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F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工

業規格である。 

この規格の一部が技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。運輸大臣及び日本工業標準調査会は,こ

のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について責任はもたない。 

JIS F 4327には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) オーナ用マニュアル 

附属書B(参考) 参考文献

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 4327 : 1999 

(ISO 13591 : 1997) 

舟艇−船外機関−携帯用燃料装置 

Small craft―Portable fuel systems for outboard motors 

序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 13591, Small craft−Portable fuel systems for 

outboard motorsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,定格容量が27 λ以下で,船体の長さが24 m以下の舟艇に取り付けられる船外

機関に用いる可燃性液体を運搬又は保管するための携帯用燃料装置に関して,その設計,材料及び試験の

必要条件について規定する。 

加圧燃料装置にはこの規格を適用しない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,その最新版を適用する。 

ISO 1817 Rubber, vulcanized−Determination of the effect of liquids(1) 

ISO 8469 Small craft−Non- fire-resistant fuel hoses 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

可燃性液体 (flammable liquid)  (クローズドカップ試験による)引火点が60 ℃未満で,かつ38 ℃

におけるリード蒸気圧が280 kPa(絶対値)未満の液体 

3.2 

携帯用燃料タンク (portable fuel tank)  可燃性液体を運搬又は保管し,容量が27 λ以下のタンクで,

携帯用燃料装置の一部を構成する目的で使用するもの。 

3.3 携帯用燃料装置 (portable fuel system)  給油キャップ及び通気口のあるタンク並びに燃料コネクタ,

燃料管,その他船外機関の燃料系に接続するための関連アクセサリー類で構成する装置 

4. 一般要求事項 

4.1 

携帯用燃料タンクは,取扱いが簡便で,ボート上での艇体への固定作業やボート外での給油時の取

外し作業が簡単にできるように設計しなければならない。 

備考 以下,携帯用燃料タンクを単にタンクと呼ぶ。

                                                        
注(1) 

