2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 1603-1985
フェロアロイの成分用試料の
サンプリング方法
その3 フェロホスホル,金属マンガン,
金属けい素,金属クロム,カルシウムシリコン
及びフェロボロン
Methods of Sampling for Chemical Analysis of Ferroalloys
Part 3 Ferrophosphorus, Manganese Metal, Silicon Metal,
Chromium Metal, Calcium Silicon and Ferroboron
1. 適用範囲 この規格は,JIS G 2310(フェロホスホル),JIS G 2311(金属マンガン),JIS G 2312(金
属けい素),JIS G 2313(金属クロム),JIS G 2314(カルシウムシリコン)及びJIS G 2318(フェロボロン)
の1コンサインメントの化学成分の平均品位を決定するためのサンプリング方法について規定する。
備考 この規格は,受渡し当事者間で合意すれば,JIS G 2310,JIS G 2311,JIS G 2312,JIS G 2313,
JIS G 2314及びJIS G 2318に規定する以外のフェロホスホル,金属マンガン,金属けい素,金
属クロム,カルシウムシリコン及びフェロボロンのサンプリングに適用してもよい。
引用規格:
JIS G 1501 フェロアロイのサンプリング方法通則
JIS G 1601 フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その1 フェロマンガン,フェロシリコ
ン,フェロクロム,シリコマンガン及びシリコクロム)
JIS G 2310 フェロホスホル
JIS G 2311 金属マンガン
JIS G 2312 金属けい素
JIS G 2313 金属クロム
JIS G 2314 カルシウムシリコン
JIS G 2318 フェロボロン
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS G 1501(フェロアロイのサンプリング方法通
則)による。
2
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 記号 この規格で用いる記号は,JIS G 1501による。
4. 一般事項 一般事項は,次のとおりとする。
(1) 試料の採取・調製のための一般事項及び用具・装置は,JIS G 1501による。
(2) 精度を規定する特性を表1に示す。
表1 精度を規定する特性
製品の種類
特性
フェロホスホル
P
金属マンガン
S
金属けい素
Si及びFe
金属クロム
Cr
カルシウムシリコン
Ca及びSi
フェロボロン
B
(3) この規格で求めたコンサインメントの化学成分の平均品位は,信頼率約95%で,表2に示す総合精度
をもつ。
表2 総合精度
単位 絶対百分率
コンサインメントの質量
(t)
総合精度 (βSPM)
フェロ
ホスホル
金属
マンガン
金属
けい素
金属
クロム
カルシウムシリコン
フェロ
ボロン
を超え
以下
P
S
Si
Fe
Cr
Ca
Si
B
100
−
−
−
−
−
−
0.64
0.63
−
50
100
−
−
0.57
0.08
−
0.65
0.64
−
20
50
−
−
0.59
0.08
−
0.67
0.64
−
10
20
0.56
0.003
0.59
0.08
−
0.67
0.65
0.61
5
10
0.58
0.003
0.61
0.08
0.40
0.69
0.68
0.63
3
5
0.59
0.004
0.63
0.09
0.42
0.70
0.69
0.65
1
3
0.60
0.004
0.67
0.10
0.42
0.71
0.71
0.68
0.5
1
0.61
0.004
0.71
0.11
0.44
0.73
0.71
0.70
−
0.5
0.63
0.004
0.73
0.11
0.44
0.75
0.72
0.72
5. 試料採取方法
5.1
インクリメントの質量 インクリメントの質量は,コンサインメントの最大粒度に応じて表3に規
定する質量以上とする。
表3 最大粒度とインクリメントの最小必要質量
単位 kg
最大粒度
(mm)
インクリメントの最小必要質量
を超え
以下
フェロホ
スホル
金属
マンガン
金属
