F 8008:2016
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 一般要求事項 ··················································································································· 2
4 性能······························································································································· 2
4.1 外被の保護性能 ············································································································· 2
4.2 絶縁抵抗 ······················································································································ 2
4.3 耐電圧 ························································································································· 2
4.4 熱衝撃性 ······················································································································ 3
4.5 傾斜 ···························································································································· 3
4.6 動揺 ···························································································································· 3
4.7 耐衝撃性(落下) ·········································································································· 3
4.8 振動 ···························································································································· 3
4.9 EMC(電磁環境適合性) ································································································ 3
5 構造及び構成部品 ············································································································· 3
5.1 構造 ···························································································································· 3
5.2 構成部品 ······················································································································ 3
6 材料······························································································································· 5
7 異種金属間接触部の電食防止 ······························································································ 5
8 検査······························································································································· 5
9 警告表示························································································································· 6
10 取扱い上の注意事項 ········································································································ 6
附属書A(参考)船用電気器具に用いる警告表示の例 ································································· 7
附属書B(参考)船用電気器具に用いる取扱い上の注意事項の記載例 ············································· 8
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本
船舶技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 8008:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
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船用電気照明器具通則
Ships and marine technology-
General requirements for electric lighting fittings
序文
この規格は,1994年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2010年に
行われたが,その後の引用規格の改正,関連規格の廃止及びLEDを光源とする照明器具に対応するために
改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,船で使用する電源電圧250 V以下の白熱電球,蛍光ランプ(ハロゲン電球・電球形蛍光ラ
ンプを含む。),放電ランプ及びLEDを光源とする照明器具(以下,器具という。)の一般要求事項につい
て規定する。
なお,この規格に規定していない事項については,JIS C 8105-1及びJIS C 8105-3による。
この規格は,防爆形の器具には適用しない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3410 船用電線
JIS C 4908 電気機器用コンデンサ
JIS C 6571 電子機器用トグルスイッチ
JIS C 8105-1 照明器具−第1部:安全性要求事項通則
JIS C 8105-3 照明器具−第3部:性能要求事項通則
JIS C 8120 交流及び/又は直流用蛍光灯電子制御装置−性能要求事項
JIS C 8153 LEDモジュール用制御装置−性能要求事項
JIS C 8154 一般照明用LEDモジュール−安全仕様
JIS C 8155 一般照明用LEDモジュール−性能要求事項
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類
JIS F 0090 船舶の安全標識
JIS F 0701 船用電気器具のプラスチック選定基準
JIS F 0808 船用電気器具環境試験通則
2
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JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則
JIS F 8007 船用電気機器−外被の保護等級及び検査通則
JIS F 8061 船用電気設備−第101部:定義及び一般要求事項
JIS F 8062 船用電気設備 第201部 システム設計−一般
JIS F 8069 船用電気設備 第306部 機器−照明器具及び配線器具
JIS F 8401 船用ソケット
JIS F 8431 船用蛍光灯安定器
JIS F 8447 船用高圧水銀灯安定器
JIS F 8801 船用電線貫通金物−箱用
JIS F 8813 船用圧着端子用端子盤
3
一般要求事項
器具は,JIS F 8061,JIS F 8062及びJIS F 8069に規定する要求事項によるほか,次による。ただし,受
渡当事者間で,一般要求事項以上の仕様の取り決めがある場合は,この限りではない。
a) 基準周囲温度の限度は,45 ℃とする。
b) 外部電線接続部の温度上昇の限度は,40 ℃とする。
4
性能
4.1
外被の保護性能
器具の外被の保護性能は,JIS F 8007によって試験を行い,その器具に表示された保護等級を満足しな
ければならない。
4.2
絶縁抵抗
器具の絶縁抵抗は,次による。ただし,電子部品を使用し,試験電圧を加えることが好ましくない回路
は取り外してもよい。
a) 白熱電球式器具は,直流500 Vの絶縁抵抗計で,各極の間及び充電部と非充電金属間との間の絶縁抵
抗を測定したとき,20 MΩ以上でなければならない。
b) 蛍光灯式器具及び放電ランプ式器具は,適合ランプを取り付けた状態で,直流500 Vの絶縁抵抗計で
充電部と非充電金属間との間の絶縁抵抗を測定したとき,冷間時で30 MΩ以上,熱間時で10 MΩ以
上でなければならない。
注記1 冷間時とは,器具が完全に冷え切り,消灯している状態を示す。
注記2 熱間時とは,器具の点灯後,器具温度が飽和した状態を示す。
c) LED式器具は,適合LEDモジュールを取り付けた状態で,直流500 Vの絶縁抵抗計で充電部と非充
電金属間との間の絶縁抵抗を測定したとき,冷間時で30 MΩ以上,熱間時で10 MΩ以上でなければ
ならない。
4.3
耐電圧
器具は,JIS F 0808の6.2.16.1(試験方法)及び6.2.16.2(試験装置)の規定によって,表1の試験電圧
を加え,1分間これに耐えなければならない。また,耐電圧検査後,4.2の絶縁抵抗を満足しなければなら
ない。
3
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表1−試験電圧
単位 V
定格電圧
試験電圧
50以下
500
50を超え250以下
1 500
4.4
熱衝撃性
保護等級IPX4以上の白熱電球式器具,放電ランプ式器具及びLED式器具は,JIS F 0808の6.2.8[温度
急変試験(熱衝撃)]の規定によって,加熱方法は方法2,冷却方法は方法5,厳しさは表24の10±2 ℃
で試験を行い,異状があってはならない。
