G 1325-1:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 一般事項························································································································· 1
4 定量方法の区分 ················································································································ 1
5 二酸化けい素重量法 ·········································································································· 2
5.1 要旨 ···························································································································· 2
5.2 試薬 ···························································································································· 2
5.3 試料はかりとり量 ·········································································································· 2
5.4 操作 ···························································································································· 2
5.5 空試験 ························································································································· 3
5.6 計算 ···························································································································· 3
5.7 許容差 ························································································································· 4
6 ヘキサフルオロけい酸カリウム沈殿分離水酸化ナトリウム滴定法 ·············································· 4
6.1 要旨 ···························································································································· 4
6.2 試薬 ···························································································································· 4
6.3 試料はかりとり量 ·········································································································· 5
6.4 操作 ···························································································································· 5
6.5 空試験 ························································································································· 6
6.6 計算 ···························································································································· 6
6.7 許容差 ························································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
G 1325-1:2013
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本フェロアロイ協会(JFA)及び一般財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS G 1325:2000は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS G 1325の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 1325-1 第1部:けい素定量方法
JIS G 1325-2 第2部:クロム定量方法
JIS G 1325-3 第3部:炭素定量方法
JIS G 1325-4 第4部:りん定量方法
JIS G 1325-5 第5部:硫黄定量方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
G 1325-1:2013
シリコクロム分析方法−第1部:けい素定量方法
Method for chemical analysis of ferrosilicochromium-
Part 1: Determination of silicon content
序文
この規格は,1978年に第1版として発行されたISO 4158を基とし,分析技術の進展に対応するため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,シリコクロム中のけい素の定量方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4158:1978,Ferrosilicon, ferrosilicomanganese and ferrosilicochromium−Determination of silicon
