行う鋼板 焼ならしを行うSPV450及びSPV490の炭素当量又は溶接割れ感受性組成は,
受渡当事者間の協定による。
7
機械的性質
7.1
降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性
鋼板は,10.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表8による。
なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。
注記 曲げ性の試験の実施については,10.2.1を参照。
7.2
シャルピー吸収エネルギー
厚さ12 mmを超える鋼板は,10.2の試験を行い,そのシャルピー吸収エネルギーは,表9による。ただ
し,厚さ12 mm以下の鋼板で注文時に指定された場合には,サブサイズ試験片による衝撃試験を行う。こ
の場合の吸収エネルギー最低値は,表10による。
なお,熱加工制御を行うSPV315,SPV355及びSPV410の鋼板においては,受渡当事者間の協定によっ
て表11を適用してもよい。
6
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表8−降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性
種類の
記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張
強さ
N/mm2
伸び
曲げ性
厚さ
mm
厚さ
mm
試験片
%
曲げ
角度
内径半径
試験片
6以上
50以下
50を超え
100以下
100を超え
200以下
SPV235 235以上 215以上
195以上
400〜
510
16以下
1A号 17以上
180°
厚さ50 mm以下:
厚さの1.0倍
厚さ50 mmを超
えるもの:
厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの 1A号 21以上
40を超えるもの
4号 24以上
SPV315 315以上 295以上 275以上a) 490〜
610
16以下
1A号 16以上
180° 厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの 1A号 20以上
40を超えるもの
4号 23以上
SPV355 355以上 335以上 315以上a) 520〜
640
16以下
1A号 14以上
180° 厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの 1A号 18以上
40を超えるもの
4号 21以上
SPV410 410以上 390以上 370以上a) 550〜
670
16以下
1A号 12以上
180° 厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの 1A号 16以上
40を超えるもの
4号 18以上
SPV450 450以上 430以上 410以上a) 570〜
700
16以下
5号 19以上
180° 厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの
5号 26以上
20を超えるもの
4号 20以上
SPV490 490以上 470以上 450以上a) 610〜
740
16以下
5号 18以上
180° 厚さの1.5倍
1号
16を超えるもの
5号 25以上
20を超えるもの
4号 19以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 厚さ150 mm以下に適用する。
表9−シャルピー吸収エネルギー
単位 J
種類の記号
試験温度a)
℃
シャルピー吸収エネルギー
試験片b)
3個の試験片の平均値
個々の試験片の値
SPV235
0
47以上
27以上
Vノッチ
圧延方向
SPV315
0
47以上
27以上
SPV355
0
47以上
27以上
SPV410
−10
47以上
27以上
SPV450
−10
47以上
27以上
SPV490
−10
47以上
27以上
注a) 受渡当事者間の協定によって,これらの試験温度より低い温度で試験を行う場合は,
その試験温度に置き換えてもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,圧延方向に対して直角方向での試験を行う場合には,
注文者の承認によって,圧延方向試験を省略してもよい。
7
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表10−サブサイズ試験片によるシャルピー吸収エネルギーの最低値
単位 J
鋼板の厚さと試験片の幅との差
10 mm×10 mm
試験片によるシャルピー
吸収エネルギー
シャルピー吸収エネルギー
試験片の高さ×幅(サブサイズ)mm
10×7.5
10×5
3 mm以下の場合
3個の試験片の平均値
47
35
24
個々の試験片の値
27
22
14
3 mmを超える場合
3個の試験片の平均値
47
39
31
個々の試験片の値
27
23
19
表11−熱加工制御を行う鋼板のシャルピー吸収エネルギー
単位 J
種類の記号
試験温度a)
℃
シャルピー吸収エネルギー
試験片b)
3個の試験片の平均値
個々の試験片の値
SPV315
SPV355
SPV410
−20
47以上
27以上
Vノッチ
圧延方向
注a) 受渡当事者間の協定によって,この試験温度より低い温度で試験を行う場合は,その試験温度に
置き換えてもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,圧延方向に対して直角方向での試験を行う場合には,注文者の承
認によって,圧延方向試験を省略してもよい。
8
形状,寸法,質量及びその許容差
鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,鋼板の長さ及びカットエッジ
の幅の許容差は,特に指定がない限りJIS G 3193の許容差Aとし,厚さの許容差は,表12による。
表12−厚さの許容差
単位 mm
厚さ
幅a)
1 600未満
1 600以上
2 000未満
2 000以上
2 500未満
2 500以上
3 150未満
3 150以上
4 000未満
4 000以上
5 000未満
6.00 以上
6.30 未満
+0.75
+0.95
+0.95
+1.25
+1.25
−
6.30 以上 10.0 未満
+0.85
+1.05
+1.05
+1.35
+1.35
+1.55
10.0 以上 16.0 未満
+0.85
+1.05
+1.05
+1.35
+1.35
+1.75
16.0 以上 25.0 未満
+1.05
+1.25
+1.25
+1.65
+1.65
+1.95
25.0 以上 40.0 未満
+1.15
+1.35
+1.35
+1.75
+1.75
+2.15
40.0 以上 63.0 未満
+1.35
+1.65
+1.65
+1.95
+1.95
+2.35
63.0 以上 100
未満
+1.55
+1.95
+1.95
+2.35
+2.35
+2.75
100
以上 160
未満
+2.35
+2.75
+2.75
+3.15
+3.15
+3.55
160
以上
+2.95
