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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 4325-1995 

舟艇−プッシュプル 

コントロールケーブル 

Small crafts−Push-pull control cables 

1. 適用範囲 この規格は,舟艇用内燃機関の遠隔操作装置に用いるプッシュプルコントロールケーブル

について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0205 メートル並目ねじ 

JIS B 0208 ユニファイ細目ねじ 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による(付図1参照)。 

(1) コアー 通常の使用状態において,プッシュプルコントロールケーブルのたわみ性がある固定部材。 

(2) コンディット 通常の使用方法において,プッシュプルコントロールケーブルのたわみ性がある固定

部材。 

(3) ハブ コンディットの端部に永久的に組みつけられ,コンディットの取付点(ケーブルの固定点)と

して用いられる部材。 

(4) ロッド コアーの端部に永久的に組みつけられた剛体部材。 

(5) ガイドスリーブ ハブの端部に揺動可能に取りつけられ,ロッドの動きを案内する部材。 

(6) シール ケーブルの内部に対する防じんを目的とする部材。 

(7) 全長 ケーブル両端のロッド先端部間の長さ。 

3. 性能 プッシュプルコントロールケーブルは,次に示す諸性能を備えたものでなければならない。 

(1) 外観 プッシュプルコントロールケーブルの外観は,きず,ばり,その他使用上有害な欠陥があって

はならない。 

(2) 操作性 プッシュプルコントロールケーブルは,平面上にまっすぐ置いて,一方のロッドを手で操作

したとき,引っかかり感がなく円滑に動かなければならない。 

(3) 引張強さ 7.2の規定によって試験を行い,引張荷重1 300 Nを加えたとき,コアーとロッド,又はコ

ンティットとハブとの結合部が分離してはならない。 

(4) 伸び 7.2の規定によって試験を行い,引張荷重を45 Nから220 Nに増加したときの伸びはケーブル

1 m当たり1.0 mm以下でなければならない。

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F 4325-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 耐温度性 7.3の規定によって試験を行った後,3.(3)の規定に適合し,コンディット表面に割れなどの

