F 8431 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。
これによって,JIS F 8431 : 1985は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8431 : 2000
船用蛍光灯安定器
Marine ballasts for fluorescent lamps
1. 適用範囲 この規格は,船で使用する定格周波数60Hz,電源電圧250V以下の蛍光灯に用い,周囲温
度50℃以下の状態で使用する蛍光灯安定器(以下,安定器という。)について規定する。
備考 スタータ形ランプと組み合わせる安定器はこの規格の本体に,ラピッドスタート形ランプと組
み合わせる安定器は附属書1にそれぞれ規定する。
なお,スタータ形ランプと組み合わせる安定器は低力率の安定器,ラピッドスタート形ラン
プと組み合わせる安定器は,高力率の安定器として規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 4908 電気機器用コンデンサ
JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用)
JIS C 8108 蛍光灯安定器
JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則
JIS Z 8113 照明用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8108及びJIS Z 8113によるほか,次による。
a) 安定器 チョークコイル又は変圧器で構成され,スタータと組み合わせて蛍光ランプの放電を適正に
始動,安定させるために使われるもの。
b) 試験用ランプ 安定器を検査するために負荷として使用するエージングによって性能が安定した蛍光
ランプ(少なくとも100時間以上使用したランプ)。その特性は,附属書2表1による。
c) 定格入力電圧 安定器及び蛍光ランプを含む回路の入力端子間に加える電圧。
d) 定格入力電流 周囲温度25℃において試験用ランプを負荷とし,入力端子間に定格周波数の定格入力
電圧を加え,安定した状態のときの入力電流の基準値。
e) 電力損 周囲温度25℃において試験用ランプを負荷とし,入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を
加え,安定した状態のときの安定器の電力損。
f)
定格二次電圧 変圧器形安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えたときの二次無負荷
電圧の基準値。
g) 異常温度上昇 試験用ランプを負荷とし,スタータを短絡して,安定器の入力端子間に定格周波数の
定格入力電圧を加え,各部の温度が一定となったときの温度上昇値。
4. 種類及び特性 安定器の種類及び特性は,表1に示すとおりとする。
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F 8431 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,種類は,形式及び定格入力電圧によって区分する。
表1 安定器の種類及び特性
a) チョークコイル形安定器
形式
定格入力
電圧 V
定格入力
電流 A
電力損
W
インピー
ダンス
電圧 V
短絡電流
A
参考
適合蛍光
ランプ
FBM-C
6形
100
0.147
3.0±0.7
75±4
0.22±0.04
FL6
115
94±4
8形
100
0.170
3.5±0.7
67±4
0.27±0.04
FL8
115
83±4
10形
100
0.230
4.0±1.5
76±4
0.41±0.07
FL10
115
94±4
0.39±0.07
15形
100
0.300
4.5±1.5
69±4
0.48±0.07
FL15
115
88±4
0.47±0.07
(220)
(0.300)
(7.0±2.5)
(208±8)
(0.32±0.04)
20形
100
0.360
4.5±1.5
64±4
0.60±0.08
FL20
FL20S
FL20S/18
FL20SS/18
115
84±4
0.58±0.08
(220)
(0.360)
(8.0±2.5)
204±8
(0.41±0.04)
40形
220
0.420
9.5±4.0
159±8
0.65±0.08
FL40
FL40S
FL40S/38
FL40SS/37
備考 括弧内の値は,参考として示す。
b) 変圧器形安定器
形式
定格入力
電圧 V
定格入力
電流 A
電力損
W
インピー
ダンス
電圧 V
二次電圧
V
二次短絡
電流
A
参考
適合蛍光
ランプ
FBM-T
40形
100
0.970
11.0±4.0
70±4
200158
+−
