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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 8078-1987 

( IEC 92-203-1985) 

船用電気設備 第203部 

システム設計−可聴及び可視信号 

Electrical Installations in Ships Part 203 :  

System Design−Acoustic and Optical Signals 

まえがき IEC 92(船用電気設備)は,航洋船の電気設備に関し,現在採用されている優れた実行手段を

極力取り入れ,また,現行規則類との調和をできるだけ図りながら,国際規格の一系列を構成している。 

これらの規格は,SOLAS(海上人命安全条約)の要求に対する具体的な解釈及び補充を行っている規定で

あり,将来制定されるかもしれない規則類に対する指針でもある。 

また,船主,造船所及びその他関係機関が採用する実行手段に対する手引きとなるものである。 

1. 適用範囲 この規格は,旅客,乗組員並びに船舶及びその設備の安全性に関連して使用する可聴及び

可視信号並びに表示を取り扱っている。 

この可聴及び可視信号並びに表示は,あらゆる状況の下でも明確に識別できるように,選択され,かつ,

装備されなければならない。 

この規格は,航行の目的で使う船から船へ又は船から陸への可聴及び可視信号は取り扱わない。 

参考 この翻訳規格の内容と他のJISの内容とに相違がある場合,特にIEC 92によると指定された場

合を除き,相違する内容の適用に当たっては,当事者間の協議による。 

関連規格:ISO 2412-1972 Shipbuilding−Colours of indicator lights 

2. 定義 

2.1 

非常警報 危険な状態の報知。すなわち,人命又は船舶とその機械設備に対する差し迫った危険状

態を合図し,かつ,表示するための十分な処置で,即時の対処が要求されるもの。 

2.2 

警報 人命又は船舶とその機械設備,装置又は貨物に対して,危険な状態を招くおそれがある誤動

作に関連する状態の報知で,対処を必要とするもの。 

2.3 

呼出し ある個人から他の個人又は複数の人に対する通信連絡,支援及び(又は)対処の要請。す

なわち,この要請を合図し,かつ,表示するための十分な処置。 

2.4 

非常警報,警報及び呼出し信号 注意を喚起するための主な可聴又は可視信号。 

2.4.1 

可聴信号 ベル,ブザー,ホーン,サイレン,拡声器,汽笛,電子装置などの音響装置による信号。 

2.4.2 

可視信号 せん光灯,回転灯,その他の手段などの視覚装置による信号。 

2.5 

状態表示 明りょうかつ簡単な標識による視覚表示で,危険な状態の概念又は可聴及び可視信号の

意味を知らせるもの。 

F 8078-1987 ( IEC 92-203-1985) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.6 

