F 8425 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによってJIS F 8425 : 1990は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8425 : 1998
船用耐圧防爆形携帯電灯−乾電池式
Shipbuilding−Flameproof portable electric lamps−
Dry cells and batteries type
1. 適用範囲 この規格は,船舶及び海洋構造物において,空気中に可燃性ガス又は可燃性液体の蒸気(以
下,これらを爆発性ガスという。)が引火・爆発するおそれがある濃度で存在する可能性がある場所で使用
する耐圧防爆構造の乾電池式携帯電灯(以下,灯器という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 7508 携帯電灯用電球
JIS C 7709 : 1989 電球類の口金及び受金
JIS C 8501 マンガン乾電池
JIS F 0808 船用電気器具環境試験通則
JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則
JIS F 8007 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則
JIS F 8009 船用防爆電気機器一般通則
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
3. 種類
3.1
灯器のグループ 灯器のグループは,防爆性ガスによって区分し,表1の記号によって表す。
表1 灯器のグループ
グループの
記号
記号の意味
IIA
分類Aの爆発性ガスに適用する灯器
IIB
分類Bの爆発性ガスに適用する灯器
IIC
分類Cの爆発性ガスに適用する灯器
備考 爆発性ガスの分類は,JIS F 8009の規定によ
る。
3.2
温度等級 灯器の温度等級は,灯器の容器外部の最高表面温度によって区分し,表2のとおりとす
る。
2
F 8425 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 灯器の温度等級
単位 ℃
温度等級
T1
T2
T3
T4
T5
T6
最高表面温度 450 300 200 135 100
85
備考 温度等級は,JIS F 8009の規定による。
3.3
形式 灯器の形式は,形式記号,適合乾電池及び適合電球によって区分し,表3のとおりとする。
表3 灯器の形式
形式
形式記号
適合乾電池
適合電球
外被の保護形式
集光2形
F-2
UM-1×2
2.5 V 0.3 A
IP 4X以上
集光3形
F-3
UM-1×3
3.8 V 0.3 A
集光6形
F-6
UM-1×6
7.2 V 0.55 AB
非集光2形
N-2
UM-1×2
2.5 V 0.3 A
非集光3形
N-3
UM-1×3
3.8 V 0.3 A
非集光6形
N-6
UM-1×6
7.2 V 0.55 AB
備考1. 適合電球は,2.5 V 0.3 Aの代わりに2.5 V 0.3 ABを,また3.8 V 0.3
Aの代わりに3.8 V 0.3 ABを用いてもよい。
2. 形式の集光形とは,光源を集光した状態で使用できるようにしたも
の。
3. 形式の非集光形とは,集光形以外のもの。
4. 性能 灯器は,その種類(灯器のグループ及び温度等級)によってJIS F 8009で規定する耐圧防爆に
関する諸性能及び次の性能を備えていなければならない。
a) 外被の保護性能 灯器は,表3に規定する外被の保護形式に対応し,JIS F 8007の規定を満足するこ
と。
b) 点灯持久性 灯器は,点滅を頻繁に行っても,スイッチ機構などに異状を生じないこと。
c) 配光 集光形の配光は,発光部から2 mの距離において30 cmの円内に集光すること。
また,非集光形の配光は,むらがない拡散形とする。
d) 絶縁抵抗 電池を取り外し,スイッチを開路にした状態での電池用陽極端子と陰極端子との間の絶縁
抵抗は,直流500 Vで1 MΩ以上であること。
5. 構造 灯器の構造は,JIS F 8009によるほか,次による。
a) 電球及び電池を収容する容器の開閉部並びにスイッチ機構の操作部は,錠締構造とする。ただし,操
作部分を取り外しても防爆性を損なわない構造のものは,その取付け部の錠締を省略してもよい。
b) 電球は,JIS C 7508の規定による。
c) ソケットの受金は,原則としてJIS C 7709のE10とする。ただし,F-6形及びN-6形の灯器の受金は,
同規格によるP13.5とする。
d) ソケット及びソケットホルダは,電球のフィラメントを反射鏡の焦点位置に正しく保持できなければ
ならない。
e) 反射鏡は,原則として有効径40 mm以上の回転放物面とし,容易に変形しない強さをもたなければな
らない。
f)
乾電池は,JIS C 8501の規定による。
3
F 8425 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 材料 灯器の材料は,JIS F 8009によるほか,次による。
a) 乾電池の電解液に触れるおそれがある部分には,電解液に侵されにくい材料を使用する。
b) 反射鏡は,JIS H 4000の規定による良質のアルミニウム板又はJIS H 3100の黄銅板とし,アルミニウ
ム板のものには電解研磨を,また,黄銅板のものにはニッケルめっき又はクロムめっきを施す。
7. 検査
7.1
検査の項目及び順序 灯器の検査は,同一製品について次の項目及び順序に従って行う。ただし,
灯器の強度を著しく減退するおそれがある検査は,別個の製品について行ってもよい。
また,*印がつけてある検査項目は,同一設計による最初の製品について行い,設計に変更がない場合
には,次回以降の検査は省略することができる。
a) 構造検査
*b) 最高表面温度検査
*c) 熱衝撃検査
*d) 絶縁抵抗検査
e) 外被の保護性能検査
*1) 危険な箇所への接近及び外来固形物に対する保護性能検査
2) 液体に対する保護性能検査
*f) 衝撃検査
*g) 落下強度検査
*h) 爆発強度検査
1) 動的圧力検査
2) 静的圧力検査
*i) 爆発引火検査
*j) 熱安定検査
k) 配光検査
7.2
検査方法 器具は,7.1の検査項目について,JIS F 8009, JIS F 0808及びJIS F 8007に基づいて検査
を行い,それぞれの規定に適合しなければならない。
8. 製品の呼び方 灯器の呼び方は,規格の各称又は規格番号,防爆にかかわる記号及び形式による。
なお,防爆にかかわる記号は,JIS F 8009による。
例 船用耐圧防爆形携帯電灯(乾電池式)Ex d II A T5−集光2形 又は
JIS F 8425 Ex d II A T5-F-2
9. 表示 灯器の見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 名称及び形式
b) 適合乾電池及び適合電球
c) 防爆にかかわる記号
d) 外被の保護形式
e) 認定又は試験機関の名称及び検定番号など
f)
製造業者名又はその略号
4
F 8425 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
g) 製造年又は製造番号
h) 使用条件,注意事項など(必要がある場合)
原案作成委員会(照明器具専門分科会)構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
須 藤 誠 司
石川島播磨重工業株式会社
(委員)
成 沢 平
財団法人日本海事協会
桜 井 登志郎
船舶艤装品研究所
高 木 康 光
川崎重工業株式会社
伊 藤 彰
日立造船株式会社
砂 田 哲 郎
尾道造船株式会社
松 田 雄 壮
幸陽船渠株式会社
塩 飽 誠
株式会社高工社
上 西 晴 也
森尾電機株式会社
軽 部 健
ヘルメス電機株式会社
北 澤 藤 治
三信船舶電具株式会社
(事務局)
福 島 彰
財団法人日本船舶標準協会