2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 3422-1995
船用切欠き滑車
Shipsʼ snatch blocks
1. 適用範囲 この規格は,船に用いる切欠き滑車(以下,滑車という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS B 1101 すりわり付き小ねじ
JIS B 1111 十字穴付き小ねじ
JIS B 1112 十字穴付き木ねじ
JIS B 1135 すりわり付き木ねじ
JIS B 1256 平座金
JIS B 1351 割りピン
JIS B 2801 シャックル
JIS F 3418 船用シーブ
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS H 5111 青銅鋳物
2. 種類 滑車の種類は,表1のとおりとする。
2
F 3422-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1
種類
呼び寸法
SM
H
−
200
−
−
−
E
−
200
−
−
−
SW
160
200
240
−
−
WM
H
−
−
−
260
330
E
−
−
−
260
330
備考1. 種類の第1字のSは鋼製滑車,Wは木製滑車を示す。
2. 種類の第2字のMは麻ロープ又は合成繊維ロープ用,Wはワイ
ヤロープ用を示す。
3. 種類の第3字のHはフック付き,Eはアイ付きを示す。
4. 呼び寸法は,SMH,SME及びSWについては,シーブの径によ
り,WMH及びWMEについては外体の高さによる。
3. 構造,形状及び寸法 滑車の構造,形状及び寸法は,付図1〜3によるほか,次による。
(1) 種類SMH,SME及びSWのスイベル部は,グリースによる注油構造とする。
種類WMH及びWMEのスイベル部には,オイル注油のための注油穴を設けてもよい。
(2) 種類SMH,SW及びWMEに用いるシャックルは,JIS B 2801の規定による。
(3) 種類SMH及びSMEの外帯と側板との取付けは,リベット又は溶接で固着してもよい。
(4) 種類SWの外帯と側板との取付けは,溶接で固着してもよい。
(5) 種類SMH,SME及びSWに用いる割りピンは,JIS B 1351の規定による。
(6) 種類WMH及びWMEに用いるシーブは,JIS F 3418の規定による。
(7) 種類WMH及びWMEに用いるなべ小ねじは,JIS B 1101又はJIS B 1111の規定による。
(8) 種類WMH及びWMEに用いる皿木ねじは,JIS B 1112又はJIS B 1135の規定による。
(9) 種類WMH及びWMEに用いる座金は,JIS B 1256の規定による。
(10) スイベル部のねじは,JIS B 0207の規定による。
(11) 中心ピン及びナットのねじは,JIS B 0205又はJIS B 0207の規定による。
4. 材料 滑車の材料は,種類SMについては表2,SWについては表3,WMについては表4のとおりと
する。
3
F 3422-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2
種類
部品
番号
部品名称
材料
種類
部品
番号
部品名称
材料
SMH
及び
SME
1
外帯
JIS G 3101のSS400
SMH
及び
SME
13
フック
JIS G 4051のS25C
2
外帯
JIS G 4051のS25C
14
ナット
JIS G 4051のS25C
3
外帯
JIS G 4051のS25C
15
止めねじ
鋼線
4
外帯
JIS G 3101のSS400
16
シーブ
JIS G 5501のFC200
5
フック受
JIS G 4051のS25C
17
ブシュ
JIS H 5111のBC6
6
側板
鋼板
18
割りピン
黄銅線
7
側板
鋼板
19
止め金
鋼板
8
側板
鋼板
20
座金
JIS H 3100のC2801P又は
JIS H 3250のC3604BD若
しくはC3604BE
9
中心ピン及
び六角ナッ
ト
JIS G 4051のS25C
