G 1322-3:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 一般······························································································································· 1
4 定量方法の区分 ················································································································ 1
5 けい素分離モリブドりん酸青吸光光度法 ··············································································· 1
5.1 要旨 ···························································································································· 1
5.2 試薬 ···························································································································· 2
5.3 試料はかりとり量 ·········································································································· 2
5.4 操作 ···························································································································· 2
5.5 空試験 ························································································································· 3
5.6 検量線の作成 ················································································································ 3
5.7 計算 ···························································································································· 3
6 けい素分離ICP発光分光法 ································································································ 3
6.1 要旨 ···························································································································· 3
6.2 試薬 ···························································································································· 3
6.3 試料はかりとり量 ·········································································································· 3
6.4 操作 ···························································································································· 3
6.5 空試験 ························································································································· 4
6.6 検量線の作成 ················································································································ 4
6.7 計算 ···························································································································· 4
G 1322-3:2010
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本フェロアロイ協会(JFA)及び財団法人
日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS G 1322:2006は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS G 1322の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 1322-1 第1部:けい素定量方法
JIS G 1322-2 第2部:炭素定量方法
JIS G 1322-3 第3部:りん定量方法
JIS G 1322-4 第4部:硫黄定量方法
JIS G 1322-5 第5部:鉄定量方法
JIS G 1322-6 第6部:アルミニウム定量方法
JIS G 1322-7 第7部:カルシウム定量方法
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日本工業規格
JIS
G 1322-3:2010
金属けい素分析方法−第3部:りん定量方法
Method for chemical analysis of metallic silicon-
Part 3: Methods for determination of phosphorus content
序文
JIS G 1322は,1953年に制定され,その後2006年に4回目の改正が行われた。今回,分析技術の進展
に対応するために,JIS G 1322:2006を廃止し,その規格の一部を分割して,りん定量方法として制定した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,金属けい素中のりんの定量方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1301 フェロアロイ−分析方法通則
3
一般
分析方法に共通な一般事項は,JIS G 1301による。
4
定量方法の区分
りんの定量方法は,次のいずれかによる。
a) けい素分離モリブドりん酸青吸光光度法 この方法は,りん含有率0.002 %(質量分率)以上0.05 %
(質量分率)以下の試料に適用する。
b) けい素分離ICP発光分光法 この方法は,りん含有率0.002 %(質量分率)以上0.05 %(質量分率)
以下の試料に適用する。
5
けい素分離モリブドりん酸青吸光光度法
5.1
要旨
