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G 2316 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS G 2316 : 1986は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS G 2316には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 国際規格によるフェロニッケル 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G 2316 : 2000 

フェロニッケル 

Ferronickel 

序文 この規格の本体は,従来どおり日本工業規格で規定していた内容を規定し,附属書としてこれに対

応する国際規格を翻訳し,作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,主として鉄鋼の製造に用いる合金成分添加剤であるフェロニッケルについて

規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 6501 : 1988 Ferronickel−Specification and delivery requirements 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS G 1301 フェロアロイ分析方法の通則 

JIS G 1326 フェロニッケル分析方法 

JIS G 1501 フェロアロイのサンプリング方法通則 

JIS G 1604 フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その4 フェロニッケル) 

3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。 

表1 種類及び記号 

種類 

記号 

高炭素フェロニッケル 

1号 

FNi H1 

2号 

FNi H2 

低炭素フェロニッケル 

1号 

FNi L1 

2号 

FNi L2 

4. ロットの作り方 

4.1 

ロットの作り方は,タップロット法とする。 

4.2 

ロットの大きさは,1タップ分とする。 

5. 品質 

5.1 

化学成分 化学成分は,表2による。ただし,表3のように指定することができる。 

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G 2316 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 化学成分 

種類 

記号 

化学成分 

% (m/m) 

Ni 

Si 

Mn 

Cr 

Cu 

Co 

高炭素 

フェロ 

ニッケル 

1号 FNi H1 16.0以上  3.0以上 3.0以下 0.3以下 0.05以下 0.03以下  2.0以下  0.10以下 Ni*0.05 

以下 

2号 FNi H2 16.0以上  3.0未満 5.0以下 0.3以下 0.05以下 0.03以下  2.5以下  0.10以下 Ni*0.05 

以下 

低炭素 

フェロ 

ニッケル 

1号 FNi L1  28.0以上 0.02以下 0.3以下 

− 

0.02以下 0.03以下  0.3以下  0.10以下 Ni*0.05 

以下 

2号 FNi L2  17.0以上 

28.0未満 

0.02以下 0.3以下 

− 

0.02以下 0.03以下  0.3以下  0.08以下 Ni*0.05 

以下 

表3 指定化学成分 

種類 

化学成分 

% (m/m) 

