2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8841-1997
船用防水形小形スイッチ
Shipbuilding−Watertight type small switches
1. 適用範囲 この規格は,船で定格電圧250V以下の電灯及び小形電気器具の回路に使用する防水形の
小形スイッチ(以下,スイッチという。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 0601 電気装置のとっての操作と状態の表示
JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類
JIS F 0701 船用電気器具のプラスチック選定基準
JIS F 0808 船用電気器具環境試験通則
JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則
JIS F 8007 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則
JIS F 8801 船用電線貫通金物−箱用
JIS F 8840 船用非防水形小形スイッチ
JIS F 8845 船用回転スイッチ
JIS H 8601 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜
JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示
2. 種類 スイッチの種類は,形式,極数,定格電圧及び定格電流によって表1のとおりとする。
表1 種類
形式
極数
定格電圧 V
定格電流 A
外被の保護形式
直流
交流
1形,1M形
2
125
5
10
IP56
250
2
5
2形,2M形
125
10
20
250
5
10
3形,3M形
250
−
15,16
備考1. 形式の数字のあとのMは,箱体,ふた及びハンドルが合成樹脂のものを
示す。
2. 定格電圧及び定格電流は,二重定格とする。ただし,3形及び3M形は
除く。
3. 形式の“形”の字は,省略してもよい。
4. 外被の保護形式は,JIS F 8007による。
3. 性能 スイッチは,次の諸性能を備えたものでなければならない。
(1) 耐振性 スイッチは,JIS F 8006で規定するA1−B1・0.5級・1.5Hの振動に耐えること。
2
F 8841-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 外被の保護性能 スイッチは,表1に規定する外被の保護形式に対応し,JIS F 8007に規定する性能
を満足すること。
(3) 動作性 スイッチを正規の状態に取り付け,無通電でハンドルを1 000回動作させたとき,各部に異
状がないこと。ただし,回数は,“入り”,“切り”をもって1回とする。
(4) 温度上昇 スイッチに定格電流を通電し,各部の温度が飽和点に達したとき,各部の温度上昇値は,
25℃以下であること。ただし,基準周囲温度の限度は,45℃とする。
(5) 絶縁抵抗 1形,2形及び3形スイッチは,JIS F 0808の4.17の試験電圧500V,絶縁抵抗20MΩの性
能を満足すること。
(6) 耐電圧 1形,2形及び3形のスイッチは,JIS F 0808の4.16の試験電圧1 500Vの性能を満足するこ
と。
4. 構造,形状及び寸法 スイッチの構造,形状及び寸法は,付図1及び付図2によるほか,次による。
(1) 内部スイッチは,次による。
(a) JIS F 8840の規定によるか又はこれと同等以上の性能のものとする。ただし,内部スイッチのふた
を付けない場合は,スイッチの入り切りによるアークによって地絡,短絡のおそれのあるときは,
十分な絶縁距離をとるか,又は不燃性絶縁物で遮へいする。
(b) JIS F 8845及びJIS C 8304の規定によるほかこれらと同等以上の性能のものとする。
(2) 電線貫通金物及び箱体が合成樹脂の場合の締付グランド,座金及びガスケットは,JIS F 8801の規定
による。
(3) スイッチには,見やすいところに容易に消えない方法で,JIS C 0601の規定によって,入り,切りの
状態を表示する。
なお,ハンドル機構は回転形で,内部スイッチの機能を損なわないものとする。
(4) 裸充電部と大地との間の絶縁距離は,6mm以上とする。
(5) 1形,2形及び3形のスイッチは,接地端子を設けるか確実に接地できる構造としなければならない。
(6) 箱体,ふた及びハンドルが金属の場合には,容易に腐食又はさびを生じないように塗装又はめっきを
施す。ただし,耐食性のアルミニウム合金を使用する場合は,JIS H 8601による陽極酸化皮膜を施す。
なお,耐食性のアルミニウム合金と異種金属とが接触する箇所には,有効な電食防止処理を施す。
(7) 塗装色は,JIS Z 8721の7.5BG7/2とするのがよい。ただし,箱体,ふた及びハンドルが合成樹脂の場