content−Gravimetric method(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1301 フェロアロイ−分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
3
一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS G 1301による。
4
定量方法の区分
けい素定量方法は,次のいずれかによる。
a) 二酸化けい素重量法 この方法は,けい素含有率10 %(質量分率)以上60 %(質量分率)以下の試
料に適用する。
b) ヘキサフルオロけい酸カリウム沈殿分離水酸化ナトリウム滴定法 この方法は,けい素含有率10 %
(質量分率)以上60 %(質量分率)以下の試料に適用する。
2
G 1325-1:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
二酸化けい素重量法
5.1
要旨
試料を過酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムで融解し,塩酸に溶解した後,過塩素酸を加え,過塩素酸
の白煙を発生させてけい素を不溶性けい酸とする。水で可溶性塩類を溶解した後,沈殿をこし分け,強熱
して二酸化けい素とした後,その質量をはかる。硫酸及びふっ化水素酸を加え,加熱して二酸化けい素を
四ふっ化けい素として揮散させ,強熱した後,その質量をはかる。
5.2
試薬
試薬は,次による。
5.2.1
塩酸(1+2,1+10)
5.2.2
過塩素酸
5.2.3
ふっ化水素酸
5.2.4
硫酸(1+1)
5.2.5
過酸化水素
5.2.6
融解合剤(過酸化ナトリウム2,炭酸ナトリウム1)
5.2.7
チオシアン酸カリウム溶液(100 g/L)
5.3
試料はかりとり量
試料はかりとり量は,0.20 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
5.4
操作
警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸
気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。
5.4.1
試料の分解
試料の分解は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってニッケル製るつぼ(30 mL)又はジルコニウム製るつぼ(35 mL又は45 mL)に移
し入れる。
b) 融解合剤5 gを加えてよくかき混ぜ,その上を融解合剤1 gで覆う。
c) ニッケル又はジルコニウム製の蓋をし,初めは低温で穏やかにるつぼを回転させながら内容物が融解
し始めるまで加熱する。
d) 温度を上げ,約700 ℃(暗赤熱状態)で約5分間るつぼを揺り動かしながら加熱して完全に融解した
後,室温まで放冷する。
e) るつぼ及び蓋を塩酸(1+2)60 mLを入れたビーカー(500 mL)中に入れて融成物を溶解し,るつぼ
及び蓋を水で洗ってるつぼ及び蓋を取り出す。
5.4.2
けい酸の脱水処理
けい酸の脱水処理は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1 e)で得た溶液に,過塩素酸60 mLを加えてかき混ぜる。
b) 熱板上で加熱して蒸発させ,過塩素酸の濃厚な白煙が発生し始めたら,時計皿で覆う。
c) 過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を伝わって流れる状態で約15分間加熱を続けた後,室温まで放冷す
る。
5.4.3
けい酸のろ過及び洗浄
けい酸のろ過及び洗浄は,次の手順によって行う。
a) 5.4.2 c)で得た溶液に温水約150 mLを加えて可溶性塩類を溶解する。
3
G 1325-1:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 溶液をかき混ぜながら過酸化水素5 mLを少量ずつ加えて二クロム酸を還元し,加熱して約1分間沸
騰させる。
c) 時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,直ちに沈殿をろ紙(5種A)を用いてこし分ける。ろ
液は,別のビーカー(500 mL)に受けて保存する。
d) ビーカーの内壁及び時計皿に付着した沈殿は,ポリスマンでこすり,40〜60 ℃に加熱した塩酸(1+
10)を用いてろ紙上に洗い移す。
e) ろ紙及び沈殿を40〜60 ℃に加熱した塩酸(1+10)で5回洗浄した後,温水で,洗液に鉄(III)イオ
ンが認められなくなるまで1)洗浄する。洗液は,c)で保存したろ液に合わせる。沈殿及びろ紙は,保
存する。
注1) 洗液の一部を取り,チオシアン酸カリウム溶液(100 g/L)(5.2.7)を滴加したとき,洗液が
とう(燈)赤色を呈さなくなることによって確認することもできる。
5.4.4
ろ液及び洗液からのけい酸の回収
ろ液及び洗液からのけい酸の回収は,次の手順によって行う。
a) 5.4.3 e)で得たろ液及び洗液に,過塩素酸10 mLを加えてかき混ぜる。
b) 次に,5.4.2 b)〜5.4.3 b)の手順に従って操作する。
c) 時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,直ちに,沈殿をろ紙(5種B)を用いてこし分け,ビ
ーカーの内壁及び時計皿に付着した沈殿は,ポリスマンでこすり,40〜60 ℃に加熱した塩酸(1+10)
を用いてろ紙上に洗い移す。
d) ろ紙及び沈殿を40〜60 ℃に加熱した塩酸(1+10)で5回洗浄した後,次に温水で,洗液に鉄(III)
イオンが認められなくなるまで1)洗浄する。ろ液及び洗液は捨てる。
5.4.5
ろ紙の灰化及び沈殿のひょう量
ろ紙の灰化及び沈殿のひょう量は,次の手順によって行う。
a) 5.4.3 e)で保存していた沈殿及びろ紙と,5.4.4 d)で得た沈殿及びろ紙とを合わせて,白金るつぼ(30
番)に移し入れる。
b) 沈殿及びろ紙を100〜250 ℃で加熱して乾燥した後,強熱してろ紙を灰化する。
c) 約1 100 ℃で約30分間強熱した後,白金るつぼをデシケーターに移し入れる。常温まで放冷した後,
白金るつぼの質量をはかる。
d) c)の操作を恒量(強熱前後の質量差が0.3 mg以下)になるまで繰り返す。
5.4.6
沈殿のふっ化水素酸処理及びひょう量
沈殿のふっ化水素酸処理及びひょう量は,次の手順によって行う。
a) 5.4.5 d)で得た白金るつぼ中の残さを硫酸(1+1)2,3滴を加えて湿らせ,ふっ化水素酸3〜5 mLを
