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G 0201 : 2000 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項に基づき,社団法人 日本鉄鋼連盟 

(JISF) /財団法人 日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって

JIS G 0201 : 1987は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS G 0201には,次に示す附属書がある。 

附属書1(参考) 鉄鋼製品−熱処理−用語集 

附属書2(参考) 参考文献 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G 0201 : 2000 

鉄鋼用語(熱処理) 

Glossary of terms used in iron and steel (Heat treatment) 

序文  この規格は,従来JIS G 0201と1996年版ISO 4885, Ferrous products−Heat treatments−Vocabulary

との整合化を極力図るため作成された日本工業規格である。すなわち,当該JISとISO両者に規定された

用語はその定義について,国内使用に問題あるもの,及びISOの規定が不適切なものを除き,ISOの規定

に準拠して規定した。また,ISOにはなく従来JIS G 0201には規定されていた用語は,必要な修正を加え

て規定している。 

なお,当該ISO 4885を翻訳し,附属書1(参考)及び附属書2(参考)とした。 

1. 適用範囲 この規格は,圧延,鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語と,その定義につい

て規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 4885 : 1996 Ferrous products−Heat treatments−Vocabulary 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 6911 鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工 

JIS B 6912 鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工 

JIS G 0551 鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法 

JIS G 0552 鋼のフェライト結晶粒度試験方法 

JIS G 0557 鋼の浸炭硬化層深さ測定方法 

JIS G 0559 鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法 

JIS G 0561 鋼の焼入性試験方法(一端焼入方法) 

ISO 3651-2 : 1998 Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless steels−Part 

2 : Ferritic, austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in media 

contain-ing sulfuric acid 

ISO 3887 : 1976 Steel, non-alloy and low-alloy−Determination of depth of decarburization 

3. 分類 鉄鋼用語(熱処理)の分類は,次による。 

a) 熱処理一般 

b) 焼ならし及び焼なまし 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 焼入れ,焼戻し及び時効 

d) 表面硬化処理及び表面処理 

4. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。 

備考1. 用語の読み方が紛らわしいものは,用語の下に読み方を括弧によって示す。 

2. 一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合は,記載されている順位に従って優先的

に使用する。 

3. 定義欄に示した英語は,参考とする。 

4. 番号の下に括弧で数値を付けた用語は,ISO 4885に規定された用語で,ISO 4885の項目番号

である。これらJIS,ISO共通に規定された用語の定義は,ISOに準拠して規定したが,個々

の用語の定義欄で下線を付けた部分は,ISOの定義を補足したものである。また,JIS,ISO

共通に規定された用語であっても定義に従来JISを採用したものは,定義欄でアンダーライ

ンを付け,ISOの定義を参考として記した。 

a) 熱処理一般 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1101 

(3.74) 

熱処理 

固体の鉄鋼製品が全体として又は部分的に熱サイクルにさら

され,その性質及び/又は組織に変化をきたすような一連の操
作。 

備考 鉄鋼製品の化学成分がこの操作の間に変化するこ

ともある。 

heat treatment 

1102 光輝熱処理 

保護雰囲気中などで熱処理することによって,表面の高温酸

化及び脱炭を防止し,表面光輝状態を保持する熱処理。 

備考 光輝焼なまし (bright annealing) 

光輝焼ならし (bright normalizing) 
光輝焼入れ (bright hardening) 
光輝焼戻し (bright tempering) などがある。 

bright heat  
  treatment 

1103 雰囲気熱処理 

炉内の雰囲気ガスを目的によってそれぞれ調節して行う熱処

理。 

備考 雰囲気ガスには酸化性,還元性,不活性,浸炭性,窒化

性などの種類がある。 

controlled 

atmosphere heat  

  treatment 

1104 真空熱処理 

真空中で加熱して行う熱処理の総称。 

備考 真空焼なまし (vacuum annealing) 

真空焼入れ (vacuum hardening) 
真空焼戻し (vacuum tempering) などがある。 

vacuum heat 
  treatment 

1105 イオン衝撃熱処理 

減圧雰囲気中で陰極とした処理物と陽極との間に起こるグロ

ー放電を利用した表面処理。 

ion bombardment 
  heat treatment,  
plasma heat treat- 
  ment 

1106 電解熱処理 

電解液又は塩浴中で陰極とした処理物と陽極の間で通電し,

処理物を加熱後冷却する熱処理。 

electrolytic heat  
  treatment 

1107 塩浴熱処理 

塩浴中で行う熱処理。 

salt bath heat  
  treatment 

1108 拡散浸透処理 

表面に他の金属元素又は非金属元素を拡散浸透させる熱処理

の総称。 

備考1. 拡散被覆処理又はセメンテーション (cementation) 

ともいう。 

2. アルミナイジング (aluminizing) 又は 

diffusion coating 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

カロライジング (calorizing), 
ガルバナイジング (galvanizing), 
サルファライジング (sulphurizing), 
クロマイジング (chromizing), 
シリコナイジング (siliconizing), 
シェラダイジング (sheradizing)  
などがある。 

1109 

(3.149) 

加工熱処理 

最終の塑性加工がある温度範囲で行われ,熱処理だけでは繰

り返して得られない特定の性質をもつ材料状態を生じさせる加
工工程。 

備考 準安定オーステナイトの温度範囲で塑性加工した後,マ

ルテンサイト変態を行わせるオースフォームなどがその
代表的なものである。 

thermomechanical 

treatment 

1110 制御圧延 

熱間圧延法の一種で,鋼片の加熱温度,圧延温度及び圧下量

を適正に制御することによって,鋼の結晶組織を微細化し,機
械的性質を改善する圧延。 

備考 制御圧延のうち, 

a) 主として,Mn-Si系高張力鋼を対象に低温のオー

ステナイト域で圧延を終了するものを古典的制
御圧延, 

b) 未再結晶域で圧延の大部分を行うものを含む制

御圧延を熱加工圧延 

   と呼ぶことがある。 

controlled rolling 

1111 加速冷却 

主として,厚板圧延工程において行われる制御冷却で,制御

圧延に引き続き変態温度域を空冷よりも速い冷却速度で冷却す
ることによって,鋼の結晶組織を調整し,機械的性質を改善す
る冷却方法。 
備考 加速冷却設備を用いて圧延ライン上で単に急冷し,焼入

処理を行う冷却方法は,加速冷却に含まない。 

accelerated cooling 

1112 熱加工制御 

制御圧延を基本に,その後空冷又は強制的な制御冷却を行う

製造法の総称。 
備考1. 熱加工圧延及び加速冷却がこれに含まれる。ただし,

古典的制御圧延だけの場合は含まない。 

2. TMCPと呼ぶことがある。 

備考 

R:圧下 Ac:加速冷却 

図1 加熱工制御 

thermo-mechanical 

control process 

1113 

(3.133) 

安定化熱処理 

時間経過による寸法,又は組織の変化を防ぐことを意図した

鉄鋼製品の熱処理。 

stabilizing 

1114 

(3.134) 

安定化焼なまし 

化合物,例えば,安定化オーステナイト系ステンレス鋼にお

ける炭化物の析出又は球状化をする目的で,850℃近辺で行う焼
なまし。 

stabilizing annealing 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1115 

(3.126) 

均熱 

温度が一定に保たれる熱サイクルの部分。 

備考 当該温度が,例えば,炉のものか,製品の表面か,製品

の全断面についてのものなのか,又は製品その他の特定
点を指すのかを,規定する必要がある。 

soaking 

 均熱処理 

主として,材料の内外の温度差が少なくなるようにする目的で,
適切な時間,一定の温度に保持すること。 

soaking 

1116 
(3.7) 

オーステナイト化 

鉄鋼製品の組織がオーステナイトになるような温度で行う処

理。 

備考 もし変態が完全でない場合には,部分的オーステナイト

化と呼ぶ。 

austenitizing 

1117 
(3.8) 

オーステナイト化温
度 

鉄鋼製品がオーステナイト化時に保持される最高の温度。 

austenitizing 

temperature 

1118 硬化 

時効,加熱・冷却の処理などで硬さを増す操作。 

備考 時効硬化,析出硬化,焼入硬化,肌焼硬化などの種類が

ある。 

hardening 

1119 シーズニング, 

枯し(からし) 

鋳物の鋳造内部応力を除去するため,長年月放置する操作。 

備考 

最近では,一般に応力除去焼なましが行われる。 

seasonig 

1201 

(3.52) 

拡散 

物質を構成している原子が熱エネルギーによって移動する

現象。 

備考 拡散変態,析出,回復,再結晶,浸炭などはいずれも原

子の拡散によって進行する。 

diffusion 

 拡散処理 

鉄鋼表面に持ち込まれた元素(例えば,浸炭,ほう化又は窒

化などによって)を製品の内部に向かって拡散させることを意
図して行う熱処理(又は操作)。 

diffusion treatment 

1202 

(3.53) 

拡散域 

熱化学処理の間に形成された表面層。その処理の間に持ち込ま
れた元素を固溶又は部分的に析出した状態で含有している。 
備考1. 

これらの元素の含有量は,中心に近づくにつれて連続
的に消失する。 

2. 拡散域の析出物は,窒化物,炭化物などである。 

diffusion zone 

1203 

(3.106) 

過熱及び過均熱 

過剰な結晶粒成長を生じるような,ある期間,温度条件下に

さらされる加熱。 
備考 過熱は温度効果,過均熱は時間効果によるものとして,

区別することができる。過熱及び過均熱された鉄鋼製品
は,製品の性格に応じて,適切な熱処理又は熱間加工に
よって再処理してもよい。 

overheating and  
  oversoaking 

1204 

(3.19) 

バーニング 

結晶粒界の融合によって引き起こされる組織や性質の非可逆

的な変化。 
備考 後の熱処理や機械加工又は加工と熱処理の組合せの作

業で,初めにもっていた諸性質を回復できない現象 

burning 

1205 

(3.120) 

再結晶 

冷間加工などで塑性ひずみを受けた結晶が加熱されるとき,

内部応力が減少する過程に続いて,ひずみが残っている元の結
晶粒から内部ひずみのない新しい結晶の核が発生し,その数を
増すとともに,各々の核は次第に成長して,元の結晶粒と置き
換わっていく現象。 
備考 再結晶を起こす温度を再結晶温度という。この温度は,

金属及び合金の純度又は組成,結晶内の塑性ひずみの程
度,加熱の時間などによって著しい影響を受ける。 

recrystallization 

 再結晶熱処理 

冷間加工された金属内で,相の変化なしに,核生成及び成長

によって新しい結晶粒が発達することを意図した熱処理。 

recrystallizing 

1206 結晶粒粗大化 

Ac3をはるかに超える温度で結晶粒成長をもたらすに十分な

grain coarsening 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

(3.68) 

時間行われる熱処理。 

1207 

(3.69) 

結晶粒微細化 

鉄鋼製品の結晶粒を微細化し,結果的に起こる均一化を目的

とした熱処理。 

備考 Ac3(過共析鋼においてはAc1)をわずかに超える温度に

加熱し,この温度に長く保持することなく,適切な速度
で冷却することからなる。 

grain refining 

1208 

(3.45) 
(3.46) 

脱炭 

鉄鋼製品の表面における炭素の欠乏。 

備考 この欠乏は,部分的(部分的脱炭)か,名目上完全(完

全脱炭)かのいずれかである。二つの形式の脱炭(部分
的及び完全)の和は,全脱炭と呼ばれる(ISO 3887参
照)。 

decarburization 

 脱炭処理 

鉄鋼製品の脱炭を意図した熱化学処理。 

decarburizing 

1209 

(3.47) 

脱炭層深さ 

鉄鋼製品の表面と,炭素層の欠乏している層の厚さを特徴づ

ける限界との距離。 

備考1. その深さを表示する用語には,全脱炭層深さ,フ

ェライト脱炭層深さ,特定残炭率脱炭層深さ,実
用脱炭層深さなどがある。 

2. この限界は,脱炭の種類によって変わり,組織状態,

硬さ水準又は変化しなかった母材の炭素含量(ISO 
3887参照)若しくはその他の規定の炭素含量によっ
て規定される。 

depth of  
  decarburization 

1210 白点 

鋼材の破面に現れる白色の光沢をもったはん点。 

備考1. 以前には,低合金鋼の大形鍛鋼品などにしばしば認め

られた。 

2. 熱間加工後の冷却過程で生じる変態応力,水素の

析出に伴う内部応力などで誘発される内部き裂と
考えられる。 

flake,  
white spot 

1211 水素ぜい(脆)化 

鋼中に吸収された水素によって鋼材に生じる延性又はじん

(靭)性が低下する現象。 
備考 この現象は,酸洗,電気めっきなどの場合に生じること

が多い。また,引張応力が存在すると割れに至ることが
多い。 

hydrogen 

embrittlement 

1212 赤熱ぜい性 

熱間加工の温度範囲で鋼がもろくなる性質。 

red shortness 

1213 青熱ぜい性 

200〜300℃付近で鋼の引張強さや硬さが常温の場合より増

加し,伸び,絞りが減少して,もろくなる性質。 
備考 青熱ぜい性と呼ばれるのは,この温度範囲で,青い酸化

皮膜が表面に形成されるためである。 

blue shortness 

1214 低温ぜい性 

室温付近又はそれ以下の低温で,鉄鋼の衝撃値が急激に低下

して,もろくなる性質。 

cold shortness 

1215 σぜい性 

σ相の析出分離によって起こるぜい化現象。 

備考 σ相とはクロムを20%以上含む高クロム鋼,高クロムニッ

ケル鋼などに現れる金属間化合物。 

sigma embrittlement 

1216 

(3.56) 

