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G 2318 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS G 2318 : 1986は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS G 2318には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 国際規格によるフェロボロン

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G 2318 : 1998 

フェロボロン 

Ferroboron 

序文 今回の改正は,対応する国際規格との整合化を目的として行った。 

この規格の附属書は,1994年に第1版として発行されたISO 10386, Ferroboron−Specification and conditions 

of deliveryを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成したものであり,この規格の

本体の規定に代わり適用することができる。 

なお,附属書で点線の下線を施した“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,主として鉄鋼の製造に用いる脱ガス剤及び合金成分添加剤であるフェロボロ

ンについて規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,その最新版を適用する。 

JIS G 1301 フェロアロイ分析方法の通則 

JIS G 1327 フェロボロン分析方法 

JIS G 1351 フェロアロイの蛍光X線分析方法 

JIS G 1501 フェロアロイのサンプリング方法通則 

JIS G 1603 フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その3 フェロホスホル,金属マンガン,

金属けい素,金属クロム,カルシウムシリコン及びフェロボロン) 

JIS G 1641 フェロアロイの粒度用試料のサンプリング方法及び粒度測定方法 

3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。 

表1 種類及び記号 

種類 

記号 

高炭素フェロボロン 

1号 

FBH1 

2号 

FBH2 

低炭素フェロボロン 

1号 

FBL1 

2号 

FBL2 

4. ロットの作り方 

4.1 

ロットの作り方は,区分ロット法,配合ロット法又はタップロット法のいずれかとする。 

4.2 

区分ロット法による場合,品位区分に採択する成分はボロン分とし,品位区分の間隔は2%以下とす

る。 

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G 2318 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

ロットの大きさは,表2による。 

表2 ロットの大きさ 

ロットの作り方 区分ロット法 配合ロット法 タップロット法 

ロットの大きさ  10トン以下 

2トン以下 

1タップ分 

5. 品質 

5.1 

化学成分 化学成分は,表3による。 

表3 化学成分 

種類 

記号 

化学成分 % (m/m) 

Si 

Al 

高炭素フェロボロン 1号 FBH1 19〜23 2.0以下 4.0以下 0.50以下 

2号 FBH2 14〜18 2.0以下 4.0以下 0.50以下 

低炭素フェロボロン 1号 FBL1 19〜23 0.1以下 2.0以下 12 

以下

2号 FBL2 14〜18 0.1以下 2.0以下 10 

以下

5.2 

粒度 粒度は,表4による。 

表4 粒度 

種類 

記号 

粒度 mm 

一般サイズ 

1〜100 

小サイズ 

1〜 30 

6. 試験 

6.1 

サンプリング 1ロットの平均品位を決定するためのサンプリング方法及び試料調製方法は,次によ

る。 

JIS G 1501,JIS G 1603 

6.2 

分析方法 分析方法は,次による。 

JIS G 1301,JIS G 1327,JIS G 1351 

6.3 

粒度試験 粒度試験は,次による。 

JIS G 1641 

7. 検査 分析試験及び粒度試験の成績は,5.の規定に適合しなければならない。適合しない場合は,そ

の試料が代表するロットを不合格とする。 

8. 表示 製品には,ばら積みの場合はその全量分をロット別に送り状に,容器詰めの場合は容器ごとに,

次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又はその記号 

b) 粒度又はその記号 

c) ロット番号 

d) 製造業者名又はその略号 

G 2318 : 1998 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 国際規格によるフェロボロン 

参考 原国際規格の表題は“フェロボロン−仕様及び受渡条件”であるが,この附属書の表題は,国

際整合化した規格であることを明確にするため“国際規格によるフェロボロン”とした。 

1. 適用範囲 この附属書は,主として鉄鋼の製造及び鋳物用に供給されるフェロボロンの要求事項及び

受渡条件について規定する。 

2. 引用規格 

ISO 565 : 1990, Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−Nominal sizes 

of openings 

ISO 3713 : 1987, Ferroalloys−Sampling and preparation of samples−General rules 

ISO 4551 : 1987, Ferroalloys−Sampling and sieve analysis 

ISO 4552-2 : 1987, Ferroalloys−Sampling and sample preparation for chemical analysis−Part 2 : 