加え,加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮散させる。
b) 約1 100 ℃で約30分間強熱した後,白金るつぼをデシケーターに移し入れる。常温まで放冷した後,
白金るつぼの質量をはかる。
c) b)の操作を恒量(強熱前後の質量差が0.3 mg以下)になるまで繰り返す。
5.5
空試験
試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
5.6
計算
試料について5.4.5 d)で得た質量及び5.4.6 c)で得た質量と,空試験における5.4.5 d)で得た質量及び5.4.6
c)で得た質量とから,試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。
4
G 1325-1:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
4
467
.0
)]
(
)
[(
0
4
3
2
1
×
×
m
m
m
m
m
Si
−
−
−
=
ここに,
Si: 試料中のけい素含有率[%(質量分率)]
m0: 試料はかりとり量(g)
m1: 試料について5.4.5 d)で得た質量(g)
m2: 試料について5.4.6 c)で得た質量(g)
m3: 空試験における5.4.5 d)で得た質量(g)
m4: 空試験における5.4.6 c)で得た質量(g)
5.7
許容差
許容差は,表1による。
表1−許容差
単位 %(質量分率)
けい素含有率
室内再現許容差
室間再現許容差
44.2
0.4
1.9
注記 この表に示すけい素含有率は,許容差決定のための共同実験に用いた試
料中のけい素含有率である。
6
ヘキサフルオロけい酸カリウム沈殿分離水酸化ナトリウム滴定法
6.1
要旨
試料を硝酸及びふっ化カリウム共存のふっ化水素酸で分解し,ヘキサフルオロけい酸カリウムを沈殿さ
せる。酸で分解しにくい試料は,過酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムで融解した後,硝酸に溶解し,ふ
っ化水素酸及び硝酸カリウムを加えてヘキサフルオロけい酸カリウムを沈殿させる。この沈殿をこし分け,
温水に溶解し,フェノールフタレインを指示薬として水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
6.2
試薬
試薬は,次による。
6.2.1
塩酸
6.2.2
硝酸(1+1)
6.2.3
ふっ化水素酸
6.2.4
水酸化ナトリウム
6.2.5
水酸化カリウム
6.2.6
硝酸カリウム
6.2.7
硝酸カリウム溶液(50 g/L)
6.2.8
ふっ化カリウム溶液 ふっ化カリウム200 gをポリエチレン製ビーカー(1 000 mL)に取り,ふっ
化水素酸に溶解し,ふっ化水素酸で液量を1 000 mLとする。この溶液はポリエチレン製容器に保存する。
6.2.9
融解合剤(過酸化ナトリウム2,炭酸ナトリウム1)
6.2.10 0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液 0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液は,次による。
a) 調製 JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定及び計算)r) 1) 1.1)によって調製した1 mol/L水
酸化ナトリウム溶液500 mLを正確に1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,二酸化炭素を除いた水で
標線まで薄めた後,ポリエチレン製気密容器に入れ,ソーダ石灰管を付けて保存する。
b) 標定 JIS K 8001のJA.5.2 r) 1) 1.2)による。標定は,使用の都度行う。この場合,アミド硫酸1.2〜1.3 g
を0.1 mgの桁まではかりとる。
5
G 1325-1:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 計算 ファクターは,次の式で算出する。
100
55
048
.0
1
5
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f: 0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液のファクター
m5: はかりとったアミド硫酸の質量(g)
A: アミド硫酸の純度[%(質量分率)]
0.048 55: 0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド
硫酸の質量(g)
V1: 滴定に要した0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液の使用量
(mL)
6.2.11 フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン0.5 gをエタノール(95)100 mLに溶解する。
6.3
試料はかりとり量
試料はかりとり量は,0.20 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
6.4
操作
6.4.1
試料の分解及びヘキサフルオロけい酸カリウム沈殿の生成
試料の分解及びヘキサフルオロけい酸カリウム沈殿の生成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 酸で分解容易な試料を,酸で分解する場合
1) 試料をはかりとってポリエチレン製ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 硝酸(1+1)30 mLを加え,ポリエチレン製の蓋をし,ビーカーを振り混ぜながら,ふっ化カリウ
ム溶液(6.2.8)10 mLを少量ずつ加えて分解する。
3) 塩酸5 mLを加え,水を加えて液量を約80 mLとし,水浴上で約15分間加熱する。
4) 少量のろ紙パルプを加え,15 ℃以下に冷却しながら約30分間静置し,ヘキサフルオロけい酸カリ
ウムを沈殿させる。
b) 融解合剤を用いて試料を融解する場合
1) 試料をはかりとってニッケル製るつぼ(30 mL)又はジルコニウム製るつぼ(35 mL又は45 mL)に
移し入れる。
2) 融解合剤5 gを加えてよくかき混ぜ,その上を融解合剤1 gで覆う。
3) ニッケル又はジルコニウム製の蓋をし,初めは低温で穏やかにるつぼを回転させながら内容物が融
解し始めるまで加熱する。温度を上げ,約700 ℃(暗赤熱状態)で約5分間るつぼを揺り動かしな
がら加熱して完全に融解する。
4) 室温まで放冷した後,るつぼに少量の温水を加え,穏やかに加熱して融成物を溶解する。
5) 溶液を,硝酸(1+1)50 mLを入れたポリエチレン製ビーカー(300 mL)に温水で洗い移す。
6) るつぼに塩酸3 mLを加え,るつぼの内壁に付着している融成物を溶解し,るつぼ及び蓋を水でよ