0.65±
0.08
FL40
FL40S
FL40S/38
FL40SS/37
110
0.880
79±4
115
0.840
82±4
備考1. 形式の記号FBMは,船用蛍光灯安定器を示し,末尾のCはチョークコイル形を,Tは変圧器形を示
す。また,形式欄の数字は適合する蛍光ランプの大きさの区分を示す。
なお,それらの結線図は,付図1及び付図2による。
2. 形式の“形”は,省略してもよい。
3. FBM-Cの定格入力電圧115Vのものは,110Vで使用してもよい。
4. 適合蛍光ランプは,JIS C 7601のスタータ形ランプの規定による。
5. 性能 安定器は,次に規定する性能を備えていなければならない。
a) 耐振性 耐振性は,次による。
1) 共振 振動数5〜16.7Hzの間で複振幅0.75mmの振動を3軸(上下,左右,前後)方向に加え,有
害な共振点があってはならない。
2) 定振動 1)において,安定器に共振が認められる軸方向については,最も有害と認められる共振振
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
動数で,複振幅0.75mmの振動を15分間,また共振が認められない軸方向については,16.7Hzで複
振幅1mmの振動を30分間加え,各部に異状があってはならない。
b) 入力電流 入力電流は,表1の定格入力電流に対し,FBM-Cは±10%,FBM-Tは±15%の範囲内にな
ければならない。
c) 作動性能 作動性能は,次による。
1) 始動性能 定格周波数において,定格入力電圧が±10%の範囲で変化しても始動しなければならな
い。また,定格入力電圧において,周波数が定格周波数の±5%変化しても始動しなければならない。
備考 定格電圧が100Vで6〜20Wのチョーク形安定器の場合,ランプの始動試験電圧がJIS C 7601
の規定上では94Vであるため,入力電圧が−10%のとき,ランプの性能上ランプが始動しない
こともありうる点に注意する必要がある。
2) 点灯持続性能 定格周波数において,定格入力電圧115V及び220VのFBM-Cは20%,その他のも
のは15%入力電圧を下げても点灯を持続しなければならない。
d) 温度上昇 温度上昇の限度及び異常温度上昇の限度は,表2の値以下とする。
表2 温度上昇
単位℃
測定箇所
温度上昇
異常温度上昇
各巻線
55
120
備考 この上昇値は,A種絶縁の場合の
値を示す。
e) 絶縁抵抗 充電部と非充電金属部との間の冷間絶縁抵抗値は,30MΩ以上とする。
f)
耐電圧 充電部と非充電金属部との間の耐電圧は1 500Vとし,これに1分間耐えなければならない。
6. 構造,形状,寸法及び材料 安定器の構造,形状,寸法及び材料は,次による。
a) 外形寸法は,一般に付図7による。
b) 安定器は,厚さ0.5mm以上の鋼板に適当な防食処理を施したもの又はこれと同等以上の強度をもつ箱
内に納めて電気絶縁用コンパウンドで充てんする。
c) 巻線を施してある部分は,良質の絶縁ワニスを用いて完全に処理する。
d) 口出線が箱を貫通する部分は,合成樹脂などの絶縁物を用いて保護する。
e) 安定器には,原則として保護接地端子を設ける。ただし,灯具に取り付けたとき確実に接地できるも
のは,保護接地端子を省略してもよい。
f)
口出線は,公称導体断面積0.75mm2以上で耐電圧1 500V,電圧250V以上の耐熱絶縁より銅線又はこ
れと同等以上の性能をもつ電線を用い,箱外にでる長さは,一般に表3による。
なお,耐熱絶縁より銅線は,105℃の連続使用に耐えること。
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 口出線の標準長さ
単位mm
形式
口出線の標準長さ
FBM-C
6形
250
8形
300
10形
300
15形
350
20形
400
40形
650
FBM-T
40形
850
7. 検査
7.1
検査項目及び順序 検査は,次の項目及び順序によって同一品について行う。ただし,*印の付け
てある検査項目については,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降は省略す
ることができる。
検査場所は,特に指定がない限り室温20〜27℃,湿度65±20%の無風状態とする。ただし,試験用ラン
プの周囲温度は,特に指定がない限り,25±2℃とし試験中の温度変化は±1℃以内とする。
a) 構造,形状,寸法及び材料検査
*b) 振動検査
*c) 二次電圧検査(変圧器形安定器の場合)
d) 短絡電流検査
e) インピーダンス電圧検査
*f) 入力電流検査
*g) 電力損検査
*h) 作動検査
*i) 温度検査
j)
絶縁抵抗検査
k) 耐電圧検査
7.2
構造,形状,寸法及び材料検査 構造,形状,寸法及び材料について検査を行い,6.の規定に適合し
なければならない。
7.3
