2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 6721-1995
船用油圧かじ取機用油圧ポンプ
工場試験方法
Shop test method for oil pressure pumps at
hydraulic steering gears for ships
1. 適用範囲 この規格は,油圧かじ取機に使用する油圧ポンプ(以下ポンプという。)の工場試験方法に
ついて規定する。
備考 この規格の引用規格を次に示す。
JIS K 2213 タービン油
2. 試験項目 ポンプの試験は,次の項目について行う。
(1) 性能試験
(2) 過負荷試験
(3) 管制力試験
(4) 連続試験
3. 試験装置及び方法
3.1
試験装置 試験装置は,付図1にその例を示す。
3.2
性能試験 性能試験は,次によって行う。ただし,試験は,可変容量ポンプの場合には,吐出し方
向は正逆両方で,定容量ポンプの場合には,吐出し方向は計画方向で行う。
(1) 傾転角又は偏心量は,計画値の100%。
(2) 吐出し圧力は,計画値の100%及び50%。ただし,吐出し圧力が100%の場合には,運転時間は約30
秒。
(3) 回転数は定格。
なお,性能試験に先立ち,適切なすり合せ運転を実施しなければならない。
3.3
過負荷試験 傾転角又は偏心量を計画値の100%とし,吐出し圧力を計画値の約115%として瞬時に
確認する。
3.4
管制力試験 可変容量ポンプの場合には,計画圧力において傾転角又は偏心量を一杯に動かすのに
要する力を正逆について計測する。ただし,サーボコントロール付油圧ポンプの場合には,この試験を省
略することができる。
3.5
連続試験 3.2〜3.4の試験終了後,傾転角又は偏心量を計画値の50%又は100%(1)として30分間保
持する。ただし,試験は,吐出し方向を,可変容量ポンプの場合には正逆方向で,定容量ポンプの場合に
は計画方向で行う。
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F 6721-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注(1) 傾転角又は偏心量を計画値の50%とした場合は,吐出し圧力を計画値の100%,傾転角又は偏心
量を計画値の100%とした場合は,吐出し圧力を計画値の50%として試験を行う。
備考 安全弁を装備する場合は,安全弁調整を行う。安全弁調整圧力は,計画値に0.49MPaを加えた
ものとする。
4. 運転中の計測項目 運転中,少なくとも次の計測を行う。
(1) 回転速度
(2) 傾転角又は偏心量
(3) 吐出し量
(4) 吐出し圧力
(5) 入口トルク(又は電圧,電流)
(6) 油温度
5. 開放検査 運転中,異常音や異常な油温の上昇などがあった場合には,開放して異常の有無を調べる。
6. 主要要目表及び試験成績表 主要要目表及び試験成績表は,付表1及び付表2による。
7. 運転上の注意
7.1
ポンプに使用する油は,JIS K 2213の添加タービン油による。
7.2
試験中の油温度は,原則として20〜50℃とする。ただし,80℃を超えた場合は,運転を中止しなけ
ればならない。
7.3
吸込み圧力は,負圧0.027MPa以下とならないことが望ましい。ただし,クローズ回路の場合は,計
測を省略してもよい。
7.4
ポンプ吐出し量は,絞り弁などを調整してポンプに負荷をかけて計測する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 工場試験装置(例)
付表1 油圧かじ取機用油圧ポンプ主要要目表(例)
項目
要目値
形式
製造番号
試験年月日
年 月 日
回転速度
計画傾転角又は計画偏心量
計画吐出し量
計画圧力
過負荷圧力
安全弁調整圧力(2)
試験油の種類
注(2) 調整圧力は,安全弁を整備する油圧ポンプの場合にだ
け記入する。
付表2 油圧かじ取機用油圧ポンプ試験成績表(例)
試
験
の
種
類
試
験
番
号
時
刻
電動機
(電流・交流の別)
油圧ポンプ
油
温
度
大
気
温
度
電
圧
電
流
入
力
効
率
トル
クメ
ータ
値
ポ
ン
プ
入
力
回
転
速
度
傾
転
方
向
は
偏
心
方
向
傾
転
角
又
は
偏
心
量
理
論
吐
出
し
油
量
実
際
吐
出
し
油
量
吐
出
し
圧
力
吸
込
み
圧
力
出
力
容
積
効
率
全
効
率
管制
トル
ク又
は管
制力
ポ
ン
プ
囲
温
度
V A
kW % N・m kW
min-
1
− 度,
mm
m3/S
m3/S
MPa
MPa
kW % % N・cm
N
℃ ℃ ℃
備考 付表2は,原動機が電動機の場合を示す。電動機以外の場合は,これに準じる。
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船舶部会 甲板補機専門委員会 構成表(昭和54年8月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
成 毛 竹 夫
財団法人日本海事協会
栗 山 劭
運輸省船舶局
仲井真 弘 多
工業技術院標準部
草 野 博
財団法人日本船舶標準協会
柏 木 十三郎
株式会社アジア船舶工業社
岡 沢 治
川崎重工業株式会社西神戸工場
福 永 靖 夫
三菱重工業株式会社原動機事業本部
夫津木 武
辻産業株式会社技術部
奥 山 孝 志
社団法人日本中型造船工業会
奥 田 清 人
株式会社福島製作所船用基本設計部
毛 利 武 弘
大阪商船三井船舶株式会社工務部
田 中 英 夫
住友重機械工業株式会社船舶本部
中 西 一 雄
日本鋼管株式会社本社造船基本設計部
吉 田 真 哉
三井造船株式会社船舶海洋プロジェクト事業本部
浅 井 孝 雄
日本郵船株式会社工務部
平 野 泰 直
石川島播磨重工業株式会社船舶事業本部
森 川 卓
社団法人日本船主協会
長谷川 和 男
株式会社上野運輸商会
山 川 信 雄
林兼造船株式会社
百合草 正 韶
船舶整備公団
(事務局)
石 井 清 次
工業技術院標準部機械規格課
津 金 秀 幸
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
小 林 秋 穂
工業技術院標準部機械規格課(平成2年7月5日改正のとき)
山 形 智 幸
工業技術院標準部機械規格課(平成2年7月5日改正のとき)
(事務局)
高 橋 潔
工業技術院標準部機械規格課(平成7年3月28日改正のとき)