く洗浄し,溶液及び洗液を5)の溶液に合わせる。
7) 溶液の入ったポリエチレン製ビーカー(300 mL)を水浴上で加熱して融成物を完全に溶解し,水を
加えて液量を約80 mLとする。
8) ふっ化水素酸10 mL及び硝酸カリウム3 gを加えてかき混ぜ,水浴上で約15分間加熱する。
9) 少量のろ紙パルプを加え,15 ℃以下に冷却しながら約30分間静置してヘキサフルオロけい酸カリ
ウムを沈殿させる。
6
G 1325-1:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4.2
沈殿のこし分け
沈殿のこし分けは,次の手順によって行う。
a) 6.4.1のa) 4)又はb) 9)で得た沈殿を含む溶液を,15 ℃以下に保持しながら,ポリエチレン製漏斗及び
ろ紙(5種A)を用いて,ろ過する。
b) 沈殿及びろ紙を15 ℃以下に冷却した硝酸カリウム溶液(50 g/L)を用いて,洗液を青リトマス試験紙
上に滴加したとき,試験紙の色が赤にならなくなるまで,十分に洗浄する。ろ液及び洗液を捨てる。
6.4.3
滴定
滴定は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2 b)で得た沈殿をろ紙とともに三角フラスコ(200 mL)に移し入れる。
b) 温水約50 mLを加え,栓をして激しく振り混ぜてろ紙を破砕する。
c) 栓を外して溶液を加熱して沸騰させた後,フェノールフタレイン溶液(6.2.11)を指示薬として数滴加
え,0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液(6.2.10)を終点近くまで一度に加える。外した栓は,保存して
おく。
d) 指示薬のフェノールフタレイン溶液(6.2.11)を数滴追加した後,再び0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶
液(6.2.10)で滴定し,溶液が微紅色となったところで,一時滴定を止める。
e) 三角フラスコにc)で保存した栓をして溶液を激しく振り混ぜ,微紅色が消えたら栓を外して滴定を続
け,再び微紅色に変わる点を終点とし,0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液(6.2.10)の使用量を求める。
6.5
空試験
試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6.6
計算
試料及び空試験の0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液(6.2.10)の使用量から,試料中のけい素含有率を,
次の式によって算出する。
100
511
003
.0
)
(
6
3
2
×
×
×
m
f
V
V
Si
−
=
ここに,
Si: 試料中のけい素含有率[%(質量分率)]
V2: 試料について6.4.3での0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液
の使用量(mL)
V3: 空試験における6.4.3での0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶
液の使用量(mL)
f: 0.5 mol/L水酸化ナトリウム溶液のファクター
m6: 試料はかりとり量(g)
6.7
許容差
許容差は,表2による。
表2−許容差
単位 %(質量分率)
けい素含有率
室内再現許容差
室間再現許容差
43.9
0.5
1.7
注記 この表に示すけい素含有率は,許容差決定のための共同実験に用いた
試料中のけい素含有率である。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 1325-1:2013 シリコクロム分析方法−第1部:けい素定量方法
ISO 4158:1978 Ferrosilicon, ferrosilicomanganese and ferrosilicochromium−
Determination of silicon content−Gravimetric method
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範囲
シリコクロム中のけ
い素定量方法につい
て規定
1
フェロシリコン,フェロ
シリコマンガン,フェロ
シリコクロム中のけい素
定量方法について規定
追加
ISO規格では,二酸化けい素重量
法だけを規定。JISでは,ヘキサ
フルオロけい酸カリウム沈殿分離
水酸化ナトリウム滴定法も規定し
ている。
ヘキサフルオロけい酸カリウム沈
殿分離水酸化ナトリウム滴定法の
ISO規格への提案を検討する。
3一般事項
JIS G 1301
−
−
追加
ISO規格では,規定されていない。 ISO規格への提案を検討する。
4定量方法
の区分
二酸化けい素重量法
ヘキサフルオロけい
酸カリウム沈殿分離
水酸化ナトリウム滴
定法
二酸化けい素重量法
追加
ISO規格では,二酸化けい素重量
法だけを規定。JISでは,ヘキサ
フルオロけい酸カリウム沈殿分離
水酸化ナトリウム滴定法も規定し
ている。
ヘキサフルオロけい酸カリウム沈
殿分離水酸化ナトリウム滴定法の
ISO規格への提案を検討する。
5.2試薬
試薬について規定
4
試薬について規定
削除
アンモニア水,硝酸銀が規定され
ている。
ISO規格では,アンモニア水が規
定されているが,この操作は日本
では使用されていない。硝酸銀に
ついては過塩素酸の有無の確認に
は使用できないので,ISO規格へ
の削除の提案を検討する。
5.3試料は
かりとり量
0.20 g
7.3.1
けい素含有率50 %未満
では0.50 g,けい素含有
率50 %以上では0.25 g
変更
試料はかりとり量に差異がある。
二酸化けい素の沈殿量からISO規
格の試料はかりとり量は適してい
ないので,ISO規格への提案を検
討する。
2
G
1
3
2
5
-1
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.4操作
操作について規定
7.3
操作について規定
追加
二クロム酸の還元方法及び沈殿の
洗浄の確認方法に差異がある。
ISO規格への提案を検討する。
5.7許容差
許容差を規定
9
再現性
追加
6
ヘキサフルオロけい
酸カリウム沈殿分離
水酸化ナトリウム滴
定法
−
−
追加
−
ヘキサフルオロけい酸カリウム沈
殿分離水酸化ナトリウム滴定法の
ISO規格への提案を検討する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4158:1978,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
G
1
3
2
5
-1
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。