変形 

熱処理で起こる鉄鋼製品の形状や寸法における変化。 

distortion 

1217 経年変形 

室温で長年月の間に材料の寸法・形状が変化すること。 

secular distortion 

1218 

(3.146) 

熱き裂 

加熱又は冷却によって,直ちに又は遅れをもって鉄鋼製品に

生じるき裂。 

備考 一般に,き裂という用語は,加熱割れ,焼割れなど,き

裂の現れる条件を示すことによって分類されている。 

thermal crack 

1219 鋳鉄の成長 

鋳鉄が変態点の上下の温度で加熱・冷却が繰り返されたときgrowth of cast iron 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

に起こる不可逆的な異常膨張現象。 

1301 変態 

温度を上昇又は下降させた場合などに,ある結晶構造から他

の結晶構造に変化する現象。 
備考 磁気変態のように必ずしも結晶構造の変化を伴わないも

のもある。 

transformation 

1302 

(3.43) 

(3.152) 

変態点 

特定の合金の変態温度。 

critical points 

変態温度 

相変化の起こる温度で,変態が温度範囲にわたって起こると

きは,変態が開始し,終了する温度。 

備考 鋼については,次のような主要な変態温度が区別され

る。 

Ae1:オーステナイトの存在下限を定義する平衡温

度 

Ae3:フェライトの存在上限を定義する平衡温度 
Aem:過共析鋼においてセメンタイト存在上限を定

義する温度 

Ac1:加熱時,オーステナイトが生成し始める温度 
Ac3:加熱時,フェライトがオーステナイトへの変

態を完了する温度 

Acm:加熱時,過共析鋼中のセメンタイトが完全に

溶解する温度 

Ar1:冷却時,オーステナイトがフェライト又はフ

ェライト,セメンタイトへの変態を完了する温
度 

Ar3:冷却時,フェライト変態が始まる温度 
Arm:過共析鋼において,オーステナイトの冷却の

間,セメンタイトが生じ始める温度 

Ms:冷却の間にオーステナイトがマルテンサイトに

変態し始める温度 

Mf:冷却の間,オーステナイトがほとんど完全にマ

ルテンサイトに変態した温度 

Mx:冷却の間に,オーステナイトのx%がマルテン

サイトに変態した温度 

図2変態点 

transformation 

temperature 

1303 磁気変態 

強磁性体から常磁性体へ,又は常磁性体から強磁性体への変

化。 
備考 結晶構造の変化は伴わない。 

magnetic 

transformation 

1304 

(4.5) 

α鉄 

911℃よりも低い温度での純鉄の安定な状態。 

備考1. その結晶構造は,体心立方である。 

2. 768℃(キュリー点)よりも低い温度では強磁性である。 

3. 768℃〜910℃までの温度範囲では常磁性である。 

alpha iron 

1305 δ鉄 

1 392℃から融点までの温度範囲での純鉄の安定な状態。 

delta iron 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

(4.16) 

備考1. その結晶構造は,体心立方で,α鉄と同じである。 

2. 常磁性である。 

1306 

(4.19) 

フェライト 

1種以上の元素を含むα鉄又はδ鉄固溶体。 

備考 

δ鉄の固溶体をδフェライトともいう。 

ferrite 

1307 初析フェライト 

亜共析鋼を高温から冷却する際に,共析変態に先立ってオー

ステナイトから析出するフェライト。 

pro-eutecitoid ferrite 

1308 シリコ・フェライト 

ねずみ鋳鉄及び可鍛鋳鉄のように多量のけい素を含むフェラ

イト。 

silico-ferrite 

1309 

(4.21) 

γ鉄 

911℃〜1 392℃までの温度範囲での純鉄の安定な状態。 

備考1. その結晶構造は,面心立方である。 

2. 常磁性である。 

gamma iron 

1310 

(4.6) 

オーステナイト 

1種以上の元素を含むγ鉄固溶体。 

austenite 

1311 

(4.48) 

固溶体 

2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相。 

備考 溶質原子が溶媒原子を置換している置換型固溶体及び

溶質原子が溶媒の原子間に挿入されている侵入型固溶
体に区別されている。 

solid solution 

1312 共晶 

冷却の過程で,一つの融液から二つ以上の固相が密に混合し

た組織への変化,又はその反応で生じた組織。 

備考 平衡状態図で共晶成分より合金元素濃度が少ないとき

には亜共晶 (hypo-eutectic),多いときには過共晶 
(hyper-eutectic) という。 

eutectic 

1313 共析 

冷却の過程で,一つの固溶体から二つの固相が密に混合した

組織への変態又はその変態で生じた組織。 

備考 

平衡状態図で,共析成分より合金元素濃度が少ないと
きには亜共析 (hypo-eutectoid),多いときには過共析 
(hyper-eutectoid) という。 

eutectoid 

1314 析出 

固溶体から異相の結晶が分離成長する現象。 

precipitation 

1315 偏析 

合金元素や不純物が不均一に偏在している現象又はその状

態。 

segregation 

1316 

(4.9) 

しま状組織 

顕微鏡観察断面に現れる熱間加工の方向に平行なしま状に

観察される組織。 

備考 

熱間加工時にしま状に存在した偏析帯とその他の部分
の変態相が異なるためにしま状に観察される。 

banded structure 

1317 炭化物 

炭素と一つ又はそれ以上の金属元素との化合物。 

備考 特に二つ以上の金属元素を必要成分とするものを複炭

化物 (double carbide) という。 

carbide 

1318 

(4.11) 

セメンタイト 

Fe3Cの化学式で示される鉄炭化物。 

cementite 

1319 初析セメンタイト 

過共析鋼を高温から冷却する際に,共析変態に先立ってオー

ステナイトから析出するセメンタイト。 

pro-eutectoid 

centemte 

1320 

(4.41) 

パーライト 

オーステナイトの共析分解によって形成されるフェライト

とセメンタイトの層状集合体。 

pearlite 

1321 

(4.25) 

結晶粒度 

顕微鏡観察断面に現出された結晶粒の大きさ。 

備考1. 一般にはこれを比較法又は切断法によって求めた粒

度番号で表す。 

2. オーステナイト結晶粒度の試験方法はJIS G 0551に,

また,フェライト結晶粒度の試験方法はJIS G 0552
に規定している。 

grain size 

1322 ウイドマンステッテ

母相固溶体の特定の結晶面に沿う新しい相の形成によっても

Widmannstaetten 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

(4.51) ン組織 

たらされる組織。 
備考 亜共析鋼の場合,顕微鏡観察断面において,それはパー

ライトを背景とした針状フェライト組織として現れる場
合が多い。過共析鋼の場合には,針状組織はセメンタイ
トからなる。 

structure 

1323 双晶 

一つの結晶粒の中で,結晶格子の構造は同じであるが,ある

一定の面(双晶面という。)を境界にして,互いに鏡面対称とな
っているような結晶。 

備考 一般の金属に見られる双晶の種類としては,変形双晶 

(deformation twin),変態双晶 (transformation twin) 及び焼
なまし双晶 (annealing twin) がある。 

twin 

1324 焼なまし双晶 

焼なましして再結晶や結晶粒成長が起こるときに現れる双

晶。 

annealing twin 

1325 共晶黒鉛 

共晶状の微細な片状黒鉛,又は可鍛鋳鉄の焼なまし以前に既

に白鋳鉄(白銑)中に存在する黒鉛。 
備考 後者をモットル (mottle) ともいう。 

eutectic graphite 

1326 片状黒鉛 

ねずみ鋳鉄中に生じる片状の黒鉛。 

備考 ばら状黒鉛 (graphite rosette),共晶黒鉛 (eutectic graphite) 

もこれに含まれる。 

graphite flake,  
flake graphite 

1327 球状黒鉛 

マグネシウムなどで処理して製造した球状黒鉛鋳鉄に生じ

る密な球状の黒鉛。 

spheroidal graphite, 
nodular graphite 

1328 白鋳鉄, 

白銑 

共晶セメンタイトとパーライトからなり,黒鉛を含まない銑

鉄。 

white iron 

1329 バーミキュラ黒鉛 

球状黒鉛と片状黒鉛との中間的な芋虫状の黒鉛。 

備考 コンパクト黒鉛 (compacted graphite) ともいう。 

virmicular graphite 

b) 焼ならし及び焼なまし 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2101 

(3.102) 

焼ならし 

オーステナイト化後空冷する熱処理。 

備考 その目的は,前加工の影響を除去し,結晶核を微細化

して,機械的性質を改善することである。鉄鋼の焼な
らし加工は,JIS B 6911に規定している。 

normalizing 

2102 

(3.3) 

焼なまし 

適切な温度に加熱及び均熱した後,室温に戻ったときに,

平衡に近い組織状態になるような条件で冷却することからな
る熱処理。 

備考 この定義は非常に一般的であるので,処理の目的を規

定する表現を使用することが推奨される(光輝焼なま
し,完全焼なまし,軟化焼なまし,変態域焼なまし,
等温焼なまし及び変態点下焼なまし参照)。 

annealing 

2103 

(3.67) 

完全焼なまし 

Ac3を超える温度における焼なまし。 

full annealing 

2104 

(3.127) 

軟化焼なまし 

鉄鋼製品の硬さを所定の水準まで低下させる目的でAc1変

態点近傍の温度に加熱する熱処理。 

softening 

2105 

(3.138) 

応力除去焼なまし 

本質的に組織を変えることなく,内部応力を減らすために,

適切な温度へ加熱又は均熱した後,適切な速度で冷却する熱
処理。 

stress relieving 

2106 ひずみ取り焼なまし 

鋼材又は鋳物に生じたひずみを除去するために,荷重をか

けながら変態点以下の温度に加熱保持して行う焼なまし。 

straightening 

annealing 

2107 低温焼なまし 

残留応力の低減又は軟化を目的として,変態点以下で行う

焼なまし。 

再結晶温度以下で行う場合もある。 

low temperature  
  annealing 

background image

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2108 

(3.82) 

拡散焼なまし 

偏析現象による不均一性を,拡散によって低減させること

を意図した高温の長時間焼なまし。 

homogenizing 

2109 

(3.130) 
(3.131) 

球状化焼なまし, 
球状化, 
球状化処理 

セメンタイト板のような炭化物粒子を,安定な球状の形態

へ発達させること。 

析出した炭化物の球状化をもたらすために,一般にAc1温

度の近辺で長く均熱する,又はこの温度周辺を振らすことに
かかわる焼なまし。 

spheroidizing,  
spherodization 

2110 

(3.91) 

等温焼なまし 

オーステナイト化後冷却し,オーステナイトからフェライ

ト,パーライト又はセメンタイト,パーライトへの変態が完
結するような温度に,その時間均熱することによって冷却を
中断する焼なまし。 

isothermal annealing 

2111 中間焼なまし 

冷間加工で硬化した鋼を軟化し,引き続いて行う冷間加工

を容易にする目的で,再結晶温度以上Ac1点以下の適切な温度
で行う焼なまし。 

又は鍛鋼品の製造工程中,最終熱処理の前に1回ないし数

回に分けて行う焼なまし。 

process annealing 

インタミディエイトアニーリング (intermediate annealing) 

ともいう。 

intermediate 

annealing 

2112 

(3.17) 

箱焼なまし 

酸化を最小に抑えるため密閉容器中で行われる焼なまし。 

box annealing 

2113 

(3.95) 

可鍛化焼なまし 

脱炭又はセメンタイトの黒鉛化によって可鍛鋳鉄(附属書

1 4.53参照)の組織を得ることを意図して,白鋳鉄に行われ
る熱処理。 

malleablizing 

2114 

(3.71) 

黒鉛化焼なまし 

鉄鋼の炭化物の全部又は一部を黒鉛化させるために過共晶

鋳鉄に適用される熱処理。 

graphitizing 

2115 第一段焼なまし 

第一段黒鉛化のための焼なまし。 

first stage annealing 

2116 第二段焼なまし 

第二段黒鉛化のための焼なまし。 

second stage  
  annealing 

2117 予備焼なまし 

白鋳鉄(白銑)の黒鉛化を促進するため,あらかじめAc1

点以下の適切な温度で行う焼なまし。 

pre-baking,  
pre-annealing 

2118 脱炭焼なまし 

鉄鋼の表面から炭素を除去して延性を与えるための焼なま

し。 

decarburizing  
  annealing 

2201 

(3.70) 

黒鉛化 

セメンタイトが高温で分解して,セメンタイト中の炭素が

黒鉛の形で炭素を析出する現象。 

graphitization 

2202 第一段黒鉛化 

可鍛鋳鉄を製造する際,共晶セメンタイトが焼戻炭素(テ

ンパカーボン)とオーステナイトへ分解する現象。 

first stage  
  graphitization 

2203 直接黒鉛化 

第一段黒鉛化終了後の冷却過程において,Ac1変態の温度範

囲内でオーステナイトがフェライトに変態する際,その炭素
溶解度の差によってオーステナイトから直接黒鉛が析出する
現象。 

direct graphitization 

2204 第二段黒鉛化 

可鍛鋳鉄を製造する際,共析セメンタイトが焼戻炭素(テ

ンパカーボン)とフェライトへ分解する現象。 

second stage  
  graphitization 

2205 

(3.119) 