試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解し,過塩素酸を加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させてけい素
を四ふっ化けい素として揮散させて分離するとともに,りんをりん酸とした後,塩類を水に溶解する。亜
硫酸水素ナトリウムを加えて鉄などを還元した後,七モリブデン酸六アンモニウム及び硫酸ヒドラジニウ
ムを加え,加熱してモリブドりん酸青を生成させ,分光光度計を用いて,その吸光度を測定する。
2
G 1322-3:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
試薬
試薬は,次による。
5.2.1
硝酸
5.2.2
過塩素酸
5.2.3
ふっ化水素酸
5.2.4
亜硫酸水素ナトリウム溶液(100 g/L)
5.2.5
呈色試薬溶液 あらかじめ,次の二つの溶液を調製しておき,使用の都度,A液5,B液2及び水
13の割合で混合する。
a) A液 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物20 gを水300 mLに溶解し,これに硫酸(1+1)700 mL
を加えて冷却した後,水で1 000 mLに薄める。
b) B液 硫酸ヒドラジニウム1.5 gを水に溶解して,水で1 000 mLに薄める。
5.2.6
りん標準液(P:100 μg/mL) りん酸二水素カリウムを110 ℃で乾燥し,デシケーター中で室温ま
で放冷して,質量を測定する操作を恒量となるまで繰り返した後,その0.439 3 gをはかりとり,水に溶解
する。溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
5.3
試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとする。
5.4
操作
5.4.1
試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって白金皿(100番)又はポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)製ビ
ーカー(200 mL)に移し入れ,白金又はPTFE製のふたで覆い,ふたを少しずらして硝酸20 mLを加
え,ふっ化水素酸10 mLを滴加して分解する。このとき,反応が激しい場合は,水で冷却しながら分
解する。過塩素酸15 mLを加え,砂浴上で加熱して蒸発させて過塩素酸の白煙を発生させ,液量が約
2 mLになるまで濃縮する。
b) 放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除いた後,温水約30 mLを加えて可溶性
塩類を溶解する。溶液をろ紙(5種B)を用いて100 mLの全量フラスコにろ過し,ビーカーの内壁及
びろ紙を温水で4〜5回洗浄し,洗液をろ液に合わせた後,常温まで冷却し,水で標線まで薄める。沈
殿は捨てる。
5.4.2
呈色
呈色は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1 b)で得た試料溶液を25 mL分取して,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
b) 亜硫酸水素ナトリウム溶液10 mLを加えて振り混ぜ,沸騰水浴中で溶液が無色になるまで加熱する。
次に呈色試薬溶液(5.2.5)25 mLを加えて振り混ぜ,再び沸騰水浴中で15分間加熱する。流水中で常
温まで冷却した後,水で標線まで薄める。
なお,新しい全量フラスコを使用するときは,水を標線まで加えて沸騰水浴中で約10分間加熱した
後,流水中に全量フラスコを浸して冷却する。この操作を数回繰り返してから使用する。
5.4.3
吸光度の測定
5.4.2 b)で得た溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)にとり,水を対照液として波長825 nm付近
の吸光度を測定する。
3
G 1322-3:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.5
空試験
試薬だけを用いて,5.4.1 a)〜5.4.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
5.6
検量線の作成
数個のビーカー(100 mL)を準備し,これにりん標準液(5.2.6)0〜5.0 mL(りんとして0〜500 μg)を
段階的に正確にとる。これに過塩素酸5 mLを加え,時計皿で覆い,加熱して蒸発させ過塩素酸の白煙を
発生させて液量が約2 mLになるまで濃縮する。常温まで放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿
を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れる。以下,5.4.2 b)及び5.4.3の手順に従
って操作し,得た吸光度と呈色溶液中のりん量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行
移動して検量線とする。
5.7
計算
試料中のりん含有率を,次の式によって算出する。
100
4
1
2
1
×
×
−
m
A
A
P=
ここに,
P: 試料中のりん含有率[%(質量分率)]
A1: 試料溶液中のりん検出量(g)
A2: 空試験液中のりん検出量(g)
m: 試料はかりとり量(g)
6
けい素分離ICP発光分光法
6.1
要旨
試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解し,過塩素酸を加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させ,けい素
を四ふっ化けい素として揮散させて分離した後,塩類を水で溶解する。溶液をICP発光分光分析装置のア
ルゴンプラズマ中に噴霧し,りんの発光強度を測定する。
6.2
試薬
試薬は,次による。
6.2.1
硝酸
6.2.2
ふっ化水素酸
6.2.3
過塩素酸
6.2.4
りん標準液(P:100 μg/mL) 5.2.6による。
6.3
試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとする。
6.4
操作
6.4.1
試料溶液の調製
a) 5.4.1 a)の操作を行う。この場合,砂浴上で加熱して濃縮した時の液量は,約5 mLとする。
b) 5.4.1 b)の操作を行う。
6.4.2
発光強度の測定
6.4.1 b)で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長177.49 nm,
178.29 nm又は213.62 nmにおけるりんの発光強度を測定する。
4
G 1322-3:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.5
空試験
試薬だけを用いて,6.4.1及び6.4.2の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
6.6
検量線の作成
りん標準液(6.2.4)0〜5.0 mL(りんとして0〜500 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラスコにと
り,過塩素酸5 mLを加えた後,水で標線まで薄める。この溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴ
ンプラズマ中に噴霧し,波長177.49 nm,178.28 nm又は213.62 nmにおけるりんの発光強度を試料溶液と
並行して測定し,得た発光強度とりん量との関係線を作成して検量線とする。
6.7
計算
試料中のりん含有率を,次の式によって算出する。
100
4
3
×
−
m
A
A
P=
ここに,
P: 試料中のりん含有率[%(質量分率)]
A3: 試料溶液中のりん検出量(g)
A4: 空試験液中のりん検出量(g)
m: 試料はかりとり量(g)