F 8066:2005 (IEC 60092-303:1980)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
標準協会(JMSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 8066:1986は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60092-303:1980,Electrical
installations in ships−Part 303: Equipment−Transformers for power and lighting を基礎として用いた。
F 8066:2005 (IEC 60092-303:1980)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般要求事項 ·················································································································· 2
4. 巻線方式 ························································································································ 2
5. 端子 ······························································································································ 2
6. 冷却方式 ························································································································ 2
6.3 液入変圧器 ··················································································································· 2
7. 電圧変動率 ····················································································································· 3
8. 並行運転 ························································································································ 3
9. 温度上昇の限度 ··············································································································· 3
10. 試験 ···························································································································· 3
解 説 ································································································································ 4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8066:2005
(IEC 60092-303:1980)
船用電気設備−
第303部:機器−動力及び照明用変圧器
Electrical installations in ships−
Part 303: Equipment−Transformers for power and lighting
序文 この規格は,1980年に第3版として発行されたIEC 60092-303:1980,Electrical installations in ships
−Part 303: Equipment−Transformers for power and lighting及びAmendment1(1997)を翻訳し,技術的内容
を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)については,編集し,一
体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
IEC 60092(船用電気設備)シリーズは,航洋船の電気設備に関し,現在採用されている,優れた実行手
段を極力取り入れ,また,現行規則類との調和をできるだけ図りながら,国際規格の一系列を構成してい
る。
これらの規格は,SOLAS(海上人命安全条約)の要求に対する具体的な解釈及び補充を行っている規定
であり,将来制定されるかもしれない規則類に対する指針でもある。また,船主,造船所及びその他関係
機関が採用する実行手段に対する手引となるものである。
1. 適用範囲 この規格は,船舶に使用される動力,照明及びスタティックコンバータ用のすべての変圧
器に適用する。また,始動用変圧器,スタティックバランサ,可飽和リアクタ,トランスダクタなどが使
用される場合にも特別な要求が指定されていない限り,単相1 kVA以下,三相5 kVA以下を含めて適用す
る。
参考 この規格の内容と他の日本工業規格(JIS)の内容とに相違がある場合,特にIEC 60092シリーズ
によると指定された場合を除き,相違する内容の適用に当たっては,当事者間の協議による。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60092-303:1980,Electrical installations in ships−Part 303: Equipment−Transformers for power
and lighting (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS F 8061 船用電気設備 第101部 定義及び一般要求事項
備考 IEC 60092-101 Electrical installations in ships−Part 101: Definitions and general requirementsが,
この規格と一致している。
2
F 8066:2005 (IEC 60092-303:1980)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS F 8072 船用電気設備 第401部 装備基準及び完成試験
備考 IEC 60092-401 Electrical installations in ships−Part 401: Installation and test of completed
installationが,この規格と一致している。
IEC 60076 Power transformers
IEC 60076-1:1993 Power transformers−Part 1: General
IEC 60076-2:1993 Power transforemers−Part 2: Temperature rise
IEC 60076-3:1980 Power transformers−Part 3: Insulation levels and dielectric tests
IEC 60076-3:1980 Power transformers−Part 3: Insulation levels and dielectric tests Amendment 1(1981)
IEC 60076-3-1:1987 Power transformers−Part 3: Insulation levels and dielectric tests-Section 1: External
clearances in air
IEC 60076-5:1976 Power transformers−Part 5: Ability to withstand short circuit
IEC 60076-5:1976 Power transformers−part 5: Ability to with stand short circuit Amendment 2(1984)
IEC 60146-1-3:1991 Semiconductor convertors−General requirements and line commuted convertors−Part
1-3: Transformers and reactors
IEC 60726:1982 Dry type power transformers
IEC 60726:1982 Dry type power transformers Amendment 1 (1986)
IEC 60947-4-1:1990 Low-voltage switchgear and controlgear−Part 4: Contactors and motor-starters−
Section 1: Electromechanical condactors and motor-starters
3. 一般要求事項 適用範囲に規定したすべての機器は,適用できる限り,この規格及びIEC 60092(船
用電気設備)シリーズの他の部で規定する追加要求に加え,IEC 60076,IEC 60076-1:1993,IEC 60076-2:
1993,IEC 60076-3:1980,IEC 60076-3-1:1987,IEC 60076-5:1976,IEC 60146-1-3:1991,IEC 60726:1982
及びIEC 60947-4-1:1990の該当する要求にも従わなければならない。
4. 巻線方式 変圧器は二巻線(二分割巻線)でなければならない。ただし,始動用変圧器は単巻線でよ
い。
5. 端子 明りょうな記号を付けた適切な端子を,外部接続に便利な近付きやすい位置に設けなければな
らない。端子は有効に固定し,かつ,偶然にも地絡したり,短絡したり又は触れたりできないように間隔
をとり,かつ,又は遮へいをしなければならない。
6. 冷却方式
6.1
変圧器は,乾式空冷形のものが望ましい。
6.2
液体中に浸す形式の液入変圧器は,密封形とするのが望ましい。コンサベータ形の場合は,JIS F 8061
に規定されているように,通常状態から傾いた船のすべての状態において,液の流出するおそれがなく運
転できるように設計しなければならない。呼吸作用に対する設備がある場合には,適切な除湿器を備えな
ければならない。
6.3
液入変圧器 液入変圧器に対しては,液体の高温警報及びガスで動作する保護装置を備えるよう考
慮しなければならない。
備考 装備上の注意事項については,JIS F 8072 の15.(据付け及び配置)を参照する。
3
F 8066:2005 (IEC 60092-303:1980)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 電圧変動率(1) 無負荷と定格負荷の間の二次電圧の電圧降下は,抵抗負荷で,1相当たり5 kVAとし,
次の変圧器に対しては5 %を,5 kVAを超えるものでは2.5 %を超えてはならない。ただし,始動用変圧器
に対しては製造業者と購入者との協定によらなければならない。
注(1) この項には,製造業者と購入者間で協定しなければならない事項がある。
備考 変圧比及び短絡インピーダンスを決定するときには,電源側及び配電側の系統の全電圧降下を
考慮しなければならない。この点については,JIS F 8061の2.8.2.1(電圧特性)及び3.も参照
する。
8. 並行運転 変圧器の二次巻線が並列接続できるようになっている場合は,変圧器の巻線の接続はそれ
に適合したものであり,それらの定格電圧の比は等しく(許容裕度は含む。),かつ,短絡インピーダンス
値(%)は0.9〜1.1以内の比をもたなければならない。変圧器を並行運転しようとするときは,その群の最小
の変圧器の定格出力は,最大の変圧器の定格出力の半分以上でなければならない。
9. 温度上昇の限度 温度上昇の限度は,JIS F 8061の2.6(環境条件)の周囲温度を考慮に入れて,油入
変圧器に対してはIEC 60076-2の4 (Temperature-rise limits) の規定に,乾式変圧器に対してはIEC 60726
の10 (Temperature-rise limits) の規定に従わなければならない。
10. 試験 変圧器の短絡能力を証明するために短絡試験を要求する場合には,形式試験としてIEC 60076-5
の2.2.5の規定に適合しなければならない。