F 4804 : 1999
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工
業規格である。
JIS F 4804には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) 識別記号
附属書2(参考) 参考規格
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 4804 : 1999
船用小形プロペラ取付部
テーパ1 : 16
Fixing parts of shipsʼ small propellers, Taper 1 : 16
序文 この規格は,1994年に第1版として発行されたISO 8845, Small craft with inboard engine−Propeller
shaft ends and bosses with 1 : 16 taperを元に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
また,附属書1は,この規格の本体による製品であることを明確にするための刻印の規定である。
なお,この規格で点線の下線が施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,船内機関に装備される軸直径が20mm〜160mmの範囲で,かつ,テーパ1 : 16
のプロペラボス(ハブ)とプロペラ軸端の互換性のための寸法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 8845 : 1994, Small craft with inboard engine−Propeller shaft ends and bosses with 1 : 16 taper
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0614 円すい公差方式
ISO/R 773 Rectangular or square parallel keys and their corresponding keyways (Dimensions in
millimeters)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 呼び径 (nominal diameter) テーパ軸の大端部での直径
備考 円筒軸の直径そのものであり,公差は含まない。
b) テーパ (taper) 全プロペラ軸トルクをプロペラに伝達し,キーを装備し,取外しできるように設計
された軸端部への円すい形状
4. 寸法 寸法は,図1及び表1に示すものとする。
図1に示した形状で,表1に規定されていないものは,互換性に重要ではないので,製造業者の決定事
項とする。
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F 4804 : 1999
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5. 構造詳細 図1に示す詳細は,設計を制限するものではなく,また,寸法を規定するものでもない。
構造の形式及び方法,又はキー,キー溝及びそれらの隅半径,ねじ溝及びねじ端,並びに他の任意の詳細
(例えば,安全ピンの穴,中心点など)の機械加工は,組合せの形状及び独自の必要性を満足する個々の
方法が採れるように,規定していない。
ねじ部の長さl4は,ねじ部直径d2に等しいか,それ以上とする。プロペラナットが取り付けられるねじ
部は,ねじ部長さl4の80%以上とする。
6. ねじ プロペラナット及び軸端のねじは,メートル細目ねじとする。
7. 公差
7.1
軸小端径,d1 公差は,表1による。偏差は,呼び径から計算する。
7.2
ボス大端径,D 公差は,表1による。
7.3
円すい部公差 公差は,直径d1及びDを基準として,公差は個々に7.1及び7.2で規定された公差
範囲に等しい範囲で,JIS B 0614の円すい部公差内になければならない。
7.4
キー溝及びキー 公差は,ISO/R 773の通常キーとして与えられたものとする。
8. 呼び方 この規格の要求に従って製造されたプロペラ軸及びプロペラボスの呼び方は,この規格の番
号及び呼び径mmとする。
例 プロペラボスJIS F 4804-80
備考 l4(ねじ長さ)≧d2
ナットの占めるねじ部≧0.8l4
5.参照
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図1 詳細
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表1 各部寸法
単位 mm
呼び軸径1)
Dnom
ボス(ハブ)
軸端テーパ
ねじ
キー
長さ
大端径
小端径
テーパ長さ
直径1)
ピッチ 溝
ねじ端長さ
高さ
幅
l1
D
d1
l2
d2
p
l5
l3
h
b
最小
最大
最大
最小
20
59
20.000
20.052
16.702
16.650
54
14
1.5
4
25
6
6
25
73
25.000
25.052
20.712
20.672
68
16
1.5
4
25
7
8
30
89
30.000
30.052
24.827
24.775
84
20
1.5
4
30
7
8
35
104
35.000
35.062
28.889
28.837
99
24
2
4
35
8
10
40
119
40.000
40.062
32.952
32.900
114
24
2
4
35
8
12
45
134
45.000
45.062
37.024
36.962
129
30
2
5
40
9
14
50
149
50.000
50.062
41.087
41.025
144
36 (30)
3
5
45
9
14
(55)
164
55.000
55.074
45.161
45.087
159
36
3
5
45
10
16
60
182
60.000
60.074
49.224
49.150
177
42
3
5
55
11
18
(65)
190
65.000
65.074
53.486
53.412
185
42
3
5
55
11
18
70
205
70.000
70.074
57.549
57.475
200
48
3
7
60
12
20
(75)
220
74.500
74.574
61.611
61.537
215
48
3
7
60
12
20
80
235
79.500
79.574
65.674
65.600
230
56
4
10
70
14
22
(85)
250
84.500
84.587
69.749
69.662
245
56
4
10
70
14
22
90
265
89.500
89.587
73.812
73.725
260
64 ( 56)
4
10
75
14
25
(95)
280
94.500
94.587
77.874
77.787
275
64 ( 56)
4
10
75
14
25
100
295
99.000
99.087
81.937
81.850
290
72 ( 64)
4
10
85
16
28
110
305
109.000
109.087
93.694
93.612
300
80 ( 72)
4
10
90
16
28
120
315
119.000
119.087 102.137 102.050
310
90 ( 80)
4
10
95
18
32
130
325
129.0
129.1
110.575
110.488
320
100 ( 90)
4
10
105
18
32
140
350
139.0
139.1
119.102
118.925
345
100 ( 90)
4
10
105
20
36
150
380
149.0
149.1
119.837
119.750
375
110 (100)
4
13
115
20
36
160
410
159.0
159.1
127.757 127.670
405
120 (110)
4
13
125
22
40
注1)
括弧内の直径は,なるべく使用しない。
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附属書1(規定) 識別記号
1. 適用範囲 この附属書は,本体のプロペラ取付部の寸法を適用して製作されたプロペラ及びプロペラ
軸であることを明確にするための刻印について規定する。
2. 記号 直径4mmの円の中に“J”マークを入れた附属書1図1のデザインとする。
附属書1図1 刻印のデザイン
3. 記号の刻印場所 プロペラ及びプロペラ軸の次の場所に刻印する。
a) プロペラ プロペラボスの適切な場所とする。
b) プロペラ軸 軸のプロペラナットの側端面とする(附属書1図2参照)。
附属書1図2 プロペラ軸の刻印場所
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附属書2(参考) 参考規格
この附属書は,この規格作成の際に参考にしたもので,規定の一部ではない。
[1] ISO 4566 : 1992 Small craft with inboard engine−Propeller shaft ends and bosses with 1 : 10 taper
[2] ISO 4759-1 : 1978 Tolerances for fasteners−Part 1 Bolts, screws and nuts with thread diameters between 1.6
(inclusive) and 150 mm (inclusive) and product grades A, B and C
参考 ISO 4566は,JIS F 4801で日本工業規格として整合化されている。
プロペラ取付部専門分科会 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
吉 井 弘
NKK総合エンジニアリング事業部
(委員)
穂 森 繁 弘
財団法人日本海事協会
矢 崎 敦 生
学識経験者
鈴 木 博 信
社団法人日本舶用工業会
中 島 稔
ナカシマプロペラ株式会社
小田切 崇
かもめプロペラ株式会社
西 山 茂 樹
ミカドプロペラ株式会社
土 本 寛 治
ヤマハ発動機株式会社
本 田 哲 郎
ヤンマー造船株式会社
上飯坂 傑
アイ・エイチ・アイ・クラフト株式会社
芦 谷 昭 英
株式会社高澤製作所
藤 野 宏
株式会社リプロ
杉 田 英 二
株式会社アイ・イー・エム
鹿 股 信 幸
運輸省海上技術安全局
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
(事務局)
小 郷 一 郎
財団法人日本船舶標準協会
仁 平 一 幸
財団法人日本船舶標準協会