+3.35
+3.35
+3.55
+3.55
+3.95
マイナス側の許容差は,0.25 mmとする。受渡当事者間の協定によってマイナス側の許容差を0 mmとした場合の
プラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。
注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。
9
外観
鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修は,事前に注文者の承認を得な
8
G 3115:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ければならない。
10
試験
10.1
分析試験
分析試験は,次による。
a) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。
b) 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。
10.2
機械試験
10.2.1
試験一般
機械試験の一般事項はJIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供
試材の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とし,試験片の数,採取方向及
び採取位置は,次による。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない
ことを意味する。
a) 引張試験片及び曲げ試験片の数並びに採取方向 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から
そのまま圧延した鋼板を一括して試験単位とし,最終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。熱
処理を行った鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊からそのまま圧延した同一熱処理条件ごとの鋼板を一
括して試験単位とし,最終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。
b) 衝撃試験片の数及び採取方向 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊からそのまま圧延した
鋼板を一括して試験単位とし,供試材1個を採取し,これから試験片3個を,特に指定がない限り圧
延方向に採取する。熱処理を行った鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊からそのまま圧延した同一熱処
理条件ごとの鋼板を一括して試験単位とし,供試材1個を採取し,これから試験片3個を,特に指定
がない限り圧延方向に採取する。
c) 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 試験片の中心は,鋼板の幅の縁から板幅の1/4又はそれに近
い位置とし,かつ,4号引張試験片を用いる場合には,更に,表面から厚さの1/4の位置とする。た
だし,厚さの1/4の位置から採れない場合には,これに近い位置とする。
d) 衝撃試験片の採取位置 試験片の中心は,鋼板の表面から厚さの1/4の位置で,かつ,鋼板の幅の縁
から板幅の1/4又はそれに近い位置とする。ただし,厚さの1/4の位置から採れない場合には,これ
に近い位置とする。
10.2.2
試験片
引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1A号,4号又は5号試験片による。
b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。
c) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のVノッチ試験片又はそのサブサイズ試験片による。ただし,試験片切欠
き部の切欠きの長さ方向は,圧延面に垂直とする。
10.2.3
試験方法
引張試験,曲げ試験及び衝撃試験の方法は,次による。
a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。
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G 3115:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 曲げ試験方法は,JIS Z 2248による。
c) 衝撃試験方法は,JIS Z 2242による。
注記 この規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によってJIS G 0801(圧力容器用
鋼板の超音波探傷検査方法)などの非破壊試験が行われることがある。この場合,事前に試験
方法,合否判定基準などについて,受渡当事者間で協定される。
11
検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。
c) 炭素当量又は溶接割れ感受性組成は,箇条6に適合しなければならない。
d) 機械的性質は,箇条7に適合しなければならない。
e) 形状,寸法,質量及びその許容差は,箇条8に適合しなければならない。
f)
外観は,箇条9に適合しなければならない。
12
再検査
再検査は,次による。
a) 引張試験及び曲げ試験で合格にならなかった鋼板は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験を行
って合否を決定してもよい。
b) 衝撃試験で合格にならなかった鋼板は,3個の平均値が規定値の85 %以上で,個々の試験値が規定値
に2個以上合格の場合に,同一供試材の最初に試験片を採った近くから,更に3個の試験片を採取し
て再試験を行い,合否を決定してもよい。この場合,6個の平均値及び再試験の3個の個々の試験値
が,表9,表10又は表11に適合する場合は合格とする。
c) 試験で合格とならなかった鋼板は,熱処理又は再熱処理を行った後,改めて試験を行い,合否を決定
してもよい。
13
表示
検査に合格した鋼板は,鋼板ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受渡当事者間の協定に
よって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号及び熱処理の記号(4.5参照)
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)による。
d) 製造業者名又はその略号
14
報告
製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,注文時に特に指定がなければ,検査文書の種類は,JIS G 0415の表1(検査文書の総括表)
の記号3.1(検査証明書3.1)とする。
なお,表3の注a) によった場合は,成績表に添加した合金元素の含有率を付記する。また,炭素当量又
は溶接割れ感受性組成が適用された場合は,それらの計算式に含まれる合金元素の含有率を報告しなけれ