Ferrotitanium, ferromolybdenum, ferrotungsten, ferroniobium, ferrovanadium 

ISO 8954-1 : 1990, Ferroalloys−Vocabulary−Part 1 : Materials 

参考 原国際規格の発行後,ISO 3713,ISO 4551及びISO 4552-2が発行されているので,ここに記載

して関連箇所で引用した。 

3. 定義 

3.1 

フェロボロン (Ferroboron) :最小ボロン含有率9質量%,最大ボロン含有率23質量%の,還元によ

って得られる鉄とボロンの合金。 

4. 発注用情報 フェロボロン注文書は,次の情報を含まなけれはならない。 

a) 数量 

b) コンサインメントの作り方 

c) 附属書表1に示す種類に対応した化学成分 

d) 附属書表2に示す等級に対応した粒度 

e) その他分析報告,包装などに必要な要求事項 

5. 要求事項 

5.1 

コンサインメントの作り方 

フェロボロンは,次の三つの方法のいずれかによって構成したコンサインメントの形で受渡しを行う。 

5.1.1 

タップロット法 タップロット法によって構成したコンサインメントは,1タップのフェロボロン

から成る。 

5.1.2 

区分ロット法 区分ロット法によって構成したコンサインメントは,同じロットの原料を用いて同

一条件の下で生産した,一つの種類のフェロボロンの複数のタップから成る。 

コンサインメントを構成するタップのボロン含有率は,互いに絶対値で2%を超える差があってはなら

ない。 

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G 2318 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.3 

配合ロット法 配合ロット法によって構成したコンサインメントは,Xmm(さらに調査を行った

上で確定する)未満の粒度に粉砕され,よく混合された一つの種類のフェロボロンの複数のタップから成

る。 

コンサインメントを構成するタップのボロン含有率は,当該種類のフェロボロンについて規定される最

小値及び最大値の間を変動してもよい。 

5.2 

化学成分 

5.2.1 

フェロボロンの化学成分は,附属書表1による。 

附属書表1 化学成分 

種類 

化学成分 % (m/m) 

Al 

Si 

FeB12Al 

9を超え14以下 8.0以下 2.0以下 0.10以下 

FeB12C 

9を超え14以下 0.5以下 4.0以下 2.0 以下 

FeB17Al 

14を超え19以下 8.0以下 2.0以下 0.10以下 

FeB17C 

14を超え19以下 0.6以下 4.0以下 2.0 以下 

FeB22Al 

19を超え23以下 8.0以下 2.0以下 0.10以下 

FeB22C 

19を超え23以下 0.5以下 4.0以下 2.0 以下 

5.2.2 

附属書表1に示す化学成分は,主成分及び通常の不純物だけを示すものである。購入者が主成分含

有率に対してより狭い範囲を,及び/又は規定された成分に対して異なる範囲を,及び/又は規定されて

いない成分に対して範囲を要求する場合は,供給者と購入者の間で合意しなければならない。 

5.2.3 

附属書表1に示す化学成分は,フェロボロンのサンプリング方法及び分析方法の精度に基づくもの

である(6.参照)。 

5.3 

粒度 

5.3.1 

フェロボロンは,塊又は粉砕整粒品として供給される。粒度及び許容差は,附属書表2による。ふ

るい下の値は,購入者への引渡地点1)における値が有効である。 

規定された粒度は,ふるい目の形状が正方形の鋼板製ふるいによって測定されたものである(ISO 565

参照)。 

注1) 引渡地点とは,コンサインメントに対する責任が供給者から購入者に移る地点である。供給者

も購入者も輸送に責任を負わない場合は,責任が有効になる地点について合意しなければなら

ない。 

附属書表2 粒度 

等級 粒度mm 

ふるい下 % (m/m) 

ふるい上 % (m/m) 

25〜100 

5以下 

10以下 

10〜 50 

5以下 

3.15〜100 

4以下 

2又は3方向について,

規定された粒度の最大

値の1.15倍を超える粒

子があってはならない。 

3.15〜 25 

4以下 

3.15〜 10 

4以下 

3.15以下 

− 

5.3.2 

購入者が,附属書表2に示す以外の粒度及び/又は許容差を要求する場合は,供給者と購入者の間

で合意しなければならない。 

5.4 

異物混入 

製品には,可能な限り異物混入はないようにする。スラグ及び耐火物の量は,供給者と購入者の合意に

よって規定される。 

G 2318 : 1998 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 試験 

6.1 

日常試験 

6.1.1 

フェロボロンには,供給者が作成し,発注書に従ってコンサインメントの化学成分及び粒度を記載

した分析証明書を添付しなければならない。購入者の要求があれば,フェロボロンのコンサインメントは,

供給者が採取した試料を添付して供給される。 

6.1.2 

化学分析用試料のサンプリングは,JIS G 1501及びISO 126982)に規定された方法によって行うが,

同等の精度をもつその他のサンプリング方法を用いてもよい。 

注2) ISO 12698 : Ferroboron−Sampling and sample preparation for chemical analysis(草案段階). 

