G 1211-3:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 一般事項························································································································· 2
4 要旨······························································································································· 2
5 試薬······························································································································· 2
6 装置,器具及び材料 ·········································································································· 3
7 試料のはかりとり ············································································································· 4
8 操作······························································································································· 4
8.1 装置の調整 ··················································································································· 4
8.2 定量操作 ······················································································································ 5
9 空試験···························································································································· 5
10 検量線の作成 ················································································································· 6
10.1 試薬又は炭素標準液による検量線の作成 ··········································································· 6
10.2 鉄鋼認証標準物質を用いる検量線の作成 ··········································································· 8
11 計算 ····························································································································· 9
12 許容差 ·························································································································· 9
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 1211-3:2017は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS G 1211の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 1211-1 第1部:燃焼−二酸化炭素重量法
JIS G 1211-2 第2部:燃焼−ガス容量法
JIS G 1211-3 第3部:燃焼−赤外線吸収法
JIS G 1211-4 第4部:表面付着・吸着炭素除去−燃焼−赤外線吸収法
JIS G 1211-5 第5部:遊離炭素定量方法
日本工業規格 JIS
G 1211-3:2018
鉄及び鋼−炭素定量方法−
第3部:燃焼−赤外線吸収法
Iron and steel-Determination of carbon-
Part 3: Infrared absorption method after combustion
序文
この規格は,1989年に第1版として発行されたISO 9556及び2000年に第1版として発行されたISO
