G 3101:2015
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号並びに適用寸法 ······························································································ 2
4 化学成分························································································································· 2
5 機械的性質 ······················································································································ 2
6 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 2
7 外観······························································································································· 4
8 試験······························································································································· 4
8.1 分析試験 ······················································································································ 4
8.2 機械試験 ······················································································································ 4
9 検査······························································································································· 5
10 再検査 ·························································································································· 5
11 表示 ····························································································································· 5
12 報告 ····························································································································· 6
附属書JA(規定)辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質 ·························· 7
附属書JB(規定)熱間押出形鋼の品質規定 ··············································································· 8
附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
G 3101:2015
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3101:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成28年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3101:2010によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
G 3101:2015
一般構造用圧延鋼材
Rolled steels for general structure
序文
この規格は,2011年に第1版として発行されたISO 630-1及びISO 630-2を基とし,技術的内容を変更
して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。
1
適用範囲
この規格は,橋梁,船舶,車両その他の構造物に用いる一般構造用の熱間圧延鋼材(以下,鋼材という。)
及び熱間押出形鋼について規定する。
なお,熱間押出形鋼の品質規定を附属書JBに規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 630-1:2011,Structural steels−Part 1: General technical delivery conditions for hot-rolled products
ISO 630-2:2011,Structural steels−Part 2: Technical delivery conditions for structural steels for general