発行予定(ISO 1817 : 1985の改正版) 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

タンクの総容量は,通常の給油姿勢で置いたとき,20 ℃で定格容量の5 %以上の膨張空間が確保さ

れるように設定する。給油用の開口部は,タンクを通常の給油姿勢で置いたとき,膨張空間には給油され

ない位置に設けなければならない。 

4.3 

携帯用燃料装置には,自動又は手動で閉鎖できる通気口を組み入れなければならない。 

4.4 

無鉛ガソリン用タンクの給油口の内径は,最小21.5 mm,最大23.5 mmとする。それ以外の燃料用

タンクの給油口の内径は,30 mmより大きくなければならない。 

4.5 

タンクが通常の使用姿勢又は通常の保管姿勢にあるとき,タンクの開口部は,すべて燃料の液面よ

りも上になければならず,かつ開口部には液体や蒸気を密閉できる栓を取り付けなければならない。 

4.6 

タンクは,片手で持ち運びできるように設計しなければならない。 

4.7 

タンクは積み上げにくい形状としなければならない。 

4.8 

携帯用燃料装置に使用する各種金属は,海洋での通常の使用で発生するガルバニ腐食を最小限にと

どめるようにまとめなければならない。 

4.9 

プラスチック及びエラストマー類の材料は,紫外線抑止成分 (UV−inhibitor) を含むものでなければ

ならない。 

4.10 タンクの色は赤とする。 

4.11 タンクには,その燃料装置が設計上意図している使用燃料の種類を示す記号 (symbol) を付けなけれ

ばならない。 

4.12 金属製タンクの製作には,融点が450℃より低いはんだを用いてはならない。 

5. 性能上の要求事項 

5.1 

一般試験 

5.1.1 

安定性試験 備品などをすべて装着したタンクに,使用する燃料をタンクの公称容量まで満たす。

水平に対して35゜傾いた,平たんで,かつ,タンクが滑らないよう十分な摩擦力を生じる面に,通常運転

時の姿勢でタンクを置く。(傾斜面内において)タンクを15゜ずつ,360゜回転させる。 

タンクを保管するときの姿勢が,使用時の姿勢と異なる場合には,タンクを保管時と同じ姿勢にし,水

平から20゜傾けた平面で試験を繰り返す。 

評価:タンクは,いかなる姿勢のときも,転倒してはならない。 

5.1.2 

運搬用ハンドルの試験 図1に従い,3個のタンクを準備する。各タンクに水を公称容量まで満た

し,栓をすべて締める。 

鋼索に75 mm以上のたるみを残しておく。各タンクを一度だけ,自由落下させる。 

評価:落下試験の後,各タンクに空気で35 kPa(ゲージ圧)の内部圧力を加え圧力試験を行う。どのタ

ンクにも漏れがあってはならない。 

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F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 自由落下試験時のハンドルのセッティング 