回復 

冷間加工された鉄鋼製品の物理的又は機械的性質の少なく

とも一部を,その組織に明らかな変化を来すことなしに,回
復させる意図をもった熱処理。 
備考 この処理は,再結晶の温度よりも低温で行われる。 

recovery 

2301 球状炭化物 

球状となった炭化物。 

globular carbide,  
spheroidal carbide 

2302 球状セメンタイト 

球状となったセメンタイト。 

globular cementite,  
spheroidal cementite 

background image

10 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2303 焼戻炭素 

白鋳鉄(白銑)の黒鉛化焼なましによって析出した黒鉛。 

temper carbon 

c) 焼入れ,焼戻し及び時効 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3101 

(3.116) 

焼入れ 

鉄鋼製品を静止空気中よりもより迅速に冷却することから

なる操作。 
備考 冷却条件を規定する用語の使用が推奨される。例えば,

衝風冷却,水焼入れ,階段焼入れなど。 

quenching 

3102 

(3.114) 

焼入硬化 

オーステナイト化後,マルテンサイト又はベイナイトに変

態するような条件下での冷却によって得られる鉄鋼製品の硬
化。 

quench hardening 

3103 水焼入れ 

冷却に水を用いて行う焼入れ。 

water hardening,  
water quenching 

3104 油焼入れ 

冷却に油を用いて行う焼入れ。 

oil hardening,  
oil quenching 

3105 熱浴焼入れ 

冷却に適切な温度に保った熱浴(溶融金属,溶融塩,油な

ど)を用い,この熱浴で急冷し適切な時間保持した後,引き
上げて空冷する焼入れ。 

hot bath quenching 

3106 塩浴焼入れ 

溶融塩を用いる熱浴焼入れ。 

salt bath quenching 

3107 電解焼入れ 

電解液中で陰極とした処理物と陽極との間で通電して処理

物を加熱し,電解液によって急冷する焼入れ。 

electrolytic hardening 

3108 真空焼入れ 

真空中で加熱し,ガス,油又は水などによって急冷する焼

入れ。 

vacuum hardening 

3109 空気焼入れ 

空気中又は適切なガス雰囲気中で冷却する焼入れ。 

備考 自硬性をもつ鋼を焼入れする場合に行われる。 

air hardening 

3110 噴射焼入れ 

冷却剤を噴射して行う焼入れ。 

spray hardening 

3111 噴霧焼入れ 

霧状の冷却液中で行う焼入れ。 

fog hardening 

3112 

(3.89) 

中断焼入れ 

媒体中で急冷し,鉄鋼製品が焼入媒体との熱的平衡に達す

る前に中断する焼入れ。 
備考1. その目的は,焼入れの際のひずみの発生や焼割れ

を防ぎ,かつ,焼入れ後の性質を適切に調節する
ことにある。 

2. この用語は,階段焼入れを表すのに用いない方

がよい。 

interrupted quenching 

3113 

(3.136) 

階段焼入れ 

適切な温度において媒体中で均熱することによって一時的

に冷却が中断される焼入れ。 
備考 この用語は,中断焼入れを表すのに用いない方がよい。 

step quenching 

3114 時間焼入れ 

冷却剤中で急冷して適切な時間保持した後,引き上げる方

法による中断焼入れ。 

time quenching 

3115 プレスクエンチ 

プレスした状態で行う焼入れ。 

備考 焼入変形を極度に嫌う機械部品に応用され,ダイクエ

ンチ (diequenching) ともいう。 

press quenching 

3116 部分焼入れ 

部品の各部に所要の性質を与えるために,局部的に行う焼

入れ。 

selective hardening 

3117 ベイナイト焼入れ 

ベイナイト組織を得るような焼入れ。 

bainitic hardening 

3118 スラッククエンチ 

オーステナイト化温度から臨界冷却速度よりやや遅い速度

で冷却して行う焼入れ。 
備考 この場合,鋼は完全に硬化せず,マルテンサイトのほ

かに,又は,マルテンサイトに代わって,一種又はそ
れ以上の変態生成物を生じる。 

slack quenching 

background image

11 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3119 鍛造焼入れ 

オーステナイト状態で鍛造を施し,そのまま直ちに行う焼

入れ。 

備考 鍛造を安定オーステナイト状態で行うものと,準安定

オーステナイト状態で行うものと2種類がある。 

direct quenching  f 
  rom forging  
  tentperature 

3120 

(3.97) 

マルテンパ 

オーステナイト化後,階段焼入れを行う熱処理。この階段

焼入れは,Ms点の直上の温度にフェライト,パーライト又は
ベイナイトの生成を避けるのに十分な速度で焼入れ後,均一
な温度に,しかも,ベイナイトの生成を避ける上で十分に短
い時間保持する熱処理。 

備考1. その間にマルテンサイトが実際上全断面にわた

って形成される。最終の冷却は,一般に空気中
で行われる。 

2. その目的は,焼入れによるひずみの発生や焼割れを

防ぐとともに,適切な焼入組織を得ることである。 

3. 

マルクエンチ (marquenching) ともいう。 

martempering 

3121 

(3.140) 

サブゼロ処理 

焼入れ後,残留オーステナイトをマルテンサイトに変態さ

せるために行う熱処理で,常温よりも低い温度へ冷却し,そ
の温度で均熱する熱処理。 
備考 深冷処理ともいう。 

sub-zero treating,  
deep freezing 

3122 

(3.5) 

オーステンパ 

オーステナイト化後,フェライトやパーライトの形成を避

けるように十分に早くMs点より高い温度に冷却する階段焼
入れを行い,オーステナイトのベイナイトへの変態が部分的
又は完全に起こるように均熱する熱処理。 
備考1. 室温への最終冷却は,特定の速度で行うわけで

はない。 

2. その目的は,ひずみの発生及び焼割れを防止す

るとともに,強じん性を与えることである。 

austempering 

3123 

(3.108) 

パテンチング 

オーステナイト化後,引き続いて行われる線引き又は圧延

に適した組織を得るために,適切な条件下で冷却する熱処理。 

備考 例えば,空気,鉛浴など,パテンチングの行われる媒

体を規定することが望ましい。 

patenting 

3124 オイルテンパ処理 

鋼線を連続的に真っすぐな状態で,油など冷媒で焼入れ後,

焼戻しを行う処理。 

oil quenching    
  (hardening) and  
  tempering 

3125 

(3.144) 

焼戻し 

一般に焼入硬化後,又は所要の性質を得るための熱処理後

に,特定の温度(Ac1未満)で,1回以上の回数均熱した後,
適切な速度で冷却することからなる熱処理。 

備考 焼戻しは,一般に硬さの低下をもたらす。しかし,硬

度上昇を起こす場合もある(二次硬化参照)。 

tempering 

3126 繰返し焼戻し 

高合金鋼,高速度工具鋼などのように,1回の焼戻しで効果

が十分上がらない場合に,焼戻しを2〜3回繰り返す操作。 

multiple tempering 

3127 調質 

焼入れ後,比較的高い温度(約400℃以上)に焼き戻して,

トルースタイト又はソルバイト組織にする操作。 

thermal refining 

3128 

(4.2) 

時効 

急冷,冷間加工などの後,時間の経過に伴い鋼の性質(例

えば,硬さなど)が変化する現象。 
備考 時効硬化を目的として行う操作の定義で用いることも

ある。 

参考 ISOの定義では,常温又はその付近で起こるとこ

ろの,侵入形元素の移動による鉄鋼製品の性質の
変化をもたらす現象。 

ageing 

background image

12 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3129 焼入時効 

高温から急冷した鉄鋼を室温又はそれより少し高い温度に

保持したときに起こる時効。 

quench ageing 

3130 ひずみ時効 

冷間加工した材料に起こる時効。 

strain ageing 

3131 過時効 

硬さ,強さなどの性質が最高になる温度と時間よりも高い

温度又は長い時間で起こる時効。 

overageing 

3132 

(3.129) 

固溶化熱処理 

析出物を固溶体中に溶け込ませるための熱処理。 

solution treatment 

3133 過冷 

変態や析出の一部又は全部を阻止して,変態点以下又は溶

解度線以下の温度に冷却する操作。 

supercooling 

3134 水じん(靭) 

高マンガン鋼などを固溶化温度から水中急冷して完全なオ

ーステナイト組織を得る操作。 

water toughening 

3135 

(4.47) 

鋭敏化 
 

粒界への炭化物の析出による,粒界腐食に対するステンレ

ス鋼の感受性の増加。 

備考 粒界腐食に対する抵抗を研究するために,鋭敏化

処理が用いられる(ISO 3651-2参照)。 

sensitization 

鋭敏化熱処理 

オーステナイト系ステンレス鋼の粒界腐食試験を行うため

に,500〜800℃の温度範囲に加熱して,粒界腐食に鋭敏な組
織状態にする熱処理。 

3136 オースエージ 

過冷オーステナイトをMs点以上の温度で時効する処理。 

備考 例えば,ある種の析出硬化系ステンレス鋼(SUS 631

など)に対し,Ms点の調整などの目的で行う。 

ausageing 

3137 

(3.96) 

マルエージ 

鋼に要求される機械的性質を与える目的で,非常に低い炭

素含有量のため軟らかいマルテンサイトを生じる鋼に対し
て,固溶化熱処理に引き続いて行われる析出硬化処理。 

maraging 

3138 

(3.14) 

ブルーイング 

鉄鋼製品を,酸化媒体中で,その研磨した表面が青色の酸

化物の薄い,連続的な,密着性の高い膜で覆われるような温
度で処理する操作。 

blueing 

3201 

(3.72) 

焼入性 

鋼がマルテンサイト又はベイナイトなどへ変態しやすいこ

とによって焼入硬化が得やすいことを表す性能。 

備考 焼入性は,通常,ジョミニー曲線のような,焼入れに

よって得られる硬化と焼入表面からの距離との関係で
特徴づけられる。焼入性試験方法については,JIS G 
0561を用いると便利である。 

hardenability 

3202 焼入性バンド 

同一鋼種の化学成分及び結晶粒度のばらつきによる焼入性

曲線のばらつきの範囲をバンドで表したもの。 

備考 Hバンド (H band) ともいう。Hバンドが定められた鋼

をH鋼という。 

hardenability band 

3203 焼入性倍数 

合金元素を添加したときの理想臨界直径と,添加しないと

きの理想臨界直径との比。 
備考 焼入性倍数は,一般に合金元素の添加量と共に増加す

る。 

multiplying factor 

3204 

(4.36) 

質量効果 

質量及び断面寸法の大小で,焼入硬化層深さの異なる度合

い。 

質量及び断面寸法のわずかな変化で,焼入硬化層深さが大

きく変化することを,質量効果が大きいという。 

参考 ISOの定義では,冷却挙動に及ぼす物の大きさの効果。 

mass effect 

3205 自硬性 

焼入温度から空気中で冷却する程度でも,容易にマルテン

サイトを生じて硬化する性質。 

property of self  
  hardening 

3206 

(3.117) 

冷却能 

焼入れに用いる冷却剤の冷却能力。 

備考 急冷度 (quench severity index) 又はH値 (severity of 

cooling power,  
quenching capacity 

background image

13 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

quench-ing),で表すことがあるが,定義が確立してい
ない指数である。 

3207 

(3.41) 

臨界冷却関数 

好ましくない組織の現れることを避けて,所定の変態を十

分完了させるに必要な最低の冷却条件に対応する冷却関数。 

備考 この用語は本来マルテンサイト,ベイナイトなど,対

象の変態を示すことによって使用すべきだが,特にこ
とわりがない場合,マルテンサイトに対して用いられ
る場合が多い。 

critical cooling  
  function 

3208 

(3.42) 

臨界冷却速度 

臨界冷却関数に対応するマルテンサイト変態を生じるのに

必要な最小の冷却速度。 
備考 マルテンサイトが初めて生じる最小の冷却速度を下部

臨界冷却速度 (lower critical cooling rate) といい,マルテ
ンサイトだけとなる最小の冷却速度を上部臨界冷却速
度 (upper critical cooling rate) という。 

critical cooling rate 

3209 

(4.14) 

臨界直径 

与えられた条件下での焼入れによって,その中心部におい

て50%マルテンサイト組織をもつ長さ3d(dは直径)以上の
丸棒の直径。 
備考 通常,D0の記号を用いる。 

critical diameter 

3210 理想臨界直径 

理想焼入れ(焼入剤の冷却能を無限大と仮定した場合の焼

入れ)したときの臨界直径。 
備考 通常,Diの記号を用い,焼入性の比較基準とする。 

ideal critical diameter 

3211 等温変態 

鉄鋼をオーステナイト状態から変態温度以下の任意の温度

まで急冷し,その温度に保持した場合に生じる変態。 

isothermal 

transformation  

3212 

(3.151) 

等温変態曲線 

各温度におけるオーステナイトの等温変態の開始及び終了

を図示した一群の曲線。縦軸に温度,横軸に時間(対数目盛)
をとって表す。 
備考1. TTT図のこと。 

2. オーステナイトの変態率が50%に達する点を補足

的な曲線で示す。 

3. 図中には生成する変態組織の種類及び硬さについて

の情報も併せて示す。 

isothermal 

transformation 
diagram,  

  time temperature  
  transformation 

diagram 

3213 

(3.32) 