15350を基に技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,鉄及び鋼中の炭素定量方法のうち,燃焼−赤外線吸収法について規定する。この方法は,
炭素含有率(質量分率)0.001 %以上5.0 %以下の定量に適用する。ただし,試薬又は炭素標準液による検
量線作成の場合は,鉄及び鋼中の炭素含有率(質量分率)0.003 %以上4.5 %以下の定量に適用する。
注記1 JIS G 1211の規格群の定量範囲を表1に示す。
表1−JIS G 1211規格群の定量範囲
規格番号
定量範囲[質量分率(%)]
JIS G 1211-1
0.1
以上
JIS G 1211-2
0.05
以上 5.0
以下
JIS G 1211-3
0.001 以上 5.0
以下
JIS G 1211-4
0.000 3 以上 0.010 以下
JIS G 1211-5
0.3
以上 3.0
以下
注記2 この規格に規定した方法によって炭素を定量した場合,試料表面に付着又は吸着した炭素も
合わせて定量されるため,試料自体の炭素含有率より高い値を報告する可能性がある。ただ
し,その差は,質量分率として通常0.000 2 %前後で,多くても0.000 5 %未満である。微量
域炭素の定量において,試料表面に付着又は吸着した炭素の影響を除いて定量する方法とし
て,JIS G 1211-4が規定されている。炭素含有率(質量分率)0.001 %〜0.010 %の分析値に疑
義が生じた場合は,JIS G 1211-4による分析値を採用することを推奨する。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9556:1989,Steel and iron−Determination of total carbon content−Infrared absorption method
after combustion in an induction furnace
ISO 15350:2000,Steel and iron−Determination of total carbon and sulfur content−Infrared
2
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absorption method after combustion in an induction furnace (routine method)(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1201 鉄及び鋼−分析方法通則
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0970 ピストン式ピペット
JIS K 1101 酸素
JIS Z 2615 金属材料の炭素定量方法通則
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的
な使い方
3
一般事項
定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201及びJIS Z 2615による。
4
要旨
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して炭素酸化物とし,これを酸素とともに赤外線吸収検出器
に導き,二酸化炭素又は二酸化炭素と一酸化炭素とによる赤外線吸収量を測定する。あらかじめ作成した
検量線によって,赤外線吸収量を炭素量に変換する。
検量線は,高周波誘導加熱炉を用いる場合は,試薬又は標準液を用いて作成するか,又は鉄鋼認証標準
物質を用いて作成し,管状電気抵抗加熱炉を用いる場合は,鉄鋼認証標準物質を用いて作成する。
5
試薬
試薬は,次による。
5.1
二酸化炭素を除いた水
二酸化炭素を除いた水は,使用直前に,次のいずれかによって調製する。
a) 水を加熱して30分間沸騰させ,酸素(5.2)を吹き込みながら室温まで冷却し,更に15分間酸素を吹
き込む。
b) JIS K 0050のE.2(二酸化炭素を除いた水の場合)による。
5.2
酸素 酸素は,JIS K 1101による。
酸素が有機物で汚染されているおそれがある場合は,450 ℃以上に加熱した酸化触媒[酸化銅(II)又
は白金]管を精製ユニット(6.5)の前に使用して酸素を精製しなければならない。
5.3
鉄 純度の高い鉄で,炭素含有率(質量分率)が0.001 0 %以下で値が特定されているもの。特定さ
れた値としては,妥当性が確認されている場合は,認証値でなくてもよい。
5.4
不活性セラミックス(粘土焼結粒子) 使用する装置に適した粒径のもの。例えば,粒径0.7 mm〜
1.2 mmのもので,水酸化ナトリウムを浸透させたもの。
5.5
過塩素酸マグネシウム[Mg(ClO4)2] 使用する装置に適した粒径のもの。例えば,粒径0.3 mm〜2.3
3
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mmのもの。
5.6
炭酸バリウム
炭酸バリウム(質量分率99.5 %以上)を使用前に105 ℃〜110 ℃で約3時間乾燥し,グリースなどを塗
らないデシケーター中で常温まで放冷したもの。
5.7
炭酸ナトリウム
