F 3995 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する同法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本
埋立浚渫協会 (JDRA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本標準調査会は,この
ような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出
願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 3995 : 2000
作業船用船外排送管用ゴムスリーブ
Rubber sleeves for dredge discharge pipes
1. 適用範囲 この規格は,JIS F 3993に規定する作業船用船外排送管の継手として用いる継手金具付ゴ
ムスリーブ(以下,スリーブという。)について規定する。ただし,球形スリーブ,鋼線入りなどの特別仕
様のスリーブは除く。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を
構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS F 3993 作業船用船外排送管
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS K 6330-1 ゴム及び樹脂ホース試験方法−第1部:寸法測定
JIS K 6330-2 ゴム及び樹脂ホース試験方法−第2部:耐圧性試験
2. 使用圧力 スリーブの最高使用圧力は,表1のとおりとする。
表1 スリーブの最高使用圧力
単位 MPa
呼び径
最高使用圧力
200
0.5
250
300
350
0.6
400
510
0.8
560
610
1.0
630
660
685
1.2
710
760
1.5
840
860
2
F 3995 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 表1以外の呼び径のものについては,受渡当事者
間の協定による。
なお,その際の最高使用圧力は,呼び径に対応
する内径に最も近い規格値のものとする。
3. 品質
3.1
一般 スリーブの内面ゴム層は,耐摩耗性があり,外面層は,耐候性をもつものとする。
3.2
性能 スリーブは,8.3及び8.4によって試験し,表2の規定に適合しなければならない。
表2 スリーブの性能
性能項目
性能
試験圧力
適用試験
耐圧性
漏れ,局部的変形など
の異常がないこと
表1の最高使用圧力の1.5倍
8.3
加圧時の長さ
変化率 %
±10
表1の最高使用圧力
±15
表1の最高使用圧力の1.5倍
加圧時の外径
変化率 %
±5
表1の最高使用圧力
±7.5
表1の最高使用圧力の1.5倍
許容曲げ角度
度
10以上
−
8.4
4. 構造 スリーブの構造は,付図1によるものとし,内面ゴム層,補強層,外面層からなるゴム部本体
及び継手金具から構成されたものとする。ゴム部本体と継手金具は,加硫によって接着されていなければ
ならない。
5. 継手金具 継手金具は,フランジ部,ニップル部からなり,原則として材質は,JIS G 3101に規定す
るSS400とする。継手金具は,8.3の耐圧試験中に,漏れ,離脱などの欠点が生じないように,完全に取
り付けられたものでなければならない。
6. 寸法 スリーブの寸法は,付図1によるものとし,8.1によって測定し,付図1及び付表1の規定に適
合しなければならない。
7. 外観及び形状 スリーブの外観及び形状は,次のとおりとする。
a) 使用上有害な傷,気泡,き裂その他の欠点がないこと。
b) 内面は平滑で,内径,肉厚ともに均整であること。
8. 試験方法
8.1
寸法の測定 寸法の測定は,次による。
a) スリーブの内径 スリーブの内径は,JIS K 6330-1の5.(内径)の5.7G法に規定する方法によって測
定する。
この場合,スリーブの内径の測定位置は,フランジ面から約150mm内側の所とする。
b) スリーブの長さ スリーブの長さは,JIS B 7512に規定する鋼製巻尺を用いて測定する。
c) 継手金具各部の寸法 継手金具各部の寸法は,JIS B 7507に規定するノギスを用いて測定する。
8.2
外観及び形状 外観及び形状は,目視によって調べる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.3
耐圧試験 スリーブの耐圧試験は,JIS K 6330-2の7.1(耐圧性試験)に規定する方法によって表1
の試験圧力で行う。この場合,加圧時の長さ変化率は全長 (L) で調べ,加圧時の外径変化率はスリーブの
中央部で調べる。
8.4
許容曲げ角度 スリーブの許容曲げ角度は,図1に示すように,片側フランジ固定もしくは両端可
動フランジにて曲げて,折れない限界の角度(θ)(1)を測定する。折れない限界の角度とは,曲げモーメント
の最大値を有する角度又はホースの内側に使用上有害なゴムのせり出しが生じない範囲の角度とする。こ
の場合,スリーブの内部は空とする。
注(1) θは図1に示すθのいずれかの角度とする。
図1 スリーブの曲げ角度
