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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G 0566-1980 

鋼の火花試験方法 

Method of Spark Test for Steels 

1. 適用範囲 この規格は,鋼塊,鋼片,鋼材及びその他の鋼製品(以下,試験品という。)のグラインダ

による火花試験(以下,試験という。)方法について規定する。 

引用規格: 

JIS R 6210 ビトリファイド研削といし 

2. 目的 試験は試験品について,鋼種の推定又は異材の鑑別を行うのを目的とする。 

3. 用語の意味 この規格に用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 鋼種の推定 鋼種不明の試験品について試験を行い,いかなる鋼種に該当するかを推定すること。 

(2) 異材の鑑別 異材混入のおそれのある試験品を試験して,異材を鑑別すること,又は異材が混入して

いないことを確認すること。 

4. 火花の形及び名称 火花の形及び名称は,図1のとおりとする。 

図1 火花の形及び名称 

5. 器具 

5.1 

試験器具 試験の条件をそろえるために,常に同一の器具を使用するようにつとめなければならな

い。 

5.2 

グラインダ 電動形,圧縮空気形のいずれでもよく,固定式でも可動式でもよいが,観察するのに

十分な火花を放出させる能力を有し,研削及び観察を安全に行い得るものでなければならない。 

5.3 

といし JIS R 6210(ビトリファイド研削といし)に規定する粒度36又は46,結合度P又はQ程度

のといしを用い,原則として20m/s以上の円周速度で使用する。

G 0566-1980  

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5.4 

補助器具 風の影響を防ぎ直射光を避け,又は周囲の明るさを調節する必要があるときは,暗幕,

ついたて,可動暗箱を使用するのがよい。 

6. 標準試料 

6.1 

化学成分既知の棒鋼などを各種用意して,標準試料とするのがよい。 

6.2 

標準試料の化学成分の決定は,日本工業規格の定める分析方法による。 

6.3 

標準試料は,脱炭層,浸炭層,窒化層,ガス切断層,スケールなどを除き,その鋼種を代表する火

花を発生するものでなければならない。 

6.4 

標準試料は,試験品と同様な履歴であることが望ましい。 

7. 試験方法 

7.1 

試験通則 

7.1.1 

試験は常に同一器具を使用し,同一条件で行うようにつとめなければならない。 

7.1.2 

試験は,原則として適当に薄暗い室内で行う。屋外又は明るい場所で行う場合には,補助器具を用

いて,火花に直射光の当たるのを防ぎ,背景の明るさが火花の色又は明るさに影響しないように調節する。 

7.1.3 

試験を行う際には,風の影響を避ける必要がある。特に風上に向かって火花を放出させてはならな

い。 

7.1.4 

試験品の研削は,母材の化学成分を代表する火花を生じる部分において行わなければならない。鋼

材の表面の脱炭層,浸炭層,窒化層,ガス切断層,スケールなどは母材と異なる火花を生じるから,この

部分を避けなければならない。 

7.1.5 

試験品をグラインダに押しつける圧力又はグラインダを試験品に押しつける圧力は,できる限り等

しくなければならない。押圧力はC 0.2%程度の炭素鋼の火花の長さが,原則として500mm程度になるよ

うにする。 

7.1.6 

火花は水平又は斜め上方に飛ばし,観察は,原則として見送り式(1)又は傍見式(2)で行う。 

注(1) 前方に火花を飛ばし,流線の後方から火花を観察する方法をいう。 

(2) 流線を横から観察する方法をいう。 

7.1.7 

火花を観察するには,根本,中央,先端の各部分にわたり,流線,破裂の特徴について,次の項目

に基づいて注意深く観察しなければならない。 

(1) 流線(色,明るさ,長さ,太さ,数) 

(2) 破裂(形,大きさ,数,花粉) 