振動検査 振動検査は,JIS F 8006のA1-B1・0.5級・1.5Hによって行い,5.a)の規定に適合しなけ
ればならない。
7.4
二次電圧検査 二次電圧検査は,付図4に示す回路で行い,安定器の入力端子間に定格周波数の定
格入力電圧を加えたときの二次側電圧計の読みは表1の規定に適合しなければならない。
7.5
短絡電流検査 短絡電流検査は,FBM-Cの安定器の場合付図3に,FBM-Tの安定器の場合付図4に
示す回路で行い,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えたときの電流計の読みは,表1
の規定に適合しなければならない。
7.6
インピーダンス電圧検査 インピーダンス電圧検査は,FBM-Cの安定器の場合付図3に,FBM-Tの
安定器の場合付図4に示す回路で行い,安定器の入力端子間に定格周波数の電圧を加えて回路に電流を流
し,入力電圧を調整して,電流計の読みを附属書2表1に示すランプ電流となるようにしたときの電圧計
の読みは,表1の規定に適合しなければならない。
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7.7
入力電流検査 入力電流検査は,試験用ランプを負荷として,FBM-Cの安定器の場合は付図5に,
FBM-Tの安定器の場合は付図6に示す回路で行い,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加
えたときの入力電流計の読みは,5.b)の規定に適合しなければならない。
7.8
電力損検査 電力損検査は,試験用ランプを負荷として,FBM-Cの安定器の場合は付図5に,FBM-T
の場合は付図6に示す回路で行い,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えたときの全入
力電力とランプ電力を測定し,全入力電力からランプ電力を差し引いた値は,表1の規定に適合しなけれ
ばならない。
7.9
作動検査 作動検査は,試験用ランプを負荷として安定器の入力端子間に次の電圧及び周波数を加
えて行い,それぞれ確実に作動しなければならない。
a) 始動検査 電圧及び周波数が5.c)1)に示す値に変化しても試験用ランプは始動する。
b) 点灯持続検査 電圧が5.c)2)示す値に変化しても,試験用ランプは点灯を持続する。
7.10 温度検査 温度検査は,次によって行い,それぞれの温度上昇値は,5.d)の規定に適合しなければな
らない。また,検査中にコンパウンドの流出及びその他の異状があってはならない。
なお,温度測定値は,抵抗法によって算出する。
a) 温度上昇検査 試験用ランプを負荷とし,ランプ及び安定器の周囲温度を50±2℃に保ち,安定器の
入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えて各部の温度が一定となったときの温度上昇値を測定
する。ただし,FBM-C20,FBM-C40及びFBM-T40については,附属書2表1の*印の試験用ランプ
を負荷とする。
b) 異常温度上昇検査 試験用ランプを負荷とし,スタータを短絡して,安定器の入力端子間に定格周波
数の定格入力電圧を加え,各部の温度が一定となったときの温度上昇値を測定する。
なお,試験用ランプの周囲温度は特に指定しない。
7.11 絶縁抵抗検査 絶縁抵抗検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との絶縁抵抗を直流500Vの
絶縁抵抗計で測定し,5.e)の規定に適合しなければならない。
7.12 耐電圧検査 耐電圧検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との間に商用周波数で正弦波に
近い電圧を徐々に加えて行い,5.f)の規定に適合しなければならない。
8. 製品の呼び方 安定器の呼び方は,規格の名称,形式及び定格入力電圧による。ただし,規格の名称
の代わりに規格番号を用いてもよい。
例 船用蛍光灯安定器FBM-C6形100V又はJIS F 8431FBM-C6-100V
9. 表示 安定器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 規格の名称及び形式
b) 定格入力電圧 (V)
c) 定格周波数 (Hz)
d) 定格入力電流 (A)
e) 口出線の接続方法(変圧器形安定器の場合)
f)
製造業者名(又はその略号)
g) 製造年
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付図1 チョークコイル形安定器結線図
付図2 変圧器形安定器結線図
付図3 チョークコイル形安定器の短絡電流及びインピーダンス電圧検査回路図
付図4 変圧器形安定器の二次電圧,短絡電流及びインピーダンス電圧検査回路
備考 電力計電圧線輪スイッチを左に倒したときは全入力,右に倒したときはランプ電力を示す。