連続冷却変態曲線 

任意の冷却関数で連続的に冷却した場合に生じるオーステ

ナイトの変態の開始及び終了を図示した一群の曲線。縦軸に
温度,横軸に時間(対数目盛)をとって表す。 
備考1. CCT図のこと。 

2. 変態量が50%に達する温度に相当する点を補足的な

曲線で示す。 

3. 図中には,各々の冷却曲線について,生成する

変態組織及び室温まで冷却後の硬さについての
情報も併せて示す。 

continuous cooling  
  transformation 

diagram 

3214 オーステナイトの安

定化 

固溶原子の分配などによってオーステナイトが安定化され

て,マルテンサイトへの変態が起こりにくくなる現象。 
備考 このような安定化は焼入れ後の残留オーステナイトの

低温焼戻し又は常温での保持などで起こり,常温以下
への冷却で残留オーステナイトのマルテンサイトへの
変態を抑制又は阻止する。 

stabilization of  
  austenite 

3215 残留応力 

外力又は熱こう配がない状態で,金属内部に残っている応

力。 
備考 熱処理のときに,材料の内外部で,冷却速度の差によ

る熱応力又は変態応力が生じ,これらが組み合わされ

residual stress 

background image

14 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

て,内部に応力が残留する。また,冷間加工,溶接,
鋳造などによっても残留応力を生じる。 

3216 焼入応力 

焼入れで生じる残留応力。 

備考 焼入応力には,内外部の冷却の時間的なずれに起因す

る熱応力と,変態に伴う変態応力とがあり,一般に両
者が組み合わされて生じる。 

quenching stress 

3217 焼入変形 

焼入れによって生じる形状又は寸法の変化。 

quenching distortion 

3218 焼割れ 

焼入応力によって生じる割れ。 

quenching crack 

3219 置割れ 

焼入れ又は焼入焼戻しした鉄鋼が放置中に生じる割れ。 
自然割れともいう。 

season cracking 

3220 軟点 

焼入れで局部的に生じる完全には焼入硬化しない部分。 

soft spot 

3221 焼戻硬化 

焼戻しで硬化する現象。 

temper hardening 

3222 

(3.121) 

二次硬化 

焼入硬化後に加えられた一つ以上の焼戻処理によって得ら

れる鉄鋼製品の硬化。 
備考 この硬化は,残留オーステナイトからの化合物の析出,

マルテンサイト又はベイナイトの生成によるもので,焼
戻し中の分解又はこの焼戻しで不安定化された後の冷
却によって変態したものである。より一般的には,焼戻
しの際に生じる合金炭化物の析出によって再び硬化す
ることを指す場合が多い。 

secondary hardening 

3223 

(3.143) 

焼戻ぜい性 

特定の温度で均熱,又はこれらの温度を徐冷するとき,特

定の焼入焼戻鋼に影響を及ぼすぜい性。 
備考1. 500℃前後の焼戻しで生じる一時焼戻ぜい性及び

さらに高い温度の焼戻し後の徐冷で生じる二次
焼戻ぜい性を高温焼戻ぜい性といい,300℃前後
の温度に焼き戻した場合にみられる焼戻ぜい性
を低温焼戻ぜい性という。 

2. このぜい性は,母材金属の衝撃強度についての遷

移曲線を高温側へ移動させる。550℃を超える温
度へ再加熱し急冷することによって消滅する。 

temper brittleness 

3224 焼戻割れ 

焼入れした鉄鋼を焼戻しする際,急熱,急冷又は組織変化

のために生じる割れ。 

tempering crack 

3225 テンパカラー 

焼戻しの際に鉄鋼の表面に現れる酸化膜の色。 

temper colour 

3226 時効硬化 

急冷又は冷間加工した鉄鋼が時効によって硬化する現象。 

age hardening 

3227 

(3.110) 

析出硬化 

過飽和固溶体からの1種以上の化合物の析出による鉄鋼製

品の硬化。 

precipitation 

hardening 

3228 復元 

時効硬化した後に,時効温度よりもやや高い温度に短時間

加熱することによって,ほぼ時効前の性質に戻り,軟化する
現象。 

reversion 

3301 準安定オーステナイ

ト 

平衡状態図によって定義される状態とは異なる見掛け上安

定な状態にあるオーステナイト。オーステナイトが安定であ
る温度範囲より低い温度で未変態のまま非平衡に存在する過
冷却オーステナイトを指す。 

metastable austenite 

3302 

(4.45) 

残留オーステナイト 

焼入硬化後,常温において残留する未変態オーステナイト。 retained austenite 

3303 

(4.35) 

マルテンサイト 

元のオーステナイトと同じ化学組成をもつ体心正方晶又は

体心立方晶の準安定固溶体(α'又はαMと略記)。 

備考 オーステナイトを急冷した場合に,Ms点以下の温度で

拡散を伴わずに変態して生じる。オーステナイトの塑性
変形によって生じることもある。 

martensite 

background image

15 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3304 焼戻マルテンサイト 

マルテンサイトの焼戻組織の総称。狭義には焼戻しの第三

段階直前(約250℃)まで焼戻しされたマルテンサイト組織。 

tempered martensite 

3305 トルースタイト 

マルテンサイトを焼戻ししたとき生じる組織で,光学顕微

鏡では識別できないほどの微細なフェライトとセメンタイト
からなる組織(焼戻トルースタイト)。又は,焼入れの際に
600℃以下の温度で生成した微細パーライト組織(焼入トルー
スタイト)。 

備考 現在では,あまり用いられない用語である。 

troostite 

3306 ソルバイト 

マルテンサイトをやや高い温度に焼戻しして粒状に析出成

長したセメンタイトとフェライトの混合組織で,セメンタイ
ト粒子が約400倍の光学顕微鏡下で認められる組織(焼戻ト
ルースタイト)。又は,焼入れの際に600〜650℃以下の温度で
生成した微細パーライト組織(焼入ソルバイト)。 

備考 現在では,あまり用いられない用語である。 

sorbite 

3307 

(4.8) 

ベイナイト 

パーライトが形成される温度と,マルテンサイトが形成され

始める温度との間の温度間隔で起こるオーステナイトの分解
によって形成される準安定構成物で,炭素がセメンタイトの
形を取って微細に析出しているフェライトからなる。 
備考 一般に,上記の温度間隔の高温で形成される上部ベイ

ナイトと上記の温度間隔の低温で形成される下部ベイ
ナイトを区別する。 

bainite 

3308 過飽和固溶体 

その温度での平衡溶解度以上に溶質を固溶している固溶体。 

備考 普通高温からの急冷で得られる。 

supersaturated solid  
  solution 

3309 焼入性曲線 

焼入性試験方法(一端焼入方法)で求めた水冷端からの距離

と硬さとの関係を表す曲線。 

備考 ジョミニー曲線ともいう。 

hardenability curve,  
Jominy curve 

3310 U曲線 

鉄鋼の円柱状試料を作り,これを焼入れして横断面の硬さ

分布を表面からの距離に対して表すときに得られるU字状の
曲線。 

U curve 

d) 表面硬化処理及び表面処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4101 

(3.142) 

表面硬化処理 

表面加熱後の焼入硬化処理。 

備考 浸炭焼入れ,窒化,高周波焼入れ,炎焼入れなどがあ

る。 

surface-hardening 

treatment 

4102 

(3.85) 

高周波焼入れ 

加熱が誘導によって行われる表面硬化処理。 

備考 主に鉄鋼の任意の表面又は部分を焼入れする場合に用

いる。鉄鋼の高周波焼入焼戻加工は,JIS B 6912に規定
されている。 

induction hardening 

4103 

(3.65) 

炎焼入れ 

熱源が炎である表面硬化処理。 

備考 主に鉄鋼の任意の表面を焼入れする場合に用いる。 

flame hardening 

4104 

(3.26) 

浸炭 

オーステナイト中に固溶している状態の炭素を,表面に富化

させるために鉄鋼製品にオーステナイト状態で適用される熱
化学処理。 

備考1. 浸炭した鋼は,焼入焼戻しを行って使用するこ

とが普通である。この処理を肌焼き (case 
hardening) ということもある。 

2. 浸炭剤の種類によって固体浸炭,液体浸炭及び

ガス浸炭に分けられる。 

carburizing 

4105 エンリッチガス 

浸炭性雰囲気のカーボンポテンシャルを増加させるために

添加する炭化水素などのガス。 

enriched gas 

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16 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4106 

(3.22) 

カーボンポテンシャ

ル 

鋼を加熱する雰囲気の浸炭能力を示す用語。その温度で,

そのガス雰囲気と平衡に達したときの鋼の表面の炭素濃度で
表す。 
参考 ISOの定義では,規定された条件下,対象の浸炭剤

と平衡にある純鉄試験片表面における炭素含量。 

carbon potential 

4107 露点 

雰囲気中の水分が凝縮し始める温度。 

備考 ガス浸炭の場合は,露点でカーボンポテンシャルを調

節できる。 

dew point 

4108 真空ガス浸炭 

真空中で処理物を加熱し,浸炭性ガスを導入して行う浸炭。 vacuum carburizing 

4109 プラズマ浸炭 

媒体がプラズマである浸炭。 

plasma carburizing 

4110 電解浸炭 

塩浴中で,陰極とした処理物と陽極との間に通電し,処理

物を加熱して行う浸炭。 

electrolytic carburiz- 
  ing 

4111 緩和浸炭 

過剰浸炭を防止するために浸炭性の弱い浸炭剤中で行う浸

炭。 

mild carburizing 

4112 

(3.24) 

復炭 

以前の処理によって脱炭した表面層の炭素含量を回復する

ための熱化学処理。 

carbon restoration 

4113 

(3.25) 

浸炭窒化 

オーステナイトでは固溶状態にある炭素及び窒素の表面に

増加させるために,Ac1を超える温度に鉄鋼製品を加熱する熱
化学処理。 

備考1. 一般に,この操作はその後直ちに焼入硬化を伴

う。 

2. 処理方法には,浸炭性ガスにアンモニアを添加して

行うガス浸炭窒化などがある。 

3. 浸炭浸窒ともいう。 

carbonitriding 

4114 

(3.110) 

窒化 

窒素の表面富化を生じるように鉄鋼製品に適用される熱化

学処理。 

備考1. 窒化の行われる媒体を規定すること,例えば,気体,

プラズマなど。 

2. 処理方法には,アンモニア分解ガスによるガス窒化

及び青酸塩による液体窒化がある。 

nitriding 

4115 真空ガス窒化 

真空中で処理物を加熱し,窒化性ガスを導入して行う窒化。 vacuum nitriding 

4116 

(3.101) 

炭窒化 

窒素及び炭素を表面富化させ,ひいては化合物層を作らせ

るために鉄鋼製品に適用される熱化学処理。 

備考1. この化合物層の下には窒素の富化した拡散域が存在

する。 

2. 炭窒化の行われる媒体は,指定されなければならな

い,例えば,塩浴,ガス,プラズマなど。 

3. 耐摩耗性,耐疲れ性などを向上させる。 
4. 軟窒化ともいう。 

nitrocarburizing 

4117 

(3.109) 

プラズマ窒化 

媒体がプラズマである窒化。 

備考 減圧した窒化性ガス雰囲気中で,陰極とした処理

物と陽極との間に生じるグロー放電を使用する。 

plasma nitriding 

4118 真空ガス浸炭窒化 

真空中で処理物を加熱し,浸炭性及び窒化性ガスを導入し

て行う浸炭窒化。 

vacuum 

carbonitriding 

4119 プラズマ浸炭窒化 

媒体がプラズマである浸炭窒化。 

備考 減圧した浸炭性及び窒化性ガス雰囲気中で,陰極とし

た処理物と陽極との間に生じるグロー放電を使用す
る。 

plasma carbonitriding 

4120 

(3.55) 

直接焼入れ 

熱間圧延,成形又は熱化学処理に引き続いて直ちに行われ

る焼入れ。 

direct quenching 

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17 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4121 一次焼入れ 

浸炭した鋼の心 (core) 部の組織を微細化する目的で,心 

(core) 部のAc3点以上の適切な温度に加熱して行う焼入れ。 

primary quenching 

4122 二次焼入れ 

浸炭した鋼の浸炭層を硬化する目的で,一次焼入れ後浸炭

層のAc1点以上の適切な温度に加熱して行う焼入れ。 

secondary quenching 

4123 

(3.29) 

セメンテイション 

金属材料の表面層の硬さ又は耐熱耐食性などを向上させる

ために,高温度の各種媒剤中で,他の元素を表面に拡散させ
る操作。 

備考 拡散浸透処理ともいう。 
参考 ISOの定義では,金属元素又はメタロイドを鉄鋼

製品に導入しようとする熱化学処理。 

cementation 

4124 

(3.2) 

アルミナイジング 

表面にアルミニウムを富化させる目的で,鉄鋼製品に適用

される熱化学処理。 

備考 鉄鋼の耐熱性及び耐食性を向上させる。フェロアルミ

ニウムなどの粉末による方法をカロライジング 
(calorizing) ともいう。 

aluminizing 

4125 ガルバナイジング 

鉄鋼の耐食性を向上させるために,溶融亜鉛浴に浸せきし

て表面を亜鉛で被覆する操作。 

備考 硫酸塩溶液中において電気めっきで亜鉛を被覆する場

合もある。 

galvanizing 

4126 

(3.141) 