使用前に300 ℃で約2時間乾燥し,グリースなどを塗らないデシケーター中で常温まで放冷したもの。
5.8
助燃剤 炭素含有率(質量分率)が0.001 0 %以下のJIS Z 2615の8.13(助燃剤)d) 銅,b) すず,
c) タングステン,又はc) タングステンとb) すずとの混合物。
高周波誘導加熱燃焼に用いる助燃剤は,銅,タングステン,又はタングステンとすずとの混合物が望ま
しく,管状電気抵抗加熱燃焼に用いる助燃剤は,銅又はすずが望ましい。助燃剤の種類及び量は,炭素含
有率が既知の試料を分析して確認し,使用する装置及び試料に最も適したものを選ぶ。
5.9
炭素標準液A(スクロース溶液)(C:25 mg/mL)
あらかじめ100 ℃〜105 ℃で約2.5時間乾燥した後,グリースなどを塗らないデシケーター中で常温ま
で放冷したスクロース(C12H22O11)14.843 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,二酸化炭素
を除いた水(5.1)約100 mLを加えて溶解する。溶液を250 mLの全量フラスコに二酸化炭素を除いた水
を用いて移し入れ,二酸化炭素を除いた水で標線までうすめて炭素標準液Aとする。
5.10 炭素標準液B(炭酸ナトリウム溶液)(C:25 mg/mL)
炭酸ナトリウム(5.7)55.152 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,二酸化炭素を除いた水
(5.1)約200 mLを加えて溶解する。溶液を250 mLの全量フラスコに二酸化炭素を除いた水を用いて移
し入れ,二酸化炭素を除いた水で標線までうすめて炭素標準液Bとする。
5.11 鉄鋼認証標準物質 炭素含有率の認証値が得られていて,炭素以外の成分組成が分析試料と類似し
た認証標準物質。
5.12 検量線校正用標準物質 炭素含有率が使用する検量線範囲の上限付近の鉄鋼標準物質。検量線作成
に用いた鉄鋼認証標準物質(5.11)をこれに当ててもよい。
6
装置,器具及び材料
装置,器具及び材料は,JIS Z 2615の9.7(赤外線吸収法)に規定されている装置1)及びJIS Z 2615の箇
条8(器具及び材料)によるほか,次による。ただし,酸素及び助燃剤は,箇条5による。
注1) 二酸化炭素及び一酸化炭素の検出器を使用する場合は,JIS Z 2615の9.7.2.3(燃焼ガス精製部)
における酸化管及び三酸化硫黄吸収管を用いなくともよい。また,二酸化硫黄の検出器及び硫
黄用の指示計も備え,炭素及び硫黄を同時に測定する場合も同様に,酸化管及び三酸化硫黄吸
収管を用いなくともよい。
6.1
ピストン式ピペット 100 μLのもので,JIS K 0970に適合したもの。
6.2
すずカプセル 直径約6 mm,高さ約18 mm,質量約0.3 g及び体積約0.4 mLで,炭素含有率(質量
分率)が0.001 0 %以下のもの。
6.3
磁器燃焼るつぼ(以下,るつぼという。) JIS Z 2615の8.11(高周波磁器燃焼るつぼ)による。
るつぼは,あらかじめ電気炉に入れて空気中又は酸素中で,使用するるつぼに適した条件(例えば,
1 000 ℃以上で2時間以上)で強熱する。一度に多数強熱した場合は,放冷した後,若干の余熱をもつ状
態から使用直前までグリースなどを塗らないデシケーター中に保存する。
6.4
磁器燃焼ボート JIS Z 2615の8.10(磁器燃焼ボート及び磁器燃焼ボートカバー)による。
4
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磁器燃焼ボートは,あらかじめ電気炉に入れて空気中又は酸素中で,使用する磁器燃焼ボートに適した
条件(例えば,1 000 ℃以上で2時間以上)で強熱する。一度に多数強熱した場合は,放冷した後,若干
の余熱をもつ状態から使用直前までグリースなどを塗らないデシケーター中に保存する。
6.5
精製ユニット 不活性セラミックス(粘土焼結粒子)(5.4)を詰めた二酸化炭素吸収管及び過塩素酸
マグネシウム(5.5)を詰めた脱水管を接続して,酸素を精製するもの。
7
試料のはかりとり
分析試料は,用いる検量線ごとに次に指定される量を1 mgの桁まではかりとる。
a) 試薬又は炭素標準液による検量線のうち,炭素含有率(質量分率)1.0 %以下の場合:1 g
b) 試薬又は炭素標準液による検量線のうち,炭素含有率(質量分率)1.0 %超えの場合:0.5 g
c) 鉄鋼認証標準物質による検量線を用いる場合:採用する検量線作成に用いた鉄鋼認証標準物質のはか
りとり量とほぼ同等となる量。
注記 鉄鋼認証標準物質のはかりとり量は,0.5 g又は1 gとする場合が多い。
炭素及び硫黄を同時に定量できる機能を併置した装置を用い,鉄鋼認証標準物質による検量線を使用す
る場合で,はかりとり量による検量線作成範囲が重複しているときは,硫黄の定量を考慮してはかりとり
量を決めてもよい。
8
操作
警告1 燃焼分析に関する危険は,多くはるつぼ又は磁器燃焼ボートの事前強熱及び分析の際の火傷
である。全ての場合,燃焼るつぼはさみなどを使用する。使用済みのるつぼ又は磁器燃焼ボ
ートは,高温になっているが,その高温に耐え,かつ,外部に熱の影響を及ぼさない適切な
容器に入れて,放冷する。
警告2 酸素ボンベの操作については,適切な安全対策をとらなければならない。燃焼過程から排出