付図5 チョークコイル形安定器の入力電流及び電力損検査回路図
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付図6 変圧器形安定器の入力電流及び電力損検査回路図
形式
電圧V
P
L
I
H
W
FBM-C
6形
−
55±2
63以下
48以下
35以下
40以下
8形
−
85±2
100以下
75以下
35以下
50以下
10形
−
85±2
100以下
80以下
40以下
55以下
15形
100/115
110±2
130以下
95以下
40以下
65以下
220
115±2
140以下
110以下
50以下
70以下
20形
100/115
110±2
130以下
95以下
40以下
65以下
220
115±2
140以下
110以下
50以下
70以下
40形
−
115±2
140以下
110以下
50以下
70以下
FBM-T
40形
−
160±2
215以下
185以下
50以下
70以下
付図7 安定器の主要寸法
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附属書1(規定) ラピッドスタート式安定器
1. 適用範囲 この附属書は,船で使用する定格周波数60Hz,電源電圧250V以下,定格二次電圧300V
以下の蛍光灯に用い,周囲温度50℃以下の状態で使用する,ラピッドスタート形ランプを使用する高力率
の蛍光灯安定器(以下,安定器という。)について規定する。
2. 定義 この附属書で用いる主な用語の定義は,JIS C 8108及びJIS Z 8113によるほか,次による。
a) 安定器 変圧器とコンデンサとで構成され,蛍光ランプの放電を適正に始動,安定させるために使わ
れるもの。
b) 試験用ランプ 安定器を検査するために負荷として使用するエージングによって性能が安定した蛍光
ランプ(少なくとも100時間以上使用したランプ)。その特性は附属書2表2による。
3. 種類及び特性 安定器の種類及び特性は附属書1表1による。
なお,種類は,形式,定格入力電圧及び絶縁の種別によって区分する。
附属書1表1 安定器の種類及び特性
形式
定格入力
電圧 V
参考
絶縁の種類
参考
定格入力
電流 A
適合蛍光
ランプ
FBM-R
1
20形
100
0.30
A種
又は
E種
FLR20
110
0.27
FLR20S
115
0.26
220
0.14
2
100
0.52
110
0.47
115
0.45
220
0.24
1
40形
100
0.45
FL40
110
0.41
FLR40S
115
0.39
FLR40S/36
220
0.22
2
100
0.88
110
0.80
115
0.77
220
0.40
備考1. 定格周波数は,60Hzとする。
2. 形式の記号FBMは,船用蛍光灯安定器を示し,末尾のRはラピッドスタート形ランプ
用安定器であることを示す。また,形式の2欄の数字で1は1灯用の安定器を,2は2
灯用の安定器を示し,形式の3欄の数字は適合する蛍光ランプの大きさの区分を示す。
なお,それらの結線図の一例を附属書1参考図1に示す。
3. 形式の“形”は,省略してもよい。
4. スタータ形とは異なり,定格入力電圧115Vのものを110Vに流用できない。
5. 適合蛍光ランプは,JIS C 7601のラピッドスタート形ランプの規定による。
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4. 性能 安定器は,次に規定する性能を備えていなければならない。
a) 耐振性 耐振性は,本体5.a)による。
b) 二次電圧 二次電圧は,JIS C 8108に適合していなければならない。
c) 作動性能 作動性能は,次による。
1) 始動性能 定格周波数において,入力電圧が±10%の範囲で変化しても始動しなければならない。
また,定格入力電圧において,周波数が定格周波数の±5%変化しても始動しなければならない。
2) 点灯持続性能 定格周波数において,15%入力電圧を下げても点灯を持続しなければならない。
d) 陰極予熱 陰極予熱は,JIS C 8108に適合していなければならない。
e) 二次短絡電流 二次短絡電流は,JIS C 8108に適合していなければならない。
f)
ランプ電流及びランプ電力 ランプ電流及びランプ電力は,JIS C 8108に適合していなければならな
い。
g) ランプ電力変動率 ランプ電力変動率は,JIS C 8108に適合していなければならない。
h) 入力電流及び入力電力 入力電流及び入力電力は,JIS C 8108に適合していなければならない。
i)
力率 力率は,0.85以上とする。
j)
温度上昇 温度上昇の限度及び異常温度上昇の限度は,附属書1表2の値以下とする。
附属書1表2 温度上昇
単位℃
温度上昇
異常温度上昇
巻線
A種絶縁のもの
