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G2304 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS G 2304 : 1986は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS G 2304には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 国際規格によるシリコマンガン

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G2304 : 1998 

シリコマンガン 

Silicon−Manganese 

序文 今回の改正は,対応する国際規格との整合化を目的として行った。 

この規格の附属書は,1980年に第1版として発行されたISO 5447 (Ferrosilicomanganese−Specification and 

conditions of delivery) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成したものであり,

この規格の本体の規定に代わり適用することができる。 

なお,この附属書で点線の下線を施した“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,主として鉄鋼の製造に用いる脱酸剤,脱硫剤又は合金成分添加剤であるシリ

コマンガンについて規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS G 1301 フェロアロイ分析方法の通則 

JIS G 1314 シリコマンガン分析方法 

JIS G 1351 フェロアロイの蛍光X線分析方法 

JIS G 1501 フェロアロイのサンプリング方法通則 

JIS G 1601 フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その1 フェロマンガン,フェロシリコ

ン,フェロクロム,シリコマンガン及びシリコクロム) 

JIS G 1641 フェロアロイの粒度用試料のサンプリング方法及び粒度測定方法 

3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。 

表1 種類及び記号 

種類 

記号 

シリコマンガン 

0号 

SiMn0 

1号 

SiMn1 

2号 

SiMn2 

3号 

SiMn3 

4. ロットの作り方 

4.1 

ロットの作り方は,区分ロット法,配合ロット法又はタップロット法のいずれかとする。 

4.2 

区分ロット法による場合,品位区分に採択する成分は,マンガン分又はけい素分のいずれかとし,

品位区分の間隔は,3%以下とする。 

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G2304 : 1998  

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4.3 

ロットの大きさは,表2による。 

表2 ロットの大きさ 

ロットの作り方 区分ロット法 配合ロット法 タップロット法 

ロットの大きさ 1 500トン以下 35トン以下 

1タップ分 

5. 品質 

5.1 

化学成分 化学成分は,表3による。ただし,表4のように指定することができる。 

表3 化学成分 

種類 

記号 

化学成分 % (m/m)  

Mn 

Si 

シリコマンガン 0号 

SiMn0  65〜70 20〜25 1.5以下 0.30以下 0.05以下 

1号 

SiMn1  65〜70 16〜20 2.0以下 0.30以下 0.02以下 

2号 

SiMn2  60〜65 16〜20 2.0以下 0.30以下 0.03以下 

3号 

SiMn3  60〜65 14〜18 2.5以下 0.30以下 0.03以下 

表4 指定化学成分 

種類 

化学成分 % (m/m)  

シリコマンガン 全種類 0.20以下,0.15以下,0.10以下 

5.2 

粒度 粒度は,表5による。 

表5 粒度 

種類 

記号 

粒度 mm 

一般サイズ 

10〜150 

細サイズ 

 1〜 15 

小サイズ 

10〜 50 

中サイズ 

10〜100 

6. 試験 

6.1 

サンプリング 1ロットの平均品位を決定するためのサンプリング方法及び試料調製方法は,次によ

る。 

JIS G 1501,JIS G 1601 

6.2 

分析方法 分析方法は,次による。 

JIS G 1301,JIS G 1314,JIS G 1351 

6.3 

粒度試験 粒度試験は,次による。 

JIS G 1641 

7. 検査 分析試験及び粒度試験の成績は,5.の規定に適合しなければならない。適合しない場合は,そ

の試料が代表するロットを不合格とする。 

8. 表示 製品には,ばら積みの場合はその全量分をロット別に送り状に,容器詰めの場合は容器ごとに,

次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又はその記号 

b) 指定された場合は,化学成分とその含有率 

G2304 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 粒度又はその記号 

d) ロット番号 

e) 製造業者名又はその略号 

G2304 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 国際規格によるシリコマンガン 

参考 原国際規格の表題は“フェロシリコマンガン−仕様及び受渡条件”であるが,この附属書の表

題は,国際整合化した規格であることを明確にするため“国際規格によるシリコマンガン”と

した。 

1. 適用範囲 

この附属書は,主として鉄鋼の製造及び鋳物用に供給されるフェロシリコマンガンの要求事項及び受渡

条件について規定する。 

2. 引用規格 

ISO 565 : 1990 Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−Nominal 

sizes of openings 

ISO 3713 : 1987 Ferroalloys−Sampling and preparation of samples−General rules 

ISO 4159 : 1978 Ferromanganese and ferrosilicomanganese−Determination of manganese content−

Potentiometric method 

ISO 4551 : 1987 Ferroalloys−Sampling and sieve analysis 

ISO 4552-1 : 1987 Ferroalloys−Sampling and sample preparation for chemical analysis−Part 1 : 