合は,塗装を施さなくてもよい。
5. 材料 スイッチの材料は,付図1及び付図2による。
6. 検査
6.1
検査項目及び順序 スイッチの検査は,次の項目及び順序によって同一製品について行う。ただし,
※印が付けてある検査項目は,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降のもの
は省略することができる。
なお,(6)及び(7)の検査は,1形,2形及び3形だけに適用する。
(1) 構造及び材料検査
※(2)
振動検査
(3) 外被の保護性能検査
3
F 8841-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
※(a) 外来物・感電に対する保護性能検査
(b)
液体に対する保護性能検査
※(4)
動作検査
※(5)
温度検査
(6) 絶縁抵抗検査
(7) 耐電圧検査
6.2
構造及び材料検査 構造及び材料検査は,構造,形状,寸法及び材料について行い,4.及び5.の規定
に適合しなければならない。
6.3
振動検査 振動検査は,JIS F 8006によって行い,3.(1)の規定に適合しなければならない。
6.4
外被の保護性能検査 外被の保護性能検査は,次による。
(a) 外来物・感電に対する保護性能検査 外来物・感電に対する保護性能検査は,JIS F 8007によって行
い,IP5Xの性能を満足すること。
(b) 液体に対する保護性能検査 液体に対する保護性能検査は,JIS F 8007によって行い,IPX6の性能を
満足すること。
6.5
動作検査 動作検査は,3.(3)の規定によって行い,それに適合しなければならない。
6.6
温度検査 温度検査は,3.(4)の規定によって行い,それに適合しなければならない。
6.7
絶縁抵抗検査 絶縁抵抗検査は,JIS F 0808の4.17の規定によって行い,3.(5)の規定に適合しなけ
ればならない。ただし,厳しさは,試験電圧500Vとする。
6.8
耐電圧検査 耐電圧検査は,JIS F 0808の4.16の規定によって行い,3.(6)の規定に適合しなければ
ならない。ただし,厳しさは,試験電圧1 500Vとする。
7. 製品の呼び方 スイッチの呼び方は,規格の名称又は規格番号及び形式による。
例1. 船用防水形小形スイッチ1形又はJIS F 8841-1
例2. 船用防水形小形スイッチ1M形又はJIS F 8841-1M
8. 表示 スイッチの見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 規格名称及び形式
(2) 定格電圧及び定格電流
(3) 外被の保護形式
(4) 製造業者名又はその略号
(5) 製造年
4
F 8841-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 1形,2形及び3形
単位 mm
形式
各部寸法
D
P
H
1形
(74)
110
(68)
2形
(84)
120
(80)
3形
備考1. 括弧内の寸法は,参考
として示す。
2. 構造及び形状は,一例
を示す。
部品番号
部品名称
材料
1
箱体
黄銅鋳物,鋳鉄又は耐食性のアルミ
ニウム合金
2
ふた
3
ハンドル
黄銅又は耐食性のアルミニウム合金
4
電線貫通金物
JIS F 8801の規定による。
5
スイッチ
JIS C 8304,JIS F 8840又はJIS F
8845の規定によるか又はこれらと同
等以上の性能のもの。
6
ガスケット
合成ゴム
5
F 8841-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 1形M,2形M及び3形M
単位 mm
形式
各部寸法
D
P
H
1M形
(74)
110
(68)
2M形
(74)
110
(80)
3M形
備考1. 括弧内の寸法は,参考
として示す。
2. 構造及び形状は,一例
を示す。
部品番号
部品名称
材料
1
箱体
JIS F 0701の等級02-25-42-51-65-
72-81による合成樹脂
2
ふた
3
ハンドル
4
電線貫通金物
JIS F 8801の規定による。
5
スイッチ
JIS C 8304,JIS F 8840又はJIS F
8845の規定によるか又はこれらと
同等以上の性能のもの。
6
ガスケット
合成ゴム
7
埋金
黄銅
財団法人日本船舶標準協会配線器具委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
進 健 一
住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業部追浜造船所
(委員)
遠 藤 和 敏
エヌケーケー総合設計株式会社
杉 崎 正 隆
三井造船株式会社千葉造船事業所
大 石 幸 明
大石電機工業株式会社
北 澤 昇 次
株式会社北澤電機製作所
塩 飽 誠
株式会社高工社
外 川 哲 男
三信船舶電具株式会社
(事務局)
冨 永 恵 仁
財団法人日本船舶標準協会