50
115
E種絶縁のもの
65
130
コンデンサ表面
Z
30
45
備考 コンデンサの記号Zは,JIS C 4908に規定する最高許容温度の区分の記号で,コ
ンデンサの表面温度が85℃まで使用できることを示す。
k) 絶縁抵抗 充電部と非充電金属部との間の冷間絶縁抵抗値は,30MΩ以上とする。
l)
耐電圧 充電部と非充電金属部との間の耐電圧は1 500Vとし,これに1分間耐えなければならない。
5. 構造,形状,寸法及び材料 安定器の構造,形状,寸法及び材料は,次による。
a) 外形寸法の一例を附属書1参考図2に示す。
b) 安定器は,厚さ0.5mm以上の鋼板に適切な防食処理を施したもの又はこれと同等以上の強度をもつ箱
に納めて電気絶縁用コンパウンドで充てんする。ただし,器具内で使うものは,口出線を引き出す面
については鋼板で覆わなくてもよい。
c) 巻線を施してある部分は,良質の絶縁ワニスを用いて完全に処理する。
d) 口出線が箱を貫通する部分は,合成樹脂などの絶縁物を用いて保護する。
e) 安定器には,通常接地端子を設ける。ただし,灯具に取り付けたとき確実に接地できるものは,接地
端子を省略してもよい。
f)
口出線は,公称導体断面積0.75mm2以上で耐電圧1 500V,電圧300V以上の耐熱絶縁より銅線又はこ
れと同等以上の性能をもつ電線を用い,箱外に出る長さは,一般に表3による。
なお,耐熱絶縁より銅線は,105℃の連続使用に耐えなければならない。
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附属書1表3 口出線の標準長さ
単位mm
形式
口出線
用途
標準長さ
FBM-R
1
20形
入力側
300
負荷側
300
40形
入力側
850
負荷側
700
2
20形
入力側
300
負荷側
300
40形
入力側
850
負荷側
700
6. 検査
6.1
検査項目及び順序 検査は,次の項目及び順序によって同一品について行う。ただし,*印の付け
てある検査項目については,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降は省略す
ることができる。
検査場所は,特に指定がない限り室温20〜27℃,湿度65±20%の無風状態とする。ただし,試験用ラン
プの周囲温度は,特に指定がない限り25±2℃とし,試験中の温度変化は±1℃以内とする。
a) 構造,形状,寸法及び材料検査
*b) 耐振性検査
c) 二次電圧検査
*d) 始動電圧検査
*e) 陰極予熱検査
*f) 二次短絡電流検査
*9) ランプ電流及びランプ電力検査
*h) ランプ電力変動率検査
*i) 入力電流及び入力電力検査
*j) 力率検査
*k) 温度検査
l)
絶縁抵抗検査
m) 耐電圧検査
6.2
構造,形状,寸法及び材料検査 構造,形状,寸法及び材料について検査を行い,5.の規定に適合し
なければならない。
6.3
振動検査 本体7.3による。
6.4
二次電圧検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合していなければな
らない。
6.5
始動電圧検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合していなければな
らない。
6.6
陰極予熱検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合していなければな
らない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.7
二次短絡電流検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合していなけれ
ばならない。
6.8
ランプ電流及びランプ電力検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合
していなければならない。
6.9
ランプ電力変動率検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合していな
ければならない。
6.10 入力電流及び入力電力検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査し,それに適合して
いなければならない。
6.11 力率検査 JIS C 8108に規定している試験方法によって検査したとき,力率は0.85以上でなければ
ならない。
6.12 温度検査 温度検査は,次によって行い,それぞれの温度上昇値は,4.j)の規定に適合しなければな
らない。また,検査中に,コンパウンドの流出及びその他の異状があってはならない。
なお,巻線の温度測定値は,抵抗法によって算出し,コンデンサの温度は熱電対温度計で測定する。
a) 温度上昇検査 試験用ランプを負荷とし,ランプ及び安定器の周囲温度を50±2℃に保ち,安定器の