される酸素は,閉鎖された室の中で酸素濃度が高くなり,火事の危険が増すので,装置から
外気に効果的に放散させる。
8.1
装置の調整
精製ユニット(6.5)を用いて供給する酸素(5.2)を精製し,待機中は酸素を流さない。ダスト捕集器と
して,石英ガラスウールフィルター又はステンレス鋼網を設ける。必要であれば,これらを清掃又は交換
する。炉室,受台及びフィルタートラップは,付着した酸化物を取り除くため,頻繁に清掃しなければな
らない。
装置を長時間使用しなかった後は,主電源を入れたときに,装置の各部が安定化するまで装置製造業者
が推奨する時間だけ待機する。
炉室を清掃した後,及び/又はフィルターを交換した後,又は装置を長時間稼働させなかった後は,分
析を始める前に分析試料と同種類の数個の試料を燃焼させて装置を安定化させる。
装置に酸素を流してゼロ合わせを行う。
使用する装置が炭素含有率の直読方式の場合は,次のように各検量線範囲に対して装置の読み値を調整
する。
検量線作成用試料の最大炭素含有率に近い炭素含有率の鉄鋼認証標準物質(5.11)を選んで,8.2の手順
に従って操作する。
5
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得た読み値を認証値に合わせる。
この調整は,箇条10に規定する検量線の作成の前に行わなければならない。
8.2
定量操作
a) 高周波誘導加熱炉を使用し,試薬又は炭素標準液による検量線を用いる場合
1) すずカプセル(6.2)1個をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ(6.3)に入れ,カプセ
ルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,はかりとった試料(箇条7)及び助燃剤(5.8)を加
える。
2) 1)のるつぼ及び内容物を受台に載せ,燃焼位置まで上昇させて燃焼管を閉じる。
3) 炉の操作は,製造業者の指示書に従う。
4) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて読み値を記録する。
b) 高周波誘導加熱炉を使用し,鉄鋼認証標準物質による検量線を用いる場合
1) はかりとった試料(箇条7)をるつぼ(6.3)に移し入れる。
2) 助燃剤(5.8)をはかりとって1)のるつぼ中の試料の上に載せる。
3) 2)のるつぼ及び内容物を受台に載せ,燃焼位置まで上昇させて燃焼管を閉じる。
4) 炉の操作は,製造業者の指示書に従う。
5) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて読み値を記録する。
c) 管状電気抵抗加熱炉の場合
1) はかりとった試料(箇条7)を磁器燃焼ボート(6.4)に移し入れる。
2) 助燃剤(5.8)をはかりとって1)の磁器燃焼ボート中の試料の上に載せる。
3) 燃焼管の酸素入口部を開いて,試料及び助燃剤の入った磁器燃焼ボートを燃焼管内に入れ,燃焼管
内の適切な位置に挿入し,直ちに気密に閉じる。
4) 適切な量の酸素(5.2)を流し,生成した燃焼生成ガスを酸素とともに赤外線吸収検出器に送り込む。
5) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,磁器燃焼ボートを取り除いて読み値を記録する。
9
空試験
空試験は,次の手順で行う。空試験は複数回行うことが望ましい。ただし,空試験値が安定している場
合は,空試験は1回だけでよい。
検量線の校正時には空試験を行う。ただし,空試験値が安定している場合は,省略して直近に行った空
試験値で代用してもよい。空試験値は,炭素量として0.005 mgを超えてはならない。また,複数回行った
空試験値間の差が炭素量として0.003 mgを超えてはならない。
空試験値又は複数回行った空試験値間の差が異常に大きい場合には,汚染の原因を調査して排除しなけ
ればならない2)。
注2) るつぼ又は磁器燃焼ボートを酸素気流中で,1 350 ℃で約20分間強熱すると,空試験値又は複
数回行った空試験値間の差が下がる場合がある。
a) はかりとった試料(箇条7)と同量の鉄(5.3)をるつぼ(6.3)又は磁器燃焼ボート(6.4)に入れて,
助燃剤(5.8)で覆う。助燃剤の種類及び量は,試料に加えるものと同一とする。
8.2 a)による場合は,すずカプセル(6.2)1個をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼに
入れて,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄及び助燃剤を加える。
b) るつぼ又は磁器燃焼ボート及び内容物を,8.2 a)の2)〜4),8.2 b)の3)〜5)又は8.2 c)の3)〜5)の手順に
従って操作する。
6
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c) 空試験の読み値を,検量線(箇条10)を用いて炭素の質量(mg)に変換する。
空試験値は,空試験によって求めた炭素の質量(mg)から使用した鉄中の炭素の質量(mg)を差し引
いて求める。
鉄の代わりに,炭素含有率(質量分率)が0.001 0 %以下の鉄鋼認証標準物質(5.11)を用いて空試験値
