2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F8041-1986
船舶の照度基準及び照度測定方法
Recommended Levels of Illumination and
Methods of Illumination Measurements for Marine Use
1. 適用範囲 この規格は,船舶,海洋構造物などにおいて,人工照明によって労働安全,良好な生活環
境などを確保するために必要な照度の基準及びその測定方法について規定する。
引用規格:
JIS C 1609 照度計
2. 所要照度 所要照度は,人工照明を設備する場所の分類に対応して,付表による。
なお,付表の照度に対する一般条件は,次による。
(1) 付表に示す照度は,常時維持照度である。したがって,設計に当たっては,保守率(1)を考慮して計画
すること。
注(1) 保守率とは,照明設備をある期間使用した後の平均照度と初期照度との比をいう。
(2) 全般照明の照度は,3.で規定する測定方法による平均値であって,個々の測定値の最小値ではない。
(3) 局部照明がある場合の全般照明の照度は,特に要求がない限り,局部照明を点灯した状態での値とす
る。
(4) 局部照明の照度は,特に要求がない限り,全般照明を点灯した状態での値とする。
(5) 局部照明で測定箇所が1点の場合の照度は,少なくとも付表の値であること。
備考 対象の特殊性,測定法などで一般条件に適合しない場合には,付表の備考にその旨を記した。
3. 照度測定方法
3.1
一般条件 照度測定方法の一般条件は,次による。
(1) 照度測定は,JIS C 1609(照度計)に規定する照度計を用いて行う。
(2) 測定時の灯具には,正規の電圧及び周波数が給電されていること。
(3) 測定者の位置及び服装が測定に影響を与えないように注意すること。
(4) 測定は,日没後,クレーンなどの陸上設備又は他の船舶などからの光の照射の影響がないことを確認
してから行う。
3.2
全般照明測定方法 全般照明の照度の測定は,原則として次によって行い,求める照度は,それら
の測定値の算術平均で表す。
(1) 仕切られた室の場合 その全域を人が移動できる仕切られた室の測定は,次による。
なお,測定点の例を図1に示す。
(a) 室の仕切りとそれに最も近いランプ又は電球の端部との中央。
2
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(b) 近接する二つのランプ又は電球間の中央。
(c) 特に指定がない限り,いずれも床面から850mmの高さの水平面。
(d) 高さ1 500mm以上の家具などは,仕切りとみなす。
(e) ランプ又は電球の直光が遮られる空間がある場合は,その遮られた空間の中央を測定点として追加
する。
図1 全般照明の測定方法
備考
は,灯具を, “E1” 〜 “E7” は,測定点及びその測定値を示す。
(2) 通路,階段などの場合 通路,階段などの測定は,次による。
なお,測定点の例を図2〜4に示す。
(a) ランプ又は電球の中央。
(b) 近接する二つのランプ又は電球間の中央。
(c) 特に指定がない限り,いずれも床面上の水平面。
3
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2 内部通路の測定方法
備考1.
は,灯具を, “” は,測定点を示す。
2. 図は,壁付灯の場合を示したが,天井灯の場合もこれと同等の
要領による。
図3 階段の測定方法
備考1. “” は,測定点を示す。
2. 測定点は,階段中心線上で,上の第1ステップ及び中間のステ
ップの2点とする。
図4 外部通路の測定方法
備考1. ○は,灯具を, “” は,測定点を示す。
2. 図は,壁付灯の場合を示したが,天井灯の場合もこれと同等の
要領による。
(3) 室の中の専用通路などの場合 機関室通路などのように,大きな空間の中での通路の測定は,次によ
る。
なお,測定点の例を図5及び図6に示す。
(a) 近接する二つのランプ又は電球間の中央。
(b) 仕切りとそれに最も近いランプ又は電球の端部との中央。
(c) 特に指定がない限り,いずれも床面から850mmの高さの水平面。
(d) 高さ1500mm以上の機器,盤などは,仕切りとみなす。
4
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5 機関室通路などの測定方法
備考
は,灯具を, “” は,測定点を示す。
図6 室端部など壁面に近い場所の測定方法
備考
は,灯具を, “” は,測定点を示す。
(4) 車両甲板,冷凍貨物倉などの場合 車両甲板,冷凍貨物倉などのように,多数の灯具をほぼ均等に設
置する場合は,次による。
なお,測定点の例を図7に示す。
(a) ランプ又は電球の中央。
(b) 近接する二つのランプ又は電球間の中央。
(c) 仕切りとそれに最も近いランプ又は電球の端部との中央。
(d) 特に指定がない限り,いずれも床面上の水平面。
備考 車両甲板,冷凍貨物倉などのように,多数の灯具をほぼ均等に設置する場合は,中央,仕切り
近傍,端部など適切な代表範囲を選択して測定を行ってもよい。
5
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図7 車両甲板,冷凍貨物倉などの測定方法
備考
は,灯具を, “E1” 〜 “En” は,測定点及びその測定値を示す。
(5) 一般貨物倉などの場合 一般貨物倉のように大きな空間を固定灯で照明を行う場合の測定は,次によ
る。
なお,測定点の例を図8に示す。
(a) 室の中央。
(b) 室の二つの中心線上で,仕切りから41の位置
(c) 特に指定がない限り,いずれも床面上の水平面。
図8 一般貨物倉の測定法
備考 “” は,測定点を示す。
3.3