サルファライジング 

硫黄を鉄鋼の表面に拡散させる操作。 

備考 浸硫ともいう。 
参考 ISOの定義では,化合物層に硫黄を自発的に添加

した炭窒化。 

sulfurizing 

4127 

(3.30) 

クロマイジング 

クロムの表面富化を得るために,鉄鋼製品に適用される熱

化学処理。 

備考1. 表面層は実際上,純クロム(低炭素鋼について

は)又はクロム炭化物(高炭素鋼については)
からなる。 

2. 鉄鋼の耐熱性及び耐食性を向上させる。 

chromizing 

4128 

(3.124) 

シリコナイジング 

けい素の表面富化を得るために鉄鋼製品に加えられる熱化

学処理。 

備考 耐食性皮膜を作る。浸けいともいう。 

siliconizing 

4129 

(3.123) 

シェラダイジング 

亜鉛の表面富化を得るために鉄鋼製品に加えられる熱化学

処理。 

備考 耐食性皮膜を作る。 

sherardizing 

4130 

(3.16) 

ボロナイジング 

鉄鋼製品にほう化物の表面層を生成させることを目的とし

て行われる熱化学処理。 

備考1. 例えば,パックほう化,ペイストほう化などほ

う化が行われる媒体を規定することが望まし
い。 

2. 耐摩耗性皮膜を作る。ほう化ともいう。 

boronizing 

4131 炭化物被覆処理 

鋼の耐摩耗性などを向上させるために,その表面に炭化物

皮膜を生じさせる処理。 
備考 処理方法には,金属粉末や合金粉末を添加した溶融塩

中に浸せきして生じさせる溶融塩法,金属ハロゲン化
物などの混合ガスの高温における化学反応によって生
じさせる化学蒸着法及び放電中における蒸発金属の反
応と衝撃的な蒸着によって生じさせるイオンプレーテ
ィング法などがある。 

carbide coating 

4132 水蒸気処理 

水蒸気中で加熱して,表面に四三酸化鉄を生じさせる処理。 steam treatment 

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18 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

(3.135) 

備考 潤滑能力を高めることを目的とする。 
参考 ISOの定義では,過熱水蒸気中で行われるブルー

イング。 

4201 

(3.105) 

過浸炭 

表面の炭素量が規定の水準を超える浸炭。 

備考 英語ではこの用語は,また過剰な硬化層深さを表す。 

overcarburizing 

 過剰浸炭 

浸炭層の炭素量が目標値以上になる現象。 

excess carburizing 

4301 

(3.48) 

焼入硬化層深さ 

焼入れで硬化する深さ。 

備考 高周波焼入れ又は炎焼入れによって硬化する深さに

ついては,有効硬化層深さ及び全硬化層深さがJIS G 
0559に規定されている。 

参考 ISOの定義では,鉄鋼製品の表面と焼入硬化の及ぶ範

囲を特徴づける限界との距離。 

depth of hardening 

4302 浸炭硬化層深さ 

鋼を浸炭し,焼入焼戻しによって硬化した浸炭層の深さ。 

備考 有効硬化層深さ及び全硬化層深さがJIS G 0557に規定

されている。 

carburized case depth 

19 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(参考) 鉄鋼製品−熱処理−用語集 

序文 この附属書1(参考)は,1996年に第1版として発行されたISO 4885, Ferrous products−Heat treatments

−Vocabularyの本文を翻訳し,本体を効果的に利用するための参考として技術的内容及び規格票の様式を

変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この附属書1は,鉄鋼製品の熱処理に使用する用語について規定する。 

この用語集は,主部(3.)及び補足(4.)に分かれている。 

主部は,用語を定義し,必要に応じて注釈を添えてアルファベット順に並べている。適切な訳語のない

外来語に対しては,主部の最後に定義を与えている。 

補足は,主部の理解に必要な用語の定義から成り立っている。 

注釈は,定義と区別するために備考に示す。 

この附属書1の主部に定義されている用語で,ほかの箇所で定義又は注釈に用いられている用語は主文

よりも太字で印刷している。 

附属書1図1及び附属書1図2は,特定の用語を図式で表示している。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この附属書1に引用されることによって,この附属書1の規定の一部

を構成する。 

この規格の発効時点では,これらの規格は記載の年号の版が有効であった。いずれの規格も改訂される

ことがあるので,この附属書1によって合意しようとする当事者は,以下に示す規格の最新版が適用可能

かどうか調査するよう勧める。IEC及びISOの会員は,現在有効な国際規格のリストを保有している。 

ISO 643 : 1983 Steels−Micrographic determination of the ferritic or austenitic grain size 

ISO 2639 : 1982 

Steel−Determination and verification of the effective depth of carburized 

and hardened cases 

ISO 3754 : 1976 

Steel−Determination of effective depth of hardening after flame or 

induction hardening 

3. 主部 

3.1 

時効処理 (ageing treatment) 

性質を所定のレベルにもちこすために,固溶化熱処理後鉄鋼製品に適用される熱処理 

オーステナイトのコンディショニング参照 

備考 規定された1以上の温度への加熱,その温度での均熱及びその後の適切な冷却からなる。 

3.2 

アルミナイジング (aluminizing) 

カロライジング(交替) 

表面にアルミニウムを富化させる目的で,鉄鋼製品に適用される熱化学処理 

3.3 

焼なまし (annealing) 

適切な温度に加熱及び均熱した後,室温に戻ったときに,平衡に近い組織の状態になるような条件で冷

却することからなる熱処理 

備考 この定義は,非常に一般的であるので,処理の目的を規定する表現を使用することが推奨され

20 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る(光輝焼なまし,完全焼なまし,軟化焼なまし,変態域焼なまし,等温焼なまし及び変態点

下焼なまし参照)。 

3.4 

オースフオーム (ausforming) 

マルテンサイト及び/又はベイナイト変態に先立って,準安定オーステナイトを塑性的に加工すること

からなる鉄鋼製品の加工熱処理 

3.5 

オーステンパ (austempering) 

オーステナイト化後,フェライトやパーライトの形成を避けるように十分に早くMs点よりも高い温度

に冷却する階段焼入れを行い,オーステナイトのベイナイトへの変態が部分的又は完全に起こるように均

熱する熱処理 

備考 室温への最終の冷却は,特定の速度で行うわけではない。 

3.6 

オーステナイトのコンディショニング (austenite conditioning) 

一次焼入れ 

固溶化熱処理後で,かつ,最終の時効処理前に,中間の温度で行われる処理 

3.7 

オーステナイト化 (austenitizing) 

鉄鋼製品の組織がオーステナイトになるような温度に昇温保持する処理 

備考 もし変態が完全でない場合には,部分的オーステナイト化と呼ぶ。 

3.8 

オーステナイト化温度 (austenitizing temperature) 

鉄鋼製品がオーステナイト化時に保持される最高の温度 

3.9 

オートテンパ (auto-tempering) 

自己焼戻し 

焼入れの間,マルテンサイトと同時に起こる焼戻し 

3.10 ベイキング (bakig) 

鉄鋼製品に吸収された水素を組織を変えることなく放出させる熱処理 

備考 この処理は一般には電気めっき,酸洗又は溶接作業に引き続いて行われる。 

3.11 黒化 (blaking) 

鉄鋼製品を酸化媒体中で,その研磨表面が暗黒色の酸化物の薄い,連続的な,密着性の膜で覆われるよ

うな温度で処理する操作 

3.12 ブランク浸炭 (blank carburizing) 

浸炭剤なしで,浸炭の熱サイクルを再現するシミュレーションの処理 

備考 この処理によって浸炭の熱サイクルの間の金属組織的な経緯を評価することが可能となる。 

3.13 ブランク窒化 (blank nitriding) 

窒化剤なしで,窒化の熱サイクルを再現するシミュレーション処理 

備考 この処理によって窒化の熱サイクルの間の金属組織的な経緯を評価することが可能となる。 

3.14 ブルーイング (blueing) 

鉄鋼製品を,酸化媒体中で,その研磨した表面が青色の酸化物の薄い,連続的な,密着性の膜で覆われ

るような温度で処理する操作 

蒸気処理参照 

3.15 ブースト拡散浸炭 (boost-diffuse carburizing) 

二以上のそれぞれ異なるカーボンポテンシャルをもつ段階で相次いで行う浸炭 

3.16 ボロナイジング (boronizing) 

21 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

鉄鋼製品にほう化物の表面層を生成させることを目的として行われる熱化学処理 

備考 例えば,パックほう化,ペイストほう化などほう化が行われる媒体を規定することが望ましい。 

3.17 箱焼なまし (box annealing) 

酸化を最少に抑えるため密閉容器中で行われる焼なまし 

3.18 光輝焼なまし (bright annealing) 

金属の酸化を防ぐことによって元の金属の表面状態が維持されることを可能とする媒体中で行われる焼

なまし 

3.19 バーニング (burning) 

結晶粒界での融解によって引き起こされる組織や性質の非可逆的な変化 

3.20 炭素の活量 (carbon activity) 

与えられた状態(例えば,特定の濃度のオーステナイト中における)での炭素の蒸気圧の,標準状態と

しての,純粋な炭素(グラファイト)の同じ温度における蒸気圧に対する比 

3.21 炭素の質量移動係数 (carbon mass transfer coefficient) 

カーボンポテンシャルと実際の表面炭素濃度との1単位の差について,単位面積当たり1秒間に,浸炭

剤から鋼中に移動する炭素の質量 

3.22 カーボンポテンシャル (carbon potential) 

規定された条件下,対象の浸炭剤と平衡にある純鉄試験片表面における炭素含量 

3.23 炭素濃度の変化推移 (carbon profile) 

表面からの距離の関数としての炭素含量 

3.24 復炭 (carbon restoration) 

以前の処理によって脱炭した表面層の炭素含量を回復するための熱化学処理 

3.25 浸炭窒化 (carbonitriding) 

オーステナイトでは固溶状態にある炭素及び窒素の表面に増加させるために,Ac1を超える温度に鉄鋼

製品を加熱する熱化学処理 

塩浴浸炭窒化参照 

備考1. 一般に,この操作は,その後直ちに焼入硬化を伴う。 

2. 浸炭窒化の行われる媒体,例えば,ガス,塩浴などを規定することが望ましい。 

3.26 浸炭 (carburizing) 

セメンテイション(廃語) 

オーステナイト中に固溶している状態の炭素を,表面に富化させるために鉄鋼製品にオーステナイト状

態で適用される熱化学処理 

備考1. 浸炭した鉄鋼製品は,焼入硬化を伴う(直ちに,又は後刻に)。 

2. 浸炭の行われる媒体,例えば,ガス,パックなどの規定が望ましい。 

3.27 硬化層深さ (case depth) 

鉄鋼製品の表面と炭素の富化した層の厚さを特徴付ける限界との間の距離 

備考1. この限界は,規定されることが望ましい。例えば,全浸炭深さについては,この限界は変化

していない母金属の炭素含量に対応しよう。 

2. 硬化層深さという用語は,どんな処理であれ,肌焼き硬化又は表面硬化工程に対して用いら

れる。 

3.28 肌焼き (case hardening) 

22 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

浸炭又は浸炭窒化し,その後焼入硬化することからなる処理 

備考 窒化,軟窒化などもまた,肌焼工程と考えられている。 

3.29 セメンテイション (cementation) 

金属元素又はメタロイドを鉄鋼製品に導入しようとする熱化学処理 

3.30 クロマイジング (chromizing) 

クロムの表面富化を得るために,鉄鋼製品に適用される熱化学処理 

備考 表面層は実際上,純クロム(低炭素鋼については)又はクロム炭化物(高炭素鋼については)

からなる。 

3.31 化合物層 (componud layer) 

白色層(不適切) 

熱化学処理によって形成される表面層で,処理によって導入された元素及び母金属からの特定の元素に

よって生成した化合物からなっている層。 

例 表面層は窒化の場合は窒化物の層,ほう化ではほう化物の層,高炭素鋼のクロマイジングではク

ロム炭化物の層となろう。 

備考 英語では,“白色層“という用語は,窒化及び軟窒化した鉄鋼製品のこの層を表示するのに不適

切に使用されている。 

3.32 連続冷却変態曲線 (continuous-cooling-transformation diagram) 

任意の冷却関数で連続的に冷却した場合に生じるオーステナイトの変態の関数及び終了を図示した一群

の曲線。縦軸に温度,横軸に時間(対数目盛)をとって表す。 

CCT曲線 

備考1. オーステナイトの変態量が50%に達する温度に相当する点を補足的に示す。また,変態生成

物及びその量についての情報も与えられている。 

2. 冷却曲線の各々について,室温まで冷却後の硬さが示されている。 

3. 連続冷却変態曲線は,また与えられた冷却時間についても得られよう。 

3.33 冷却 (cooling) 

鉄鋼製品の温度の低下 

焼入れ参照 

備考1. 冷却過程は,一つ又はそれ以上の段階で行われてよい。 

2. 冷却が行われる媒体は,例えば,空気,水,油,炉などを規定することが望ましい。 

3.34 冷却条件 (cooling conditions) 

鉄鋼製品の冷却が行われる条件[媒体の性状及び温度,相対的な動き,かくはん(攪拌)など] 

3.35 冷却曲線 (cooling curve) 