(3) 手ごたえ 

7.2 

鋼種推定試験 

7.2.1 

鋼種の推定を行う場合には,7.1試験通則に従って試験を行い,8. 鋼種推定の基準に基づいて,流

線,破裂の特徴を観察し,炭素量及び合金元素の種類と量を推測して鋼種を推定する。 

7.2.2 

鋼種の推定は,8.2に示す手順によるのがよい。 

7.2.3 

上記手順により鋼種を概略推定した後,更に推定した鋼種の標準試料と火花を比較して推定の結果

を補正する。 

7.3 

異材鑑別試験 

7.3.1 

試験品に該当する鋼種の標準試料について試験を行い,その火花を確認する。 

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7.3.2 

試験品全数について7.1試験通則に従って試験を行い,8.鋼種推定の基準に基づいて火花を観察し,

次のように処理する。 

(1) すべての観察項目について,標準試料と差異のないときは,異材の混入はないものと推定する。 

(2) 観察項目の一つ以上に標準試料と明白な差異を認めるときは,その差異のあるものを異材として区別

する。 

(3) 観察項目中に,全く等しいとはいえないものが生じた場合には,更に分析試験又は他の試験を併用し

て確認を行わなければならない。 

8. 鋼種推定の基準 

8.1 

鋼種推定方法 次に示す火花特性及び火花スケッチ例を参考として,標準試料と比較して鋼種を推

定する。 

(1) 炭素鋼の火花特性 表1,図2,図3に炭素鋼の火花特性を示す。 

(2) 炭素鋼の火花スケッチ例 付図1-1〜付図1-8に炭素鋼の火花スケッチ例を示す(3)。 

また,付図1-9及び付図1-10にリムド鋼の火花スケッチ例を示す。 

注(3) 特に記載のない限り,火花スケッチ例はキルド鋼とする。 

表1 炭素鋼の火花特性表 

注(4) 破裂はないが、とげは認められる。 

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図2 炭素鋼の火花特性図 

図3 炭素鋼火花の特徴(炭素破裂) 

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(3) 合金元素の火花特性 表2及び図4に合金元素の火花特性を示す。 

(4) 合金鋼の火花スケッチ例 付図2-1〜付図2-30に合金鋼の火花スケッチ例を示す。 

表2 火花特性に及ぼす合金元素の影響 

流線 

破裂 

手ごたえ 

特徴 

色 

明るさ 

長さ 

太さ 

色 

形 

数 

花粉 

形 

位置 

Mn 

黄みの白色 

明るい 

短い 

太い 

白色 

複雑,細か

い樹枝状 

多い 

あり 

軟らかい 

花粉 

中央 

Cr 

だいだい色 

暗い 

短い 

細い 

だいだい色 

菊状花 

変わらない あり 

硬い 

花 

先端 

変化少ない 

変化少ない 

細かい 

多い 

− 

− 

− 

− 

暗い赤色 

暗い 

短い 

細い,波

状と断続 

赤色 

小滴 

きつねの尾 

少ない 

なし 

硬い 

きつねの

尾 

先端 

Si 

黄色 

暗い 

短い 

太い 

白色 

白玉 

少ない 

なし 

− 

白玉 

中央 

Ni 

赤みの黄色 

暗い 

短い 

細い 

赤みの黄色 

ふくれせん

光 

少ない 

なし 

硬い 

ふくれせ

ん光 

中央 

Mo 

赤みのだい

だい色 

暗い 

短い 

細い 

赤みのだい

だい色. 

