F 7209 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 7209 : 2001
船用単式油こし
Shipbuilding−Simplex oil strainers
1. 適用範囲 この規格は,船の燃料油及び潤滑油関係に使用する単式油こし(以下,油こしという。)に
ついて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS B 2238 鋼製管フランジ通則
JIS B 2401 Oリング
JIS F 7102 船舶機関部管系用ガスケット及びパッキン使用基準
JIS F 7200 船用こし器の検査通則
JIS F 7202 船用複式油こし
JIS F 7207 船用油こしの金網の使用基準
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS G 3506 硬鋼線材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4309 ステンレス鋼線
JIS G 4801 ばね鋼鋼材
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS H 3260 銅及び銅合金線
JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物
3. 種類 油こしの種類は,流れの方向によって,S形,LA形及びLB形,本体の鋳物材料及びOリング
の材料によってF形,M形及びD形とする。また,ふたの種類によってHB形,FB形とする。組合わせ
及び適用口径は,次の表1による。
2
F 7209 : 2001
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表1 種類
種類
流れ方法
S形
出口が入口に対して直進
LA形
出口が入口に対して左曲がり
LB形
出口が入口に対して右曲がり
種類
本体の鋳物材料
Oリングの材料
適用口径
F形
FC200
JIS B 2401の1種A
25A〜300A
M形
FC200
JIS B 2401の4種D
25A〜300A
D形
FCD400-15
JIS B 2401の4種D
25A〜100A
種類
ふたの種類
適用口径
HB形
ハンガーブリッジ式
25A〜300A
FB形
フランジボルト締め方式
200A〜300A
4. 流体の状態と最高使用圧力の関係 油こしの流体状態と最高使用圧力の関係は,次の表2による。
表2 流体の状態と最高使用圧力の関係
流体の種類
流体温度
最高使用圧力
60℃以下
80℃以下
100℃以下
150℃以下
燃料油
F形
D形
0.5MPa
潤滑油
F形
M形
D形
備考 F形使用の条件でD形又はM形を,M形使用の条件でD形を使用することができる。
5. 構造,形状及び寸法 油こしの構造,形状及び寸法は,付図1,付図3及び付図5のとおりとし,本
体の厚さaの許容差は
10
15
−%とする。ただし,許容差の計算値が1mm未満の場合は,許容差は1mmとする。
なお,高メッシュ(50μm以下)金網を装備する油こしは,その構造及び取付けについて十分注意する
ことが望ましい。
6. 材料 油こしの材料は,次による。
a) 本体及びふたは,付図2,付図4及び付図6のとおりとする。
b) その他の材料は,付図2,付図4及び付図6によることが望ましい。
7. 検査 油こしの検査は,JIS F 7200の規定によって,次のa)〜e)について行う。
a) 材料検査
b) 外観検査
c) 寸法検査
d) 組立検査
e) 水圧検査 0.75MPaの試験圧力で行う。
8. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格の名称又はその略号若しくは規格番号,呼び径及び種類による。
例1
呼び径25のもので,S形のもので,燃料油の油温60℃以下に使用されるものの場合
a) 船用単式油こし 25S形F
3
F 7209 : 2001
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b) FFT25S-F(FFTは,船用単式油こしの略号,25は呼び径,Sは流れ方向,Fは本体及びOリ
ングの材料の種類を示す。)
c) JIS F 7209-25S-F
例2
呼び径50のもので,LA形のもので,油温150℃以下に使用されるものの場合
a) 船用単式油こし 50LA形D
b) FFT50LA-D(FFTは,船用単式油こしの略号,50は呼び径,LAは流れ方向,Dは本体及び
Oリングの材料の種類を示す。)
c) JIS F 7209-50LA-D
例3
呼び径250のもので,LB形のもので,潤滑温80℃以下に使用されるもので,ふたがフランジボ
ルト締め方式の場合
a) 船用単式油こし 250LB形F-FB形
b) FFT250LB-F-FB(FFTは,船用単式油こしの略号,250は呼び径,LBは流れ方向,Fは本体
及びOリングの材料の種類,FBはフランジボルト締め方式を示す。)
c) JIS F 7209-250LB-F-FB
9. 表示
9.1
ふた又は油こし本体の表面に,次の事項を表示しなければならない。
a) 呼び径 例 50
b) Oリング及び本体鋳物の種類
c) 製造業者名又は略号
9.2
油こし本体の表面に,次の事項を表示しなければならない。
a) 出入口フランジ又は本体表面に流れ方向の矢印
b) 製造年月又はその略号
4
F 7209 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
出入口フランジのボルト穴は,本体の中心線振分けとする。
単位mm
呼
び
径
d L
L1
フランジ
参考
本体
こし筒
ふた押さえ プラグ
参考
D
ボルト穴 ボルト
のねじ
の呼び
t 全体
の高
さ
H
a D1 H1 H2 H3 H4 D2 D3 H5 t1 ねじの
呼び
d1
l
ねじの
呼び
d2
こし
筒穴
の面
積比
計算
質量
(kg)
中心
円の
径C
数 h
25 25 190 95 95 75 4 12 M10 14 240 7 70 91 55 123 23 48 67 100 5
M16 140 M20×1.5 15 6.58
32 40 260 130 115 90 4 15 M12 16 315 8 110 145 75 188 32 86 107 155 8
