2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電池工業
会(BAJ)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審
議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 8101:1992は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,公開出願後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任を持たない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1. 適用範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2. 引用規格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3. 定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
4. 種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
5. 性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
5.1 SS形蓄電池の性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
5.2 PS−S形蓄電池の性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
5.3 HSE及びMSE形蓄電池の性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
6. 構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
6.1 構造一般・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
6.2 端子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
7. 外観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
8. 寸法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9. 試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9.1 SS形蓄電池の試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9.1.1 試験条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9.1.2 試験方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9.2 PS−S形蓄電池の試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
9.3 HSE形及びMSE形蓄電池の試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
10. 検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
10.1 SS形及びPS−S形蓄電池の検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
10.2 HSE形及びMSE形蓄電池の検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
11. 製品の呼び方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
11.1 SS形及びPS−S形蓄電池の呼び方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
11.2 HSE及びMSE形蓄電池の呼び方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
12. 表示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8101:2003
船用鉛蓄電池
Lead-acid marine batteries
1. 適用範囲 この規格は,船で,通信,灯火,非常用,エンジン始動用などの電源に使用する鉛蓄電池
(以下,蓄電池という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法
JIS B 7516 金属製直尺
JIS C 8701 可搬鉛蓄電池
JIS C 8704-1 据置鉛蓄電池−一般的要求事項及び試験方法−第1部:ベント形
JIS C 8704-2 据置鉛蓄電池−一般的要求事項及び試験方法−第2部:制御弁式
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 公称電圧 蓄電池電圧の表示に用いる電圧(V)。
b) 放電終止電圧 放電を打切るときの蓄電池の端子電圧(V)。
c) 定格容量 規定条件下で放電した時に取出せる製造業者が定めた電気量(Ah)。
d) 容量 蓄電池が指定の条件下で供給できる電気量(Ah)。
e) C10 10時間率定格容量(Ah)の数値。
f) 満充電 利用できる活物質が十分に充電された状態。
2
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4. 種類 種類は,表1による。
表1 種類
形式
公称
電圧
V
定格容量
Ah
10時間率
(10HR)
(1)
外形寸法
mm
(参考)
総高
さ
箱高
さ
幅
長さ
質量
電解液
量
蓄電池外形
図
最大
(2)
(2)
(2)
(液を含
む)
約kg
約l
(図1)
SS-200
4
200
400
325
170
270
30
7
(a)
SS-300
2
300
195
25
6
(b)
SS-400
400
285
30
8
(c)
PS5-6S
6
60
226
187
134
305
17
3.8
(d)
PS7-6S
84
474
25
6.5
(e)
PS9-6S
108
135
28
5.9
HSE-30-12 JIS C 8704-2の附属書1(規定)による。