やり先 

少ない 

なし 

硬い 

やり先 

先端 

図4 合金元素による火花の特徴 

8.2 

甲種推定の手順 

8.2.1 

火花試験方法により鋼種を推定する手順を,表3-1及び表3-2に示す。 

8.2.2 

まず炭素破裂の有無により,炭素鋼,低合金鋼の群と高合金鋼の群に大別する(表3-1の第1分類

及び表3-2の第1分類)。 

8.2.3 

炭素鋼,低合金鋼の場合 

(1) まず炭素破裂の多少によってC%を推定し,0.25%C以下と,0.25%Cを超え0.5%C以下と,0.5%Cを

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超えるものとに大別する(表3-1の第2分類)。 

(2) 次に0.5%C以下ならばNi, Cr, Si, Mn, Mo, 0.5%Cを超えるものならば,前記元素のほかにW, Vなどが

含まれていることがあるので,これらの合金元素の有無を調べ,炭素鋼であるか低合金鋼であるかを

推定する(表3-1の第3分類)。 

(3) 低合金鋼ならば,合金元素の特徴を観察して,その種類と量から鋼種を推定する。 

8.2.4 

高合金鋼の場合 主として流線の色により,ステンレス鋼,耐熱鋼,高速度工具鋼,合金工具鋼に

分ける(表3-2の第2, 3分類)。これらの高合金鋼にはNi, Cr, Mo, W, V, Coなどが含まれているから,火花

の特徴により,合金元素の種類と量を観察して鋼種を推定する。 

9. 火花試験で判別が困難及び不可能な鋼種 火花が極めてよく類似していて,鋼種の判別が非常に困難

なものや,判別のできないものがある。このような場合には,化学分析方法やその他の試験方法を併用し

て判別するとよい。 

10. 安全 グラインダ及びその使用については,労働安全衛生法及び労働安全衛生規則に規定されている

から,これに従わなければならない。 

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7

G

 0

5

6

6

-1

9

8

0

  

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表3 鋼種推定手順表 

(表3-1) 

第1分類 

第2分類 

第3分類 

鋼種推定 

観察 

特徴 

分類 

観察 

特徴 

分類 

観察 

特徴 

分類 

特徴 

推定鋼種例 

炭素破裂

の有無 

炭素破裂

あり 

炭素破裂

系 

破裂の多

少 

数本破裂 

0.25%C

以下 

特殊火花 

特殊火花 

なし 

炭素鋼 

− 

炭素鋼 (S 10 C,S 15 CK)  

普通鋼 (SS 41)  

炭素火花 

単味 

羽毛状 

リムド鋼 

特殊火花 

あり 

低合金鋼 

ふくれせん光,分裂剣花 

Ni 

ニッケルクロム鋼 (SNC 415)  

クロム鋼 (SCr 420)  

クロムモリブデン鋼 (SCM 415)   

菊状花,手ごたえが硬い 

根本付近の破裂がすっきり 

Cr 

やり先 

Mo 

数本,数

段破裂 

0.25%C

を超え

0.5%C

以下 

特殊火花 

特殊火花 

なし 

炭素火花 

単味 

炭素鋼 

− 

炭素鋼鍛鋼品 (SF 55)  

炭素鋼 (S 30 C,S 45 C)  

特殊火花 

あり 

低合金鋼 

ふくれせん光,分裂剣花 

菊状花,手ごたえが硬い 

根本付近の破裂がすっきり 

やり先 

Ni 

Cr 

Mo 

ニッケルクロム鋼 (SNC 631)  

クロム鋼 (SCr 440)  

クロムモリブデン鋼 (SCM 440)  

ニッケルクロムモリブデン鋼 (SNCM 447)  

マンガンクロム鋼 (SMnC 443)  

破裂多し

樹枝状 

0.5%C

を超え

るもの 

特殊火花 

特殊火花 

なし 

炭素火花 

単味 

炭素鋼 

− 

炭素工具鋼 (SK 3,SK 5)  

ばね鋼 (SUP 3,SUP 4)  

特殊火花 

あり 

低合金鋼 

菊状花,手ごたえが硬い 

根本付近の破裂がすっきり 

Cr 

軸受鋼 (SUJ 1,SUJ 2,SUJ 3)  

白玉 

Si 

ばね鋼 (SUP 6,SUP 7)  

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8

G

 0

5

6

6

-1

9

8

0

  

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(表3-2) 