5.1.3 

給油口キャップ及び取付け具の密閉性 試験は,室温が30 ℃±2 ℃で安定している部屋の中で実

施しなければならない。 

底面又は壁面の1か所に加圧管の接続器具を取り付け,次の成分からなる試験液1 lを詰めた3個のタ

ンクに対して試験を行う。 

− 2.2.4−トリメチルペンタン 42.5 % 

− トルエン 42.5 % 

− メタノール 15.0 % 

各タンクを密閉し,キャップ及び備品の内側部分が試験液に直接触れている姿勢を保ちながら,28日間

タンクを保管する。 

各タンクを空にし,直ちに水95 %及び湿潤剤5 %からなる試験液をタンクの公称容量まで満たす。ねじ

付きのキャップは,5 N・mのトルクを加えて締める。 

その後,直ちに給油口キャップを下に向けた状態で内部に160 kPa(ゲージ圧)の超過圧力を10分間加

える。 

評価:漏れがあってはならない。すべてのタンクが試験に合格しなければならない。 

5.2 

金属製タンクの試験 

5.2.1 

低温での落下試験 グリコール50 %及び水50 %を混ぜた液体を公称容量まで満たした3個のタン

クで試験を行う。 

タンク及び内部の液体を−18 ℃±2 ℃に安定させる。 

ねじ込み式の給油口キャップは5 N・mのトルクで締める。 

平たん(坦)で水平なコンクリート表面の上方1.2 mの高さまでタンクを持ち上げ,角が当たるように

落下させる。 

評価:タンクに漏れの兆候があってはならない。 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.2 

内圧試験 3個のタンクで試験を行う。タンクのねじ付き栓は,9 N・mのトルクを加えて締め,そ

の他の栓は通常の方法で固定する。そのタンクを−34 ℃の環境下に6時間以上置いた後,自然に室温まで

戻し,さらに,70 ℃の環境下に2時間置く。ドリルで開けた穴に挿入したアダプターを介して圧力を加え

る。内部圧力を70 ℃で30秒から60秒加えて漸進的に135 kPa(ゲージ圧)まで上昇させ,その状態を5

分間維持したとき,タンクに破裂や漏れの兆候があってはならない。加圧した状態を維持している間に,

タンクに石けん水又はその他の適切な媒体を塗布する。 

評価:すべてのタンクに漏れがなく,試験に合格しなければならない。変形は生じてもよい。 

5.3 

非金属製タンクの試験 

5.3.1 

低温での落下試験 備品をすべて装着した3個のタンクで試験を行う。各タンクにグリコール50 %

及び水50 %の混合液を公称容量まで満たす。 

ねじ付きの給油口キャップは,5 N・mのトルクを加えて締める。 

タンク及び中に詰めた液体を,−18 ℃±2 ℃に安定させる。 

直ちに水平で平たんなコンクリートの面に,1.2 mの高さから各タンクを3回ずつ落下させる。3回の落

下は,給油口キャップ,底面,角部がそれぞれコンクリート面に当たるようにして行う。重心は,前述の

衝突点の真上になければならない。 

評価:漏れを生じてはならない。すべてのタンクが試験に合格しなければならない。 

5.3.2 

内部圧力−持続試験 3個のタンクで試験を行う。タンクのねじ付き栓は9 N・mのトルクを加えて

締め,その他の栓は通常の方法で固定する。その後,タンクを23 ℃の環境下に6時間以上置いた後,−

34 ℃の環境下に6時間以上置き,自然に室温まで戻した後に,更に70 ℃の環境下に2時間置く。タンク

の内部圧力を,70 ℃で30秒から60秒加えて漸進的に135 kPa(ゲージ圧)まで上昇させる。その圧力及

び温度を更に4時間持続させる。 

タンク内の圧力を抜き,23 ℃の環境下に6時間以上置き,その温度で試験を行う。各栓は確実に締める。

30秒から60秒加えて,内部圧力を漸進的に100 kPa(ゲージ圧)まで上昇させる。加圧した状態を更に5

分間持続する。 

評価:試験したタンクに破裂及び漏れが生じてはならない。すべてのタンクが試験に合格しなければな

らない。変形は生じてもよい。 

5.3.3 

燃料の透過性 ±0.1 %の精度で質量を測定した3個の給油口付きタンクで試験を行う。 

2.2.4−トリメチルペンタン70 %及びトルエン30 %を成分とする試験液を,各タンクの公称容量まで満

たす。 

5 N・mのトルクでキャップを締め,全体の質量を±0.1 %の精度で再度測定する。 

各タンクを30日間,23 ℃±2 ℃で保管する。中身を入れたまま,再度タンクの質量を±0.1 %の精度で

測定する。 

質量損失の百分率は,次の等式を用いて計算する。 

()