4.5
傾斜
器具の傾斜は,正規の取付状態において,船舶が傾斜した場合でも正常に動作する構造とする。特に規
定がない場合には,JIS F 0808の6.2.11(傾斜試験)の厳しさのうち,表28の傾斜角22.5度の試験を行い,
これを満足しなければならない。
4.6
動揺
器具の動揺は,正規の取付状態において,船舶が動揺した場合でも正常に動作する構造とする。特に規
定がない場合には,JIS F 0808の6.2.12(動揺試験)の厳しさのうち,表29〜表31の傾斜角22.5度,周
期10秒間及びサイクル数100で試験を行い,これを満足しなければならない。
4.7
耐衝撃性(落下)
移動形の器具は,使用中,携帯中又は移動中の落下による衝撃があった場合でも,正常に動作する構造
とする。特に規定がない場合には,JIS F 0808の6.2.13(自由落下試験)の厳しさのうち,表32及び表33
の高さ500 mm,落下回数3回の試験を行い,使用に支障があってはならない。
4.8
振動
器具の振動は,正規の取付状態で船舶に発生する振動の下でも正常に動作する構造とする。特に規定が
ない場合には,JIS F 8006のA1−B1・0.5級・1.5Hで試験を行い,7.(判定)を満足しなければならない。
4.9
EMC(電磁環境適合性)
EMCは,JIS F 0808の6.2.18[EMC(電磁環境適合性)試験]の規定によって行い,これに適合するこ
とを確認する。
5
構造及び構成部品
5.1
構造
構造は,次による。
a) 器具は,傾斜,動揺及び振動に対して十分な機械的強度をもち,かつ,できる限り小形軽量で耐久性
をもち,取扱者及び周囲の構造物に対して危険を及ぼさない安全な構造とする。
b) 器具は,適合電球に対して十分な内容積をもち,各部の温度が規定値を超えないように部品を配置す
る。
5.2
構成部品
構成部品は,次による。
a) 安定器は,JIS F 8431及びJIS F 8447によるか,又はこれらに準じるものとする。また,省エネルギ
ー及び環境負荷低減を考慮して,JIS C 8120の規定によるものを用いることができる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) LED式器具のLEDモジュール及びLEDモジュール用制御装置は,JIS C 8153,JIS C 8154及びJIS C
8155によるか,又はこれらに準じるものとする。また,振動,温度など船用としての性能を満足する
ものとする。
c) 白熱灯などに用いるソケットは,JIS F 8401によるか,又はこれに準じるものとする。
d) 白熱電球は,特に規定がない場合には,船用としての性能を満たすため,次の過電圧振動耐久及び静
止寿命の要件を満足するものとする。過電圧振動耐久は,電球を定格電圧の120 %で点灯し,複振幅
3 mm,振動数16.7 Hzの正弦波に近い上下振動を与え,フィラメントが切れるまでの時間を測定し,
表2〜表4の値以上でなければならない。静止寿命は,静止状態において定格電圧で点灯し,フィラ
メントが切れるまでの時間を測定し,表2〜表4の値以上でなければならない。試験は,あらかじめ
受渡当事者間で電圧と寿命との関係を協定した場合には,その電圧で行っても差し支えない。また,
試験電圧の変動は,±1 %以内とし,その電圧は記録されなければならない。
e) 白熱灯などに用いるグローブ及び前面ガラスは,耐熱衝撃性,色度,材料において良質なものとする。
f)
端子は,外部電線を容易かつ確実に接続でき,緩むおそれがない構造とする。ただし,外部電線は,
JIS C 3410の規定による。
なお,端子盤を用いる場合は,JIS F 8813の規定によるか,又はこれと同等以上の性能のものとす
る。
g) 器具にスイッチを設ける場合は,JIS C 6571又はJIS C 8304の規定による。
h) 器具にレセプタクルを設ける場合は,JIS C 8303の規定によるか,又はこれと同等以上のものとする。
i)
力率改善用コンデンサを設ける場合は,JIS C 4908の規定によるか,又はこれと同等以上の性能をも
つものとする。
j)
内部配線は,適切な電流容量をもち,その回路電圧及び器具の内部温度に十分耐える電線とする。
k) 電線貫通金物は,JIS F 8801の規定によるのがよい。
表2−一般照明用
形式
過電圧振動耐久時間(h)
静止寿命時間(h)
KG 24 V 40 W
50
1 000
KG 100 V 40 W
40
1 500
KG 110 V 40 W
KG 115 V 40 W
KG 220 V 40 W
30
2 000
KG 230 V 40 W
KG 24 V 60 W
50
1 000
KG 100 V 60 W
50
1 500
KG 110 V 60 W
KG 115 V 60 W
KG 220 V 60 W
40
1 500
KG 230 V 60 W
KG 24 V 100 W
50
1 000
KG 100 V 100 W
50
1 500
KG 110 V 100 W
KG 115 V 100 W
KG 220 V 100 W
40
1 500
KG 230 V 100 W
5
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表3−特殊照明用
形式
過電圧振動耐久時間(h)
静止寿命時間(h)
KB 24 V 5 W
20
1 500
KB 24 V 10 W
KB 115 V 10 W
15
KB 24 V 20 W
25
KB 115 V 20 W
表4−航海灯用
形式
過電圧振動耐久時間(h)
静止寿命時間(h)
KN 24 V 20 WS
25
1 000
KN 24 V 20 W
500
KN 100 V 20 W
1 000
KN 110 V 20 W
KN 115 V 20 W
KN 220 V 20 W
15
KN 24 V 40 W
25