を求めてもよい。
鉄を入れた空試験値と,鉄を入れずに助燃剤だけを入れて求めた空試験値との差が,分析試料の定量値
に影響を及ぼさないレベルであることが確認できた場合は,鉄を入れずに空試験を行ってよい。
空試験値(m0)は,測定した空試験値の平均値とする。
10 検量線の作成
10.1 試薬又は炭素標準液による検量線の作成
10.1.1 炭素含有率(質量分率)が0.003 %以上0.010 %未満の定量の場合
10.1.1.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個の250 mLの全量フラスコを準備し,それぞれに表2に示す量の炭素標準液A(5.9)又は炭素標準
液B(5.10)を移し入れ,二酸化炭素を除いた水(5.1)で標線までうすめる。
ピストン式ピペット(6.1)を用いて,各希釈溶液の100 μLずつを分取して5個の別々のすずカプセル
(6.2)の中に移し入れる。完全に乾燥するまで90 ℃で徐々に蒸発させ,グリースなどを塗らないデシケ
ーター中で常温まで放冷する。
表2−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.003 %以上0.010 %未満対応]
炭素標準液A(5.9)又は
炭素標準液B(5.10)の量
mL
希釈溶液中の
炭素の質量
mg/mL
すずカプセル(6.2)
に入れた炭素の質量
mg
はかりとり試料中
の炭素含有率
[質量分率(%)]
0 a)
0
0
0
1.0
0.10
0.010
0.001
2.0
0.20
0.020
0.002
5.0
0.50
0.050
0.005
10.0
1.00
0.100
0.010
注a) ゼロメンバー
10.1.1.2 測定
10.1.1.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)〜4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.1.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.1.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.2 炭素含有率(質量分率)が0.010 %以上0.100 %未満の定量の場合
10.1.2.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個の50 mLの全量フラスコを準備し,それぞれに表3に示す量の炭素標準液A(5.9)又は炭素標準液
7
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B(5.10)を移し入れ,二酸化炭素を除いた水(5.1)で標線までうすめる。
ピストン式ピペット(6.1)を用いて,各希釈溶液の100 μLずつを分取して5個の別々のすずカプセル
(6.2)の中に移し入れる。完全に乾燥するまで90 ℃で徐々に蒸発させ,グリースなどを塗らないデシケ
ーター中で常温まで放冷する。
表3−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.010 %以上0.100 %未満対応]
炭素標準液A(5.9)又は
炭素標準液B(5.10)の量
mL
希釈溶液中の
炭素の質量
mg/mL
すずカプセル(6.2)
に入れた炭素の質量
mg
はかりとり試料中
の炭素含有率
[質量分率(%)]
0 a)
0
0
0
2.0
1.0
0.10
0.010
4.0
2.0
0.20
0.020
10.0
5.0
0.50
0.050
20.0
10.0
1.00
0.100
注a) ゼロメンバー
10.1.2.2 測定
10.1.2.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)〜4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.2.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.2.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.3 炭素含有率(質量分率)が0.100 %以上1.00 %未満の定量の場合
10.1.3.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個のすずカプセル(6.2)を準備し,それぞれに表4に示す量の炭酸バリウム(5.6)又は炭酸ナトリウ
ム(5.7)を移し入れる。
表4−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.100 %以上1.00 %未満対応]
試薬のはかりとり質量
すずカプセル(6.2)
に入れた炭素の質量
mg
はかりとり試料中
の炭素含有率
[質量分率(%)]
炭酸バリウム(5.6)
mg
炭酸ナトリウム(5.7)
mg
0 a)
0 a)
0
0
16.4
8.8
1.0
0.10
32.9
17.7
2.0
0.20
82.1
44.1
5.0
0.50
164.3
88.2
10.0
1.00
注a) ゼロメンバー
10.1.3.2 測定