冷却関数の図式表示 

3.36 冷却関数 (cooling function) 

対象とする鉄鋼製品中の一点の温度の,冷却の開始から終了までの時間の関数としての継続的な変化 

3.37 冷却速度 (cooling rate) 

冷却の間の時間の関数としての温度の変化 

備考 次の両者は区別される。 

− 特定の温度における瞬間的な速度 

− 規定された温度範囲にわたっての平均的な速度 

23 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.38 冷却方案 (cooling schedule) 

達成されなければならない規定の冷却関数 

3.39 冷却時間 (cooling time) 

冷却関数の二つの特性的な温度間の時間間隔 

備考 常にどんな温度であるかを正確に規定する必要がある。 

3.40 心部調質 (core refining) 

(浸炭製品)その第2段の焼入硬化処理は,母材の変態点の上から出発する二重焼入硬化処理 

3.41 臨界冷却関数 (critical cooling function) 

好ましくない組織の現れることを避けて,所定の変態を十分完了させるに必要な最低の冷却条件に対応

する冷却関数 

備考 この用語は,本来,マルテンサイト,ベイナイトなど,対象の変態を示すことによって使用す

べきである。 

3.42 臨界冷却速度 (critical cooling rate) 

臨界冷却関数に相当する冷却速度 

3.43 変態点 (critical points) 

特定の合金の変態温度 

3.44 塩浴浸炭窒化 (cyaniding) 

シアン化物を含有する溶融塩浴中で行われる浸炭窒化 

3.45 脱炭 (decarburization) 

鉄鋼製品の表面における炭素の欠乏 

備考 この欠乏は部分的(部分的脱炭)か,名目上完全な(完全脱炭)かのいずれかである。 

二つの形式の脱炭(部分的及び完全)の和は,全脱炭と呼ばれる(ISO 3887参照)。 

3.46 脱炭処理 (decarburization) 

鉄鋼製品の脱炭を意図した熱化学処理 

3.47 脱炭深さ (depth of decarburization) 

鉄鋼製品の表面と,炭素量の欠乏している層の厚さを特徴づける限界との距離 

備考 この限界は,脱炭の種類によって変わり,組織状態,硬さ水準又は変化しなかった母材の炭素

含量(ISO 3887参照)若しくはその他の規定の炭素含量によって規定される。 

3.48 焼入硬化層深さ (depth of hardening) 

鉄鋼製品の表面と焼入硬化の及ぶ範囲を特徴づける限界との距離 

備考 この限界は,組織状態又は硬度レベルから出発して規定してよい。 

3.49 窒化深さ (depth of nitriding) 

鉄鋼製品の表面と窒素の富化した層の厚さを特徴づける限界との間の距離 

有効浸炭深さ参照 

3.50 変態層深さ (depth of transformation) 

鉄鋼製品の表面からの焼入硬化の進展 

備考 変態深さは,一般には硬化の深さで測定される。 

3.51 残留オーステナイトの不安定化 (destabilization of retained austenite) 

焼戻しにおいて残留オーステナイトが以前には自発的には変態を起こさなかった温度領域でマルテンサ

イト変態を起こす現象 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.52 拡散処理 (diffusion treatment) 

鉄鋼表面に持ち込まれた元素(例えば,浸炭,ほう化又は窒化などによって)を鉄鋼製品の内部に向か

って拡散させることを意図して行う熱処理(又は操作) 

3.53 拡散域 (diffusion zone) 

熱化学処理の間に形成された表面層。その処理の間に持ち込まれた元素を固溶又は部分的に析出した状

態で含有している。 

備考1. これらの元素の含有量は中心に近づくにつれて連続的に消失する。 

2. 拡散域の析出物は窒化物,炭化物などである。 

3.54 直接焼入処理 (direct-hardening treatment) 

鉄鋼製品の直接焼入れによる硬化処理 

備考 一般的にはこの処理は浸炭後,及び必要に応じて,製品の硬化に最も適した温度まで冷却後に

行われる。 

3.54.1 ・・・・・ 

マルテンサイトの生成をもたらす直接焼入硬化処理 

3.54.2 ・・・・・ 

ベイナイトの生成をもたらす直接焼入硬化処理 

3.55 直接焼入れ (direct quenching) 

熱間圧延,成形又は熱化学処理に引き続いて直ちに行われる焼入れ 

3.56 変形 (distortion) 

熱処理で起こる鉄鋼製品の形状や寸法における変化 

3.57 二重焼入硬化処理 (double quench-hardening treatment) 

二重硬化(不適切) 

一般には異なる温度で実行される,二つの継続的な焼入硬化処理からなる熱処理 

備考 浸炭製品の場合には,最初の焼入硬化は直接焼入れによって得られ,二番目のものはより低温

で行われる。 

3.58 有効焼入硬化深さ (effective case depth) 

硬さレベルを規定限界とする窒化の深さ 

3.59 浸炭後の有効焼入硬化深さ (effective case depth after carburizing) 

鉄鋼製品の表面からビッカース硬さ550HVの位置までの距離 

ISO 2639参照 

備考 ISO 2639によれば, 

− この深さを測定するのに,あらかじめ協定によって通常の荷重とは異なる荷重を使用して

よい。この荷重は4.9Nから49Nの範囲にある。 

− 硬度の限界値を定義するのに,あらかじめの同意によって,スーパーフィッシャル・ロッ

クウエル試験を用いてよい。 

3.60 表面硬化後の有効焼入硬化深さ (effective case depth surface hardening) 

表面と,対象とする鉄鋼製品に要求される最低表面硬度の80%に等しいビッカース硬さ (HV) の位置と

の間の距離 

ISO 3754参照 

備考 ISO 3754は,また,次のことを指示している。 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− この深さを測るのに,あらかじめ同意によって,通常の荷重以外の荷重を用いてよい。こ

の荷重は4.9Nから49Nの間にある。 

− 限界硬度値を規定するのに,あらかじめ同意によって,スーパーフィッシャル・ロックウ

エル試験を用いてよい。 

3.61 吸熱性雰囲気 (endothermic atmosphere) 

吸熱反応によって生じ,鉄鋼製品の表面における炭素レベルを減少,増加,又は維持するために,熱処

理をしている鉄鋼製品の炭素含量と調和し得るカーボン・ポテンシャルをもつ炉内雰囲気 

3.62 均等化 (equalization) 

表面に要求される温度が断面全体にわたって得られるような鉄鋼製品の第2段の加熱 

3.63 当量直径 (equivalent diameter) 

同じ冷却条件で,対象とする鉄鋼製品に記録された最少の冷却速度に等しい冷却速度をその中心におい

てもつ同じ鋼の円柱の直径 (d) (長さ>3d) 

備考 ここで規定されている当量直径は,ISO 683-1における熱処理で決定されるものと同じではな

い。 

3.64 発熱性雰囲気 (exothermic atmosphere) 

発熱反応によって発生し,鉄鋼製品を酸化させないように制御された炉内雰囲気 

3.65 炎焼入れ (flame hardening) 

熱源が炎である表面硬化処理 

3.66 在炉時間 (floor-to-floor time) 

鉄鋼製品の炉内設置からその除去までの時間間隔 

3.67 完全焼なまし (full annealing) 

Ac3を超える温度における焼なまし 

3.68 結晶粒粗大化 (grain coarsening) 

Ac1をはるかに超える温度で結晶粒成長をもたらすに十分な時間行われる熱処理 

3.69 結晶粒微細化 (grain refining) 

鉄鋼製品の結晶粒を微細化し,結果的に起こる均一化を目的とした熱処理で,Ac3(過共析鋼においては

Ac1)をわずかに超える温度に加熱し,この温度に長く保持することなく,適切な速度で冷却することから

なる。 

3.70 黒鉛化 (graphitization) 

黒鉛の形での炭素の析出 

3.71 黒鉛化処理 (graphitizing) 

黒鉛化を起こさせるために過共晶鋳鉄に適用される熱処理 

3.72 焼入性 (hardenability) 

鋼がマルテンサイト又はベイナイトへ変態をしやすいことを表す性能 

備考 焼入性は,通常ジョミニー曲線のような焼入れによって得られる硬化と焼入表面からの距離と

の関係で特徴づけられる。 

3.73 焼入温度 (hardening temperature) 

硬化し得る鉄鋼製品の焼入温度 

3.74 熱処理 (heat treatment) 

固体の鉄鋼製品が全体として又は部分的に熱サイクルにさらされ,その性質及び/又は組織に変化を来

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

すような一連の操作 

備考 鉄鋼製品の化学成分がこの操作の間に変化させられることもある(熱化学処理 参照)。 

3.75 加熱 (heating) 

鉄鋼製品の温度を増加すること 

備考 この温度上昇は一つ以上の段階を経て行われてよい。 

3.76 加熱曲線 (heating curve) 

加熱関数の図式表示 

3.77 加熱関数 (heating function) 

加熱の開始から温度上昇の終了まで,加熱の間の時間の関数として,対象とする鉄鋼製品内の一点の温

度の引き続いての変化 

3.78 加熱速度 (heating rate) 

加熱の間,時間の関数としての温度の変化 

備考 次の両者は区別される。 

− 特定の温度に対応する瞬間的な速度 

− 規定された温度区間にわたる平均速度 

3.79 加熱方案 (heating schedule) 

達成されなければならない規定の加熱関数 

3.80 加熱時間 (heating time) 

加熱関数の特定の特性温度を分ける時間間隔 

備考 常に,温度について正確に規定することが必要である。 

3.81 昇温時間 (heating-up time) 

鉄鋼製品の所定の位置における,規定された異なる温度に達するのに必要な時間 

3.82 均質化 (homogenizing) 

偏析現象による不均一性を,拡散によって低減させることを意図した高温の長時間焼なまし 

3.83 衝撃焼入れ (impulse hardening) 

インパルス加熱法による硬化処理 

備考 通常,この硬化は,自己焼入れの結果としてもたらされる。 

3.84 衝撃加熱 (impulse heating) 

温度の局部的な上昇をもたらす,短時間の反復する爆発的なエネルギーによる加熱方法 

備考 種々のエネルギー源が使用できる,例えば,コンデンサー放電,レーザー,電子ビームなど。 

3.85 高周波焼入れ (induction hardening) 

加熱が誘導によって行われる表面硬化処理 

3.86 変態域内焼なまし (inter-critical annealing) 

Ac1とAc3との間の温度での焼なまし 

3.87 変態域内処理 (inter-critical treatment) 

Ac1とAc3との間の温度へ加熱,保持し,その後,必要な特性に適応した冷却を行う亜共析鋼の処理 

3.88 内部酸化 (internal oxidation) 

表面から拡散した酸素によって形成された分散酸化物の,多少とも,内部へ向かっての析出 

3.89 中断焼入れ (interrupted quenching) 

媒体中で急冷し,鉄鋼製品が焼入媒体との熱的平衡に達する前に中断する焼入れ 

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G 0201 : 2000 

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備考 この用語は,階段焼入れを表すのに用いない方がよい。 

3.90 イソフォーム (isoforming) 

オーステナイトがパーライト変態する間に塑性変形を行うことからなる加工熱処理 

3.91 等温焼なまし (isothermal annealing) 

オーステナイト化後冷却し,オーステナイトからフェライト,パーライト又はセメンタイト,パーライ

トへの変態が完結するような温度に,その時間均熱することによって冷却を中断する焼なまし 

3.92 ジョミニー試験 (Jominy test) 

鋼の試験片をオーステナイト化し,その一端に向けた水ジェットで,焼き入れることからなる標準化さ

れた試験 

備考 焼入端からの距離による硬さの変化(ジョミニー曲線)は鋼の焼入性を特性化する (ISO 642)。 

3.93 限界支配断面 (limiting ruling section) 

与えられた熱処理によって規定された性質が得られる鋼材の最大直径又は厚さ 

3.94 部分焼入れ (local hardening) 

鉄鋼製品の一部分に限って行われる焼入硬化 

3.95 可鍛化 (malleablizing) 

脱炭又はセメンタイトの黒鉛化によって可鍛鋳鉄(4.53参照)の組織を得ることを意図して,白鋳鉄に

行われる熱処理 

3.96 マルエージ (maraging) 

鋼に要求される機械的性質を与えるために,非常に低い炭素量のため軟らかいマルテンサイトを生じる

鋼に対して,固溶化熱処理に引き続いて行われる析出硬化処理 

3.97 マルテンパ (martempering) 

オーステナイト化後階段焼入れを行う熱処理。この階段焼入れはMsの直上の温度にフェライト,パー

ライト又はベイナイトの生成を避けるのに十分な速度で焼入れ後,均一な温度で,しかも,ベイナイトの

生成を避ける上で十分に短い時間保持する熱処理 

備考 その間にマルテンサイトが実際上全断面にわたって形成される。最終の冷却は,一般に空気中

で行われる。 

3.98 最高到達硬さ (maximum achievable hardness) 

理想的な条件下で焼入硬化によって鉄鋼製品に与え得る硬さの最高値 

3.99 媒体 (medium) 

熱処理操作の間に鉄鋼製品が置かれる環境 

備考 媒体は,固体,液体,気体のいずれでもあり得る。その熱容量的な性質によって(加熱媒体,

冷却媒体など),その化学的性質によって(酸化剤,脱炭剤など),重要な役割を演ずる気体媒

体はしばしば“雰囲気”という用語によって表される。 

3.100 窒化 (nitriding) 

