F 8052:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 1
3 定格······························································································································· 1
3.1 定格電圧 ······················································································································ 1
3.2 制御電源電圧 ················································································································ 1
4 性能······························································································································· 2
4.1 周囲条件 ······················································································································ 2
4.2 指示計精度 ··················································································································· 2
4.3 警報検出性能 ················································································································ 2
4.4 制御電源変動 ················································································································ 3
4.5 耐電圧 ························································································································· 3
4.6 振動 ···························································································································· 3
5 構造······························································································································· 3
6 装置の装備基準 ················································································································ 4
6.1 適用回路 ······················································································································ 4
6.2 装備方法 ······················································································································ 4
7 性能確認························································································································· 4
7.1 製造業者による性能確認 ································································································· 4
7.2 船内試験による性能確認 ································································································· 4
F 8052:2008
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS F 8052:1990
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 8052:2008
船用絶縁監視装置設計基準
Ships and marine technology-Insulation level monitoring device-Designs
1
適用範囲
この規格は,船舶における500 V以下の非接地式交流配電系統及び24 V以下の非接地式直流配電系統に
用いられる絶縁監視装置(以下,装置という。)の性能,構造及び装備方法の設計基準について規定する。
注記 絶縁監視装置とは,船体と電気回路との間の絶縁抵抗を連続監視し,その抵抗値を指示すると
ともに,抵抗値が設定した値以下になった場合に,可視又は可聴の警報を発するか,又は外部
警報用接点をもつ装置をいう。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
制御電源
装置を支障なく動作させるための安全な電源。
2.2
デッドバンド値
装置がもつヒステリシス特性によって生じる測定値の差。
3
定格
3.1
定格電圧
装置の定格電圧は,表1による。
表1−装置の定格電圧
単位 V
交流回路
100
110
115
250
500
直流回路
24
注記1 交流回路の定格周波数は,50 Hz,60 Hz又は50 Hz・
60 Hz共用とする。
注記2 装置の定格電圧は,監視回路の使用電圧以上の値と
する。
3.2
制御電源電圧
装置の制御電源電圧は,表2による。
2
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表2−装置の制御電源電圧
単位 V
交流回路
100
110
115
(190)
200
220
(230)
直流回路
24
100
110
注記1 交流回路の定格周波数は,50 Hz,60 Hz又は50 Hz・60 Hz
共用とする。
注記2 括弧内電圧は,適用する場合があることを示す。
4
性能
装置は,次の諸性能を備えなければならない。
4.1
周囲条件
装置は,表3及び表4の周囲条件の下で支障なく動作しなければならない。
表3−周囲温度
単位 ℃
装備場所
温 度
閉囲区域内
0〜45
45を超える区域 又は 0を下回る区域内
計画条件による
表4−傾斜角度
静的傾斜
30°
動的傾斜
4.2
指示計精度
指示計精度は,表5による。
表5−指示計精度
目盛範囲
MΩ
指示値に対する精度
%
0.05以上1未満
± 5
上記以外
±10
4.3
警報検出性能
警報検出性能は,次による。
a) メータリレー方式の警報検出精度及びデッドバンド値は,表6の値による。
表6−メータリレー方式の警報検出性能
設定値に対する検出精度
目盛の長さ*の±1.5 %又は±2.5 %以内
設定値に対するデッドバンド値
目盛の長さの1.0 %以内
注* 目盛の長さは,両端の目盛線の間を目盛に沿って測った長さをいう。
b) メータリレー方式以外の警報検出精度及びデッドバンド値は,表7の値による。
表7−メータリレー方式以外の警報検出性能
設定範囲MΩ
設定値に対する
検出精度 %
設定値に対する
デッドバンド値 %
0.05 以下
±20
3以内
0.05 を超え
±10
3
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4.4
制御電源変動
制御電源変動は,次による。
a) 装置は,交流の場合,表8に示す電圧及び周波数の変動の下で支障なく動作しなければならない。
表8−電圧及び周波数の変動
変動の種類
定常変動 %
瞬時変動 %
電圧
+ 6
−10
±20(1.5秒)
周波数
± 5
±10(5秒)
注記1 数値(時間は除く。)は,定格値に対する百分
率で示す。
注記2 括弧内時間は,復帰時間を示す。
b) 装置は,直流の場合,表9に示す電圧の変動の下で支障なく動作しなければならない。
表9−電圧の変動
変動の種類
定常変動 %
周期変動 %
リプル %
電圧
±10
5
10
注記 数値は,定格値に対する百分率で示す。
c) 装置は,蓄電池による直流の場合,表10に示す電圧の変動の下で支障なく動作しなければならない。
表10−電圧の変動
変動の種類
充電時 %
放電時 %
電圧
+30
−25
+20
−25
注記1 数値は,定格値に対する百分率で示す。
注記2 数値は,充電装置のリプルの影響を考慮する
必要がある。
4.5
耐電圧
装置は,表11によって試験電圧を1分間加えたとき,これに耐えなければならない。ただし,電子部品
を使用し,試験電圧を加えることが好ましくない回路がある機器では,その回路の端子を取り外した後,
これを一括するなどの処理をしてから,電圧を加える。
表11−耐電圧
単位 V
電圧区分
電圧を加える箇所
試験電圧
交流回路 充電金属部と非充電金属部との間 定格電圧の2倍+1 000
(最小1 500)
直流回路
500
4.6
振動
装置は,通常の状態における振動の下で支障なく動作しなければならない。
5
構造
装置の構造は,次による。
a) 機能を満足するための十分な機械的,電気的強度をもたなければならない。
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 内部素子を納める箱は,内部にじんあいが入らぬ構造とし,又はこれと同等以上の堅ろうなものでな
ければならない。
c) 装置が外部警報用接点をもつ場合は,無電圧接点出力とする。
d) 装置の警報動作後の復帰は,手動又は自動のいずれでもよい。
e) 装置の警報値設定は,可変方式とする。
f)
装置に流れる接地電流は,いかなる場合にも30 mAを超えない構造とする。
g) 制御電源回路と監視回路とがそれぞれ独立な場合には,その間は絶縁され,混触などを起こさないよ
うにしなければならない。
6
装置の装備基準
6.1
適用回路
装置を適用する回路は,次による。
a) 発電機回路と直接接続される非接地式配電系統の母線。ただし,バスタイブレーカなどによって,接
続された複数の母線をもつ配電系統で,その系統が正常な状態で連続している場合(例えば,非常用
配電盤の母線)には,追加の装置を設ける必要はない。
b) a)の配電系統と絶縁変圧器を介して接続される二次側配電系統の母線。ただし,特定機器専用の二次
回路は除く。特定機器には,スエズ探照灯,特定クレーンに装備される電熱器回路,照明回路,計装
回路,スラスター用電動機回路などを含める。
c) 蓄電池を電源とする動力回路,照明回路,電熱回路,又はその回路が接続される給電盤の母線。
6.2
装備方法
装備方法は,次による。
a) 装置と地絡灯とを装備する場合には,両方が同時に系統に接続されないようにインターロックを施す。
b) 制御電源回路には,断路器を設けてはならない。
7
性能確認
7.1
製造業者による性能確認
装置の性能確認は,装置の製造業者が行う。
7.2
船内試験による性能確認
船内では,装置の警報発生の確認を行う。
関連規格 JIS F 8076 船用電気設備−第504部:個別規定−制御及び計装