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F 7203 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。これによって,JIS F 7203 : 1996は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,国際規格との整合を図るために,原国際規格の技術的内容及び規格票の様式を変更す

ることなく本体に規定した。また,旧JISの内容を,附属書に規定した。 

JIS F 7203は,本体及び次に示す附属書で構成されている。 

附属書(規定) 船用マッドボックス 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 7203 : 1998 

造船−機械室及び軸室ビルジ用 
マッドボックス設計の一般特性 

Shipbuilding−Bilge mud boxes for machinery spaces and tunnels− 

General design characteristics 

序文 この規格は,1984年に第1版として発行されたISO 5621,Shipbuilding−Bilge mud boxes for machinery 

spaces and tunnels−General design characteristicsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな

く作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線で下線を施してある箇所は原国際規格にはない事項である。また,附属書(規定)

には従来使用されていたJISの船用マッドボックスの構造,形状及び寸法を示した。 

1. 適用範囲 

1.1 

この規格は,船の機械室及び軸室内で,ポンプとビルジ吸入口との間に使用するマッドボックスの

設計の一般特性について規定する。 

1.2 

この規格は,マッドボックスの設計寸法及び材料については規定しない。 

1.3 

この規格は,航洋船及び内陸航行船の双方に適用する。 

備考 使用者は,この規格の要求事項を守ると同時に,対象とする個々の船舶が適用を受けるべき法

令の要求事項や規則類を確実に守るように注意しなければならない。 

2. 引用規格 なし。 

3. 定義 

3.0 

マッドボックスの構成 マッドボックスの構成は,次による。 

− フランジのついた入口管及び出口管をもつ本体構造 

− 平形,波形又は成形の多孔板で作られたフィルター要素構造 

備考 以下,本文でフィルター要素という場合は,こし板を意味する。 

3.1 

マッドボックスの呼び径 (DN)  支管の呼び径とする。取り合う支管の呼び径 (DN) と外径 (De) 

は,次のとおりとする。 

DN : 40-50-65-80-100-125-150-200-250 

De : 48.3-60.3-76.1-88.9-114.3-139.7-168.3-219.1-273 

3.2 

容積 

3.2.1 

全容積 (Vt)  マッドボックス本体の全内部容積。立方センチメートルで表す(図1及び図5参照)。 

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F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2.2 

上流容積 (Vu)  こし板で区分されるマッドボックスの内容積のうち,ビルジ水が吸引される側の

容積。この容積の計算にはノズルは無視する。立方センチメートルで表す(図2及び図6参照)。 

3.2.3 

下流容積 (Vd)  こし板で区分されるマッドボックスの内容積のうち,ポンプに接続される側の容

積。この容積の計算にはノズルは無視する。立方センチメートルで表す(図3及び図7参照)。 

3.2.4 

有効上流容積 (U)  上流容積のうち,廃棄物を受け入れる部分。立方センチメートルで表す(図

4及び図8参照)。 

種類 

直線形ボックス (ST) 

L形ボックス (RA) 

全容積 (Vt) 

図1 

図5 

上流容積 (Vu) 

図2 

図6 

下流容積 (Vd) 

図3 

図7 

有効上流容積 

(U) 

図4 

図8 

3.3 

種類 

3.3.1 

直線形マッドボックス (ST)  ビルジ主管系用入口管と出口管が同一軸上にあるマッドボックス

(図1〜図4参照)。 

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F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3.2 

L形マッドボックス (RA)  ストレートパイプ用入口管と出口管が互いに直角をなすマッドボッ

クスで,入口管が鉛直面内に,出口管が水平面内にある(図5〜図8参照)。 

3.4 

こし板の開孔面積係数 開孔面積の合計が開孔板の全面積に占める割合。 

3.5 

マッドボックスの開孔面積係数 (c)  開孔板の開孔面積の合計と支管の面積 (π/4×De2) との比(4.2

の表参照)。 

4. 設計の原則 

4.1 

本体 

4.1.1 

内容積 下流容積Vdは,上流容積Vuの半分より小さくてはならない。マッドボックスは,下流容

積からの出口の所で流れの制約を最小にするように設計しなければならない。 

4.1.2 

有効上流容積U (cm3)  Deはmmで表す。 

a) 直線形マッドボックス(ST形) 