個別表示 アナンシエータ盤又はディスプレイ上に,通常文字によって,非常警報,警報又は呼出

しの正確な原因,起因又は意味についての詳細な情報を知らせる可視表示。 

2.7 

一般警報 非常の際に,すべての乗船者に知らせる非常警報で,通常船橋から動作させ,旅客及び

乗組員を招集場所へ呼び出す。 

2.8 

火災警報 火災の際に,すべての乗船者に知らせる非常警報で,通常船橋又は火災制御場所から動

作させる。 

2.9 

消火剤放出警報 炭酸ガス又はその他の消火剤が封入される区画及び区画内に対する非常警報で,

消火剤が放出される前及び放出中に動作させる。 

2.10 火災探知警報 火災探知装置を手動で又は自動的に動作させた際の警報。 

2.11 機関警報 機械設備の誤動作又は類似の状態によって発せられる警報。 

2.12 航海警報 航行の目的に使用される装置に起因する誤動作又は類似の状態によって発せられる警報。 

2.13 貨物警報 貨物又は貨物の保持若しくは安全維持装置に起因する異常状態によって発せられる警報。 

3. 一般要件 

3.1 

すべての非常警報,警報及び呼出し信号は,まず第一に可聴としなければならない。 

3.2 

周囲の騒音レベルが,可聴信号の聴取りができない程に高い場合には,それらの可聴信号は,可視

信号によって補足されなければならない。 

3.3 

信号の意味を知らせるために,追加の情報,すなわち状態表示及び(又は)個別表示を与えてもよ

い。 

3.4 

人命の安全に不可欠な信号及び表示は,船舶の正常な状態及び非常状態の間,動作できるものでな

ければならない。その他の要件については,SOLAS及び国内法に注意を払う。 

3.5 

火災警報及び一般警報は,1個以上の共通の可聴信号装置を共有してもよい。信号のコードについて

は,5.1を参照。 

3.6 

消火剤放出警報は,当該区域内に設置されたその他の可聴信号と容易に識別することができる特有

な音色としなければならない。 

また,この警報は,その他の非常警報,警報又は呼出し信号と一緒にしてはならない。 

4. 個別要件 

4.1 

可聴信号 

4.1.1 

可聴信号は,人が通常立ち入ると想定されるすべての区域において,明りょうに聴取でき,かつ,

識別できるものでなければならない。 

備考 周囲のノイズレベルより少なくとも6 dB高くすると効果がある。 

4.1.2 

可聴信号装置は,広い区域で,信号音源から近い位置にいる人への衝撃を避け,かつ,実行可能な

限り区域の全体にわたって均一な音のレベルを確保するために,1個以上設けなければならない。 

4.1.3 

周波数の範囲は,200〜2 500 Hzとすることを推奨する。 

4.1.4 

間欠信号の場合には,パルス周波数は0.5〜2 Hzの範囲内にしなければならない。この範囲は,ツ

ートーン可聴信号,ワーブルトーン又はこれらと類似のものにも適用する。 

4.2 

可視信号 可視信号は,人が通常立ち入ると想定されるすべての区域において,明りょうに見るこ

とができ,かつ,識別できるものでなければならない。せん光表示用のパルス周波数は,0.5〜1.5 Hzの範

囲内にしなければならない。 

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F 8078-1987 ( IEC 92-203-1985) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

可聴及び可視信号の解除 可聴及び可視の信号装置は,(非常警報用を除き)状態表示又は個別表示

を消さないで,これらの信号を解除できるように設計しなければならない。 

4.4 

状態表示 状態表示は,広い区域,通路などにおいては,適切な角度及び距離から明りょうに見え,

かつ,識別できるものでなければならない。 

4.5 

個別表示 非常警報,新しく発した警報又は呼出しは,例えばせん光信号などによって,既に発生

している警報などと明りょうに識別できなければならない。 

4.6 

状態表示及び個別表示の確認 表示装置は,(非常警報用を除き)確認することによって状態表示を

消すことができるように設計しなければならないが,個別表示は,警報又は呼出しの状態が存続している

限り,確認することによってせん光動作から連続点灯に変わるか,又は警報若しくは呼出しの状態がもは

や存続していない場合には,消滅するように設計しなければならない。 

5. 信号及び状態表示 

5.1 

可聴信号装置,可聴信号コード,可視信号用の色及び状態表示例 

非常警報 

     
呼出し

     

可聴信号 

可視信号の色 

状態表示の標識 

装 置 

コ ー ド 

一般警報 

ベル又はサイレン 

連 続(1) 

赤 

5.2参照 

火災警報 

間 欠 

消火剤放出警報 

ホーン又は笛 

連 続 

赤 

そ の 他 

その他のもの。 
上記のものから明りょう
に区別できること(なる
べく一種類とする。)。 

なるべく連続 

(2) 

注(参考)(1) 船の警笛又はサイレン:SOLAS第III章による7回以上の短音とこれに続く1回

の長音の吹鳴。 
客船及び他の船舶においては,補助信号として,この表に規定した可聴信号を用
いてもよい。 

(2) 可視信号の色は,ISO 2412 (Shipbuilding−Colours of indicator lights) によらなけれ

ばならない。 

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F 8078-1987 ( IEC 92-203-1985) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

状態表示用標識の例 

火災警報 

一般警報 

消火剤放出警報 

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F 8078-1987 ( IEC 92-203-1985) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

機関警報 

機関室火災警報 

電話呼出し 

エンジンテレグラフ呼出し 

F 8078-1987 ( IEC 92-203-1985) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

船舶部会 IEC/TC18船用ぎ装専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

原   昌 三 

三菱重工業株式会社船舶鉄構事業本部 

佐々木 博 通 

運輸省海上技術安全局 

飛 田   勉 

工業技術院標準部 

勝 亦 二 郎 

財団法人日本海事協会 

福 島   彰 

財団法人日本船舶標準協会 

大 石 幸 明 

大石電気工業株式会社 

神 谷 鍵 次 

株式会社三英電機製作所 

森 下 幸 作 

株式会社高工社 

大須賀   実 

川崎重工業株式会社技術開発本部 

岡 野 益 弘 

三菱重工業株式会社船舶鉄構事業本部 

加 納 寛 治 

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部 

鬼 頭 博 明 

日本鋼管株式会社艦船技術部 

日 下 清 彦 

日立造船株式会社船舶事業本部 

富 士 泰 宏 

三井造船株式会社船舶海洋プロジェクト事業本部 

藤 本 正 俊 

住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業本部 

村 上 嘉 昭 

日本郵船株式会社工務部 

(事務局) 

池 上   稔 

工業技術院標準部機械規格課 

田 仲 信 夫 

工業技術院標準部機械規格課