purposes(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0416 鋼及び鋼製品−機械試験用供試材及び試験片の採取位置並びに調製
JIS G 3191 熱間圧延棒鋼及びバーインコイルの形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3194 熱間圧延平鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
2
G 3101:2015
3
種類及び記号並びに適用寸法
鋼材の種類は,4種類とし,その記号及び適用寸法は,表1による。
表1−種類の記号及び適用寸法
種類の記号
鋼材の形状
適用寸法
SS330
鋼板,鋼帯,平鋼及び棒鋼
−
SS400
鋼板,鋼帯,形鋼,平鋼及び棒鋼
−
SS490
SS540
鋼板,鋼帯,形鋼及び平鋼
厚さa) 40 mm以下
棒鋼
径,辺又は対辺距離40 mm以下
注記 棒鋼には,バーインコイルを含む。
注a) 形鋼の厚さは,JIS G 3192の表3(山形鋼,I形鋼,溝形鋼,球平形鋼及びT形鋼の形状及び寸法
の許容差)の厚さt又はt2,及び表4(H形鋼の形状及び寸法の許容差)の厚さt2とする。
4
化学成分
鋼材は,8.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
表2−化学成分
単位 %
種類の記号
C
Mn
P
S
SS330
−
−
0.050以下
0.050以下
SS400
SS490
SS540
0.30以下
1.60以下
0.040以下
0.040以下
必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
5
機械的性質
鋼材は,8.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表3による。ただし,
辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質は,附属書JAによる。
なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。
注記 曲げ性の試験の実施については,8.2.1を参照。
6
形状,寸法,質量及びその許容差
鋼材の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3191,JIS G 3192,JIS G 3193及びJIS G 3194による。
この場合,鋼板及び鋼帯のカットエッジの場合の幅,並びに鋼板の長さの許容差は,特に指定がない限
りJIS G 3193の表7(幅の許容差)の許容差A及び表8(鋼板の長さの許容差A)による。JIS G 3193に
規定されていない厚さ区分に対する許容差については,受渡当事者間で協定してもよい。
3
G 3101:2015
表3−機械的性質
種類の
記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張強さ
伸び
曲げ性
厚さa)
mm
厚さa)
mm
試験片
%
曲げ
角度
内側半径 試験
片c)
16以下
16を超え
40以下
40を超え
100以下
100を超
えるもの
N/mm2
SS330 205以上 195以上 175以上 165以上 330〜430 鋼板,鋼帯,平鋼の厚さ5以下
5号 26以上 180° 厚さの
0.5倍
1号
鋼板,鋼帯,平鋼の厚さ5を超
え16以下
1A号 21以上
鋼板,鋼帯,平鋼の厚さ16を超
え50以下
1A号 26以上
鋼板,平鋼の厚さ40を超えるも
の
4号
28
以上b)
棒鋼の径,辺又は対辺距離25以
下
2号 25以上 180° 径,辺又
は対辺
距離の
0.5倍
2号
棒鋼の径,辺又は対辺距離25を
超えるもの
14A号 28以上
SS400 245以上 235以上 215以上 205以上 400〜510 鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5以下
5号 21以上 180° 厚さの
1.5倍
1号
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5を超え16以下
1A号 17以上
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
16を超え50以下
1A号 21以上
鋼板,平鋼,形鋼の厚さ40を超
えるもの
4号
23
以上b)
棒鋼の径,辺又は対辺距離25以
下
2号 20以上 180° 径,辺又
は対辺
距離の
1.5倍
2号
棒鋼の径,辺又は対辺距離25を
超えるもの
14A号 22以上
SS490 285以上 275以上 255以上 245以上 490〜610 鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5以下
5号 19以上 180° 厚さの
2.0倍
1号
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5を超え16以下
1A号 15以上
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
16を超え50以下
1A号 19以上
鋼板,平鋼,形鋼の厚さ40を超
えるもの
4号
21
以上b)
棒鋼の径,辺又は対辺距離25以
下
2号 18以上 180° 径,辺又
は対辺
距離の
2.0倍
2号
棒鋼の径,辺又は対辺距離25を
超えるもの
14A号 20以上
4
G 3101:2015
表3−機械的性質(続き)
種類の
記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張強さ
伸び
曲げ性
厚さa)
mm
厚さa)
mm
試験片
%
曲げ
角度
内側半径 試験
片c)
16以下
16を超え
40以下
40を超え
100以下
100を超
えるもの
N/mm2