U≧0.17De2 

DN=40,50,65の場合 

U≧0.20De2 

DN>65の場合 

b) L形マッドボックス(RA形) 

U≧0.08De2 

DN=40,50,65の場合 

U≧0.10De2 

DN>65の場合 

4.2 

開孔板 各孔の面積は,約79mm2とする。 

表 マッドボックスの最小開孔面積係数c 

DN 

40 

50 

65 

80 100 125 150 200 250 

c最小 

3.5 3.2 2.7 2.7 2.7 2.5 2.4 2.4 

5. 材質 マッドボックスは,鋳鉄又は厚さ3mm以上の鋼板で製作することができる。鋼板製の場合に

は,溶融亜鉛めっきを施すか,又は,供給者と購入者との間で合意されれば,他の有効な塗装で被覆しな

ければならない。溶融亜鉛めっきで保護する場合には,すべての面における亜鉛の付着量は600g/m2未満

としてはならない。 

環境条件(腐食その他)及び他の共用材料の点で問題がなければ,適当な厚さの代替材料を使用するこ

とができる。 

6. 呼び この規格を満足するマッドボックスは,次の順序に従って呼ばなければならない。 

a) 名称 マッドボックス 

b) 規格番号 JIS F 7203 

c) 種類(3.3参照) ST又はRA 

d) 呼び径 (DN) (3.1参照) 

例 L形マッドボックスで呼び径 (DN) 100の場合:マッドボックス JIS F 7203-RA-100 

7. 表示 本体表面には下記を表示する。 

a) 呼び径 

b) 流れの方向の矢印 

c) 製造業者名又はその略号 

F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 製造年又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 船用マッドボックス 

序文 この附属書は,従来のJIS F 7203船用マッドボックス(1996年版)の内容を,細部を変更すること

なく規定したものである。 

1. 適用範囲 この規格は,船のビルジ管系に使用するマッドボックスについて規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 0205 メートル並目ねじ 

JIS B 0207 メートル細目ねじ 

JIS B 2239 鋳鉄製管フランジ通則 

JIS F 7102 船舶機関部管系用ガスケット及びパッキン使用基準 

JIS F 7200 船用こし器の検査通則 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3521 硬鋼線 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS H 3250 銅及び銅合金棒 

3. 種類 マッドボックスの種類は,次の附属書表1のとおりとする。 

附属書表1 

種類 

用途 

呼び径範囲 

S形 

ビルジ主管系用 

40〜200 

L形 

ストレートテイルパイプ用 

40〜250 

4. 構造,形状及び寸法 マッドボックスの構造,形状及び寸法は附属書付図1のとおりとし,本体肉厚

a及びbの許容差は10

15

−+%とすることが望ましい。ただし,許容差の計算値が1mm未満の場合は1mmまで

許容する。 

5. 材料 マッドボックスの材料は,次のとおりとする。 

a) 本体及びふたは,附属書付図2のとおりとする。 

b) その他の部品は,附属書付図2によることが望ましい。 

6. 検査 マッドボックスの検査は,JIS F 7200の規定によって,次の各項目について行う。 

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F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 材料検査 

b) 外観検査 

c) 寸法検査 

d) 組立検査 

e) 水圧検査 0.1MPaの試験圧力で行う。 

7. 製品の呼び方 マッドボックスの呼び方は,規格の名称又はその略号若しくは規格番号並びに呼び径

及び種類による。 

例 呼び形40でS形のもの 
 

8. 表示 本体の表面に,次の事項を表示する。 

a) 呼び径 

例 40 

b) 流れ方向の矢印 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造年又はその略号 

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F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書付図1 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

径 

L1 

フランジ 

本体及びふた 

高さ

(約)

E3 

こし板 

ねじの呼び 

参考 

計算質量 

(kg)  