第1分類 

第2分類 

第3分類 

鋼種推定 

観察 

特徴 

分類 

観察 

特徴 

分類 

観察 

特徴 

分類 

特徴 

推定鋼種例 

炭素破裂

の有無 

破裂なし 流線系 

流線の色 

だいだい

色糸 

だいだい

色糸 

特殊火花 破裂なし 

純鉄 

− 

SUY 1(5) 

赤みのだ

いだい色 

だいだい

色系 

特殊火花 先端ふくれ ステンレス

鋼 

磁石につく 

SUS 420 J 2 

磁石につきにくい 

SUS 304 

暗い赤色 

暗い赤色

系 

特殊火花 破裂なし 

先端ふくれ 耐熱鋼 

− 

SUH 3 

特殊火花 

破裂なし 

高速度工具

鋼 

裂花,小滴 

SKH 2 

裂花,小滴 

SKH 3 

断続波状流

線 

裂花,小滴なし 

SKH 4 

先端ふくれ花つき 

SKH 9 

流線は細

い 

特殊火花 白ひげつき

やり 

合金工具鋼

(SKS系) 

− 

SKS 2,SKS 3,SKS 4 

特殊火花 細かい菊状

花にぎやか 

合金工具鋼

(SKD系) 

− 

SKD 1,SKD 11 

注(5) 電磁軟鉄 

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付図1 炭素鋼の火花スケッチ例 

付図1-1 

約0.05%C鋼 

Si 

Mn 

0.05 

0.14 

0.28 

1. ほとんど流線だけで,流線自体が太く見える。 
2. 破裂は2本破裂が若干認められる程度。 

付図1-2 

約0.1%C鋼 

Si 

Mn 

0.09 

0.25 

0.45 

1. 破裂は3本破裂,4本破裂が認められる。 
2. 全体的には流線が目立つ。 

付図1-3 

約0.2%C鋼 

Si 

Mn 

0.23 

0.23 

0.43 

1. 破裂は3本破裂2段咲きが認められる。 
2. 全体的には流線が目立つ。 

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10 

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付図1-4 

約0.3%C鋼 

Si 

Mn 

0.32 

0.24 

0.74 

1. 破裂は数本破裂2段咲きで,破裂の大きさがやや大きい。 
2. 根本に小さな破裂が認められるようになる。 

付図1-5 

約0.4%C鋼 

Si 

Mn 

0.41 

0.22 

0.70 

1. 破裂は数本破裂3段咲き以上で,大きな複雑な破裂形体となる。 
2. 流線は細く見える。 

付図1-6 

約0.5%C鋼 

Si 

Mn 

0.51 

0.26 

0.75 

1. 破裂は非常に大きく花粉がつく。 
2. 流線は細く見え,多い。 

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付図1-7 

約0.6〜0.8%C鋼 

Si 

Mn 

0.74 

0.24 

0.33 

1. 破裂は小さな複雑な破裂となり,数は多い。 
2. 流線は短く,赤みを帯びる。 

付図1-8 

約0.9〜1.2%C鋼 

Si 

Mn 

1.03 

0.21 

0.34 

1. 破裂は非常に小さく,数は非常に多い。 
2. 流線は短く,更に赤みを帯びる。 

付図1-9 

リムド鋼 (1) 

Si 

Mn 

0.08 

0.01 

以下 

0.37 

1. それぞれの流線には,とげ状の破裂が数箇所に認められる。 

最先端部破裂には2段咲きのものもある。 

2. 流線の明るさは一様である。 

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12 

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付図1-10 

リムド鋼 (2) 

Si 

Mn 

0.24 

0.01 

以下 

0.46 

1. それぞれの流線から発生する破裂は数箇所で認められる。 

(炭素量が同等のキルド鋼に比べて破裂が多い。) 