SS540 400以上 390以上
−
−
540以上 鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5以下
5号 16以上 180° 厚さの
2.0倍
1号
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
5を超え16以下
1A号 13以上
鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼の厚さ
16を超え40以下
1A号 17以上
棒鋼の径,辺又は対辺距離25以
下
2号 13以上 180° 径,辺又
は対辺
距離の
2.0倍
2号
棒鋼の径,辺又は対辺距離25を
超え40以下
14A号 16以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 形鋼の場合,厚さは,試験片採取位置の厚さとする。棒鋼の場合,丸鋼は径,角鋼は辺,六角鋼は対辺距離
の寸法とする。
b) 厚さ90 mmを超える鋼板の4号試験片の伸びは,厚さ25.0 mm又はその端数を増すごとに,この表の伸びの
値から1を減じる。ただし,減じる限度は3とする。
c) 厚さ5 mm以下の鋼材の曲げ試験には,3号試験片を用いてもよい。
7
外観
鋼材の外観は,JIS G 3191の箇条9(外観),JIS G 3192の箇条9(外観),JIS G 3193の箇条7(外観),
及びJIS G 3194の10.(外観)による。
8
試験
8.1
分析試験
分析試験は,次による。
a) 一般事項及び分析試料の採り方 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の
箇条8(化学成分)による。
b) 分析方法 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。
8.2
機械試験
8.2.1
一般事項
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供
試材の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とする。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない
ことを意味する。
8.2.2
引張試験片及び曲げ試験片の数
引張試験片及び曲げ試験片の数は,次による。
a) 鋼板及び平鋼 同一溶鋼に属し,最大厚さが最小厚さの2倍以内のものを一括して一組とし,それぞ
5
G 3101:2015
れ1個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,それぞれ2個採取する。この場合,鋼
板1枚で50 tを超えるときは,試験片の数は,鋼板1枚からそれぞれ1個とする。
b) 鋼帯及び鋼帯からの切板 同一溶鋼に属し,同一厚さのものを一括して一組とし,それぞれ1個採取
する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,それぞれ2個採取する。
c) 形鋼 同一溶鋼及び同一断面形状に属し,最大厚さが最小厚さの2倍以内のものを一括して一組とし,
それぞれ1個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,それぞれ2個採取する。
d) 棒鋼 同一溶鋼及び同一断面形状に属し,最大径(辺又は対辺距離)が最小径(辺又は対辺距離)の
2倍以内のものを一括して一組とし,それぞれ1個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えると
きは,それぞれ2個採取する。
e) 熱処理を行った鋼材 熱処理を行った鋼材の試験片の数は,同一溶鋼に属し,同一熱処理条件ごとに,
a),b),c)及びd)による。
8.2.3
引張試験片及び曲げ試験片の採取位置
鋼材の引張試験片及び曲げ試験片の採取位置は,JIS G 0416による。ただし,鋼板,鋼帯及び平鋼の幅
方向の試験片の中心は,幅の縁から幅の1/4又はそれに近い位置とする。
8.2.4
試験片
引張試験片及び曲げ試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1A号,2号,4号,5号,14A号又は14B号試験片のいずれかによる。
b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号,2号又は3号試験片のいずれかによる。
8.2.5
試験方法
引張試験及び曲げ試験の方法は,次による。
a) 引張試験の方法は,JIS Z 2241による。
b) 曲げ試験の方法は,JIS Z 2248による。
9
検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条4に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条5に適合しなければならない。
d) 形状,寸法及び質量は,箇条6に適合しなければならない。
e) 外観は,箇条7に適合しなければならない。
10
再検査
引張試験及び曲げ試験で合格にならなかった鋼材は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって,再試験を行
って合否を決定してもよい。
11
表示
検査に合格した鋼材には,鋼材ごと又は1結束ごとに,次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受
渡当事者間の協定によって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号
注記 注文者側での識別のために,注文書又は受渡当事者間の協定で決められた付記記号を末尾に
6
G 3101:2015
追加して表示することがある。