ボルト穴  ボル

トの

ねじ

の呼

び 

t  a B B 

E1 E2 E4  d1 

B1 

t1 

d2 

d3 

S形 

L形 

中心 

円の 

径C 

数 h 

 40  40  90  22.5 120  95  4 15 M12 16  8  7 155  55  73 110  85 145  70 110 4.5 M16 M20×1.5  10.0  10.5 

 50  50 120  40 

130 105  4 15 M12 16 10  8 225  70  90 135 130 145 105 135 4.5 M16 M20×1.5  17.4  17.7 

 65  65 150  52.5 155 130  4 15 M12 18 11  9 276  90 116 160 170 180 140 179 4.5 M20 M20×1.5  28.5  29.7 

 80  80 160  55 

180 145  4 19 M16 18 11 10 296 100 131 180 190 195 158 203 4.5 M20 M20×1.5  33.0  34.3 

100 100 190  70 

200 165  8 19 M16 20 12 10 355 110 152 210 240 225 200 233 4.5 M22 M20×1.5  46.3  48.2 

125 125 235  87.5 235 200  8 19 M16 20 14 12 433 140 214 285 300 275 252 323 6 

M24 M20×1.5  89.8  92.8 

150 150 280 110 

265 230  8 19 M16 22 16 13 521 170 267 345 370 320 315 398 6 

M30 M24×2  150 

156 

200 200 330 135 

320 280  8 23 M20 24 18 15 660 210 330 440 470 405 390 490 6 

M36 M30×2  290 

305 

250 250 380 155 

385 345 12 23 M20 26 19 16 775 280 400 500 560 525 465 630 8 

M42 M30×2  − 

435 

備考1. フランジは,JIS B 2239の規定による。 

2. d2部のねじは,JIS B 0205の規定による。 
3. d3部のねじは,JIS B 0207の規定による。 
4. こし板穴の総面積は,めっき後において入口面積の約4倍以上とする。 

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F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書付図2 

部品番号 

部品名称 

材料 

 1 

本体(S形) 

JIS G 5501のFC200 

 2 

本体(L形) 

 3 

ふた 

 4 

こし板 

JIS G 3101のSS400,JIS G 4305のSUS304又はJIS H 3100のC4640P 

 5 

ふた押さえ 

JIS G 4051のS25C,JIS G 3101のSS400又はJIS G 5502のFCD400 

 6 

ふた押さえボルト JIS H 3250のC3771BD 

 8 

ふた用取っ手 

JIS G 3521のSWA 

 9 

プラグ 

JIS H 3250のC3771BD 

10 

ガスケット 

JIS F 7102の規定による。 

11 

ガスケット 

12 

押さえボルト 

JIS H 3250のC3771BD 

13 

ハンドル棒 

JIS G 3101のSS400 

備考1. 部品名称で太字のものの材料は,5.a)に規定する材料を示す。 

2. 部品番号4のこし板で材料がSS400のものには,亜鉛めっきを施す。 

10 

F 7203 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

財団法人日本船舶標準協会配管ぎ装品委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

猪 野 義 隆 

日立造船株式会社 

魚 谷 明 彦 

財団法人日本海事協会 

伊 飼 通 明 

運輸省船舶技術研究所 

田 中 芳 憲 

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業

本部愛知工場 

若 林 邦 夫 

川崎重工業株式会社船舶事業本部 

西 山 裕 之 

日立造船株式会社有明工場 

阿久津 幸 雄 

三井造船株式会社船舶・艦艇事業部 

林   洋一郎 

三菱重工業株式会社下関造船所 

柴 田 菊 夫 

日本鋼管株式会社総合エンジニヤリング

事業部船舶海洋本部 

三 井 俊 毅 

尾道造船株式会社設計部 

篠 原   健 

株式会社赤萩フランジ製作所 

川 上 隆 男 

神陽金属工業株式会社 

大 塚 元治郎 

株式会社内山製作所 

末 永 隆 夫 

岡野バルブ製造株式会社 

万 木 義 則 

巴バルブ株式会社 

町 野 孝 義 

株式会社中北製作所 

田 郷 幸 雄 

日の本辨工業株式会社 

三 輪 英 雄 

三元バルブ製造株式会社 

河 野 光 造  大宮精機株式会社 

伊 藤 正 八 

株式会社鷹取製作所 

杉 本 恵 則 

水野ストレーナ工業株式会社 

西 田   郁 

大阪バルブ株式会社 

(事務局) 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会