500
KN 100 V 40 W
1 000
KN 110 V 40 W
KN 115 V 40 W
KN 220 V 40 W
6
材料
材料は,日本工業規格によるもの又はこれと同等以上の品質をもつものとし,器具の正常な使用状態の
下で,機械的,化学的及び電気的性能をもち,長期間の使用に耐える良質なものとするほか,次による。
a) 透光部品は,合成樹脂製又はガラス製とし,適切な強度をもち,泡,きずなどがなく,透過率が良い
ものとしなければならない。
b) 合成樹脂製の材料を使用する場合には,JIS F 0701によって適切な材料を選定する。
7
異種金属間接触部の電食防止
アルミニウム又はアルミニウム合金と異種金属とが接触する箇所には,有効な電食防止処理を施す。
なお,電食防止処理の方法は,次による。
a) 金属間の電位差を減少させるためのめっきを施す。
b) 異種金属の接触面に絶縁部材を介在させるか,有機皮膜を設けるか,又は電食防止剤を塗布する。
8
検査
検査は,次による。
なお,特に規定のない性能要求については,JIS C 8105-3による。
a) 検査の種類及び検査項目 検査の種類は,形式検査と受渡検査とに区分し,検査項目は,次による。
1) 形式検査 形式検査は,箇条4に規定する項目のほか,次の項目について行う。
− 点灯検査(LED式器具/放電ランプ式器具に限る。)
− 始動検査(蛍光灯式器具に限る。)
− 入力検査
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 光特性検査(必要な場合に限る。)
2) 受渡検査 受渡検査は,次の項目について要求があった場合に限り抜取検査で行い,検査試料数及
び合格判定個数は,受渡当事者間で協定する。
− 構造検査
− 点灯検査
− 絶縁抵抗検査
− 耐電圧検査
b) 検査方法 検査は,箇条4に規定する試験条件で,次の方法によって行う。
1) 構造検査は,目視によって判定する。
2) 電気的性能は,この規格のそれぞれの要求事項に規定した試験方法によって行う。
9
警告表示
器具には,感電,やけどなどの人的障害及び誤使用による器具の故障を防止するための警告表示をする
のが望ましい。警告表示は,JIS F 0090の規定に従い,警告ラベルなどを用いて器具の見やすい箇所に表
示する。
警告表示の例は,附属書A参照。
10 取扱い上の注意事項
器具の使用・点検整備時において,感電などの人的障害及び異物の混入による故障を起こすおそれが予
想される場合には,これらを起こさないための注意事項を記載した取扱説明書,施工説明書などを添付す
る。
取扱い上の注意事項の記載例は,附属書B参照。
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
船用電気器具に用いる警告表示の例
A.1 警告表示の例
器具に用いる警告表示の例を,図A.1及び図A.2に示す。
作成方法及び記載する図記号は,JIS F 0090の規定による。
(上部枠内の地色 黄色)
注記 フラッドライト,探照灯など前面ガラスのような高温部をもつ器具に用いる。
図A.1−器具の高温部(やけどのおそれのある前面ガラスなど)に対する警告表示
(上部枠内の地色 黄色)
注記 フラッドライト,探照灯など機械的な可動部をもつ器具に用いる。
図A.2−手を挟むおそれのある可動部に対する警告表示
けがのおそれあり
操作時は、手を出すな
やけどのおそれあり
前面ガラスは、冷えるまで触るな
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附属書B
(参考)
船用電気器具に用いる取扱い上の注意事項の記載例
B.1
取扱い上の注意事項の記載例
B.1.1 一般
取扱い上の注意事項は,それぞれの器具において人的障害及び器具の故障に関わるリスクなどを考慮の
上,使用者,施工者などが適切に器具を取り扱うことを意識して,作成するのがよい。例示の注意事項は,
船用作業灯(JIS F 8414に規定の作業灯に相当)に関するものである。この記載例に示した内容のうち,
その他の器具においても共通的に活用できる事項は,適宜取扱い上の注意事項を作成するときに用いるこ
とができる。
B.1.2 記載例(船用作業灯)
記載例は,次のとおりである。
船用作業灯の安全上の注意について
船用作業灯(以下,作業灯といいます。)の装備時,点検・整備時及び使用時には,必ず“安全上の注意
について”をよく読んでください。
ここに示す注意事項は,作業灯を安全に正しく取り扱っていただき,あなたや他の人々への人的危害や
作業灯をはじめ,他の機器に損害を及ぼすことを未然に防止するためのものです。
その表示と意味は,次のようになっています。
警告
この表示を無視して,誤った取り扱いをすると,人
が死亡又は重傷を負う可能性が想定される内容です。
必ずお守りください。
[三角の枠部分及び図記号は黒とし,内部はだいだい
(橙)色とする。]
注意
この表示を無視して,誤った取り扱いをすると,人
が重傷を負う可能性が想定される内容又は物的損害
のみの発生が想定される内容です。必ずお守りくださ
い。
(三角の枠部分及び図記号は黒とし,内部は黄色とす
る。)
警告
この作業灯は,250 Vから50 V以下の安全電圧までの広い範囲で使用できます。50 Vを超えた電圧で使
用された場合は,充電部(電球受金,接触子,端子など)に触れると感電の危険があるので常に注意して
ください。
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
作業灯を50 Vを超えた電圧で使用する場合は,感電防止のために,必ず規定の太さの電線で保護接地し
てください。
点検・整備時には,必ず作業灯の入力側の配線用遮断器,スイッチなどで回路を切ってから作業にかか
ってください。また,あなたが作業中にあなた以外の人によって,入力側の配線用遮断器,スイッチなど