けい素
金属
クロム
カルシウム
シリコン
フェロ
ボロン
90.0
−
5.0
0.3
4.0
0.3
6.0
6.0
75.0
90.0
4.0
0.3
3.0
0.3
5.0
5.0
53.0
75.0
3.5
0.3
2.5
0.3
4.0
4.0
31.5
53.0
2.5
0.3
1.5
0.3
2.0
3.0
22.4
31.5
1.5
0.3
1.0
0.3
1.0
1.5
11.2
22.4
1.0
0.3
0.5
0.3
0.5
1.0
3
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 kg
最大粒度
(mm)
インクリメントの最小必要質量
を超え
以下
フェロホ
スホル
金属
マンガン
金属
けい素
金属
クロム
カルシウム
シリコン
フェロ
ボロン
−
11.2
1.0
0.3
0.2
0.3
0.5
0.5
5.2
インクリメントの採取個数 インクリメントの採取個数は,次による。
(1) 系統サンプリングにおいて,コンサインメントから採取するインクリメントの最小必要個数は,表4
による。この場合,表4に示した試料採取精度が得られる。
表4 インクリメントの最小必要個数・試料採取精度
単位 絶対百分率
コンサインメントの質量
(t)
インクリメ
ントの最小
必要個数
試料採取精度 (βS)
フェロ
ホスホル
金属
マンガン
金属
けい素
金属
クロム
カルシウムシリコン
フェロ
ボロン
を超え
以下
P
S
Si
Fe
Cr
Ca
Si
B
100
−
28
−
−
−
−
−
0.30
0.36
−
50
100
24
−
−
0.18
0.06
−
0.32
0.39
−
25
50
20
−
−
0.24
0.06
−
0.36
0.39
−
10
25
17
0.26
0.002
0.24
0.06
−
0.37
0.40
0.22
5
10
14
0.29
0.003
0.28
0.07
−
0.39
0.45
0.28
3
5
11
0.31
0.003
0.32
0.08
0.07
0.41
0.47
0.33
1
3
9
0.34
0.003
0.39
0.09
0.07
0.43
0.49
0.37
0.5
1
7
0.36
0.003
0.46
0.10
0.13
0.46
0.49
0.41
−
0.5
5
0.38
0.003
0.49
0.10
0.13
0.50
0.51
0.45
(2) トラック又は容器積みのコンサインメントから試料を採取する場合,選び出すトラック又は容器の数,
及び選び出したトラック又は容器から採取するインクリメント個数は,JIS G 1501の6.2及び6.3によ
る。
5.3
インクリメントの採取方法 インクリメントの採取方法は,JIS G 1501の4.3,5.及び6.による。た
だし金属クロムについては,一次試料単位として金属クロムの塊を抽出し,その破面からかき取る。かき
取った金属クロム片を塊ごとに集めてインクリメントとする。かき取り方法は,JIS G 1601[フェロアロ
イの成分用試料のサンプリング方法(その1フェロマンガン,フェロシリコン,フェロクロム,シリコマ
ンガン及びシリコクロム)]の5.4に準じる。
6. 試料調製方法 試料調製は,JIS G 1501の7.の規定によって行う。
6.1
試料のまとめ方 1コンサインメントから採取したインクリメントをまとめて大口試料を作り,これ
から試験試料を調製する。
備考 試験試料をインクリメントごと若しくは小口試料ごとに調製した場合,又は試験試料ごとに測
定(分析)回数を増やした場合,達成される精度は更に良くなる(JIS G 1501の7.1参照)。
6.2
試料調製の精度 この規格に規定する試料調製方法によって試料調製を行った場合の試料調製の精
度を,表5に示す。
4
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 試料調製の精度
単位 絶対百分率
製品の種類
特性
試料調製の精度 (βp)
フェロホスホル
P
0.30
金属マンガン
S
0.001
金属けい素
Si
0.20
Fe
0.04
金属クロム
Cr
0.12
カルシウムシリコン
Ca
0.40
Si
0.32
フェロボロン
B
0.40
6.3
縮分 縮分は,次による。
(1) 大口試料,小口試料又はインクリメントの縮分は,原則として試料全量通過の粒度11.2 mm以下で行
う。