M16 205 M20×1.5 25
14.8
40 40 260 130 120 95 4 15 M12 16 315 8 110 145 75 188 32 86 107 155 8
M16 205 M20×1.5 16
15.0
備考1. フランジは,JIS B 2238の呼び圧力5Kの規定による。
2. d1部のねじはJIS B 0205,d2部のねじはJIS B 0207の規定による。
3. こし筒穴の径は8mm,穴のピッチは10mmとする。
4. こし網の網目は,注文者の指定による(JIS F 7207の規定参照)。
5. 呼び径25及び40のものの本体以外の部品は,JIS F 7202に規定のものと共通である。
付図1 呼び径25〜40の構造,形状及び寸法
5
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部品番号
部品名称
材料
F形及びM形
D形
1
本体
JIS G 5501のFC200
JIS G 5502のFCD400-15
2
ふた
3
ふた押さえ
JIS G 3101のSS400,JIS G 4051のS25C又はJIS G 5502のFCD400-15
4
ふた押さえボルト
JIS G 3101のSS400
5
こし筒
6
こし網
JIS H 3260のC2700W又はJIS G 4309のSUS304W
7
こし筒はめ輪
JIS G 3101のSS400
8
底板
9
こし網押さえ板
10
取っ手兼こし筒押さえ
JIS G 4801のSUP3
11
十字穴付なべ小ねじ
JIS G 3101のSS400
12
ばね座金
JIS G 3506のSWRH42B
13
プラグ
JIS G 3101のSS400
14
Oリング
JIS B 2401の1種A又は4種D
15
ガスケット
JIS F 7102の規定による。
備考 部品名称で太字のものの材料は,6.a)に規定する材料を示す。
付図2 呼び径25〜40の部品名称及び材料
6
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出入口フランジのボルト穴は,本体の中心線振分けとする。
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単位mm
呼
び
径
d L L1
フランジ
参考
本体
こし筒
ふた
押さえ
据付け足
プラグ
参考
D ボルト穴 ボル
トの
ねじ
の呼
び
t 全体
の高
さ
H
a D1 H1 H2 H3 H4 D2 D3 H5 t1 ねじ
の呼
び
d1
l
A B B1 L2 P t2 ボ
ル
ト
穴
d2
ねじの
呼び
d3
こし
筒穴
の面
積比
計算
質量
(kg)
中心
円の
径C
数 h
50 50 280 140 130 105 4 15 M12 16 395 9 160 187 92 258 42 125 150 190 8 M22 260 90 65 15 200 60 16 15 M24×2 13 25.8
65 65 340 170 155 130 4 15 M12 18 495 10 200 248 118 340 51 160 185 246 8 M24 308 120 70 20 245 80 18 19 M24×2 15 43.6
80 80 370 185 180 145 4 19 M16 18 525 10 230 258 132 356 59 180 210 276 8 M24 342 120 70 20 280 80 18 19 M24×2 13 51.0
100 100 420 210 200 165 8 19 M16 20 630 11 265 315 160 430 70 210 240 326 8 M30 385 130 70 20 315 90 18 19 M24×2 11 80.0
備考1. フランジは,JIS B 2238の呼び圧力5Kの規定による。
2. d1部のねじはJIS B 0205,d2部のねじはJIS B 0207の規定による。
3. こし筒はそれぞれ穴の径8又は12mm,穴のピッチ10又は15mmとする。
4. こし網の網目は,注文者の指定による(JIS F 7207の規定参照)。
5. 磁石の要否は,注文者の指定による。
6. こし筒は,JIS F 7202に規定のものと相互に互換性がある。
付図3 呼び径50〜100の構造,形状及び寸法
8
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備考 部品名称で太字のものの材料は,6.a)に規定する材料を示す。
付図4 呼び径50〜100の部品名称及び材料
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付図5 呼び径125〜300の構造,形状及び寸法
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付図6 呼び径125〜300の部品名称及び材料
関連規格 ISO 5208 Industrial valves−Pressure testing of valves
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原案担当専門分科会 構成
氏名
所属
(専門分科会長)
猪 野 義 隆
日立造船株式会社
(委員)
島 田 毅
財団法人日本海事協会
伊 飼 通 明
運輸省船舶技術研究所大阪支所
西 岡 弘
石川島播磨重工業株式会社
花 崎 襄
川崎重工業株式会社
佐 藤 博 美
九州日立造船株式会社
亀 井 修
三井造船株式会社
寺 田 敬 三
三菱重工業株式会社
柴 田 菊 夫
日本鋼管株式会社
三 井 俊 毅
尾道造船株式会社
新 田 利 正
南日本造船株式会社
篠 原 健
株式会社赤萩フランジ製作所
大 塚 元治郎
岸上バルブ株式会社
西 田 郁
大阪バルブ株式会社
笠 原 宏 二
大宮精機株式会社
岸 上 勝 信
岸上バルブ株式会社
小 高 将 啓
神陽金属工業株式会社
秋 吉 善 成
株式会社鷹取製作所
辰 巳 国 広
巴バルブ株式会社
町 野 孝 義
株式会社中北製作所
岡 一 嘉
日の本辨工業株式会社
三 輪 英 雄
三元バルブ製造株式会社
杉 本 恵 則
水野ストレーナー工業株式会社
(事務局)
小 郷 一 郎
財団法人日本船舶標準協会