21
グリースニ
ップル
黄銅
10
ヒンジ用ピ
ン
JIS G 4051のS25C
22
ボルト及び
六角ナット
棒鋼
11
止めフック
棒鋼
23
スイベルア
イ
JIS G 4051のS25C
12
リベット
棒鋼
24
シャックル
JIS B 2801の規定による。
表3
種類
部品
番号
部品名称
材料
種類
部品
番号
部品名称
材料
SW
1
外帯
JIS G 3101のSS400
SW
13
グリースニ
ップル
黄銅
2
外帯
JIS G 4051のS25C
14
シーブ
JIS G 5501のFC200
3
外帯
JIS G 4051のS25C
15
ブシュ
JIS H 5111のBC6
4
外帯
JIS G 3101のSS400
16
止めねじ
鋼線
SW
5
側板
鋼板
SW
17
割りピン
黄銅線
6
側板
鋼板
18
ヒンジ用ピ
ン
JIS G 4051のS25C
7
側板
鋼板
19
スイベル受
JIS G 4051のS25C
8
中心ピン及
び六角ナッ
ト
JIS G 4051のS25C
20
座金
JIS H 3100のC2801P又は
JIS H 3250のC3604BD若
しくはC3604BE
9
止め金
鋼板
10
スイベルア
イ
JIS G 4051のS25C
21
割りピン
黄銅線
11
リベット
棒鋼
22
シャックル
JIS B 2801の規定による。
12
スイベル用
ナット
JIS G 4051のS25C
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4
種類
部品
番号
部品名称
材料
種類
部品
番号
部品名称
材料
WMH
及び
WME
1A 外体
けやき
WMH
及び
WME
10
皿木ねじ
黄銅丸線
1B 外体
けやき
11
座金
鋼板
1C 外体
けやき
12
なべ小ねじ
棒鋼
2A 鋼帯
JIS G 3101のSS400
13
リベット
棒鋼
2B フック受
JIS G 3101のSS400
14
フック
JIS G 4051のS25C
3A 鋼帯
JIS G 3101のSS400
15
ナット
JIS G 3101のSS400
3B 鋼帯
JIS G 3101のSS400
16
座金
JIS H 3100のC2801P又は
JIS H 3250のC3602BE
4A 鋼帯
JIS G 3101のSS400
17
スイベルア
イ
JIS G 4051のS25C
4B 鋼帯
JIS G 3101のSS400
18
鋼帯
鋼板
5 中心ピン
JIS G 3101のSS400
19
止め金
鋼板
6 ヒンジ用ピ
ン
JIS G 3101のSS400
20
シャックル
JIS B 2801の規定による。
7 止めフック
棒鋼
21
グリースニ
ップル
黄銅
8 リベット
棒鋼
22
シーブ
JIS F 3418の規定による。
9 当て金
鋼板
5. 表面処理 滑車の表面処理は,次のとおりとする。
(1) 種類SMH及びSMEのシーブには,亜鉛めっきを施す。
(2) 種類WMH及びWMEの鋼製部には,亜鉛めっきを施す。ただし,中心ピンを除く。
6. 試験及び検査
6.1
荷重試験 滑車の荷重試験は,フック又はシャックルを連結して表5に示す要領により試験荷重を
加えて行う。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5
項目
種類
SM
SW
WM
試験方法
呼び寸法
200
160
200
240
260
330
使用荷重 kN
12.3
9.8
19.6
29.4
4.9
7.4
試験荷重 kN
49.2
39.2
78.4
117.6
19.6
29.6
備考 単滑車の使用荷重とは,滑車を通過する索の一端に負荷できる最大荷重をいう。
6.2
解放検査 荷重試験終了後,解放して各部の検査を行い,異状があってはならない。
7. 製品の呼び方 滑車の呼び方は,規格の名称,又は規格番号並びに種類,呼び寸法及びシャックルの
記号による。
例1. 船用切欠き滑車SMH200又はJIS F 3422 SMH200
2.
船用切欠き滑車SW160SC又はJIS F 3422 SW160SC
3.
