2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
G 0588-1995
鋳鋼品鋳肌の外観試験方法
及び等級分類
Visual examination and classification of surface quality for
steel castings
1. 適用範囲 この規格は,砂型鋳鋼品の機械加工面以外の鋳肌の外観試験方法及び等級分類について規
定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 0307 鋳鋼品の製造,試験及び検査の通則
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
(1) 砂かみ,のろかみ 鋳物砂の強度不足,鋳型の清掃不十分,鋳込みの不良などによって,砂やのろな
どが混入したもの。
(2) ガスホール(ピンホール,ブローホール) 溶湯中のガスや鋳型の水分などによって生じたくぼみ。
直径3 mm未満のものをピンホール,直径3 mm以上のものをブローホールという。
(3) 湯じわ 鋳込温度の低すぎ,鋳込速度の遅すぎなどによって生じる底の見えるしわ。
(4) ケレン跡 中子保持に使うケレンの座が,溶け込み不十分のため,残存したもの。
(5) ガス・ガウジング流し跡 押湯,せき(堰)などの切断面を流した跡。
(6) ガス切断跡 押湯,せき(堰)などをガス切断した跡。
(7) 鋳ばり 鋳型と鋳型(上型と下型,中子と上型・下型など)の境に湯が浸透し,鋳鋼品に生じた出っ
張り。
(8) 焼着き 鋳込温度の高すぎ,砂の耐火度の低いことなどが原因となって,鋳鋼品の表面に鋳物砂が焼
き着いている状態。
(9) 溶接跡 溶接を行った箇所のビードをグラインダー加工した後の表面状態。
(10) いぼ,へこみ 鋳物砂の部分的脱落,のろの付着などによって鋳肌に生じた凹凸。
(11) きらわれ 鋳型中の水分などガス発生を引き起こす物質に溶湯が接し,その部分にガスによる吹かれ
穴を生じた状態。穴の形状は丸みを帯び,かなり大きいものもある。
(12) 鋳ぐるみ跡 内冷し金,鋳ぐるみ,支え足などが鋳肌に露見している部分。
(13) 差込み,肌荒れ 鋳型が高温の溶湯と接触する部分又は突き固め不完全な部分に生じる鋳物砂と金属
との混合物,若しくは鋳物砂に溶湯がしみ込んで生じた鋳肌の凹凸。
(14) 標準写真 100×60mmの写真で欠陥種類別に,その程度を5段階の等級別で示したもの(付図1〜9
参照)。
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G 0588-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 欠陥の種類 鋳鋼品の目視による鋳肌欠陥の種類及びそれに対応する標準写真は,表1のとおり9種
類とする。
表1 欠陥の種類
欠陥の種類
標準写真
砂かみ,のろかみ(いぼ,へこみ)*
付図1
ガスホール(きらわれ)*
付図2
湯じわ
付図3
ケレン跡(鋳ぐるみ跡)*
付図4
ガス・ガウジング流し跡
付図5
ガス切断跡
付図6
鋳ばり
付図7
焼着き(差込み,肌荒れ)*
付図8
溶接跡
付図9
注*
括弧内は外観形状が類似の欠陥。
備考 表1以外の欠陥の適用については,使用条件や機
能を考慮して受渡当事者間の協定とする。
4. 試験方法及び等級分類方法 鋳肌の外観試験方法及び等級分類方法は,次による。
(1) 試験方法の一般事項は,JIS G 0307の3・4(外観試験)(1)による。ただし,本試験は目視によって行
い,拡大鏡は使用しない。
(2) 試験時期は,原則として出荷前とする。
(3) 試験の対象となる箇所は,受渡当事者間の協定による。試験を行う1視野の大きさは,原則として100
×60mmとする。
(4) 試験視野内の鋳肌外観を標準写真と比較し,1〜5級に等級分類する。
(5) 等級分類は,試験の対象となる箇所それぞれにおいて,欠陥の程度の最も悪い試験視野内で行う。
(6) 1視野内に2種類以上の欠陥が存在する場合の等級分類は,各欠陥ごとに行う。
5. 報告 製造業者は,必要に応じて試験結果を報告する。この場合,特に指定のない限り次の項目につ
いて報告する。
(1) 試験年月日
(2) 試験品
(2.1) 品名
(2.2) 材質
(2.3) 鋳肌仕上げ状況
(3) 試験条件
(3.1) 試験時に使用した補助具(鏡)
(4) 試験結果
(4.1) 試験の対象とした箇所
(4.2) 欠陥の種類ごとの等級分類
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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付図1 砂かみ,のろかみ
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付図1 砂かみ,のろかみ(続き)
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付図2 ガスホール(ピンホール ブローホール)
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付図2 ガスホール(ピンホール ブローホール)(続き)
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付図3 湯じわ
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付図3 湯じわ(続き)
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付図4 ケレン跡
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付図4 ケレン跡(続き)
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付図5 ガス・ガウジング流し跡
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付図5 ガス・ガウジング流し跡(続き)
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付図6 ガス切断跡
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付図6 ガス切断跡(続き)
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付図7 鋳ばり
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付図7 鋳ばり(続き)
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付図8 焼着き
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付図8 焼着き(続き)
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付図9 溶接跡
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付図9 溶接跡(続き)
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付図9 溶接跡
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付図9 溶接跡(続き)
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鋳鋼品鋳肌外観の試験方法及び等級分類JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
沖 進
横浜国立大学名誉教授
竹田原 昇 司
通商産業省機械情報産業局
天 野 徹
工業技術院標準部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
岡 實
財団法人日本海事協会
小笠原 静 夫
社団法人日本鉄道車両工業会
● 大 屋 武 夫
ステンレス協会
柴 崎 統
株式会社東芝
古 河 洋 文
三菱重工業株式会社
八 木 作 彌
石川島播磨重工業株式会社
久 松 定 興
いすゞ自動車株式会社
綿 谷 英 男
株式会社コマツ
藤 原 博 文
株式会社キッツ
田 口 保 幸
岡野バルブ製造株式会社
● 松 尾 国 彦
株式会社栗本鉄工所
● 藤 井 佳矢男
株式会社クボタ
● 香 山 和 男
株式会社神戸製鋼所
● 津 村 治
株式会社日本製鋼所
● 篠 原 征 輝
日本鋳造株式会社
● 川 上 正 夫
株式会社日立製作所
● 後 藤 益 弘
住友金属工業株式会社
(事務局)
佐 藤 克 郎
日本鋳鍛鋼会
備考 ●印は幹事