G 3109:2020
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目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類,種類の記号及び呼び名 ······························································································ 1
3.1 種類及び種類の記号 ······································································································· 1
3.2 呼び名 ························································································································· 1
4 製造方法························································································································· 2
5 化学成分························································································································· 2
6 機械的性質 ······················································································································ 2
7 形状,寸法及び単位質量 ···································································································· 2
7.1 形状 ···························································································································· 2
7.2 寸法及び単位質量 ·········································································································· 3
8 外観······························································································································· 4
9 試験······························································································································· 4
9.1 試験片の採り方 ············································································································· 4
9.2 分析試験 ······················································································································ 4
9.3 機械試験 ······················································································································ 4
9.4 寸法及び単位質量の測定 ································································································· 5
10 検査 ····························································································································· 5
10.1 検査 ··························································································································· 5
10.2 再検査 ························································································································ 5
11 表示 ····························································································································· 5
12 報告 ····························································································································· 6
附属書A(参考)異形棒鋼の形状例 ························································································· 7
附属書B(規定)引張試験における試験速度·············································································· 8
附属書C(規定)リラクセーション試験条件 ············································································· 9
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,線材製品協会
(JWPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべき
との申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これ
によって,JIS G 3109:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,令和3年8月19日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3109:2008を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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PC鋼棒
Steel bars for prestressed concrete
1
適用範囲
この規格は,主としてポストテンション方式によるプレストレストコンクリートに用いるPC鋼棒(以
下,鋼棒という。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2276 金属材料の引張リラクセーション試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
種類,種類の記号及び呼び名
3.1
種類及び種類の記号
鋼棒は,丸鋼と異形棒鋼とに区分する。鋼棒の種類は,6種類とし,その種類の記号は,表1による。
表1−種類及び種類の記号
種類
種類の記号a)
丸鋼
A種
2号
SBPR 785/1030
B種
1号
SBPR 930/1080
2号
SBPR 930/1180
C種
1号
SBPR 1080/1230
異形棒鋼
B種
1号
SBPD 930/1080
C種
1号
SBPD 1080/1230
注a) Rは丸鋼を示し,Dは異形棒鋼を示す。
3.2
呼び名
鋼棒の呼び名は,表2及び表3による。
2
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表2−丸鋼の呼び名
呼び名
9.2 mm 11 mm 13 mm 15 mm 17 mm 19 mm 21 mm 23 mm 26 mm 29 mm 32 mm 36 mm 40 mm
表3−異形棒鋼の呼び名
呼び名
D22 mm D23 mm D25 mm D26 mm D32 mm D36 mm
4
製造方法
鋼棒は,キルド鋼を熱間圧延した材料を用いて,引抜き,ホットストレッチング1),熱処理又はこれら
の組合せによって製造する。
注1) 熱処理及び引張応力の付与を個別又は同時に行う処理
5
化学成分
鋼棒は,9.2の試験を行い,その溶鋼分析値は,表4による。ただし,必要に応じて表4にない元素を添
加してもよい。
表4−化学成分
単位 %
P
S
Cu
0.030以下
0.035以下
0.30以下
6
機械的性質
鋼棒の機械的性質は,9.3の試験を行い,その値は,表5による。
表5−機械的性質
種類の記号
耐力
又は降伏点a)
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
リラクセーション値
%
SBPR 785/1030
785以上
1 030以上
5以上
4.0以下
SBPR 930/1080
930以上
1 080以上
SBPD 930/1080
SBPR 930/1180
930以上
1 180以上
SBPR 1080/1230
1 080以上
1 230以上
SBPD 1080/1230
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 耐力とは0.2 %永久伸びに対する応力をいい,降伏点とは下降伏点をいう。
7
形状,寸法及び単位質量
7.1
形状
鋼棒の形状は,次による。
a) 鋼棒は,棒状又はコイル状とする。
b) 異形棒鋼は,ねじ状の節(突起)をもつ形状とする。また,ねじ状の節は,緊張後の定着及び機械継
3
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手のときに適用できる形状とする。参考として,附属書Aに異形棒鋼の形状の例を示す。
7.2
寸法及び単位質量
鋼棒の寸法及び単位質量は,次による。
a) 丸鋼の径,径の許容差及び公称断面積は,表6による。丸鋼の寸法測定は,9.4による。
b) 異形棒鋼の公称直径,公称断面積,単位質量,節高さ及び節間隔の最大値は,表7による。異形棒鋼
の単位質量,節高さ及び節間隔の測定は,9.4による。
なお,節高さ及び節間隔の測定部位の例を,附属書Aに示す。
表6−丸鋼の径,径の許容差及び公称断面積
呼び名
径
mm
径の許容差
mm
公称断面積
mm2
9.2 mm
9.2
プラス側は規
定しない。
−0.2
66.48
11 mm
11.0
95.03
13 mm
13.0
132.7
15 mm
15.0
176.7
17 mm
17.0
227.0
19 mm
19.0
283.5
21 mm
21.0
プラス側は規
定しない。
−0.6
346.4
23 mm
23.0
415.5
26 mm
26.0
530.9
29 mm
29.0
660.5
32 mm
32.0
804.2
36 mm
36.0
1 018
40 mm
40.0
1 257
表7−異形棒鋼の公称直径,公称断面積,単位質量,節高さ及び節間隔の最大値
呼び名
公称直径
(d)
mm
公称断面積a)
(S)
mm2
単位質量
節高さ(h)c)
節間隔(p)の
最大値d)
mm
基準質量b)
(m0)
kg/m
最小値b)
kg/m
最大値
kg/m
最小値
mm
最大値
mm
D22 mm
22.0
380.1
2.98
2.83
規定し
ない。
1.1
2.2
15.4
D23 mm
23.0
415.5
3.26
3.10
1.2
2.3
16.1
D25 mm
25.0
490.9
3.85
3.66
1.2
2.5
17.5
D26 mm
26.0
530.9
4.17
3.96
1.3
2.6
18.2
D32 mm
32.0
804.2
6.31
5.99
1.6
3.2
22.4
D36 mm
36.0
1 018
7.99
7.59
1.8
3.6
25.2
注記 公称断面積及び基準質量は,公称直径を用いて算出した値である。
注a) 公称断面積は,鋼棒を丸棒とみなして次の式によって求め,JIS Z 8401の規則Bによって有効数字4桁に丸
めた値である。
S =πd2/4
b) 基準質量は,次の式によって求め,JIS Z 8401の規則Bによって有効数字3桁に丸めた値である。
なお,単位質量の最小値は,基準質量の95 %としている。
m0 =7.85 (g/cm3)×S(mm2) =0.785×S/100(kg/m)
c) 節高さは,最小値は公称直径の5.0 %,最大値は公称直径の10 %とし,算出値をJIS Z 8401の規則Bによっ
て小数点以下1桁に丸めた値としている。
d) 節間隔は,公称直径の70 %以下とし,JIS Z 8401の規則Bによって小数点以下1桁に丸めた値としている。
4
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8
外観
鋼棒には,使用上有害なきず・さびなどの欠点があってはならない。
9
試験
9.1
試験片の採り方
試験片の採り方は,次による。
a) 引張試験,質量測定及び寸法測定に用いる試験片は,同一溶鋼,同一熱処理及び同一呼び名ごとに表
8によって,測定に誤差を与えないように留意して切断し採取する。
表8−試験片の採り方及び試験片の数
形状
呼び名
試験項目
引張強さ,伸び,寸法及び単位質量
耐力又は降伏点
棒状a) 9.2 mm,11 mm,
13 mm
1 000本ごと及びその端数を一組とし,