6.1.3 

粒度測定用試料のサンプリングは,JIS G 1641に規定された方法によって行うが,同等の精度をも

つその他のサンプリング方法を用いてもよい。 

6.1.4 

サンプリングは,別途合意しない限りは,通常は供給者側の置場で行う。どこでサンプリングが行

われる場合も,発注の時点で合意のある限りは,供給者及び購入者の両方の代表者が立ち会うことができ

る。 

6.1.5 

フェロボロンの化学分析は,供給者と購入者が相互の合意によって選定した方法によって行うこと

が望ましい。 

6.1.6 

フェロボロンの粒度測定は,JIS G 1641に規定された方法によって行うが,同等の精度をもつその

他の方法を用いてもよい。 

6.2 

チェック試験 

6.2.1 

希望する場合は,購入者は次の方法のいずれかによって,化学成分及び粒度のチェック試験を行う。 

a) 供給者が採取し,コンサインメントと共に送付したサンプルを,購入者が分析する。 

b) サンプリング及び化学分析を,6.1に従って購入者が繰り返す。 

6.2.2 

チェック試験の1番目の方法を用いる場合は,次の条件を調べる。 

|x1−x2|≦2.8σM ····································································· (1) 

ここに, 

  

x1は,供給者のデータに基づく品質特性値 

x2は,購入者によるチェック試験の結果 

σMは,分析方法の再現性を特性づける標準偏差 

6.2.3 

チェック試験の2番目の方法を用いる場合は,次の条件を調べる。 

|x1−x2|≦1.4βSDM···································································· (2) 

ここに, 

  

βSDMは,フェロアロイのサンプリング方法の関連国際規格に示さ

れる品質管理の総合精度 

6.2.4 

チェック分析の結果が,条件(1)又は(2)のいずれかを満たす場合は,コンサインメントの品質は,

供給者が作成した添付文書に合致していると見なされる。 

品質特性値Xの値は,次の式によって決めてもよい。 

2

2

1

x

x

X

+

=

 ·············································································· (3) 

6.2.5 

チェック分析の結果が,条件(1)及び(2)のいずれも満たさない場合は,別途合意しない限り,購入

者が審判分析によるチェックを繰り返す。 

6.3 

審判分析 

G 2318 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3.1 

審判分析は,供給者と購入者が相互の合意で選任した仲裁人が行う。 

6.3.2 

サンプリング及び化学分析は,原国際規格(6.1.2参照)に従って,又は供給者,購入者及び仲裁

人の相互合意で選定した方法によって行う。 

6.3.3 

仲裁人の分析結果は,別途合意しない限り,確定値とする。 

7. 出荷及び保管 フェロボロンは,国際的な規制3)に従って,包装,保管及び輸送を行う。 

注3) 該当する国際的な規制の例 

a) RID:鉄道による危険物の輸送に関する国際規格,附属書C 

b) 国際海事危険物コード 

JIS G 2318(フェロボロン)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

佐 伯   毅 

日本電工株式会社 

(委員) 

鎌 田   遼 

日本電工株式会社 

藤 田 卓 三 

粟村金属工業株式会社 

高 木 宣 勝 

昭和電工株式会社 

高 橋 昌 春 

日本重化学工業株式会社 

川 口 外 秋 

日本鋼管株式会社 

吉 田 文 夫 

中央電気工業株式会社 

藤 原 義 隆 

水島合金鉄株式会社 

山 室 昌 久 

大平洋金属株式会社 

林   明 夫 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(関係者) 

増 田 正 純 

通商産業省工業技術院標準部材料規格課 

(事務局) 

奥 山 満 之 

日本フェロアロイ協会 

今 野 尚 雄 

前日本フェロアロイ協会