Cr 

高炭素フェロニッケル 

全種類 0.04以下 

− 

0.03以下 

低炭素フェロニッケル 

全種類 

− 

0.10以下 

6. 試験 

6.1 

サンプリング 1ロットの平均品位を決定するためのサンプリング方法は,次による。 

JIS G 1501 

JIS G 1604 

6.2 

分析方法 分析方法は,次による。 

JIS G 1301 

JIS G 1326 

7. 検査 分析試験の成績は,5.の規定に適合しなければならない。適合しない場合は,その試料が代表

するロットを不合格とする。 

8. 表示 製品には,ばら積みの場合はその全量分をロット別に送り状に,容器詰めの場合は容器ごとに,

次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又はその記号 

b) 指定された場合は,化学成分とその含有率 

c) ロット番号 

d) 製造業者名又はその略号 

G 2316 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 国際規格によるフェロニッケル 

序文 この附属書は,この日本工業規格に対応する国際規格を翻訳し作成した。 

なお,原国際規格の名称は “Ferronickel−Specification and delivery requirement” であるが,この附属書の名

称は,国際整合化した規格であることを明確にするため“国際規格によるフェロニッケル”とした。 

1. 適用範囲 この附属書は,主として鉄鋼の製造及び鋳物用に供給されるフェロニッケル(インゴット,

鋼片,ショット)の要求事項及び受渡条件について規定する。 

2. 定義 

2.1 

フェロニッケル (Ferronickel)  酸化鉱及び/又はその他の原料から,製造したニッケル含有率が

15% (m/m) 以上80% (m/m) 未満のニッケル母合金。 

3. 発注用情報 フェロニッケルの注文書は,次の情報を含まなければならない。 

a) 数量 

b) 附属書表1に示す種類に対応した化学成分 

c) 附属書4.2に示す製品形状 

d) その他分析報告,包装などに必要な要求事項 

4. 要求事項 

4.1 

化学成分 

4.1.1 

フェロニッケルの各種類の化学成分は,附属書表1による。 

4.1.2 

附属書表1に示す化学成分は,主成分及び通常の不純物だけを示すものである。購入者が主成分含

有率に対してより狭い範囲を,及び/又は規定された成分に対して異なる範囲を,及び/又は規定されて

いない成分に対して範囲を要求する場合,及び/又はひ素,ビスマス,鉛,アンチモン,すずなどが0.010% 

(m/m) を超える場合は,表示して,受渡当事者間で合意しなければならない。 

4.1.3 

附属書表1に示す化学成分は,フェロニッケルの規定のサンプリング方法及び分析方法の精度に基

づくものである。 

4.2 

供給の形状とロットの作り方 フェロニッケルは,受渡当事者間で合意された形状,例えばインゴ

ット,鋼片,ショットなどの形状で供給される。その供給ロットは,特別な合意による場合を除いて,最

小5トン (t) とする。 

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G 2316 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表1 フェロニッケルの化学成分 

名称 

化学成分 % (m/m) 

Ni 

Si 

Co Cu 

Cr 

その他 
の成分 

以上 未満 を超え 以下 以下 以下 

以下 

以下 以下 

FeNi20LC 

15 

25 

− 

0.030 0.20 0.030 0.030 

1) 0.20 0.10 

4.1.2 
参照 

FeNi30LC 

25 

35 

FeNi40LC 

35 

45 

FeNi50LC 

45 

60 

FeNi70LC 

60 

80 

FeNi20LCLP 

15 

25 

− 

0.030 0.20 0.020 0.030 

1) 0.20 0.10 

FeNi30LCLP 

25 

35 

FeNi40LCLP 

35 

45 

FeNi50LCLP 

45 

60 

FeNi70LCLP 

60 

80 

FeNi20MC 

15 

25 

0.030 

1.0 

1.0 0.030 0.10 

1) 0.20 0.50 

FeNi30MC 

25 

35 

FeNi40MC 

35 

45 

FeNi50MC 

45 

60 

FeNi70MC 

60 

80 

FeNi20MCLP 

15 

25 

0.030 

1.0 

1.0 0.020 0.10 

1) 0.20 0.50 

FeNi30MCLP 

25 

35 

FeNi40MCLP 

35 

45 

FeNi50MCLP 

45 

60 

FeNi70MCLP 

60 

80 

FeNi20HC 

15 

25 

1.0 

2.5 

4.0 0.030 0.40 

1) 0.20 2.0 

FeNi30HC 

25 

35 

FeNi40HC 

35 

45 

FeNi50HC 

45 

60 

FeNi70HC 

60 

80 

1) 

Co/Ni=1/20〜1/40(情報としてだけ) 

