G 1602 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS G 1602 : 1985は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 1602 : 1998
フェロアロイの成分用試料の
サンプリング方法
(その2 フェロタングステン,
フェロモリブデン,フェロバナジウム,
フェロチタン及びフェロニオブ)
Methods of sampling for chemical analysis of ferroalloys
(Part 2:Ferrotungsten, ferromolybdenum, ferrovanadium,
ferrotitanium and ferroniobium)
序文 今回の改正は,対応する国際規格との整合化を目的として行った。
この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 4552-2, Ferroalloys−Sampling and sample preparation for
chemical analysis−Part2:Ferrotitanium, ferromolybdenum, ferrotungsten, ferroniobium, ferrovanadiumの翻訳を
元に,対応する部分については,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国
際規格には規定されていない規定項目,規定内容について日本工業規格として追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS G 2306,JIS G 2307,JIS 2308,JIS G 2309及びJIS G 2319の1コンサイ
ンメントの化学成分の平均品位を決定するためのサンプリング方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS G 1501 フェロアロイのサンプリング方法通則
JIS G 2306 フェロタングステン
JIS G 2307 フェロモリブデン
JIS G 2308 フェロバナジウム
JIS G 2309 フェロチタン
JIS G 2319 フェロニオブ
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS G 1501による。
4. 記号 この規格で用いる記号は,JIS G 1501による。
2
G 1602 : 1998
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5. 一般事項 一般事項は,次による。
a) 試料の採取・調製のための一般事項及び用具・装置は,JIS G 1501による。
b) 精度を規定する特性は,表1による。
表1 精度を規定する特性
製品の種類
特性
% (m/m)
フェロタングステン
W
フェロモリブデン
Mo
フェロバナジウム
V
フェロチタン
Ti
フェロニオブ
Nb
c) この規格で求めたコンサインメントの化学成分の平均品位は,信頼率約95 %で表2に示す総合精度を
もつ。
表2 総合精度
単位 絶対百分率
コンサインメントの質量
(t)
総合精度 (βSPM)
% (m/m)
フェロタング
ステン
フェロモリブ
デン
フェロバナジ
ウム
フェロチタン フェロニオブ
を超え
以下
W
Mo
V
Ti
Nb
100
−
−
−
0.74
0.80
−
50
100
−
−
0.74
0.81
−
25
50
0.90
0.90
0.75
0.82
0.88
10
25
0.91
0.91
0.75
0.83
0.89
5
10
0.92
0.92
0.76
0.84
0.90
3
5
0.93
0.93
0.77
0.86
0.91
1
3
0.95
0.95
0.78
0.88
0.93
0.5
1
0.98
0.98
0.80
0.90
0.95
−
0.5
1.03
1.03
0.83
0.95
0.98
6. 試料採取方法 試料採取方法は,次による。
6.1
インクリメントの質量 インクリメントの質量は,コンサインメントの最大粒度に応じて表3に規
定する質量以上とする。
表3 最大粒度とインクリメントの最小必要質量
最大粒度
mm
インクリメントの最小必要質量
kg
を超え
以下
フェロタング
ステン
フェロモリブ
デン
フェロバナジ
ウム
フェロチタン フェロニオブ
53.0
−
5.0
5.0
1.0
5.0
3.5
22.4
53.0
3.5
3.5
0.5
3.5
2.5
11.2
22.4
1.5
1.5
0.2
1.5
1.0
−
11.2
0.5
0.5
0.2
0.5
0.5
6.2
インクリメントの採取個数 インクリメントの採取個数は,次による。
a) 系統サンプリングにおいて,コンサインメントから採取するインクリメントの最小必要個数は,表4
による。この場合,表4に示した試料採取精度が得られる。
3
G 1602 : 1998
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表4 インクリメントの最小必要個数・試料採取精度
単位 絶対百分率
インクリメントの質量
(t)
インクリメン
トの必要最小
個数