100

%

1

2

3

2

×

=

m

m

m

m

質量損失

ここに, m1: 空タンクの質量 
 

m2: 保管前のタンク+液体の質量 

m3: 保管後のタンク+液体の質量 

質量損失を報告する。 

タンク1個を切断後,内部表面を目視検査する。 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

評価:粘着物,その他の明らかな欠陥の形跡があってはならない。タンクからの質量損失は,1 %を超

えてはならない。 

5.3.4 

ポリエチレンタンクの応力き裂試験 生産品の中から3個のタンクを抜き出す。 

水95 %,及び湿潤剤5 %からなる液体をあらかじめ70 ℃±2 ℃に熱し,各タンクの公称容量まで満た

す。 

タンクを閉じて(ねじ付きキャップは5 N・mのトルクを加えて締める。)圧力管を接続し,同じ温度の

同じ液体を満たした試験槽の中に沈める。タンクは,内部圧力を加えない状態で1時間,試験温度に保っ

た液中に沈める。圧力衝撃を与えないように10秒から15秒以内で内部圧力を50 kPa(ゲージ圧)まで上

げ,その状態を更に5時間持続する。 

評価:試験後,漏れ及び視認できるき裂があってはならない。 

5.3.5 

可燃性試験 口径10 mmの標準的なブンゼンバーナーを,青色の炎の高さがおよそ25 mm,円す

い形の炎の先端温度が900 ℃にし,炎の先端が直接タンクの側面に当たるように,3個のタンクを10秒間

炎にさらす。 

評価:タンクが燃え上がってはならない。 

備考 “燃え上がる”とは,例えば,マッチを点火したときのように,燃焼度合いが継続的に増して

いくことを意味する。 

5.4 

エラストマー材(ガスケット及びシール)に関する試験 

5.4.1 

浸せき試験 材料ごと及びサイズごとにそれぞれ3個の試料を用意し,次の方法で試験する。 

5.1.3で規定した液体中に,23 ℃±2 ℃で前記3個の試料を70時間浸せきする。 

ISO 1817の測定法及び計算方法を用いて,各試料の質量変化及び体積変化を算定する。 

評価:エラストマー材の部品は,次のとおりとする。 

− 膨張は25 %を超えない。 

− 収縮は1 %を超えない。 

− 質量損失は10 %を超えない。 

5.4.2 

オーブンによる老化試験 3個の試料を,温度70 ℃±1 ℃,ゲージ圧2 MPa±70 kPa,100 %酸素

雰囲気下に96時間暴露する。 

直径又は対角線の長さが20 mmより大きいガスケット類については,直径25 mmのマンドレルを用い

る。直径又は対角線の長さが20 mm以下のガスケット類については,13 mmの心棒を使用する。 

酸素中に暴露した後,試験を実施する前にガスケット及び試験用の心棒を2時間以上,0 ℃±1 ℃の温

度に保つ。 

0 ℃±1 ℃の試験温度の下で,心棒に沿ってガスケットを180°曲げる。曲げる速度は,約90°/秒と

する。 

評価:曲げた後のガスケットにき裂が生じてはならない。 

5.5 

燃料ホース部品 

5.5.1 

ホースは,ISO 8469の要求事項を満たさなければならない。 

5.5.2 

燃料ホースは0 ℃及び60 ℃の温度下に8時間暴露した後,ホース外径の4倍に相当する直径に巻

き付けてもき裂や浅い割れ目,破断が生じない柔軟性のあるものとする。 

5.5.3 

各燃料ホースの接続部分は,180Nの静的引張力を加えたとき,1分間耐えなければならない。 

5.5.4 

燃料ホース部品は,タンク側が接続され,かつエンジン側には接続されていない状態のとき,タン

クに135 kPa(ゲージ圧)の内部圧力を加えても,燃料の漏れが生じてはならない。 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 識別 タンクには,次の情報を表示しなければならない。 

a) 製造業者の略号又は名称 

b) 公称容量(単位リットル) 

c) モデル名 

d) 製造年(数字又は符号) 

e) JIS F 4327又はISO 13591(文字の大きさ:縦4 mm以上) 

f) 

燃料の種類を表す記号(記号の大きさ:縦25 mm以上) 

g) 火災の危険があることを表す記号(記号の大きさ:縦25 mm以上) 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) オーナ用マニュアル 

船外機関のオーナ用マニュアルには,次の情報を表示するのがよい。 

− タンクへの給油は,艇外で行わなければならない。 

− 燃料がこぼれるのを防ぐため,タンクからタンクへの移し替えを行ってはならない。 

− 直射日光が当たり,温度が60 ℃以上になる場所にはタンク及びホース類を保管してはならない。 

− 使用していないときは,タンクの通気口を閉じなければならない(手動で閉鎖可能な通気口を備えて

いるタンクの場合)。 

F 4327 : 1999 (ISO 13591 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(参考) 参考文献 

[1] JIS F 0102 舟艇−オーナ用マニュアル 

ISO 10240 : 1995, Small craft−Owner's manual 

マリンレジャー用舟艇部会/機関及び推進システム専門分科会 構成表 

氏名 

所属 

(専門分科会長) 

土 本 寛 治 

ヤマハ発動機株式会社 

(委員) 

中 村 順 造 

財団法人日本海事協会 

旗 手 光 清 

日本小型船舶検査機構 

井 上 順 之 

いすゞ自動車株式会社 

大 穀 圭 介 

スズキ株式会社 

菊 池 正 和 

トーハツ株式会社 

米 澤   篤 

日産自動車株式会社 

小 原 敏 久 

本田技研工業株式会社 

松 本   治 

ヤンマーディーゼル株式会社 

青 木 健 一 

新潟コンバーター株式会社 

森 岡 利 充 

三信工業株式会社 

(事務局) 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会 

冨 永 恵 仁 

財団法人日本船舶標準協会 

仁 平 一 幸 

財団法人日本船舶標準協会