2. 流線の明るさは一様である。 
3. 最先端部破裂では,羽毛状花がうかがえる。 

付図2 合金鋼の火花スケッチ例 

付図2-1 

SCr 420 

Si 

Mn 

Cr 

0.21 

0.28 

0.74 

1.02 

1. 根本付近の破裂がややすっきりしている。 
2. 約0.2%C鋼との根本付近の破裂の特徴。 

付図2-2 

SCr 440 

Si 

Mn 

Cr 

0.39 

0.22 

0.70 

1.01 

1. 根本付近の破裂がややすっきりしている。 

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13 

G 0566-1980 

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付図2-3 

SCM 420 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

0.20 

0.26 

0.74 

1.06 

0.17 

1. 約0.2%C鋼の特徴にMoの特徴であるやり先が認められる。 

付図2-4 

SCM 440 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

0.40 

0.25 

0.77 

1.04 

0.15 

1. 約0.4%C鋼の特徴にMoの特徴であるやり先が認められるが,炭素破裂の影響を受けてMoの特徴は

やや見づらい。 

付図2-5 

SNC 415 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

0.16 

0.26 

0.56 

2.04 

0.37 

1. 根本から中央にかけてNiの特徴であるふくれせん光が認められる。 
2. 流線は全体的にやや赤みを帯びる。 

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14 

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付図2-6 

SNC 631 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

0.32 

0.29 

0.49 

2.68 

0.66 

1. 全体的に赤みを帯び,流線の伸びがなくなる。 
2. Niの特徴であるふくれせん光の判別は,ややむずかしい。 

付図2-7 

SNCM 420 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

0.18 

0.30 

0.53 

1.70 

0.52 

0.20 

1. 根本から中央にかけて特徴的なふくれせん光が認められる。 
2. 根本から中央のふくれせん光の特徴。 

3. 流線の根本はやや暗く,Moのやり先は明りょうである。 

付図2-8 

SNCM 447 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

0.48 

0.33 

0.90 

1.85 

0.71 

0.16 

1. 破裂は小さく,全体的に赤みを帯びる。 
2. Niの特徴であるふくれせん光は認められるが,Moの特徴は見にくい。 

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15 

G 0566-1980 

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付図2-9 

SACM 645 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

Al 

0.44 

0.44 

0.54 

1.48 

0.18 

0.92 

1. 破裂は少なく,小さな破裂が認められる。 
2. Moの特徴であるやり先は明りょうである。 

付図2-10 

3.5%Ni鋼 

Si 

Mn 

Ni 

0.12 

0.31 

0.86 

3.66 

1. 赤みを帯びた太い流線が認められる。 

付図2-11 

SUP 6 

Si 

Mn 

0.63 

1.57 

0.85 

1. 流線の先端はやや太くなる。 
2. 全体が黄色である。 
3. 不鮮明であるが,Siの特徴である白玉が発生する。 
4. 破裂形状が細かい。 

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16 

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付図2-12 

SUP 9 

Si 

Mn 

Cr 

0.59 

0.30 

0.91 

0.85 

1. 火花全体がやや明るい。 
2. 活発な破裂であり,破裂形状は鋭利である。 
3. 星状の破裂がある。 
4. 破裂の大きさは一様な感じである。 

付図2-13 

SUJ 2 

Si 

Mn 

Cr 

0.98 

0.17 

0.30 

1.33 

1. 炭素破裂が多く活発である。 
2. 流線は細く見える。 
3. 中央部から先端に花粉がつき,約0.9%C鋼に比べて,根本の破裂がすっきりしている。 

付図2-14 

SUJ 3 

Si 

Mn 

Cr 

0.97 

0.52 

1.07 

1.08 

1. SUJ 2に比べて炭素破裂が小さくなる。 
2. SUJ 2に比べて色が赤みを増し,花粉が更に多くなる。 

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17 

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付図2-15 

SKS 2 