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G 3115:2016
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ばならない。
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3115:2016 圧力容器用鋼板
ISO 9328-1:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery
conditions−Part 1: General requirements
ISO 9328-3:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery
conditions−Part 3: Weldable fine grain steels, normalized
ISO 9328-5:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery
conditions−Part 5: Weldable fine grain steels, thermomechanically rolled
ISO 9328-6:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery
conditions−Part 6: Weldable fine grain steels, quenched and tempered
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 常・中温用の溶接
性の優れた圧力容
器用鋼板
ISO 9328-1 1
圧力容器用鋼板及び鋼帯
変更
適用範囲について,JISでは,
常・中温で使用する圧力容器用
鋼板に限定。ISO規格は,対象
の温度を規定していない。
設計基準を含めた規格体系の相
違。この体系の変更は,影響が大
きいため,当面は現状ままとする。
2 引用規格
3 種類及び
記号並びに
適用厚さ
6種類を規定
ISO 9328-3
ISO 9328-5
ISO 9328-6
4.2
Part 3で10種類,Part 5
で9種類,Part 6で8種類
を規定
変更
JISの種類は,Part 3に1種類,
Part 5に4種類,Part 6に5種
類が記載されている。
圧力容器の設計基準は,ASME規
格と欧州設計基準の2種類が主
流。鋼板のISO規格は,双方に対
応できる共存規格にしたもの。
ISO規格の各Partに,それぞれ対
応するJISの種類を記載。
4.1 製造方
法
ISO 9328-1 6.1
一致
3
G
3
11
5
:
2
0
1
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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G 3115:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4.2 鋼板の
熱処理
焼ならし,焼入焼
戻し又は熱加工制
御
ISO 9328-3
ISO 9328-5
ISO 9328-6
6.2
Part 3が焼ならし,Part 5
が熱加工制御,Part 6が焼
入焼戻しを規定
変更
JISで規定する熱処理は,Part 3
に焼ならし,Part 5に熱加工制
御,Part 6に焼入焼戻しが記載
されている。
規格体系の相違。日本は,米国
ASME規格の体系と同じように,
用途別の規格体系としている。
ISO規格では,製造法別の体系と
している。この体系の変更は影響
が大きいため,当面は現状ままと
する。
5 化学成分 溶鋼分析値を規定
ISO 9328-3
ISO 9328-5
ISO 9328-6
6.3
溶鋼分析値を規定
変更
ISO規格は,JISを包含する規
定内容になっている。
本質的な相違はない。現行規定を
踏襲する。
6 炭素当量
及び溶接割
れ感受性組
成
熱加工制御又は焼
入焼戻しを行った
鋼板の炭素当量及
び溶接割れ感受性
組成
ISO 9328-5
ISO 9328-6
6.3.3
ISO規格では,鋼板の炭
素当量を規定。
追加
JISでは,溶接割れの指標とし
て有用な溶接割れ感受性組成
についても規定。
溶接割れ感受性組成の採用をISO
に提案する。
7 機械的性
質
常温引張特性,曲
げ性及び衝撃特性
について規定
ISO 9328-3
ISO 9328-5
ISO 9328-6
6.4
常温引張特性,衝撃特性
を規定
追加
JISは,曲げ性も規定している。 JISは,従来から規定している曲
げ性要求も保持している。要求性
能として規定し,試験は省略でき
るとした現行規定を踏襲する。
8 形状,寸
法,質量及
びその許容
差
JIS G 3193による。
ただし,板厚マイ
ナス側の許容差
は,0.25 mm。
ISO 9328-1 6.7
受渡当事者間で協定。協
定の際,ISO 7452を参照。
変更
JIS G 3193とISO 7452とは,
整合。ただし,板厚マイナス側
の許容差は,ISO規格は,0.30
mmで相違。
板厚マイナス側の許容差は,国内
実績,法規・技術基準との関連が
あり現行規定を踏襲する。
9 外観
JIS G 3193による。 ISO 9328-1 6.5
ISO 7788による。
変更
ISO規格は,選択肢として表面
きず除去部の局部的な板厚不
足を認めているが,JISは認め
ていない。
現行の板厚不足を認めない規定を
踏襲する。
10 試験
分析試験及び機械
試験を規定
ISO 9328-1 9
分析試験及び機械試験を
規定
変更
ISO規格は,引張試験片に通
常,比例試験片を採用。
ISO規格はJISとの共存規格とな
っており現行どおりとする。
11 検査
ISO 9328-1 7
追加
JISでは,溶接割れ感受性組成
について追加。
溶接割れ感受性組成の採用をISO
に提案する。
3
G
3
11
5
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
12 再検査
ISO 9328-1 7.3
一致
13 表示
種類の記号,溶鋼
番号,寸法,製造
業者名など表示
ISO 9328-1 10
種類の記号,製造業者名
を表示。これ以外は受渡
当事者間の協定又は製造
業者の任意。
追加
JISは,熱処理記号,溶鋼番号
及び寸法も表示。
ISO規格はJISとの共存規格とな
っており現行どおりとする。
14 報告
ISO 9328-1 7.1
追加
JISでは,溶接割れ感受性組成
について追加。
溶接割れ感受性組成の採用をISO
に提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 9328-1:2011,ISO 9328-3:2011,ISO 9328-5:2011,ISO 9328-6:2011,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
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2
0
1
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