船用切欠き滑車WME260SC又はJIS F 3422 WME260SC
8. 表示 滑車には見やすい箇所に次の事項を刻印するか,又は銘板を付ける。
(1) 呼び径,呼び寸法又は識別記号
(2) 使用荷重
(3) 製造年月又はその略号
(4) 製造業者名又はその略号
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 SMH 200及びSME 200
単位 mm
呼び寸法
シャックル
参考
適用ロープの最大径
計算質量 (kg)
SMH200
−
65
30.0
SME200
SC20又はSD24
27.4
備考1. シャックルは,用途によって,形式及び呼びを変えてもよい。
2. SME200の計算質量は,シャックルSD付きのものを示す。
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 SW
単位mm
呼び寸法
D
D1
D2
D3
D4
A
B
H
H1
H2
H3
H4
H5
H6
R
T
160
160
120
44
32
170
55
60 167.5
105
87
68
105
28
65 11
40
200
200
150
56
42
210
65
85
217.5
130
115
85
140
50
100
13.5
50
240
240
184
67
51
250
80
100 255
155
132 103
165
55
110 15
60
呼び寸法
T1
T2
b
d
d1
d2
d3
t
t1
160
44
46
28
31
M24×2
18
15
10
4.5
200
54
56
43
41
M30×2
30
19
12
4.5
240
66
68
50
50
M42×3
34
23
14
6
単位mm
呼び寸法
シャックル
参考
適用ワイヤロープの
最大径
計算質量
(kg)
160
SC18又はSD22
20
12.1
200
SC26又はSD30
25
27.1
240
SC32又はSD38
28
47.6
備考1. シャックルは,用途によって,形式及び呼びを変えてもよい。
2. 計算質量は,シャックルSD付きのものを示す。
8
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付図3 WMH及びWME
単位mm
呼び寸法
H
a
a1
A1
A2
b
B
B1
C
d
d1
d2
d3
d4
d5
d6
260
260
28
14
38
33
23
50
180
32
30
M18×1.5
14
12
6
19
27
330
330
46
20
52
46
26
75
225
40
36
M22×1.5
16
16
8
22
33
呼び寸法
d7
D5
E
F
H4
H5
H6
H7
H8
H9
l
L
L1
t
260
20
45
23
54
145
14
55
200
85
75
34
35
54
9
330
28
56
28
70
185
16
60
250
105
90
42
43
70
12
単位mm
呼び寸法
シーブの呼び径
シャックル
参考
A
B
適用ロープの最大径
計算質量
(kg)
WMH260
160
160
−
24
10.0
WME260
SC14又はSD20
10.8
WMH330
200
200
−
30
17.8
WME330
SC18又はSD22
17.2
備考1. シャックルは,用途によって,形状及び呼びを変えてもよい。
2. 計算質量は,シーブAを含む。WMEのものはシャックルSD付きのものを示す。
9
F 3422-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
船舶部会 船用荷役器具専門委員会 構成表(昭和57年2月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
西 山 安 武
東京商船大学
土 屋 睦 夫
運輸省船舶局
大久保 和 夫
工業技術院標準部
草 野 博
財団法人日本船舶標準協会
大 友 義 雄
株式会社立野製作所
寺 本 虎 夫
株式会社寺本鉄工所
東 田 典 男
北川工業株式会社
天 方 博 昭
日立造船株式会社広島工場
今 井 弘 次
住友重機械工業株式会社船舶海洋事業本部
片 桐 靖 夫
三菱重工業株式会社神戸造船所
田 村 元
石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部
長谷川 照 一
日本鋼管株式会社重工業事業部
村 山 肇
川崎重工業株式会社船舶事業本部
奥 山 孝 志
社団法人日本中型造船工業会
(事務局)
石 井 清 次
工業技術院標準部機械規格課
鈴 木 一 規
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
小 林 秋 穂
工業技術院標準部機械規格課(平成2年7月5日改正のとき)
山 形 智 幸
工業技術院標準部機械規格課(平成2年7月5日改正のとき)
(事務局)
高 橋 潔
工業技術院標準部機械規格課(平成7年3月28日改正のとき)