Ferrochromium, ferrosilicochromium, ferrosilicon, ferrosilicomanganese, ferromanganese 

参考1. 原国際規格の発行後,ISO 3713,ISO 4551及びISO 4552-1が発行されているので,ここに記

載して関連箇所で引用した。 

2. 原国際規格では,けい素の定量方法としてISO 4158 : 1978 (Ferrosilicon, Ferrosilicomanganese 

and ferrosilicochromium−Determination of silicon content−Gravimetric method) を引用している

か,危険性のある試薬を使用しているため引用規格から削除した。 

3. 定義 

3.1 

フェロシリコマンガン (Ferrosilicomanganese)  マンガン含有率60.0から75.0質量%,シリコン含有

率10.0から35.0質量%の還元によって得られる鉄,マンガンとシリコンの合金。 

4. 発注用情報 

フェロシリコマンガンの注文書は,次の情報を含まなければならない。 

a) 数量 

b) コンサインメントの作り方 

c) 附属書表1に示す種類に対応した化学成分 

d) 附属書表2に示す等級に対応した粒度 

e) その他分析報告,包装などに必要な要求事項 

5. 要求事項 

5.1 

コンサインメントの作り方 

G2304 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

フェロシリコマンガンは,次のいずれかの方法によって構成したコンサインメントの形で受渡しを行う。 

5.1.1 

タップロット法 

タップロット法によって構成したコンサインメントは,1タップ(又は連続タップの一部分)のフェロ

シリコマンガンからなる。 

5.1.2 

区分ロット法 

区分ロット法によって構成したコンサインメントは,一つの種類のフェロシリコマンガンの複数のタッ

プ(又は複数の連続タップの一部分)からなる。 

コンサインメントを構成するタップ(又は連続タップの一部分)のマンガンとシリコンの含有率は,互

いに絶対値で3%を超える差があってはならない。 

5.1.3 

配合ロット法 

配合ロット法によって構成したコンサインメントは,Xmm1)未満の粒度に粉砕され,よく混合された一

つの種類のフェロシリコマンガンの複数のタップ(又は複数の連続タップの一部分)からなる。 

コンサインメントを構成するタップ(又は連続タップの一部分)の主成分含有率は,該当種類のフェロ

シリコマンガンについて規定される最小値及び最大値の間を変動してもよい。 

注1) 

さらに,調査を行ったうえで確定する。 

5.2 

化学成分 

5.2.1 

フェロシリコマンガンの化学成分は,附属書表1による。示される範囲は,附属書表2に示す等級

1〜6の粒度に適応される。 

5.2.2 

附属書表1に示す化学成分は,主成分及び通常の不純物だけを示すものである。購入者が主成分含

有率に対してより狭い範囲を,及び/又は規定された成分に対して異なる範囲を,及び/又は規定されて

いない成分に対して範囲を要求する場合は,供給者と購入者の間で合意しなければならない。 

5.2.3 

附属書表1に示す化学成分は,フェロシリコマンガンのサンプリング方法及び分析方法の精度に基

づくものである(6.参照)。 

5.3 

粒度 

5.3.1 

フェロシリコマンガンは,塊又は粉砕整粒品として供給される。粒度及び許容差は,附属書表2

による。ふるい下の値は,購入者への引渡地点2)における値が有効である。 

規定された粒度は,ふるい目の形状が正方形の鋼板製ふるいによって測定されたものである(ISO 565

参照)。 

注2) 