4.2.1 フェロニッケルインゴット インゴットは,ノッチ入りとノッチなしの形で供給することができる。

インゴットの最大単位質量は100kgを超えてはならない。厚さは30〜150mmが好ましい。長さは1 100mm

を超えてはならない。 

ロットは,二つの方法で作ることができる。 

a) タップロット法 

b) 配合ロット法 特別な合意がない場合,配合される複数のタップは,ニッケル含有量を,K〜 (K+1) % 

(m/m) の範囲に選択すべきである。Kは整数。 

4.2.2 

フェロニッケル鋼片 鋼片は,鋳造又はインゴットからカットして作る。 

ロットは,次の二つの方法のいずれかで作る。最大寸法は25〜100mmとし,ロット内では寸法は統一

すべきである。 

ロットは,二つの方法で作ることができる。 

a) タップロット法 

b) 配合ロット法 特別な合意がない場合,配合される複数のタップは,ニッケル含有量を,K〜 (K+1) % 

(m/m) の範囲に選択すべきである。Kは整数。 

4.2.3 

フェロニッケルショット 溶湯をショッティングして得られるショットの寸法は,2〜50mmとす

る。受渡当事者間で合意があれば,このフェロニッケルは乾燥後に供給することができる。 

G 2316 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

一般にばら積みで供給されるロットは,3種類の方法で作ることができる。 

a) タップロット法 

b) 配合ロット法(混合貯蔵された貯蔵品から作る場合) この場合は,混合材はニッケル含有量をK〜 (K

+n) %,nが5以下の範囲で混合するべきである。 

c) 配合ロット法(混合貯蔵されていない貯蔵品から作る場合) この場合,nは1を超えてはならない。 

供給は,ドラム缶で行ってもよい。一般的に容量は250kgだが,50kgの小容量まで認められる。 

4.3 

異物混入 製品には,可能な限りスラグ,砂などの異物混入はないようにする。 

5. 管理 サンプリングと分析の手続は,関連する国際規格に規定された方法によって行うのが望ましい

が,受渡当事者間の合意によって同等の精度又は同等な精確さをもつその他の方法を用いてもよい。また,

仲裁期間中は,仲裁人も含めた3者間の合意による。 

5.1 

分析のためのサンプリング 

5.1.1 

サンプリングが行われる際は,場所のいかんを問わず,双方の代表者は立ち会うことができる。 

5.1.2 

係争が生じている場合は,5.3の手続のいずれかを採用することができる。 

5.2 

分析 

5.2.1 

分析証明書のついたフェロニッケル 供給者が作成する証明書には,ニッケル含有量と,もし合意

があれば,附属書表1に指定された成分,又はその他の合意された成分の含有量を含む。 

係争中は,当事者は分析だけ,又はサンプリングと分析の双方について5.3の手続に従うことができる。 

5.2.2 

交換分析を行うことを合意したフェロニッケル 受渡当事者間で交換分析を行うことを決めた場

合は,5.1.1に従って採取されたサンプルのニッケル含有量,できればその他の成分含有量の分析値を交換

するものとする。 

受渡当事者間の値が異なり,その差異が当事者間で合意した範囲(スプリッティングリミット)を超え

ない場合には,平均値をとるものとする。 

受渡当事者間の値の差異が当事者間で合意した範囲(スプリッティングリミット)を超える場合には,

分析だけ,又はサンプリングと分析の双方について5.3の手続に従うものとする。 

5.3 

係争手続 次の二つの手続(5.3.1又は5.3.2)は,サンプリングと分析で生じた問題のいずれにも適

用することができる。さらにどちらか一つを適用するか,又は順を追って適用することができる。 

いずれの場合においても容認できる分析結果は,次の範囲内にあるものとする。 

a) [低いほうの値からスプリッティングリミットを引いた値](5.2.2に従って) 

b) [高いほうの値にスプリッティングリミットを加えた値] 

5.3.1 

反ばく手続 この手続は,受渡当事者間の合意に基づき選択された場所で行う。当事者の一方の者

が,他の一方の者又は合意された代理人の立ち会いの下でその作業を行う。 

もし分析を行った結果の値が5.3の定義の範囲内に納まれば,最終値として認める。もしその値がその

範囲を超える場合は,また再度反ばく手続を行うか,新たに仲裁手続に従って仲裁手続を行うものとする。 

5.3.2 

仲裁手続 仲裁人は,受渡当事者間の合意によって選任される。 

この仲裁で得られたサンプルが最終サンプルである。 

仲裁人だけがサンプルの試験を行うのであれば,仲裁人の試験結果を最終値とする。受渡当事者がサン

プルを分析し,その後仲裁人が分析して,その結果が5.3の定義の範囲に納まるものならば,それを最終

解決の基準とすることができる。もしその結果がその範囲を超えるならば,改めて反ばく手続を行うか,

新たに別の仲裁人を選び仲裁手続を繰り返し行うものとする。 

G 2316 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 発送及び保管 フェロニッケルは現行の国際的な規制,又は受渡当事者間の合意に基づいて輸送,保

管するものとする。 

JIS G 2316 フェロニッケル改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

成 田   孝 

日本電工株式会社 

渕   保 成 

日本電工株式会社 

高 木 宣 勝 

昭和電工株式会社 

川 口 外 秋 

日本鋼管株式会社 

菊 池 俊 士 

日本重化学工業株式会社 

吉 田 文 夫 

中央電気工業株式会社 

山 室 昌 久 

大平洋金属株式会社 

藤 原 義 隆 

水島合金鉄株式会社 

佐 藤 哲 哉 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(関係者) 

増 田 正 純 

通商産業省工業技術院標準部材料規格課 

北 村   修 

住友金属鉱山株式会社 

栗 栖 一 之 

日本冶金工業株式会社 

稲 垣 勝 彦 

日本鉱業協会 

(事務局) 

奥 山 満 之 

日本フェロアロイ協会