試料採取精度 (βS)
% (m/m)
フェロタング
ステン
フェロモリブ
デン
フェロバナジ
ウム
フェロチタン フェロニオブ
を超え
以下
W
Mo
V
Ti
Fb
100
−
28
−
−
0.17
0.23
−
50
100
24
−
−
0.18
0.25
−
25
50
20
0.29
0.29
0.20
0.27
0.25
10
25
17
0.32
0.32
0.22
0.29
0.27
5
10
14
0.35
0.35
0.24
0.32
0.29
3
5
11
0.39
0.39
0.27
0.36
0.33
1
3
9
0.43
0.43
0.30
0.40
0.37
0.5
1
7
0.49
0.49
0.34
0.45
0.43
−
0.5
5
0.58
0.58
0.40
0.54
0.49
b) トラック又は容器積みのコンサインメントから試料を採取する場合.選び出すトラック又は容器の数,
及び選び出したトラック又は容器から採取するインクリメント個数は,JIS G 1501の7.b)(トラック
からの試料採取)及び7.c)(容器からの試料採取)による。
6.3
インクリメントの採取方法 インクリメントの採取方法は,JIS G 1501の5.3(インクリメント),
6.(サンプリングの用具・装置)及び7.(試料採取方法)による。
7. 試料調製方法 試料調製方法は,JIS G 1501の8.(試料調製方法)による。
7.1
試料のまとめ方 試料のまとめ方は,1コンサインメントから採取したインクリメントをまとめて大
口試料を作り,これから試験試料を調製する。
備考 試験試料をインクリメントごと若しくは小口試料ごとに調製した場合,又は,試験試料ごとに
測定(分析)回数を増やした場合,達成される精度は更に良くなる[JIS G 1501の8.1(試料の
まとめ方)参照]。
7.2
試料調製の精度 試料調製の精度は,JIS G 1501の8.によって試料調製を行った場合は,表5によ
る。
表5 試料調製の精度
単位 絶対百分率
製品の種類
特性
試料調製の精度 (βP)
% (m/m)
フェロタングステン
W
0.60
フェロモリブデン
Mo
0.60
フェロバナジウム
V
0.40
フェロチタン
Ti
0.50
フェロニオブ
Nb
0.60
7.3
縮分 縮分は,次による。
a) 大口試料,小口試料又はインクリメントの縮分は,試料全量通過の粒度11.2mm以下で行う。
b) 大口試料の縮分基準は,表6による。
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表6 大口試料の縮分基準
試料全量通過の粒度
縮分試料の最小質量
kg
を超え
以下
フェロタングステン
フェロモリブデン
フェロバナジウム
フェロチタン
フェロニオブ
5.0mm
11.2mm
13.00
7.00
2.8mm
5.0mm
2.00
1.20
1.0mm
2.8mm
1.00
0.70
500 μm
1.0mm
0.40
0.30
−
500 μm
0.20
0.20
c) インクリメント縮分の縮分基準は,JIS G 1501の表3(試料全量通過の粒度,試料の厚さ及びインク
リメント縮分用スコップ)及び表4(インクリメント縮分で採取するインクリメント個数)による。
7.4
成分試験試料 成分試験試料は,次による。
a) 約50gの成分試験試料を4個以上調製する。成分試験試料の全量通過の粒度は,表7による。
表7 成分試験試料の全量通過の粒度
製品の種類
試料全量通過の粒度
μm
フェロタングステン
160
フェロモリブデン
160
フェロバナジウム
355
フェロチタン
160
フェロニオブ
160
b) 成分試験試料の包装・表示・保管などの一般事項は,JIS G 1501の8.5(成分試験試料の調製)による。
c) 大口試料から成分試験試料を調製する例を図1に示す。
8. コンサインメントの平均品位の決定 コンサインメントの平均品位の決定は,7.の試料調製方法によ
って調製した成分試験試料を分析し,JIS G 1501の9.1(化学成分の平均品位の決定)によってコンサイン
メントの平均品位を決定する。
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図1 試料調製のフローシート(例)
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JIS G 1602[フェロアロイの成分試料のサンプリング方法(その2)]改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(主査)
川 口 外 秋
日本鋼管株式会社
八 田 正 治
株式会社神戸製鋼所
樋 田 登喜夫
社団法人日本海事検定協会
平 本 克 房
海外貨物検査株式会社
長 野 研 一
新日本製鐵株式会社
山 本 哲 男
川崎製鉄株式会社
鎌 田 遼
日本電工株式会社
鈴 木 邦 輝
日本重化学工業株式会社
円城寺 輝 行
昭和電工株式会社
脇 田 信 雄
日本重化学工業株式会社
熊 本 俊 一
川崎製鉄株式会社
林 明 夫
通産産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
(関係者)
増 田 正 純
通商産業省工業技術院
(事務局)
奥 山 満 之
日本フェロアロイ協会
今 野 尚 雄
前日本フェロアロイ協会