引渡地点とは,コンサインメントに対する責任が供給者から購入者に移る地点である。供給者

も購入者も輸送に責任を負わない場合は,責任が有効になる地点について合意しなければなら

ない。 

5.3.2 

購入者が,附属書表2に示す以外の粒度及び/又は許容差を要求する場合は,供給者と購入者の間

で合意しなければならない。 

5.4 

異物混入 

製品には,可能な限り異物混入はないようにする。 

6. 試験 

6.1 

化学分析用及び粒度測定用試料のサンプリング 

6.1.1 

化学分析用及び粒度測定用試料のサンプリングは,JIS G 1501,JIS G 1601及びJIS G 1641に規定

された方法によって行うのが望ましいが,同等の精度をもつその他のサンプリング方法を用いてもよい。 

G2304 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.1.2 

サンプリングは,別途合意しない限りは,通常は供給者側の置場で行う。どこでサンプリングが行

われる場合も,供給者及び購入者の両方の代表者が立ち会うことができる。 

6.1.3 

要求がある場合は,供給者と購入者の相互合意によって選任した仲裁人による仲裁サンプリングを

行う。サンプリングは,JIS G 1501,JIS G 1601及びJIS G 1641に規定された方法によって行うが,供給

者,購入者,仲裁人の間の合意があれば,同等の精度をもつその他のサンプリング方法を用いてもよい。

仲裁によって得た試料は,両当事者が受け入れなければならない。 

6.2 

分析 

6.2.1 フェロシリコマンガンの化学分析は,JIS G 1314に規定された方法によって行うことが望ましいが,

同等な精確さをもつその他の化学分析方法を用いてもよい。 

6.2.2 

フェロシリコマンガンには,供給者が作成するシリコンとマンガン含有率を記載した分析証明書を

添付しなければならない。合意がある場合は,附属書表1に規定された成分含有率及び追加合意された成

分含有率を記載する。購入者の要求があれば,コンサインメントの代表試料を添付する。 

6.2.3 

論争が生じた場合は,次の二つの手順のいずれかを用いることができる。 

6.2.3.1 

相互分析 

同一の試料について,望ましくは,JIS G 1314に規定された方法によって,化学分析を行う。同等な精

確さをもつその他の化学分析方法を用いてもよいが,供給者と購入者の間で合意しなければならない。 

二つの分析値の差がX%3)以内の場合は,平均値を適用する。差がX%を超え,別途合意に達しないとき

は,供給者と購入者の相互合意によって選任された仲裁人による審判分析を行う。 

注3) Xの値は将来に規定する。その間は,購入者と供給者の間で値について合意することが望まし

い。 

6.2.3.2 

審判分析 

審判分析は,JIS G 1314に規定された方法によって行うことが望ましい。同等な精確さをもつその他の

化学分析方法を用いてもよいが,この場合は,供給者,購入者,仲裁人の間で合意しなければならない。 

審判分析値が,二つの論争値の内側であれば,又は外側であってもいずれかの値からY%4)以内であれば,

これを確定値とする。 

注4) 

総合精度としてのこの値は,βSDMとして将来に規定される。 

参考 シリコマンガンの総合精度βSDMは,JIS G 1601に規定されている。 

7. 出荷及び保管 

フェロシリコマンガンは,国際的な規制5)に従って,包装,保管及び輸送を行う。 

注5) 

該当する国際的な規制の例 

a) RID:鉄道による危険物の輸送に関する国際規格,附属書C 

b) 国際海事危険物コード 

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G2304 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表1 化学成分 

種類 

化学成分% (m/m)  

Mn 

Si 

を超え 以下 を超え 以下 以下 以下 以下 

FeMnSi12 

60.0 

75.0 

10.0 15.0 3.5 0.35 0.030 

FeMnSi18 

60.0 

75.0 

15.0 20.0 2.5 0.35 0.030 

FeMnSi18LP 

0.15 

FeMnSi22HP 

60.0 

75.0 

20.0 25.0 1.6 0.30 0.030 

FeMnSi22MP 

0.15 

FeMnSi22LP 

0.10 

FeMnSi23HP 

65.0 

75.0 

20.0 25.0 1.0 0.30 0.030 

FeMnSi23MP 

0.15 

FeMnSi23LP 

0.10 

FeMnSi28 

65.0 

75.0 

25.0 30.0 0.50 0.20 0.030 

FeMnSi28LP 

0.10 

FeMnSi30HP 

57.0 

67.0 

28.0 35.0 0.10 0.20 0.030 

FeMnSi30LP 

0.10 

FeMnSi30ELP 

0.05 

附属書表2 粒度 

等級 

粒度 

mm 

ふるい下 % (m/m) 以下 

ふるい上 % (m/m)  

全体 

3.15mm以下 

100〜315 

15 

7* 

10以下 

2又は3方向について,規

定された粒度の最大値の

1.15倍を超える粒子があ

ってはならない。 

 25〜200 

15 

7* 

 10〜100 

15 

7* 

3.15〜 50 

3.15〜 25 

3.15以下 

− 

注* 

別途指定しない限り,これらの値は参考値である。 

JIS G 2304 シリコマンガン 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

佐 伯   毅 

日本電工株式会社 

(委員) 

鎌 田   遼 

日本電工株式会社 

藤 田 卓 三 

粟村金属工業株式会社 

高 木 宣 勝 

昭和電工株式会社 

高 橋 昌 春 

日本重化学工業株式会社 

川 口 外 秋 

日本鋼管株式会社 

吉 田 文 夫 

中央電気工業株式会社 

藤 原 義 隆 

水島合金鉄株式会社 

山 室 昌 久 

大平洋金属株式会社 

林   明 夫 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(関係者) 

増 田 正 純 

通商産業省工業技術院 

(事務局) 

奥 山 満 之 

日本フェロアロイ協会 

今 野 尚 雄 

前日本フェロアロイ協会