Si 

Mn 

Cr 

1.05 

0.25 

0.52 

0.56 

1.10 

1. 炭素破裂なし。 
2. 流線は細く,暗赤色である。 
3. 白ひげつきやりが認められる。 

付図2-16 

SKS 3 

Si 

Mn 

Cr 

0.99 

0.30 

0.99 

0.59 

0.54 

1. SKS 2に比べて裂花が多いが,その他の特徴はSKS 2と同じ。 

付図2-17 

SKS 4 

Si 

Mn 

Cr 

0.47 

0.26 

0.47 

0.68 

0.75 

1. SKS 2, SKS 3に比べて,やや裂花が少なく,流線がやや太い。 

付図2-18 

SKS 43 

Si 

Mn 

Cr 

1.02 

0.11 

0.13 

0.05 

0.15 

1. SK 3とまちがいやすいが,より明るい。火花が多く,大きく,花粉を伴った小花がつく。 

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18 

G 0566-1980  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2-19 

SKH 2 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

Co 

0.77 

0.23 

0.33 

4.08 

17.60 

0.54 

0.86 

0.25 

1. 断続波状流線だけで短い。 
2. 裂花があり,先端に小滴が認められる。 
3. 全体に暗赤色であり,炭素破裂はない。 

付図2-20 

SKH 3 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

Co 

0.81 

0.27 

0.29 

4.10 

18.00 

0.74 

0.85 

4.52 

1. 断続波状流線であるがSKH 2に比べてやや少なく,短い。 
2. 裂花及び小滴はあるが,SKH 2に比べてやや小さくなる。 
3. 全体に暗赤色であり,炭素破裂はない。 

付図2-21 

SKH 4 A 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

Co 

0.74 

0.23 

0.28 

4.10 

17.25 

0.56 

1.13 

9.15 

1. 裂花及び小滴はない。 
2. SKH 3に比べて断続波状流線はやや短くなる。 
3. 全体に暗赤色であり,炭素破裂はない。 

付図2-22 

SKH 9 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

0.85 

0.20 

0.30 

4.10 

6.06 

4.90 

1.89 

1. 先端部に花がつき,その先にふくれの部分が認められる。 
2. 小滴はない。 
3. 暗赤色であり,断続波状流線はSKH 2に比べてやや太く,明るい。 

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19 

G 0566-1980 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2-23 

SKD 6 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

0.32 

1.02 

0.40 

4.85 

1.44 

0.30 

1. 長めに破断された流線を生じ,流線はやや太目である。 
2. 流線の先端がふくれ,花がつく。 

付図2-24 

SKD 11 

Si 

Mn 

Cr 

Mo 

1.48 

0.22 

0.41 

11.60 

0.88 

0.26 

1. 流線は細く短い。 
2. 小さな菊状花が多く認められる。 

付図2-25 

SUH 3 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

0.38 

1.94 

0.38 

0.41 

10.64 

0.82 

1. 炭素破裂はない。 
2. 流線は暗赤色で短く,一部に断続流線が認められる。 
3. 中央部及び先端に白いふくれがある。 

付図2-26 

SUH 31 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

0.41 

1.75 

0.53 

13.85 15.10 

2.33 

1. 炭素破裂がない。 
2. 流線は暗赤色で短く,一部に断続流線が認められる。 

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20 

G 0566-1980  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2-27 

SUS 410 

Cr 

0.12 

12.25 

1. 中央から先端にかけて数本破裂が認められ,先端はやや太い。 
2. ステンレス鋼の中では流線は太くて長く,数も多い。 

付図2-28 

SUS 430 

Cr 

0.06 

16.00 

1. 流線の長さはSUS 410の約半分である。 
2. 中央部よりやや先端に3本破裂が認められる。 

付図2-29 

SUS 304 

Ni 

Cr 

0.07 

8.66 

18.12 

1. ほとんど流線だけであり,中央から先端にかけて,とげがわずかに認められる。 
2. 根本付近に時おり暗赤色の断続流線及び波状流線が見られる。 

付図2-30 

SUS 316 

Cr 

Ni 

Mo 

0.07 

17.28 12.26 

2.32 

1. SUS 304と非常に類似しているが,とげはほとんど認められない。