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3191の箇条4(寸法の表し方),JIS G 3192の箇条4(寸法の表し方及び
表示),JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)及びJIS G 3194の4.(寸法の表し方)による。
d) 結束ごとの数量又は質量(鋼板及び鋼帯の場合)
e) 製造業者名又はその略号
12 報告
製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類はJIS G 0415の表1(検査文書の総括表)の
記号3.1(検査証明書3.1)とする。
なお,化学成分は,表2以外の合金元素を添加した場合は,添加した合金元素の含有率を成績表に付記
する。
7
G 3101:2015
附属書JA
(規定)
辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質
JA.1 機械的性質
辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼は,8.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強
さ,伸び及び曲げ性は,表JA.1による。
表JA.1−辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質
種類の
記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張強さ
厚さa)
引張試
験片
伸び
曲げ性
厚さa) mm
曲げ角度
内側半径
試験片b)
16以下
16を超え
40以下
N/mm2
mm
%
SS330
205以上
195以上
330〜430
3以上5以下
5号
26以上
180°
厚さの0.5倍
1号
14B号
26以上
5を超え16以下
5号
33以上
14B号
30以上
16を超え40以下
5号
41以上
14B号
30以上
SS400
245以上
235以上
400〜510
3以上5以下
5号
21以上
180°
厚さの1.5倍
1号
14B号
21以上
5を超え16以下
5号
27以上
14B号
24以上
16を超え40以下
5号
33以上
14B号
24以上
SS490
285以上
275以上
490〜610
3以上5以下
5号
19以上
180°
厚さの2.0倍
1号
14B号
19以上
5を超え16以下
5号
24以上
14B号
22以上
16を超え40以下
5号
30以上
14B号
22以上
SS540
400以上
390以上
540以上
3以上5以下
5号
16以上
180°
厚さの2.0倍
1号
14B号
16以上
5を超え16以下
5号
21以上
14B号
19以上
16を超え40以下
5号
27以上
14B号
20以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 形鋼の場合,厚さは,試験片採取位置の厚さとする。
b) 厚さ5 mm以下の鋼材の曲げ試験には,3号試験片を用いてもよい。
8
G 3101:2015
附属書JB
(規定)
熱間押出形鋼の品質規定
JB.1 適用
この附属書は,建築部材及び鋼矢板・鋼管矢板に使用する継手部材などに用いる特殊形状の熱間押出形
鋼の品質を規定する。
なお,熱間押出形鋼は,受渡当事者間の協定によって適用する。
JB.2 種類及び記号並びに適用寸法
熱間押出形鋼の種類は,2種類とし,その記号及び適用寸法は,表JB.1による。
表JB.1−熱間押出形鋼の種類の記号及び適用寸法
種類の記号
適用寸法
SS400
厚さ:5 mm以上
辺又は高さ:250 mm以下
SS490
JB.3 製造方法
熱間押出し2) による。熱間押出形鋼は,鍛錬成形比3) 4以上に成形する。
注2) 熱間押出しとは,加熱したビレットを金型(ダイス)を通して押出し成形する方法をいう。
3) ここで,鍛錬成形比とは,鋳造スラブ又はブルームの断面積と熱間押出し後の断面積との比の
ことをいう。
JB.4 化学成分
熱間押出形鋼は,8.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
JB.5 機械的性質
JB.5.1 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置
熱間押出形鋼の引張試験片及び曲げ試験片の採取位置は,受渡当事者間の協定による。ただし,4号引
張試験片の厚さ方向採取位置は,厚さの1/4の位置とする。
JB.5.2 引張試験特性及び曲げ特性
熱間押出形鋼は,8.2の形鋼の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表3
及び表JA.1の形鋼による。ただし,熱間押出形鋼の形状によって1A号試験片が採取できない場合は,1A
号試験片に替えて5号試験片としてもよい。その場合の伸びの規定値は,表3のSS400に対する17 %以上
を27 %以上,21 %以上を33 %以上とし,SS490に対する15 %以上を24 %以上,19 %以上を30 %以上と
する。
JB.6 形状,寸法及びその許容差
熱間押出形鋼の形状は,注文者の指定による。ただし,製造できない形状については受渡当事者間の協
9
G 3101:2015
定によって注文者が形状変更を指定する。
注記 熱間押出形鋼は,主に建築工事標準仕様書,港湾工事共通仕様書などの技術基準に基づいた設
計図書に記載された部材として用いられる。
熱間押出形鋼の形状及び寸法の許容差は,表JB.2による。
表JB.2−形状及び寸法の許容差
単位 mm
区分
許容差
辺,高さ及び厚さ
50未満
±1.5
50以上
100未満
±2.0
100以上
200未満
±3.0
200以上
±4.0
長さ
7 m以下
+40
0
7 m超
プラス側許容差は,長さ1 m又はその端