異状を生じてはならない。 

(6) 荷重効率 7.4の規定によって試験を行ったときの荷重効率は50 %以上でなければならない。 

(7) バックラッシ 7.5の規定によって試験を行ったときのバックラッシは,4.5 mm以下でなければなら

ない。 

(8) 耐押し荷重性 7.6の規定によって試験を行った後,3.(6)の規定に適合しなければならない。 

(9) 耐久性 7.7の規定によって試験を行った後,3.(6)及び3.(7)の規定に適合しなければならない。 

4. 材料 プッシュプルコントロールケーブルに使用する材料は,次による。 

(1) 金属材料は,耐食性材料,又は腐食に耐えられるよう表面処理したものを選択しなければならない。 

(2) 日光にさらされる可能性がある部材に用いる合成樹脂材料は紫外線の照射による劣化に耐えられるも

のを選択しなければならない。 

5. 構造 プッシュプルコントロールケーブルの構造は,次のとおりとする。 

(1) プッシュプルコントロールケーブルは直線運動を伝達するコアー及びこれを案内するコンディット並

びに端末金具類で構成する。 

(2) プッシュプルコントロールケーブルの両端末部の形状及び寸法は同一とし,コアー端部に取りつけら

れたロッドはガイドスリーブとともに全方向に8°以上揺動可能な構造とする。 

6. 形状及び寸法 プッシュプルコントロールケーブルの形状及び寸法は,次による。 

(1) 形状及び寸法は,付図1による。 

(2) ロッドねじdは受渡当事者間の取り決めによって,次のA又はBの中から選択する。 

M5×08 

No.10-UNF-2A 

備考1. ねじAは,JIS B 0205の規定による。 

2. ねじBは,JIS B 0208の規定による。 

7. 試験方法 

7.1 

試験場所の状態 試験場所の状態は,JIS Z 8703に規定する常温,常湿とする。 

7.2 

引張試験 引張試験は,次による。 

(1) コアー/ロッドアッセンブリの引張試験 ケーブルの両端のロッドを引張試験機に取りつけ,引張荷

重を加える。 

(2) コンディット/ハブアッセンブリの引張試験 ケーブルの両端のハブを引張試験機に取りつけ,引張

荷重を加える。 

7.3 

耐温度試験 ケーブルの両端部をそれぞれ0.3 m以上,恒温槽に入れ,次の温度サイクルを3回繰り

返す。 

 21 ℃±2 ℃ 3時間 

−34 ℃±2 ℃ 3時間 

 21 ℃±2 ℃ 3時間 

 71 ℃±2 ℃ 3時間 

F 4325-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4 

荷重効率試験 全長3.5±0.5 mの試験用プッシュプルコントロールケーブルを付図2に例示するよ

うに半径200 mm×90°2か所及び半径200 mm×180°1か所曲げて配置し,一方のロッドに100 Nの荷重

を加えたときの他方のロッドの操作力F (N) を押し方向及び引き方向について測定する。 

荷重効率E (%) は,次の式によって算出する。 

E=100

F×100 (%) 

なお,操作力の測定は,ロッドを最大ストローク位置と最小ストローク位置との間で10回操作した後に

行うものとする。 

7.5 

バックラッシ試験 全長3.5±0.5 mの試験用プッシュプルコントロールケーブルを7.4の規定と同様

に,付図2に例示するように配置し,ジグを使用して一方のロッドを中間ストローク位置でハブに固定す

る。他方のロッドの軸方向に20 Nの押し力を加え,次いで20 Nの引張力を加える。このときのロッドの

変位量を測定しバックラッシとする。 

7.6 

押し荷重試験 全長3.5±0.5 mの試験用プッシュプルコントロールケーブルを付図3に例示するよ

うに配置し,ジグを使用して一方のロッドを最小ストローク位置でハブに固定する。他方のロッドを8°

傾けた状態でロッドの軸方向に180 Nの押し荷重を加える。 

7.7 

耐久試験 全長3.5±0.5 mの試験用プッシュプルコントロールケーブルを7.4の規定と同様に,付図

2に例示するように配置する。一方のロッドの軸方向に最大ストローク位置で90 Nの押し荷重,最小スト

ローク位置で90 Nの引張荷重が加わるように構成された負荷装置を配置する。他方のロッドを最小ストロ

ーク位置と最大ストローク位置との間で20 000回繰り返し操作する。 

8. 検査 プッシュプルコントロールケーブルの検査は,引張強さ,伸び,耐温度性,荷重効率,バック

ラッシ,耐押し荷重性,耐久性,操作性,外観,形状及び寸法について行い,3.及び6.の規定に適合しな

ければならない。 

9. 製品の呼び方 プッシュプルコントロールケーブルの呼び方は,規格の名称又は規格の番号,ロッド

ねじの呼び及び全長による。 

例1. 舟艇−プッシュプルコントロールケーブルM5, 2.5 m 

例2. JIS F 4325 M5, 2.5 m 

10. 表示 プッシュプルコントロールケーブルには容易に消えない方法で次の事項を表示する。 

(1) 製造業者名又はその略号 

(2) 製造年月又はその略号 

(3) 全長及びロッドのねじの呼び,又はその略号 

関連規格 SAE J917-MARINE PUSH PULL CONTROL CABLES 

ABYC P-14-81 RECOMMENDED PRACTICES AND STANDARDS CONVERING PROPULSI0N 

CONTROL SYSTEMS 

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付図1 プッシュプルコントロールケーブルの形状及び寸法 

注(1) 中間ストローク位置 

なお,最大ストローク位置は208±3,最小ストローク位置は132±3とする。 

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F 4325-1995  

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付図2 荷重効率,バックラッシ及び耐久試験方法 

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付図3 押し荷重試験方法 

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原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

栗 原 宏 一 

日産自動車株式会社マリン事業部 

(委員) 

三 浦 明 純 

財団法人日本海事協会 

富士原 康 一 

日本小型船舶検査機構 

村 山 雅 己 

社団法人日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所 

森 繁   泉 

社団法人日本マリーナ・ビーチ協会 

瀧 源 一 秀 

タキゲン製造株式会社ウオーターフロント事業部 

中 村 正 和 

中村船具工業株式会社 

和 田 榮一郎 

日発モース株式会社 

鳴 海 照 芳 

日産自動車株式会社マリン事業部 

岸   清 一 

マロール株式会社制御機器事業部 

岸   英 樹 

ヤマハ発動機株式会社マリン事業本部 

(事務局) 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会 

冨 永 恵 仁 

財団法人日本船舶標準協会