それぞれの組から任意の1本を選び,
その一端から1個
6 000本ごと及びその端数を一組とし,
それぞれの組から任意の1本を選び,そ
の一端から1個
15 mm,17 mm,19 mm,
21 mm,23 mm,D22
mm,D23 mm
200本ごと及びその端数を一組とし,そ
れぞれの組から任意の1本を選び,そ
の一端から1個
1 200本ごと及びその端数を一組とし,
それぞれの組から任意の1本を選び,そ
の一端から1個
26 mm,29 mm,32 mm,
36 mm,40 mm,D25
mm,D26 mm,D32 mm,
D36 mm
100本ごと及びその端数を一組とし,そ
れぞれの組から任意の1本を選び,そ
の一端から1個
600本ごと及びその端数を一組とし,そ
れぞれの組から任意の1本を選び,その
一端から1個
コイ
ル状
全呼び名
5条ごと及びその端数を一組とし,それ
ぞれの組から任意の1条を選び,その
一端から1個
30条ごと及びその端数を一組とし,そ
れぞれの組から任意の1条を選び,その
一端から1個
注a) コイル状の鋼棒を更に切断した棒状の鋼棒に対しては,切断前のコイル状の鋼棒を対象とし,コイル状の試
験片の採り方を適用する。
b) リラクセーション試験の試験片は,材料又は製造工程を変更した場合に任意の1本又は1条を選び,
その一端から9.3.2の試験を行うことができる標点距離が100 mm以上となる長さのものを1個採る。
9.2
分析試験
9.2.1
分析試験の一般事項及び分析試料の採り方
鋼材の化学成分は,溶鋼分析によって求める。分析試験の一般事項及び分析試料の採り方は,JIS G 0404
の箇条8(化学成分)による。
9.2.2
分析方法
分析方法は,JIS G 0320による。
9.3
機械試験
9.3.1
引張試験
引張試験は,次による。
a) 引張試験は,JIS Z 2241による。ただし,試験速度は,附属書Bに規定する範囲とする。
b) 丸鋼及び異形棒鋼の引張試験に用いる試験片は,径又は公称直径の大きさによらず,JIS Z 2241に規
定する2号試験片を適用する。試験片はいずれも製品のままとし,機械仕上げを行ってはならない。
なお,異形棒鋼の標点距離及び平行部の長さは,異形棒鋼の公称直径を用いて算出する。
5
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c) 耐力又は降伏点は,0.2 %永久伸び又は下降伏点に対する試験力を公称断面積(表6及び表7)で除し
て求める。
d) 引張強さは,試験中の最大試験力を公称断面積(表6及び表7)で除して求める。
e) 伸びは,JIS Z 2241に規定する破断伸びによって求める。
9.3.2
リラクセーション試験
リラクセーション試験は,JIS Z 2276による。ただし,試験は常温[(20±5) ℃]で行い,力を加える
速度,初期試験力,初期試験力保持時間及びリラクセーション時間は,附属書Cによる。
9.4
寸法及び単位質量の測定
寸法及び単位質量の測定は,次による。
a) 丸鋼の径は,同一断面における最大径及び最小径を測定し,その平均値を求める。
b) 異形棒鋼の単位質量は,400 mm以上の試験片の長さ及び質量をそれぞれ有効数字4桁まで測定し,
1 000 mm当たりに換算する。換算値をJIS Z 8401の規則Bによって有効数字3桁に丸める。また,
異形棒鋼の節高さは,任意の三つの節高さを測定し,その平均値を求める。さらに,節間隔は,連続
する10個の節間隔を節の中央線上で測定した値,又はこれに相当する長さを軸線方向の他の線上で測
定した値のいずれかを1/10倍して求める。
10 検査
10.1 検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5の規定に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条6の規定に適合しなければならない。
d) 寸法及び単位質量は,箇条7の規定に適合しなければならない。
e) 外観は,箇条8の規定に適合しなければならない。
10.2 再検査
試験片について行った最初の試験の結果が,箇条6の規定に適合しなかった場合には,最初の試験の試
験片を採った棒状又はコイル状の鋼棒から更に1個の試験片を採り,かつ,同じ組の他の2本の棒状の鋼
棒又は2条のコイル状の鋼棒の一端からそれぞれ1個の試験片を採り,この3個の試験片で再試験を行っ
てもよい。再試験の結果,3個の試験片の値が全て箇条6の規定に適合すれば,その組の鋼棒は,合格と
し,1個でも適合しないときは,その組の鋼棒は,不合格とする。
11 表示
この規格の全ての要求事項に適合した鋼棒には,結束ごとに,次の項目を適切な方法で表示する。
a) 規格番号及び種類の記号
b) 呼び名
c) 数量又は質量
d) 製品の識別番号
e) 製造業者名又はその略号
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12 報告
製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。報告する検査文書の種類は,注文時に特に指定がない場合,JIS G 0415の5.1(検査証明書3.1)によ
る。
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附属書A
(参考)
異形棒鋼の形状例
異形棒鋼の形状の例を,図A.1〜図A.3に示す。
h 節高さ P 節間隔
図A.1−タイプA
h 節高さ P 節間隔
図A.2−タイプB
h 節高さ P 節間隔
図A.3−タイプC
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附属書B
(規定)
引張試験における試験速度
引張試験における試験速度は,表B.1による。
表B.1−鋼棒の引張試験における試験速度
測定項目
応力増加速度制御方法
試験速度
耐力又は降伏点
平均応力増加速度
3 MPa・s−1〜100 MPa・s−1
引張強さ
ひずみ速度
0.5 %/min〜50 %/min a)
伸び
注a) 1 %/min=1/6 000 s−1
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附属書C
(規定)
リラクセーション試験条件
リラクセーション試験における力を加える速度,初期試験力,初期試験力保持時間及びリラクセーショ
ン時間は,表C.1による。
表C.1−リラクセーション試験条件
項目
規定
力を加える速度a)
200 N/(mm2・min)±50 N/(mm2・min)
[3.33 N/(mm2・s)±0.83 N/(mm2・s)]
初期試験力
表5の引張強さの下限値の70 %に相当する値に公称断面積
を乗じた値
初期試験力保持時間
初期試験力を120±2 s保持
リラクセーション時間
つかみ間隔を一定にした状態で,120時間以上の試験を実施
する。通常,保持期間は,120時間又は1 000時間とする。
120時間又は1 000時間保持後,試験力を測定し,リラクセ
ーション値(初期試験力に対する低下率)を求める。
なお,保持時間を120時間で行う場合は,JIS Z 2276の7.3.5
(室温試験の場合の試験期間)の外挿法によって,1 000時
間保持後のリラクセーション値を求める。
注a) 力を加える速度は,試験力の増加速度を公称断面積で除した値とする。