局部照明測定方法 局部照明の照度の測定は,その照度が問題となる場所の1点に着目して行う。
ただし,ある程度の面積を考える必要がある場合は,適切な数点を選定して測定を行い,その算術平均で
表してもよい。
なお,局部照明の測定点の例を図9〜12に示す。
6
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図9 寝台枕元の測定法
備考1. ○は,灯具を, “
” は,測定点及び照度計の向きを示す。
2. 測定は,寝台中心とする。
図10 鏡の前の測定方法
図11 机上の測定方法
備考1. ○は,灯具を, “
” は,測定点及び
照度計の向きを示す。
2. 測定は,鏡中心とする。
備考 “” は,測定点を示す。
7
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図12 計器盤面の測定方法
備考1. □は,計器を, “
” は,測定点及び照度計の向きを示す。
2. 測定は,計器盤面の左端,右端及び中央の最上段及び最下段で,計器面と平行に照度計
を置いて行う。
3. 照度は,測定値の算術平均とする。
付表 所要照度及び照度測定方法
(1) 居住区域 (living area)
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
船長級居室
captain class day room
150
図1
船長級寝室
captain class bed room
100
図1
船員室
cabin
100
図1
客 室
state room, passenger room
100
図1
机 上
on desk
250
図11
船長級居室,船長級寝
室,船員室及び客室の局
部照明
寝台の枕元
berth at pillow
200
図9
船長級居室,船長級寝
室,船員室及び客室の局
部照明
鏡の前
mirror front
200
図10
船長級居室,船長級寝
室,船員室及び客室の局
部照明
浴室
bath room
50
図1
洗面所,便所
lavatory, toilet
50
図1
鏡の前
mirror front
200
図10
理髪及び美容室
barber shop and beauty parlor
200
図1
食堂
dining saloon, mess room
200
図1
食卓上
on dining table
250
図11
テーブル上(筆記又はゲーム用)
on table (writing, game)
250
図11
喫煙室
smoking room
200
図1
娯楽室(和室を含む。)
recreation room
200
図1
和室の場合床面上
400mmの照度
食卓上
on dining table
250
図1
テーブル上(筆記又はゲーム用)
on table (writing, game)
250
図11
スポーツルーム
sports room, gymnasium
200
図1
図書室
library
200
図1
テーブル上
on table
250
図11
8
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 (続き)
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
ラウンジ
lounge
200
図1
カクテルラウンジ
cocktail lounge
−
−
ムード照明として照度
は適当とする。
病室
hospital
100
図1
診察室
dispensary
200
図1
診察台上
on dispensaly table
500
−
ランプ又は電球の真下
の台面
売店
shopping area
200
図1
フェリー,客船などの店
内
居住区内通路
passage, alley way,
corridor passage
50
図2
階段室
staircase
50
図3
昇降口 (companion way)
を含む。
旅客用出入口
entrance for passenger
100
−
出入口附近の適当な数
点の平均値
居住区周辺の外部通路
outer passage
10
図4
プール
swimming pool
50
−
測定点は,プール中央の
水面上とする。
付表 (続き)
(2) 航海装置区域 (navigation area)
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
操舵室
wheel house
50
図1
海図室
chart room
50
図1
海図机上
on chart table
250
−
ランプ又は電球の真下
の机上
無線室
radio office
200
図1
作業卓
operating table
250
図11
ジャイロ室,レーダー室などの電気機
器室
electric room, such as gyro room,
radar room etc.
100
図1
パイロットハウス
pilot house
100
図1
クレーンバージ,リグ
ナビゲーションルーム
navigation room
200
図1
クレーンバージ,リグ
オペレーションルーム
operating room
200
図1
クレーンバージ,リグ
リグマネージメントルーム
rig management room
200
図1
クレーンバージ,リグ
(3) 業務区域 (service area)
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
事務室
office
100
図1
事務机上
on desk
250
図11
調理室
galley
100
図1
調理台上
on cooking table
250
−
調理台中央の台面
配ぜん室,肉処理室,製パン室など pantry, butcher shop, bakery etc.