HSE-40-12
HSE-50-12
HSE-60-6
HSE-80-6
HSE-100-6
MSE-50-12
MSE-100-6
MSE-150
MSE-200
MSE-300
MSE-500
MSE-1000
MSE-1500
MSE-2000
MSE-3000
注(1)HRは,Hour Rateを表す。
(2)許容差は,±3mmとする。
備考1 形式に使用した記号及び数値は,次の意味を表す。
例1.SS−200
10時間率定格容量(Ah)の数値
船用合成樹脂電槽入鉛蓄電池
例2.P S 9−6 S
船用を示す
公称電圧(V)の数値
単電池当たりの正極板の数
合成樹脂電槽
ペースト式
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例3.HSE−60−6
公称電圧の数値
10時間率定格容量(Ah)の数値
JIS C 8704-1に示すHS形(高率放電用ペースト式)と同等の放電特性を
もつ制御弁式据置鉛蓄電池
例4.MSE−200
10時間率定格容量(Ah)の数値
HSE形より長寿命の制御弁式据置鉛蓄電池
備考2 外形寸法の総高さ,箱高さ,幅及び長さの測定位置を図1に示す。
図1 外形寸法の測定位置(例)
4
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5 性能
5.1 SS形蓄電池の性能 性能は,9.1.2によって試験を行ったとき,表2に示すとおりでなければな
らない。
表2 性能
項目
性能
適用試験箇条
容量
試験回数5回以内に表1に示す定格容量の9
5%以上
9.1.2 c)
5.2 PS−S形蓄電池の性能 性能は,JIS C 8701の3.(性能)の規定による。
5.3 HSE形及びMSE形蓄電池の性能 性能は,JIS C 8704-2の第4章(機能的特性)の規定による。
6. 構造
6.1 構造一般 蓄電池は,正極板,負極板,隔離板,電槽,ふた,電解液などから構成され,周囲温度−
15〜+45℃において異常なく使用できるものでなければならない。
また,蓄電池は,正極端子と負極端子とを備えたものとし,40度傾斜しても液がこぼれず支障なく使用
できる構造とする。
SS形蓄電池及びPS−S形蓄電池は,電槽側面の液面線(最高と最低)によって電解液面が監視できる
ものとする。
HSE形及びMSE形蓄電池は,正極板から発生する酸素ガスを負極板で反応吸収することによって,補
水を必要としない機能をもつものとする。
6.2 端子 端子は,ボルトとナットで接続できるものとする。使用するボルトは,JIS B 0205-4によるも
のとし,蓄電池形式との関係は,表3による。
表3.使用ボルト
ねじの呼び
M6
M8又はM10
M10
適用蓄電池
形式
PS5-6S
PS7-6S
PS9-6S
HSE-30-12
HSE-40-12
HSE-50-12
HSE-60-6
HSE-80-6
HSE-100-6
MSE-50-12
MSE-100-6
SS-200
SS-300
SS-400
MSE-150
MSE-200
MSE-300
MSE-500
MSE-1000
MSE-1500
MSE-2000
MSE-3000
7. 外観 外観は,目視によって調べる。著しい変形,ひび,割れなどがあってはならない。
8. 寸法 JIS B7516に規定する1級以上の直尺又はこれと同等以上の精度をもつ測定器具を用いて,総高
さ,箱高さ,幅及び長さの最大寸法を測定する(図1参照)。 寸法は表1による。
9. 試験
9.1 SS形蓄電池の試験
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.1.1 試験条件 試験条件は,JIS C 8704-1 第5章に規定された試験条件とする。
9.1.2 試験方法
a) 外観 外観は,目視によって調べる。
b) 寸法 寸法は,JIS B 7516に規定する1級以上の直尺,又はこれと同等以上の精度をもつ測定器具を用
いて表1に示す外形寸法を測定する。測定箇所は,総高さ,箱高さ,幅及び長さの最大位置とする(図1
参照)。
c) 容量 容量は,次の条件によって試験を行い,放電電流に規定の放電終止電圧までの放電時間を乗じて
求める。
1) 放電前の電解液比重 20℃に換算して1.240±0.005とする。温度換算は次の式による。
D20=Dt+0.0007(t‐20)
ここに,D20:20℃における電解液の比重
Dt:t℃における電解液の比重
t:比重を測定したときの電解液の温度(℃)
2) 放電開始の時期 満充電後,約1時間静置した後とする。
3) 放電電流 0.1C10A
4) 放電終止電圧 1.80V/セル
5) 放電中の電解液温度 25℃±2℃
6) 容量の温度換算 25℃以外の電解液温度で放電を行うときは,次の式によって換算した容量を25℃
における容量とする。ただし,この換算式は,試験中の電解液温度が10〜40℃の温度範囲において適用
する。
Cst=
ここに,Cst:25℃に換算した容量(Ah)
Ct:t℃における容量(Ah)
t:放電中の最後の2時間における電解液の平均温度(℃)
9.2 PS−S形蓄電池の試験 JIS C 8701の5.(容量試験)の規定による。
9.3 HSE形及びMSE形蓄電池の試験 JIS C 8704-2の第6章(試験方法)の規定による。
10. 検査
10.1 SS形及びPS‐S形蓄電池の検査 検査は,9.によって表4の項目について試験を行い,5.,7.及び
8.の規定に適合するものとする。
表4 検査項目
検査項
目
形式検査
受渡検査
外観
寸法
構造
容量
○
○
○
○
○
○
−
○
10.2 HSE形及びMSE形蓄電池の検査 検査は,JIS C 8704-2の第7章(検査)及び,附属書1(規定)
Ct
1+0.008(t−25)
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
の9.(検査)の規定による。
11. 製品の呼び方
11.1 SS形及びPS−S形蓄電池の呼び方 製品の呼び方は,名称(省略してもよい。)及び形式による。
例1. 船用鉛蓄電池 SS−200
例2. PS5−6S
11.2 HSE形及びMSE形蓄電池の呼び方 JIS C 8704-2附属書1(規定)の10.の規定による。
12 表示 蓄電池には,見やすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。
a) 形式[PS−S形は末尾のSを省略し,JIS C 8701の6.(表示)の規定による。]
b) 極性
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号