10.1.3.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
8
G 1211-3:2018
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)〜4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.3.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.3.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.4 炭素含有率(質量分率)が1.00 %以上4.5 %以下の定量の場合
10.1.4.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個のすずカプセル(6.2)を準備し,それぞれに表5に示す量の炭酸バリウム(5.6)又は炭酸ナトリウ
ム(5.7)を移し入れる。はかりとった炭酸バリウム又は炭酸ナトリウムをすずカプセルの中に移し入れる
ことができない場合は,10.1.4.2の測定のときにすずカプセルとともにるつぼの底に直接置いてもよい。
表5−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)1.00 %以上4.5 %以下対応]
試薬のはかりとり質量
すずカプセル(6.2)
に入れた炭素の質量
mg
はかりとり試料中
の炭素含有率
[質量分率(%)]
炭酸バリウム(5.6)
mg
炭酸ナトリウム(5.7)
mg
0 a)
0 a)
0
0
82.1
44.1
5.0
1.0
164.3
88.2
10.0
2.0
246.4
132.3
15.0
3.0
369.7
198.6
22.5
4.5
注a) ゼロメンバー
10.1.4.2 測定
10.1.4.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)0.500 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)〜4)に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.4.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.4.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.2 鉄鋼認証標準物質を用いる検量線の作成
10.2.1 検量線作成用試料の選定
検量線を作成したい炭素含有率範囲に対して,その上下限近傍の含有率を含み,かつ,炭素含有率が段
階的に変化するように,鉄鋼認証標準物質(5.11)を少なくとも4,5個選定する。
注記 検量線作成用試料の選定数は,1桁の含有率範囲で2,3個とする場合が多い。
10.2.2 測定
8.2 b)又は8.2 c)の操作を,試料の代わりに10.2.1で選んだ鉄鋼認証標準物質を用いて行う。また,空試
験(箇条9)も同時に行う。検量線作成用の鉄鋼認証標準物質のはかりとり量は,検量線を作成する炭素
量範囲によって区分する。はかりとり量による検量線作成範囲の区分は,装置の特性を考慮して決める。
炭素及び硫黄を同時に定量できる機能を併置した装置においては,はかりとり量による検量線作成範囲を
重複させてもよい。
10.2.3 検量線の作成
各検量線作成用試料の炭素含有率と,はかりとり量及び空試験に用いた鉄(5.3)の炭素含有率と,はか
9
G 1211-3:2018
りとり量とから求めたそれぞれの炭素の量(mg)に対して,10.2.2で得た各検量線作成用試料の読み値及
び空試験の読み値をプロットして関係線を作成し,その関係線について原点を通るように平行移動して検
量線を作成する。
10.2.4 検量線の校正
検量線校正用標準物質(5.12)について,10.2.2の操作を検量線作成用試料と併行に行い,箇条11に従
って検量線校正用標準物質(5.12)の基準含有率CS0を求める。検量線に経時変化があると考えられると
きは,検量線校正用標準物質及び空試験の測定を行い,箇条11に従って検量線校正用標準物質の未補正含
有率CSを求め,検量線の校正係数αを次の式によって求める。
S
0
S
C
C
α=
検量線を,検量線の勾配係数にαを乗じて校正する。校正操作後に測定した試料の炭素量は,校正され
た検量線を用いて求める。
注記 検量線の校正の計算は,通常は装置に組み込まれていて自動計算される。
11 計算
はかりとった試料の読み値を,作成された検量線(10.1.1.3,10.1.2.3,10.1.3.3,10.1.4.3又は10.2.3)又
は校正された検量線(10.2.4)を用いて炭素量m1(mg)に変換する。
試料中の炭素含有率[質量分率(%)]を次の式によって算出する。
m
m
m
m
m
m
C
10
100
10
0
1
3
0
1
−
=
×
×
−
=
ここに,
C: 試料中の炭素含有率[質量分率(%)]
m1: はかりとった試料中の炭素量(mg)
m0: 空試験値(mg)
m: はかりとった試料(箇条7)の量(g)
12 許容差
この方法の許容差は,試薬又は炭素標準液による検量線を用いて定量した場合は表6によって,鉄鋼認