(2) 大口試料の縮分基準は,インクリメント縮分を除いて,表6による。
表6 大口試料の縮分基準
単位 kg
試料全量通過の粒度
縮分試料の最小質量
を超え
以下
フェロホスホル
金属けい素
カルシウムシリコン
金属クロム
フェロボロン
金属マンガン
5.0 mm
11.2 mm
7.00
13.00
−
2.8 mm
5.0 mm
1.20
2.00
0.50
1.0 mm
2.8 mm
0.70
1.00
0.30
500 μm
1.0 mm
0.30
0.40
0.10
−
500 μm
0.20
0.20
0.05
(3) インクリメント縮分の縮分基準は,JIS G 1501の表3及び表4による。
6.4
成分試験試料 成分試験試料は,次による。
(1) 約50gの成分試験試料を4個以上調製する。成分試験試料の全量通過の粒度は,表7による。
表7 成分試験試料の全量通過の粒度
製品の種類
試料全量通過の粒度
μm
フェロホスホル
160
金属マンガン
500
金属けい素
160
金属クロム
250
カルシウムシリコン
160
フェロボロン
160
(2) 成分試験試料の包装・表示・保管などの一般事項は,JIS G 1501の7.5による。
(3) 大口試料から成分試験試料を調製する例を図に示す。
7. コンサインメントの平均品位の決定 6.の試料調製方法によって調製した成分試験試料を分析し,JIS
G 1501の8.1によってコンサインメントの平均品位を決定する。
5
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図 試料調製のフローシート(例)
(フェロボロンの場合)
6
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
鉄鋼部会 フェロアロイ分析方法専門委員会構成表
氏名
所属
(委員会長)
神 森 大 彦
社団法人化学情報協会
青 木 茂 雄
川崎製鐵株式会社
飯 田 芳 男
成蹊大学
井樋田 睦
日本鋼管株式会社技術研究所
伊 藤 六 仁
大同特殊鋼株式会社
今 井 康 夫
社団法人日本海事検定会
岩 田 晶 夫
住友金属鉱山株式会社
円城寺 輝 行
昭和電工株式会社
大河内 春 乃
科学技術庁金属材料技術研究所
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
尾 山 権 吉
日本電工株式会社
鍵 本 潔
通商産業省基礎産業局
鎌 田 隆 吉
株式会社日本製鋼所
佐 伯 正 夫
新日本製鐵株式会社
咲 山 忠 男
工業技術院標準部
谷 口 正 行
株式会社神戸製鋼所
針間矢 宣 一
川崎製鐵株式会社
藤 野 充 克
住友金属工業株式会社
帆 足 万 里
日本フエロアロイ協会
松 田 重 信
日本治金工業株式会社
前 田 孝
愛知製鋼株式会社
結 城 方
株式会社神戸製鋼所
吉 山 鍈 一
日本重化学工業株式会社
(関係者)
家 村 一 行
社団法人日本海事検定協会
梶 川 脩 二
日本鋼管株式会社
亀 井 博 志
日本鋼管株式会社
高 畠 正 和
日本重化学工業株式会社
(事務局)
藤 田 富 男
工業技術院標準部材料規格課
久 米 均
工業技術院標準部材料規格課
7
G 1603-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(主査)
梶 川 脩 二
日本鋼管株式会社
横 山 毅
元主査 前 昭和電工株式会社
原 田 保 雄
前主査 日本鋼管株式会社
(委員)
円城寺 輝 行*
昭和電工株式会社
三 馬 興 治*
元粟村金属工業株式会社
青 木 茂 雄
川崎製鐵株式会社
家 村 一 行
社団法人日本海事検定協会
太 田 一 身
日本鋼管株式会社
尾 山 権 吉
日本電工株式会社
亀 井 博 志
日本鋼管株式会社
佐 藤 卓 三
海外貨物検査株式会社
高 畠 正 和
日本重化学工業株式会社
中屋敷 英 彦
海外貨物検査株式会社
平 本 克 房
新日本製鐵株式会社
福 津 勉
日本重化学工業株式会社
森 本 勲
日本電工株式会社
結 城 方
株式会社神戸製鋼所
和 田 宏 二
社団法人日本海事検定協会
(事務局)
藤 田 富 男
工業技術院標準部材料規格課
久 米 均
工業技術院標準部材料規格課
吉 田 信 之
元工業技術院標準部材料規格課
宮 崎 正 治
元工業技術院標準部材料規格課
沢 田 良 夫
日本フェロアロイ協会
神 谷 圭 三
元日本フェロアロイ協会
*原案とりまとめ幹事