窒素の表面富化を生じるように鉄鋼製品に適用される熱化学処理 

オキシ窒化 参照 

備考 窒化の行われる媒体を規定すること,例えば,気体,プラズマなど。 

3.101 炭窒化 (nitrocarburizing) 

ソフトナイトライディング(不適切) 

窒素及び炭素を表面富化させ,ひいては化合物層を作らせるために鉄鋼製品に適用される熱化学処理 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. この化合物層の下には窒素の富化した拡散域が存在する。 

2. 炭窒化の行われる媒体は指定されなければならない。例えば,塩浴,ガス,プラズマなど。 

3.102 焼ならし (normalizing) 

オーステナイト化後空冷する熱処理 

3.103 焼ならし加工 (normalizing forming) 

最終の変形を特定の温度範囲で行い,焼ならしで得られるのと等しい規定された機械的性質をもつ材料

を得る加工工程 

3.104 操作 (operation) 

熱処理のサイクル内の各要素的な行動 

3.105 過浸炭 (overcarburizing) 

表面の炭素量が規定の水準を超える浸炭 

備考 英語では,この用語はまた過剰な硬化層深さを表す。 

3.106 過熱及び過均熱 (overheating and oversoaking) 

過剰な結晶粒成長を生じるような,ある期間,温度条件下にさらされる加熱 

備考 過熱は温度効果,過均熱は時間効果によるものとして,区別することができる。加熱及び過均

熱された鉄鋼製品は,製品の性格に応じて,適切な熱処理又は熱間加工によって再処理しても

よい。 

3.107 酸窒化 (oxynitriding) 

ある量の酸素が添加された媒体中で行われる窒化 

3.108 パテンチング (patenting) 

オーステナイト化後,引き続いて行われる線引き又は圧延に適した組織を得るために,適切な条件下で

冷却する熱処理 

備考 例えば,空気,鉛浴など,パテンチングの行われる媒体を規定することが望ましい。 

3.108.1 連続パテンチング (continuous patenting) 

結束していない製品の加熱,冷却の操作が連続的に行われるときに適用されるパテンチング 

3.108.2 バッチパテンチング (batch patenting) 

製品が熱処理の間,コイル又は結束の形態に留まっているときに適用されるパテンチング 

3.109 プラズマ窒化 (plasma nitriding) 

グロー放電窒化(交替) 

イオン窒化(交替) 

媒体がプラズマである窒化 

3.110 析出硬化 (precipitation hardening) 

過飽和固溶体からの1種以上の化合物の析出による鉄鋼製品の硬化 

3.111 析出硬化処理 (precipitation hardening treatment) 

固溶化熱処理後,時効処理からなる熱処理 

3.112 予熱 (preheating) 

鉄鋼製品を,初めと最高温度との中間の一点以上に温度に昇温し,そこにある時間保持することからな

る操作 

3.113 焼入硬化層 (quench-hardened layer) 

鉄鋼製品の焼入れによって硬化した表面層,その厚さは一般に焼入硬化の深さによって定義される。 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.114 焼入硬化 (quench hardening) 

オーステナイト化後,マルテンサイト又はベイナイトに変態するような条件下での冷却によって得られ

る鉄鋼製品の硬化 

3.115 焼入硬化処理 (quench-hardening treatment) 

焼入硬化の目的をもった熱処理で,オーステナイト化後,オーステナイトが多かれ少なかれ完全にマル

テンサイト又はベイナイトに変態するような条件で冷却することからなる。 

3.116 焼入れ (quenching) 

鉄鋼製品を静止空気中よりもより迅速に冷却することからなる操作 

備考 冷却条件を規定する用語の使用が推奨される。例えば,衝風空冷,水焼入れ,階段焼入れなど。 

3.117 焼入冷却能 (quenching capacity) 

焼入れに用いる冷却剤の冷却能力 

備考 この焼入冷却能は,急冷度で表すことがあるが,定義はいまだ確立していない係数である。 

3.118 焼入温度 (quenching temperature) 

焼入れが開始される温度 

硬化温度 参照 

3.119 回復熱処理 (recovery) 

冷間加工された鉄鋼製品の物理的又は機械的性質の少なくとも一部を,その組織に明らかな変化を来す

ことなしに,回復させる意図をもった熱処理 

備考 この処理は,再結晶の温度よりも低温で行われる。 

3.120 再結晶熱処理 (recrystallizing) 

冷間加工された金属内で,相の変化なしに,核生成及び成長によって新しい結晶粒が発達することを意

図した熱処理 

3.121 二次硬化 (secondary hardening) 

焼入硬化後に加えられた一つ以上の焼戻処理によって得られる鉄鋼製品の硬化 

備考 この硬化は,残留オーステナイトからの化合物の析出,マルテンサイト又はベイナイトの生成

によるもので,焼戻しの間の分解,又はこの焼戻しで不安定化された後の冷却によって変態し

たものである。 

3.122 自己焼入れ (self-quenching) 

加熱されていない部分への熱移動によって,部分的に加熱された鉄鋼製品が焼入れされる現象 

3.123 シェラダイジング (sherardizing) 

亜鉛の表面富化を得るために鉄鋼製品に加えられる熱化学処理 

3.124 シリコナイジング (siliconizing) 

けい素の表面富化を得るために鉄鋼製品に加えられる熱化学処理 

3.125 単一焼入硬化処理 (single quench-hardening treatment) 

浸炭後,常温への遅い冷却の単一段階で行われる硬化処理 

備考 この処理の後に等温焼なましを行う場合には,等温変態の附属した単一焼入硬化と呼ばれる。 

3.126 均熱 (soaking) 

温度が一定に保たれる熱サイクルの部分 

備考 当該温度が,例えば,炉のものか,製品の表面か,製品の全断面についてのものか,又は製品

のその他の特定点を指すのかを,規定する必要がある。 

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G 0201 : 2000 

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3.127 軟化 (softening) 

軟化焼なまし 

鉄鋼製品の硬さを与えられた水準まで低下させる目的をもった熱処理 

3.128 固溶化焼なまし (solution annealing) 

オーステナイト系鋼に適用される熱処理で,高温に加熱した後常温にもちこしたとき,均一なオーステ

ナイトの組織を維持しているように,十分急速に冷却することからなる。 

3.129 固溶化熱処理 (solution treatment) 

以前に析出している構成物を,固溶体中に溶け込ませるための熱処理 

3.130 球状化 (spheroidizing) 

セメンタイト板のような炭化物粒子を,安定な球状の形態へ向かって幾何学的に発達させること 

3.131 球状化処理 (spheroidizing) 

析出した炭化物の球状化をもたらすために,一般にAc1温度の近辺で長く均熱する,又はこの温度の周

辺を振らすことのかかわる焼ならし 

析出物の凝集(4.12)参照 

3.132 残留オーステナイトの安定化 (stabilization of retained austenite) 

常温から低温への冷却の間,残留オーステナイトのマルテンサイトへの変態の可能性を減少又は阻止す

る現象 

備考 この安定化は焼入れ後,低温焼戻し又は常温での保持の間に起こる。 

3.133 安定化熱処理 (stabilizing) 

その後の時間経過による寸法,又は組織の変化を防ぐことを意図した鉄鋼製品の熱処理 

備考 一般にこの処理は,後日好ましくないような変化をもたらす。 

3.134 安定化焼なまし (stabilizing annealing) 

化合物,例えば,安定化オーステナイト系ステンレス鋼における炭化物の析出又は球状化をする目的で,

850℃近辺で行う焼なまし 

3.135 水蒸気処理 (steam treatment) 

過熱水蒸気中で行われるブルーイング 

3.136 階段焼入れ (step quenching) 

適切な温度において媒体中で均熱することによって一時的に冷却が中断される焼入れ 

備考 この用語は,中断焼入れを表すのには用いない方がよい。 

3.137 応力除去焼なまし (stress relief tempering) 

硬度を大きく減少させることなしに,炭化物析出による固有の応力を低下させるために,完全な又は部

分的なマルテンサイト組織に対して一般に200℃よりも低い温度で行われる焼戻し 

3.138 応力除去 (stress reliving) 

本質的に組織を変えることなく,内部応力を減らすために,適切な温度へ加熱又は均熱した後,適切な

速度で冷却する熱処理 

3.139 変態点下焼なまし (sub-critical annealing) 

Ac1よりもわずかに低い温度での焼なまし 

3.140 サブゼロ処理 (sub-zero treating) 

深冷処理 

焼入れ後,残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行う熱処理で,常温よりも低い温

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

度へ冷却し,その温度で均熱する熱処理 

3.141 サルファダイジング (sulfidizing) 

化合物層に硫黄を自発的に添加した軟窒化 

3.142 表面硬化処理 (surface-hardening treatment) 

表面加熱後の焼入硬化処理 

備考 加熱方法を規定することが有益である,例えば,炎,誘導,電子ビーム,レーザービームなど。 

3.143 焼戻しぜい性 (temper embrittlement) 

特定の温度で均熱,又はこれらの温度を徐冷するとき,特定の焼入焼戻鋼に影響を及ぼすぜい性 

備考 このぜい性は,母材金属の衝撃強度についての遷移曲線を高温側へ移動させることによって現

れる。550℃を超える温度へ再加熱し急冷することによって消滅する。 

3.143.1 不可逆的焼戻ぜい性 (irreversible temper embrittlement) 

青熱ぜい性 

300℃程度の温度の焼戻ぜい性 

3.143.2 可逆的焼戻ぜい性 (reversible temper embrittlement) 

ほぼ450℃から550℃の間の温度での焼戻ぜい性 

3.144 焼戻し (tempering) 

一般に焼入硬化後,又は所要の性質を得るための熱処理後に,特定の温度(Ac1未満)で,1回以上均熱

した後,適切な速度で冷却することからなる熱処理 

備考 焼戻しは,一般に硬さの低下をもたらす。しかし,硬度上昇を起こす場合もある(二次硬化 参

照)。 

3.145 焼戻曲線 (tempering curve) 

焼戻状態図 

特定の焼戻時間について機械的性質と焼戻温度との関係を図式に表示したもの 

3.146 熱き裂 (thermal crack) 

加熱又は冷却によって,直ちに又は遅れをもって鉄鋼製品に生じるき裂 

備考 一般に,き裂という用語は,加熱割れ,焼割れなど,き裂の現れる条件を示すことによって分

類されている。 

3.147 熱サイクル (thermal cycle) 

熱処理の間,時間の関数としての温度変化 

3.148 熱化学処理 (thermochemical treatmem) 

媒体との交換によって母材の化学組成に変化を生じるように適切な媒体中で行われる熱処理 

3.149 加工熱処理 (thermomechanical treatment) 

最終の加工がある温度範囲で行われ,熱処理だけでは繰り返して得られない特定の性質をもつ材料状態

を生じさせる加工工程 

3.150 全断面焼入硬化 (thermomechanical treatment) 

硬化深さが,中心と表面間との距離よりも小さくないような焼入硬化 

3.151 時間・温度・変態図 (time-temperature-transformation diagram) 

各温度におけるオーステナイトの等温変態の開始及び終了を図示した一群の曲線。縦軸に温度,横軸に

時間(対数目盛)をとって表す。 

TTT図 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. オーステナイトの変態割合が50%に達する点を補足的な曲線で示す。 

2. 図中には生成する変態生成物及び硬さについての情報も併せて示す。 

3.152 変態温度 (transformation temperature) 

相変化の起こる温度で,変態が温度範囲にわたって起こるときは,変態が開始し,終了する温度 

備考 鋼については,次のような主要な変態温度が区別される。 

Ae1 

オーステナイトの存在下限を定義する平衡温度 

Ae3 

フェライトの存在上限を定義する平衡温度 

Aem 

過共析鋼においてセメンタイト存在上限を定義する温度 

Ac1 

加熱時,オーステナイトが生成し始める温度 

Ac3 

加熱時,フェライトがオーステナイトへの変態を完了する温度 

Acm 

加熱時,過共析鋼中のセメンタイトが完全に溶解する温度 

Ar1 

冷却時,オーステナイトがフェライト又はフェライト,セメンタイトへの変態を完了す

る温度 

Ar3 

冷却時,フェライト変態が始まる温度 

Arm 

過共析鋼において,オーステナイトの冷却の間,セメンタイトが生じ始める温度 

Ms 

冷却の間にオーステナイトがマルテンサイトに変態し始める温度 

Mf 

冷却の間に,オーステナイトがほとんど完全にマルテンサイトに変態した温度 

Mx 

冷却の間に,オーステナイトのX%がマルテンサイトに変態した温度 

3.153 二段窒化 (two-stage nitriding) 

化合物層の厚さを減少させるために,窒化の条件(温度及び/又はガス組成)に少なくとも1回の変更

を行う窒化 

3.154 バナダイジング (vanadizing) 

表面にバナジウムの富化を生じさせるために適用される熱化学処理 

3.155 ・・・・・ 

熱衝撃を和らげるために低温において行われる予熱 

3.156 ・・・・・ 

窒素の富化を制限するために,塩浴又はプラズマ中で,比較的低い温度で行われる窒化 

4. 補足 

4.1 

針状組織 (acicular structure) 

金属組織観察断面において,組織の構成物が針の形に見える組織 

4.2 

時効 (ageing) 