証標準物質の検量線を用いて定量した場合は表7による。
表6−許容差(試薬又は炭素標準液による検量線を用いて定量した場合)
炭素含有率
[質量分率(%)]
併行許容差(r)
[質量分率(%)]
室内再現許容差(Rw)
[質量分率(%)]
室間再現許容差(R)
[質量分率(%)]
0.003以上 4.5以下
f(n)×[0.003 910×(C)0.521 74]
f(n)×[0.006 819×(C)0.552 57]
f(n)×[0.012 531×(C)0.582 72]
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,併行許容差の場合は
併行分析回数,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与し
た分析室数である。また,(C)は,許容差を求める炭素定量値の平均値[質量分率(%)]である。
10
G 1211-3:2018
表7−許容差(鉄鋼認証標準物質による検量線を用いて定量した場合)
炭素含有率
[質量分率(%)]
室内再現許容差(Rw)
[質量分率(%)]
室間再現許容差(R)
[質量分率(%)]
0.001以上 0.10未満
f(n)×[0.001 721×(C)0.408 4]
f(n)×[0.003 527×(C)0.387 0]
0.10以上 5.0以下
f(n)×[0.006 5×(C)+0.000 8]
f(n)×[0.009 6×(C)+0.002 2]
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場
合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(C)は,許
容差を求める炭素定量値の平均値[質量分率(%)]である。
11
G 1211-3:2018
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 1211-3:2018 鉄及び鋼−炭素定量方法−第3部:燃焼−赤外線吸収法
ISO 9556:1989,Steel and iron−Determination of total carbon content−Infrared
absorption method after combustion in an induction furnace
ISO 15350:2000,Steel and iron−Determination of total carbon and sulfur content−
Infrared absorption method after combustion in an induction furnace (routine method)
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 適用範囲を規定
ISO 9556
ISO 15350
1
1
適用範囲を規定
適用範囲を規定
一致
変更
JISの適用範囲は,0.001 %〜5.0 %。
ISO 9556は0.003 %〜4.5 %,ISO
15350は0.005 %〜4.3 %。
JISとISO 9556とは一致してい
る。ISO 15350は日常法であり,
改正の効果は小さく負荷が大
きいので,当面見送る。
2 引用規格
3 一般事項 一般事項を規定
−
−
−
追加
JISは,JIS G 1201の通則及びJIS Z
2615を引用した。
規格体系の違いによる。技術的
差異はない。
4 要旨
要旨を記載
ISO 9556
ISO 15350
3
3
原理を記載
原理を記載
追加
JISは,管状電気抵抗加熱も認めた。 管状電気抵抗加熱−赤外法採
用所は少数なので,ISO規格の
改正提案を見送る。
5 試薬
試薬を規定
ISO 9556
ISO 15350
4
4
試薬を規定
試薬を規定
追加
JISは,二酸化炭素を除いた水の調
製法を追加した。
JISは,JIS K 8005の水調製法
を追加した。ISO規格の技術内
容確認後,必要があれば,ISO
規格の改正提案を行う。
5.4 不活性セラミ
ックスを規定
ISO 9556
ISO 15350
4.11
4.3
不活性セラミックスを規
定
変更
JISは,使用する装置に適した粒径
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は推奨事項とした。
ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
5.5 過塩素酸マグ
ネシウムを規定
ISO 9556
ISO 15350
4.5
4.5
過塩素酸マグネシウムを
規定
変更
JISは,使用する装置に適した粒径
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は推奨事項とした。
ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
2
G
1
2
11
-3
:
2
0
1
8
12
G 1211-3:2018
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 試薬
(続き)
5.7 炭酸ナトリウ
ムを規定
ISO 9556
4.7
炭酸ナトリウムを規定
変更