数を増すごとに上記プラス側許容差に5
mmを加える。
マイナス側許容差は,0 mmとする。
切断面の直角度
最大辺長さが100 mm以下
1.6以下
最大辺長さが100 mm超
3.0以下
曲がり
長さの0.5 %以下a)
受渡当事者間の協定によって,この表に規定する全許容差範囲と同一の範囲でプラス側又
はマイナス側に移動してもよい。ただし,プラス側に移動した許容値の下限値はゼロを上回
ってはならず,マイナス側に移動した許容値の上限値は,ゼロを下回ってはならない。
注a) 上下,左右の曲がりに適用する。
JB.7 外観
熱間押出形鋼の外観は,JIS G 3192の箇条9(外観)による。
JB.8 検査
熱間押出形鋼の検査は,箇条9による。
JB.9 再検査
熱間押出形鋼の再検査は,箇条10による。
JB.10 表示
熱間押出形鋼の表示は,箇条11の表示による。
JB.11 報告
熱間押出形鋼の報告は,箇条12による。
10
G 3101:2015
附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3101:2015 一般構造用圧延鋼材
ISO 630-1:2011,Structural steels−Part 1: General technical delivery conditions for
hot-rolled products
ISO 630-2:2011,Structural steels−Part 2: Technical delivery conditions for structural
steels for general purposes
(I)JISの規定
(II)
国際規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
ISO 630-2
1
一致
2 引用規
格
3 種類及
び記号並
びに適用
寸法
SS330,
SS400,
SS490,
SS540
ISO 630-2
6
SG205,SG250,SG285,
SG345の末尾記号Aが対
応。
変更
JISは引張強さを,ISO規格は
降伏点を鋼種名としている。
4 化学成
分
P及びSを規定。
SS540は,C及び
Mnについても規
定。必要に応じて合
金元素添加可。添加
元素の成分値報告
が必要。
ISO 630-2
6.3
P及びSのほかにSiを規
定。合金元素添加可。
定められた元素につい
ては,添加の有無にかか
わらず報告必要。
変更
ISO規格の方が,規定元素が多
い。
JISの規定内容が,ほぼ盛り込ま
れてきている。
5 機械的
性質
降伏点又は耐力,引
張強さ,伸び及び曲
げ性
ISO 630-2
6.4.1
降伏強度(降伏点又は耐
力),引張強さ及び伸び
を規定。
変更
内容的には,同じものを規定。
3
G
3
1
0
1
:
2
0
1
5
11
G 3101:2015
(I)JISの規定
(II)
国際規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 形状,寸
法,質量及
びその許
容差
JIS G 3191,
JIS G 3192,
JIS G 3193,
JIS G 3194
を引用
ISO 630-1
6.7
ISO規格を引用して規
定。ただし,JISなどの
他の国家規格を用いて
もよい。
追加
Annex Aに,対応するJISが記
載されている。
7 外観
JIS G 3191,
JIS G 3192,
JIS G 3193,
JIS G 3194
の外観を引用
ISO 630-1
6.5
ISO 7788などによる。
変更
ISO規格は,選択肢として表面
きず除去部の局部的な板厚不
足を認めているが,JISは認め
ていない。
取引慣行の差異。
8 試験
試験
8.1 分析
試験
JIS G 0404の箇条8
を引用。
分析方法は,各JIS
の方法を引用。
ISO 630-1
9.1
ISO/TS 9769に記載され
ている分析方法。
変更
分析方法はJISを引用。
8.2 機械
試験
JIS G 0404の箇条9
を引用。
50 tを超えるときは
2個。
試験片の採取位置
はJIS G 0416を引
用。
ISO 630-3
8.2
試験単位は,40 t又はそ
の端数ごとが基本。
変更
JISとISO規格とで試験単位が
若干異なる。試験片の採取位置
は整合。
JISの提案によって,類似の規定
になってきている。
9 検査
一般事項及び再検
査はJIS G 0404を
引用
ISO 630-1
7.1
再試験
ISO 404を引用。
一致
10 再検査 JIS G 0404による。 ISO 630-1
7.3
ISO 404による。
一致
JIS G 0404とISO 404とは整
合。
3
G
3
1
0
1
:
2
0
1
5
12
G 3101:2015
(I)JISの規定
(II)
国際規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11 表示
a) 種類の記号
b) 溶鋼番号又は検
査番号
c) 寸法
d) 結束ごとの数量
又は質量
e) 製造業者又はそ
の略号
ISO 630-1
10
検査文書
ISO 10474を引用。
変更
JISの方がISO規格に比して規
定内容が多い。
JISを提案。
12 報告
JIS G 0404及び
JIS G 0415を引用
ISO 630-1
7.2
一致
附属書JA
(規定)
辺が40 mm未満の
形鋼及び幅が40
mm未満の平鋼の機
械的性質
追加
JIS独自に必要な規定。
附属書JB
(規定)
熱間押出形鋼の品
質規定
追加
JIS独自に必要な規定。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 630-1:2011,ISO 630-2:2011,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
3
G
3
1
0
1
:
2
0
1
5