9. 製品の呼び方 スリーブの呼び方は,規格の名称又は規格番号及び呼び径による。
例 作業船用船外排送管用ゴムスリーブ 760
JIS F 3995-760
10. 表示 スリーブには,1本ごとに次の事項を表示する。
なお,呼び径が510以上の場合には2か所に,呼び径が510未満の場合には1か所に表示する。表示の
字体は,明りょうで,文字の高さは50mm以上とする。この場合,受渡当事者間の協定によって,これ以
外の表示方法を用いることができる。付図2に表示方法の一例を示す。
a) 製造業者名又はその略号
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F 3995 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 呼び径又はスリーブの内径
c) 製造年月日又は略号
付図1 スリーブの構造及び寸法
付図2 表示方法の一例(呼び径760の場合)
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 スリーブの寸法
呼び径 内径
D
mm
内面ゴム層
t2
(参考値)
mm
長さ(2)
(L)
mm
長さ (L)
の許容差
%
質量
(参考
値)
kg
フランジ
外径
D1
mm
フランジ
厚さ
t1
mm
ニップル
厚さ
t
(参考値)
mm
ボルト穴
中心円の径
C
mm
数
n
個
径
h
mm
200
205±3
10
800
±2
90
32023
−
+
12±2
6
280±1.0
8
23±1
250
254±3
800
100
38523
−
+
345±1.0 12
300
305±5
900
110
43023
−
+
390±1.0
350
338±5
1 000
130
48023
−
+
19±2
435±1.0
400
388±5
1 000
140
54023
−
+
495±1.0 16
510
510±5
15
1 200
210
71023
−
+
9
650±1.0
560
560±5
1 300
260
76523
−
+
690±1.0 18
610
610±5
20
1 300
320
81423
−
+
22±2
750±1.0 20
630
630±5
1 400
350
83423
−
+
765±1.0
25±1
660
660±5
1 500
400
87023
−
+
780±1.0 24
685
685±5
1 500
450
90523
−
+
25±2
820±1.0
27±1
710
710±5
1 600
500
93023
−
+
28±2
860±1.0
760
760±5
1 700
640
99023
−
+
900±1.0
30±1
840
840±5
25
1 900
870
1 09023
−
+
32±2
12
1 010±1.0 32
860
860±5
1 900
930
1 09023
−
+
1 010±1.0
注(2) 表以外の長さについては,受渡当事者間の協定による。
備考 表以外の呼び径のものについては,受渡当事者間の協定による。この場合,各寸法の許容差については,呼び
径に対応する内径の最も近い規格値のものとする。
作業船用船外排送管等のJIS改正原案作成委員会 構成表
1. 本委員会
氏名
所属
(委員長)
神 野 信 行
東洋建設株式会社土木本部機械部
(委員)
石 倉 隆
五洋建設株式会社土木部門土木本部機械部
岩 月 哲 三
東亜建設工業株式会社土木部機電部
松 居 茂 雄
佐伯建設工業株式会社機材部
中 村 直 人
りんかい建設株式会社建設本部工務機材部
新 井 博
若築建設株式会社土木本部機械部
加 藤 英 夫
運輸省港湾技術研究所機械技術部浚渫埋立研究室
手 塚 哲
財団法人湾岸空港建設技術サービスセンター
前 田 武
社団法人日本作業船協会技術部
葉 山 宜 正
住友ゴム工業株式会社土木海洋商品営業部
高 崎 守
株式会社ブリヂストン横浜工場土木海洋商品開発部
矢 崎 文 彦
横浜ゴム株式会社工業資材工場EP設計課
(事務局)
寺 内 潔
社団法人日本埋立浚渫協会
平 瀬 壽 一
社団法人日本埋立浚渫協会
2. 作業船用船外排送管用ゴムスリーブ分科会
氏名
所属
(委員長)
新 井 博
若築建設株式会社土木本部機械部
(委員)
神 野 信 行
東洋建設株式会社土木本部機械部
石 倉 隆
五洋建設株式会社土木部門土木本部機械部
長 崎 浩 一
国土総合建設株式会社技術本部船舶機材部
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F 3995 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
氏名
所属
澤 崎 邦 夫
大都工業株式会社建設本部機材部
米 田 幸 一
三井不動産建設株式会社土木部
太 田 昇
株式会社大本組東京支店営業部
川 内 勝
株式会社本間組機械部
原 輝 夫
株木建設株式会社技術開発センター
今 野 正 耕
株式会社テトラ土木本部土木部
葉 山 宜 正
住友ゴム工業株式会社土木海洋商品営業部
高 崎 守
株式会社ブリヂストン横浜工場土木海洋商品開発部
矢 崎 文 彦
横浜ゴム株式会社工業資材工場EP設計課
(事務局)
寺 内 潔
社団法人日本埋立浚渫協会
平 瀬 壽 一
社団法人日本埋立浚渫協会