JISは,乾燥温度を15 ℃高くした。 ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
5.8 助燃剤を規定 ISO 9556
ISO 15350
4.8
4.8
助燃剤を規定
追加
JISは,JIS Z 2615を引用し,使用す
る装置及び試料に適したものを用い
ることとした。
ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
6 装置,器
具及び材料
装置,器具及び材
料を規定
ISO 9556
ISO 15350
5
5, 6
装置,器具及び材料を規
定
追加
JISは,管状電気抵抗加熱炉も認め
ており,管状電気抵抗加熱炉対応器
具も記載した。
管状電気抵抗加熱−赤外法採
用所は少数なので,ISO規格の
改正提案を見送る。
ISO 9556
ISO 15350
6
7
サンプリングを規定
削除
JISは,サンプリングを規定してい
ない。
JISは,一般事項として引用し
た。技術的差異はない。
6.1 ピストン式ピ
ペットを規定
ISO 9556
5.1
マイクロピペットを規定 変更
JISは,JIS K 0970に適合したピスト
ン式ピペットを用いることに変更し
た。
ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
6.3 磁器燃焼るつ
ぼを規定
ISO 9556
ISO 15350
5.3
5.2
磁器燃焼るつぼを規定
変更
JISは,JIS Z 2615を引用し,使用す
るるつぼに適した条件で強熱する規
定とし,温度及び時間は推奨事項と
した。
ISO規格品とJIS規格品との違
いによる。技術的差異はない。
6.4 磁器燃焼ボー
トを規定
−
−
−
追加
JISは,管状電気抵抗加熱炉も認め
ており,磁器燃焼ボートを規定した。
管状電気抵抗加熱−赤外法採
用所は少数なので,ISO規格の
改正提案を見送る。
6.5 精製ユニット
を規定
−
−
−
追加
JISは,操作で用いる精製ユニット
を細分箇条とした。
規格体系の違いによる。
7 試料のは
かりとり
試料はかりとり
量を規定
ISO 9556
ISO 15350
7.2
8.2
試料はかりとり量を規定
試料はかりとり量を規定
変更
一致
JISは,炭素及び硫黄の同時分析を
考慮したはかりとり量を認めた。
JISとISO 15350とは,技術的
差異がない。
8 操作
8.1 装置の調整を
規定
ISO 9556
7.1
一般的な操作上の指示を
規定
一致
−
−
2
G
1
2
11
-3
:
2
0
1
8
13
G 1211-3:2018
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8 操作
(続き)
8.2 定量操作を規
定
ISO 9556
ISO 15350
7.4
8.1,
8.3.1.2
定量操作を規定
定量操作を規定
追加
JISは,カプセルをピンセットなど
で潰し,小さく折り畳むこととし
た。
改正検討が生じた時点でISO規
格の改正提案を行う。
JISは,管状電気抵抗加熱による定
量も規定した。
管状電気抵抗加熱−赤外法採用
所は少数なので,ISO規格の改正
提案を見送る。
9 空試験
空試験を規定
ISO 9556
ISO 15350
7.3
8.3.1.3
空試験を規定
空試験を規定
追加
追加
JISは,鉄を入れない空試験も認め
た。また,分析回数の規定も緩めた。
JISは,分析実態に合わせた規定
としている。他の改正検討が生じ
た時点で,改正提案を行う。
10 検量線
の作成
検量線の作成を
規定
ISO 9556
ISO 15350
7.5
8.3.1.1,
8.3.1.4
検量線の作成を規定
検量線の作成を規定
追加
JISは,カプセルをピンセットなど
で潰し,小さく折り畳むこととし
た。
JISは,検量線の校正を追加した。
JISは,分析実態に合わせた規定
としている。他の改正検討が生じ
た時点で,ISO規格の改正提案を
行う。
11 計算
計算方法を規定
ISO 9556
ISO 15350
8.1
9.1
計算方法を規定
計算方法を規定
一致
−
−
12 許容差
許容差を規定
ISO 9556
ISO 15350
8.2
9.2
許容差を規定
許容差を規定
一致
変更
ISO 9556とは一致している。
鉄鋼認証標準物質を用いた許容差
は,ISO 15350と異なる。
JIS及びISO規格による共同実験
結果の違いによる。技術的差異は
小さい。
−
−
ISO 9556
ISO 15350
9
10
分析報告書記載内容を規
定
削除
JISは,分析規格では規定していな
い。
JISは,製品規格で規定してい
る。技術的差異はない。
−
−
ISO 9556
ISO 15350
附属書
附属書
参考情報を記載
参考情報を記載
削除
ISO規格の附属書は,いずれも参
考情報なので技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 9556:1989,ISO 15350:2000,MOD)
2
G
1
2
11
-3
:
2
0
1
8
14
G 1211-3:2018
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
G
1
2
11
-3
:
2
0
1
8