の投入がなされないように,これら又はその付近の見やすいところに“投入禁止”の表札を掛け,関係者
に連絡してから作業にかかってください。
なお,ガラスグローブを外して作業にかかる場合には,作業灯の充電部が無電圧になっているか否かを
必ずテスタ,検電器などで確かめてください。また,電源側のスイッチに単極スイッチが用いられている
場合には,スイッチを切っても1相が切れていないので危険です。この点,特に注意して感電しないよう
にしてください。
ガラスグローブは,危険防止のために,いかなる場合も電源を切らない限り,取り外さないでください。
作業灯の分解は,電源を切って,しばらくして作業灯の温度が低下してから行ってください。高温の状
態でガラスグローブを外すと,あなたがやけどするだけでなく,ガラスグローブを落とすなどして他の人々
にもけがをさせることになり大変危険です。必ずお守りください。
電球交換は,点検・整備時と同様に作業灯が無電圧であることを確認してから行ってください。
通電中の電球交換は,ソケットの受金又は電球の口金に指が触れるおそれがあり危険です。また,電球
をソケットから取り外した後は,ソケットの受金,接触子などの充電部が露出するため大変危険です。通
電中の電球交換は絶対に避けてください。
点検・整備などの作業が終了して通電するときは,必ずガラスグローブを取り付け,電気回路など全て
の安全を確認した上で行ってください。
注意
作業灯の外被の保護等級は,IP55又はIP56です。作業灯に表示する保護等級を超える保護性能を要求
される場所への装備は,事故のもとになりますので絶対にしないでください。
外部電線は,船の振動で端子から外れることがないようにしっかり固定してください。端子が緩んだり
電線が外れたりすると電球の点灯の有無の問題だけでなく,思わぬ事故のもとになり,きわめて危険です。
電線を端子につなぐときは,特に,注意してしっかりと締め付けてください。
作業灯に表示されている最大適合電球の大きさを超えた電球の使用は,内部温度が大変高くなり危険な
ので絶対に行わないでください。
なお,電球には,同じ形状,寸法で適合電球より大きい消費電力(W)のものがあります。特に,電球
交換については,注意してください。
電線貫通金物の締付け部では,ケーブル外径が経年によって次第に細くなり,しかも電線貫通金物のガ
スケットの締付け力も低下するために,ここから万一浸水があった場合は,器具の故障だけでなくケーブ
ルの内部にまで水がしみ込み,入力側及び送りのケーブルなどにまで影響を及ぼすおそれがあり危険です。
点検・整備時などには,必ず締付けグランドの増し締めをしてください。また,ガスケットの弾性が著し
く低下したもの,ひび又は割れが生じたものは,必ず新品と交換してください。
ソケットの受金,端子などが長期間の使用によって変色を起こしてきた場合には,ソケットを必ず新品
と交換し,さらに電線が変色していたら,その部分を切りつめるなどして,常に正常な状態を保つようつ
とめてください。これらが変色したままの状態での作業灯の使用は,電線の被覆が炭化して火災をまねく
おそれがあり大変危険なので,十分注意してください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検・整備時には,必ず,緩みの生じたねじは,全て増し締めをしてください。ねじの緩みは,事故発
生のもとになります。
ガラスグローブのねじ込み当たり面には,合成ゴム製のガスケットが用いられています。これは防水性
を保持するためだけではなく,合成ゴムの弾性を利用して,振動によるガラスグローブの損傷防止ととも
にねじ込んだガラスグローブが緩むのを防ぐためのものです。ガラスグローブをねじ込むときには,ガラ
スグローブのねじの端面が,ガスケットにしっかり食い込むように注意して取り付けてください。船の振
動でガラスグローブが緩みだすと,水が入ったり,ガラスグローブが落下して,思わぬ事故のもとになり
ます。また,ガスケットの弾性が激しく低下したり,ひび,割れ,変形などが生じた場合には新品と交換
してください。ガスケットの良否は,指で触れてみたり,目視すればわかりますので,電球交換時には必
ず調べてください。
作業灯には,無色透明のガラスグローブS80A,S90A,S120Aなどが用いられていますが,これと同形,
同寸法の有色透明のガラスグローブが出回っております。
有色透明のガラスグローブを用いた場合は,無色透明のガラスグローブより,ものによっては,光の透
過率が著しく低くなります。これを取り付けた場合には作業灯の内部温度が規定値を超え,大変危険です。
赤色などの有色ガラスグローブとの交換は,無断で行わないでください。やむを得ず交換するときには,
必ず製造業者へ適合電球についての指示を受けてください。
なお,この際,作業灯の最大適合電球の表示の変更を忘れずに,必ず行ってください。(注)当該規格
JIS F 8414船用防水形白熱灯に規定する温度検査は,無色透明のガラスグローブの採用をもとに行われて
います。
作業灯内にほこりなどが入った場合には,乾いた布などで掃除してください。
なお,湿った布などは,絶縁低下を起こしますので絶対に用いないでください。
作業灯の改造は,絶対にしないでください。製造業者以外における改造や誤った取り扱いで事故が生じ
た場合,製造業者はその責任を負えませんので注意してください。
参考文献 JIS C 7551-3 白熱電球類の安全仕様−第3部:ハロゲン電球(自動車用を除く)
JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用)
JIS C 7604 高圧水銀ランプ−性能規定
JIS F 8414 船用防水形白熱灯−作業灯,壁付灯,信号灯及び手さげ灯
IEC 60598-1,Luminaires−Part 1: General requirements and tests
JEL 119 一般社団法人日本照明工業会規格:船用電球