入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えて各部の温度が一定となったときの温度上昇値を測定
する。ただし,附属書2表2の*印の試験用ランプを負荷とする。
b) 異常温度上昇検査 試験用ランプを負荷とし,ランプ及び安定器の周囲温度を50±2℃に保ち,ラン
プに直列に挿入されている力率改善用コンデンサを短絡して,安定器の入力端子間に定格周波数の定
格入力電圧を加え,各部の温度が一定となったときの温度上昇値を測定する。ただし,力率改善用コ
ンデンサが電源に並列に接続されている安定器の場合は,異常温度上昇検査をしない。
なお,附属書2表2の*印の試験用ランプを負荷とする。
6.13 絶縁抵抗検査 絶縁抵抗検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との間に絶縁抵抗を直流
500Vの絶縁抵抗計で測定し,4.k)の規定に適合しなければならない。
6.14 耐電圧検査 耐電圧検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との間に商用周波数で正弦波に
近い電圧を徐々に加えて行い,4.l)の規定に適合しなければならない。
7. 製品の呼び方 安定器の呼び方は,規格名称,形式及び定格入力電圧による。ただし,規格名称の代
わりに規格番号を用いてもよい。
例 船用蛍光灯安定器FBM-R2-40形100V又はJIS F 8431FBM-R2-40-100V
8. 表示 安定器の見やすいところに,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。
a) 規格名称及び形式
b) 適合ランプの種別と本数
c) 定格入力電圧 (V)
d) 定格周波数 (Hz)
e) 定格入力電流 (A)
f)
定格入力電力 (W)
g) 力率による区分(高力率と表示)
h) 定格二次電圧 (V)
i)
定格二次電流 (A)
12
F 8431 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
j)
定格二次短絡電流 (A)
k) 接続図及び口出線の色別
l)
絶縁の種別(E種の場合)
m) 製造業者名(又はその略号)
n) 製造年
附属書1参考図1 結線図
13
F 8431 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1参考図2 外形寸法図
14
F 8431 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(規定) 試験用ランプ
1. 適用範囲 船用蛍光灯安定器の検査に用いる蛍光ランプ(以下,試験用ランプという。)について規定
する。
2. 試験用ランプ スタータ形ランプ用安定器の試験用ランプは,附属書2表1による。また,ラピッド
スタート形ランプ用安定器の試験用ランプは,附属書2表2による。
附属書2表1 スタータ形ランプ用安定器の試験用ランプ
形式
ランプ電力
W
ランプ電圧
(標準値)
V
ランプ電流
A
FL6
5.9 ±0.5
44
0.147 ±0.006
FL8
7.9 ±0.5
56
0.170 ±0.006
FL10
9.5 ±1.0
46
0.23 ±0.01
FL15
14.7 ±1.0
55
0.30 ±0.01
* FL20
19 ±1
56
0.375 ±0.010
FL20S
19 ±1
58
0.36 ±0.01
* FL40
39.5 ±1.0
104
0.435 ±0.010
FL40S
39.5 ±1.0
106
0.42 ±0.01
備考 *印を付けた試験用ランプは,温度上昇検査のときだけ
に使用する。
附属書2表2 ラピッドスタート形ランプ用安定器の試験用ランプ
形式
ランプ電力
W
ランプ電圧
(標準値)
V
ランプ電流
A
* FLR20
19±1
56
0.375 ±0.010
FLR20S
19±1
58
0.36 ±0.01
* FLR40
39.5±1.0
102
0.435 ±0.010
FLR40S
39.5±1.0
106
0.42 ±0.01
備考 *印を付けた試験用ランプは,温度上昇検査のときだけ
に使用する。
原案作成委員会(照明器具専門分科会) 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
須 藤 誠 司
石川島播磨重工業株式会社
(委員)
今 村 剛
財団法人日本海事協会
高 木 康 光
川崎重工株式会社
伊 藤 彰
日立造船株式会社
砂 田 哲 郎
尾道造船株式会社
松 田 雄 壮
幸陽船渠株式会社
塩 飽 誠
株式会社高工社
上 西 晴 也
森尾電機株式会社
北 澤 藤 治
三信船舶電具株式会社
軽 部 健
ヘルメス電機株式会社
(事務局)
福 島 彰
財団法人日本船舶標準協会