100
図1
9
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
食料庫
provision store (dry)
50
図1
食料冷蔵庫
refrigerated provision chamber
30
図1
洗濯室
laundry
100
図1
乾燥室
drying room
50
図1
ロッカー及び諸倉庫
locker and store
50
図1
付表 (続き)
(4) 操作区域 (operating area)
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
機関室,ボイラ室及び補機室の主通
路,階段及び出入口
main passage, stair and entrance in
eng. room, boiler room and aux.
machine room
100
図3,
図5,
図6
機関室,ボイラ室及び補機室の主操作
場所及び監視場所
operation area in engine room, boiler
room and aux. machine room
150
−
操作場所,監視場所の床
面より850mm
機関室,ボイラ室及び補機室で保安上
タンク裏などに近付くための通路
access to the rear of tanks in eng.
room, boiler room and aux. machine
room
20
図6
機関制御室
engine control room
200
図1
計器盤面
on gauge
300
図12
光電式デジタル計器盤,
CRTディスプレイ面など
には適用しない。
操縦卓上
on operating table
300
図12
光電式デジタル計器盤,
CRTディスプレイ面な
どには適用しない。
工作室
work shop
100
図1
工作台上
on work bench
300
−
工作台中央の台面
工作機械の作業面
at work face of machine and tool
500
−
機関室諸倉庫
engine room store
50
図1
軸室
shaft tunnel
20
図6
荷役制御室
cargo control room
200
図1
計器盤面
on gauge
300
図12
光電式デジタル計器盤,
CRTディスプレイ面な
どには適用しない。
操縦卓上
on operating table
300
図12
光電式デジタル計器盤,
CRTディスプレイ面な
どには適用しない。
非常発電機室
emargency generator room
100
図1
計器盤面
on gauge
200
図12
蓄電池室
battery room
50
図1
甲板長倉庫
boatswain's store
50
図1
塗料庫
paint store
50
図1
貨物油ポンプ室
cargo oil pump room
50
図5,
図6
通路階段及びポンプ附
近
かじ取機室,空気調和機械室などの機
械室
steering gear room,
aircond. room etc.
50
図1
10
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
照明場所
照度
lx
測定方法
備考
和文名称
参考
英文名称
冷凍貨物倉
refrigerated cargo hold
30
図7
一般貨物倉(固定灯による場合)
general cargo hold (fixed light)
20
図8
上甲板下通路
under deck passage
20
図2
コンテナー船,しゅんせ
つ(浚渫)船
カーゴウインチの操作場所
cargo handling space
20
−
操作ハンドル附近の水
平面
ムアリングの作業場所
mooring area
20
−
甲板上850mmの水平面
で任意の数点の平均値
労働者が作業のために通行する場所 passage way on upper deck (weather)
8
−
床面の任意の測定箇所
のいずれにおいても
(ILOによる。)
荷油管及び燃料油管の陸上パイプと
の接続部
each oil transfer connection point
54
−
接続部の水平面
(USCGによる。)
荷油及び燃料油積込場所
each oil transfer operation work area
11
−
バルブ,ホースダビット
附近の甲板上900mm
(USCGによる。)
車両甲板
car deck (car ferry)
50
図7
カーフェリー(自動車を
搭載していないとき)
自動車甲板
car deck (car carrier)
50
図7
カーキャリアー(自動車
を搭載していないとき)
救命艇及び救命いかだの積付場所
stowage position of lifeboat and
liferaft
20
−
積付け場所附近で甲板
上850mmの水平面数点
の平均値
救命艇の進水面
lifeboat launching position
2
−
進水面の任意の測定箇
所のいずれにおいても
11
F8041-1986
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
船舶部会IECTC/18船用ぎ装専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
原 昌 三
三菱重工業株式会社船舶鉄構事業本部
大 西 重 雄
運輸省船舶局
飛 田 勉
工業技術院標準部
大須賀 実
川崎重工業株式会社船舶・神戸設計部
岡 野 益 弘
三菱重工業株式会社船舶技術部
鬼 頭 博 明
日本鋼管株式会社造船設計部
冨 士 泰 宏
三井造船株式会社船舶海洋プロジェクト事業本部
藤 本 正 俊
住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業本部
荒 川 康 一
日立造船株式会社船舶本部
加 納 寛 治
石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部
村 上 嘉 明
日本郵船株式会社工務部
大 石 幸 明
大石電気工業株式会社
神 谷 鍵 次
株式会社三英電機製作所
福 島 彰
財団法人日本船舶標準協会
(事務局)
田 仲 信 夫
工業技術院標準部機械規格課