常温又はその近辺で起こるところの,浸入型元素の移動による鉄鋼製品の性質の変化をもたらす現象 

4.3 

空冷硬化鋼 (air-hardening steel) 

自硬性鋼(廃語) 

空気中における冷却で,かなりの大きさの物体にマルテンサイト組織を与えるような焼入性の鋼 

4.4 

合金 (alloy) 

液体状態では全体として可溶で,金属に固溶するか,又は化合物を形成する1種以上の元素及び金属か

らなるもの。 

4.5 

α鉄 (alpha iron) 

33 

G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

911℃よりも低い温度での純鉄の安定な状態 

備考1. その結晶構造は体心立方である。 

2. 768℃(キュリー点)よりも低い温度では強磁性である。 

4.6 

オーステナイト (austenite) 

1種以上の元素を含むγ鉄固溶体(4.21) 

4.7 

オーステナイト鋼 (austenitic steel) 

固溶化熱処理後,常温においてその組織がオーステナイト系である鋼 

備考 鋳造オーステナイト鋼は,フェライトを約20%まで含み得る。 

4.8 

ベイナイト (bainite) 

パーライトが形成される温度と,マルテンサイトが形成され始める温度との間の温度間隔で起こるオー

ステナイトの分解によって形成される準安定構成物で,炭素が炭化物の形を取って微細に析出している過

飽和のフェライトからなる。 

備考 一般に,次は区別される。 

− 上記の温度間隔の高温で形成される上部ベイナイト 

− 上記の温度間隔の低温で形成される下部ベイナイト 

4.9 

しま状組織 (banded structure) 

顕微鏡観察断面に現れる熱間加工の方向に平行なしま状に観察される組織 

備考 熱間加工時にしま状に存在した偏析帯とその他の部分の変態相が異なるためにしま状に観察さ

れる。 

4.10 鋳鉄 (cast iron) 

炭素含量が2%以上の,本質的には鉄である製品 

備考 多量の炭化物形成元素が存在するとき炭素含量の下限は変化する。 

4.11 セメンタイト (cementite) 

Fe3Cの化学式で示される鉄炭化物 

4.12 析出物の凝集 (coalescence of precipitate) 

小さい方(消滅する)から大きい粒子(大きさにおいて成長)へと構成元素のマトリックス中での拡散

による析出物粒子の幾何学的変化 

備考 この用語は,球状化と同義語と考えてはならない。 

4.13 構成成分 (constituent) 

組織の金相的観察に際して独立の個性として現れる単一相又は相の混合物 

4.14 臨界直径 (criticai diameter) 

与えられた条件下での焼入れによって,その中心部において50%マルテンサイト組織をもつ長さ3d以

上の丸棒の直径 

4.15 結晶性 (crystallinity) 

認め得るような塑性変形又は引き裂きを生じないような条件下での,試験片の破断によって生じる結晶

粒 

4.16 デルタ (δ) 鉄 (delta iron) 

1 392℃から融点までの温度範囲での純鉄の安定な状態 

備考1. その結晶構造は,体心立方で,α鉄と同じである。 

2. 常磁性である。 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.17 イプシロン炭化物 (epsilon carbide) 

概略Fe2-4Cの化学式をもつ鉄の炭化物 

4.18 共析変態 (eutectoid transformation) 

一定の温度で起こるオーステナイトのパーライトへの可逆的な変態 

4.19 フェライト (ferrite) 

1種以上の元素を含むα鉄(4.5)又はδ鉄(4.16)固溶体 

4.20 フェライト鋼 (ferritic steel) 

固体状態にあるすべての温度においてフェライト状態が安定である鋼 

4.21 ガンマ (γ) 鉄 (gamma iron) 

911℃から1 392℃までの温度範囲での純鉄の安定な状態 

備考1. その結晶構造は,面心立方である。 

2. 常磁性である。 

4.22 結晶粒 (grain) 

多結晶構造における要素となる結晶 

4.23 結晶粒界 (grain boundary) 

異なる結晶方位をもつ二つの結晶粒を分ける境界 

4.24 結晶粒成長 (grain growth) 

Ac3をはるかに超える温度へ加熱することによる結晶粒の大きさの増加 

4.25 結晶粒の大きさ (grain size) 

顕微鏡観察断面に現出された結晶粒の大きさ 

ISO 643参照 

備考 例えば,オーステナイト,フェライトなど,結晶粒の性格を規定するのがよい。 

4.26 黒鉛鋼 (graphitic steel) 

炭素量の一部を意図的に黒鉛として析出させている組織をもつ鋼 

4.27 過共析鋼 (hypereutectoid steel) 

共析組成以上の炭素を含有する鋼 

4.28 亜共析鋼 (hypoeutectoid steel) 

共析組成よりも低い炭素量を含有する鋼 

4.29 金属間化合物 (intermatallic compound) 

2種以上の金属からなり,その純金属及びこれらの固溶体とは異なる物理的性質及び結晶構造をもつ化

合物 

4.30 レーデブライト (ledeburite) 

共晶変態の結果得られ,オーステナイト及びセメンタイトからなる鉄/炭素合金の組織 

4.31 レー デブライト鋼 (ledeburite steel) 

その組織がレーデブライトからなる鋼 

4.32 低荷重硬さ (low-load hardness) 

1.96Nから49.1Nの荷重で測定した硬さ 

4.33 マッケイドエーンの結晶粒の大きさ (McQuaid-Ehn grain size) 

浸炭の間に形成され,標準的な試験条件で測定されたオーステナイト結晶粒の大きさ 

備考 この指標は,浸炭された鋼についてだけ有効 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.34 マルエージ鋼 (maraging steel) 

その特有の性質がマルエージ処理によって得られ得る鋼 

4.35 マルテンサイト (martensite) 

体心立方組織をもつ準安定固溶体 

備考 オーステナイトの無拡散機構による変態によって形成される。 

4.36 質量効果 (mass effect) 

その冷却挙動に及ぼす物の大きさの効果 

4.37 準安定 (metastable) 

平衡状態図によって定義される条件から外れた見掛け上安定な状態 

4.38 微小硬さ (microhardness) 

1.96Nよりも小さい荷重で測定した硬さ 

4.39 窒素濃度の変化推移 (nitrogen profile) 

表面からの距離の関数としての窒素含量 

4.40 母相 (parent phase) 

1種以上の新しい相を生む相 

4.41 パーライト (pearlite) 

オーステナイトの共析分解によって形成されるフェライトとセメンタイトの層状集合体 

4.42 相 (phase) 

系の組織的に均一な成分 

備考 鉄鋼の相は,例えば,フェライト,オーステナイト,セメンタイトなどである。 

4.43 初析構成成分 (proeutectoid constituent) 

共析変態に先立ってオーステナイトの分解によって形成される構成成分 

備考 亜共析鋼の場合,初析構成成分はフェライトであり,過共析鋼ではセメンタイトである。 

4.44 復熱 (recalescence) 

冷却の間,オーステナイトの変態に伴う熱の放出による温度上昇 

4.45 残留オーステナイト (retained austenite) 

焼入硬化後,常温において残留する未変態オーステナイト 

4.46 二次マルテンサイト (secondary martensite) 

二次硬化の間に形成されるマルテンサイト 

4.47 鋭敏化 (sensitization) 

炭化物の粒界への析出によって,粒界腐食に対するステンレス鋼の感受性の増加 

備考 粒界腐食に対する抵抗を研究するために,鋭敏化処理が用いられる(ISO 3651参照)。 

4.48 固溶体 (solid solution) 

2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相 

備考 溶質原子が溶媒原子を置換している置換型固溶体及び溶質原子が溶媒の原子間に挿入されてい

る置換型固溶体に区別されている。 

4.49 鋼 (steel) 

その主要元素は鉄で,炭素量は2%を超えない製品 

備考1. 多量の炭化物形成元素が存在するときは,炭素量の上限は変わり得る。 

2. 熱処理に適する非合金鋼及び合金鋼についての用語は,ISO 4948-1及びISO 4948-2に定義さ

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

れている。 

4.50 変態領域 (transformation range) 

変態範囲 

相変化が行われる温度区間 

4.51 ウイドマンステッテン組織 (Widmannstaetten structure) 

母相固溶体の特定の結晶面に沿う新しい相の形成によってもたらされる組織 

備考 亜共析鋼の場合,顕微鏡観察断面において,それはパーライトを背景とした針状フェライト組

織として現れる場合が多い。過共析鋼の場合には,針状組織はセメンタイトからなる。 

4.52 ・・・・・ 

化学式は (Fe, M) 3Cで,MnやCrなどの合金元素が部分的にFeを置換したセメンタイト 

4.53 ・・・・・ 

可鍛化による白鋳鉄の変態によってもたらされる組織 

4.53.1 ・・・・・ 

脱炭によって得られる可鍛鋳鉄 

4.53.2 ・・・・・ 

黒鉛化によって得られる可鍛鋳鉄 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図1 種々の表面硬化処理における可能な熱サイクルの図式表示 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図2 オーステナイト化における加熱の図式表示 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(参考) 参考文献 

序文 この附属書2(参考)は,1996年に第1版として発行されたISO 4885, Ferrous products−Heat treatments

−VocabularyのAnnex Aを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規

格である。 

なお,この附属書2(参考)は,附属書1の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

[1] ISO 642 : 1979, Steel−Hardenability test by end quenching (Jominy test) 

[2] ISO 683-1 : 1987, Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 1 : Direct-hardening unalloyed 

and low-alloyed wrought steel in form of different black products 

[3] ISO 3651-2 : 1976, Austenitic stainless steels−Determination of resistance to intergranular corrosion−Part 2 : 

Corrosion test in a sulphuric acid/copper sulphate medium in the presence of copper turnings (Monypenny 

Strauss test) 

[4] ISO 3887 : 1976, Steel, non-alloy and low-alloy−Determination of depth of decarburization 

[5] ISO 4948-1 : 1982, Steels−Classification−Part 1 : Classification of steels into unalloyed and alloy steels 

based on chemical composition 

[6] ISO 4948-2 : 1981, Steels−Classification−Part 2 : Classification of unalloyed and alloy steels according to 

main quality classes and main property or application characteristics 

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G 0201 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS G 0201 [鉄鋼用語(熱処理)] 改正原案作成専門委員会WG 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

小 倉 卓 雄  

株式会社エニコムシステム東京 

(委員) 

大 浦 基 弘 

元ISO/TC17 Secretary 

松 田 邦 男 

川崎製鉄株式会社技術総括部 

武 藤 伸 久 

株式会社神戸製鋼所 

宮 本 一 郎 

神鋼リサーチ株式会社品質経営コンサルティング部 

藤 岡 政 昭 

新日本製鐵株式会社技術開発本部 

福 永   規 

住友金属工業株式会社技術部 

松 永 健 吉 

大同特殊鋼株式会社技術企画部 

内 藤 武 志 

社団法人日本熱処理技術協会(同和鉱業株式会社サーモテック事業本部) 

西 本 照 夫 

NKK鉄鋼技術総括部 

前 原 郷 治 

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局 

(幹事) 

桃 木 明 和 

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局 

JIS G 0201 [鉄鋼用語(熱処理)] 改正原案作成専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

佐久間 健 人 

東京大学工学部 

(委員) 

小 倉 卓 雄 

株式会社エニコムシステム東京 

大 浦 基 弘 

元ISO/TC17 Secretary 

板 谷 憲 次 

通産産業省基礎産業局鉄鋼課 

八 田   勲 

通産産業省工業技術院標準部 

林     央 

理化学研究所素形材工学研究室 

馬 木 秀 雄 

社団法人火力原子力発電技術協会(石川島播磨重工業株式会社豊洲総合事務所) 

金 沢   孝 

社団法人日本自動車工業会(いすゞ自動車株式会社材料開発部) 

井 上 一 朗 

社団法人日本建築学会(京都大学) 

松 田 邦 男 

川崎製鉄株式会社技術総括部 

岡 井 遼 二 

社団法人高圧ガス保安協会機器検査事業部 

武 藤 伸 久 

株式会社神戸製鋼所 

小 峰 武 夫 

日本工具工業会(コベルコツールエンジニアリング株式会社) 

宮 本 一 郎 

神鋼リサーチ株式会社品質経営コンサルティング部 

藤 岡 政 昭 

新日本製鐵株式会社技術開発本部 

池 原 康 允 

ステンレス協会開発事業部 

福 永   規 

住友金属工業株式会社技術部 

富 沢 精 治 

線材製品協会(鈴木金属工業株式会社品質保証部) 

松 永 健 吉 

大同特殊鋼株式会社技術企画部 

大 山 康 郎 

鉄管継手協会 

内 藤 武 志 

社団法人日本熱処理技術協会(同和鉱業株式会社サーモテック事業本部) 

山 田 健太郎 

社団法人土木学会(名古屋大学工学部) 

北 田 博 重 

財団法人日本海事協会材料艤装部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

西 本 照 夫 

NKK鉄鋼技術総括部 

本 野 光 彦 

社団法人日本水道協会工務部 

新 川   要 

日本パーカライジング株式会社加工事業本部 

遠 藤 高 雄 

日本磨棒鋼工業組合(松菱金属工業株式会社技術部) 

川 原 雄 三 

日本機械工業連合会(三菱重工業株式会社) 

前 原 郷 治 

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局 

(事務局) 

桃 木 明 和 

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局 

(文責 小倉卓雄)