F3410 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによって,JIS F 3410 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS F 3410には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) 船用アイプレート
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F3410 : 1999
船用オーバルアイプレート
Shipʼs oval eyeplates
序文 この規格は,1985年に第1版として発行されたISO 8146, Shipbuilding and marine structures−Oval
eyeplatesを元に作成した日本工業規格であり,附属書を除いて,技術的内容を変更することなく作成して
いる。
附属書には,徒来,日本工業規格で規定していたJIS F 3410(船用アイプレート)の規定内容を一部改正
して規定した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
今後,この規格を適用し,新しく製作する場合は,本体をできる限り優先的に適用することが望ましい。
1. 適用範囲 この規格は,船の荷役作業に用いられる船用オーバルアイプレート(以下,アイプレート
という。)の寸法と材料を規定する。アイプレートは,本来,船の甲板に取り付けるためのものであるが,
ガイのアイプレートとしてデリックブームに取り付けることもある。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 8146 : 1985, Shipbuilding and marine structures−Oval eyeplates
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS F 2211 デリックブーム頭部金物−固定形
備考 ISO 8148 (Shipbuilding and marine structures−Derrick boom headfittings−Fixed type) からの
引用事項は,この規格の該当規格と同等である。
ISO 630 Structural steels−Plates, wide flats, bars, sections and profiles
ISO 8147 Shipbuilding−Ship's lifting gear−Terminology
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,ISO 8147による。
4. 分類
4.1
形式 アイプレートには,次の二つの形式がある。
A形 一般用(例えば,船の甲板に取付け)
B形 デリックブームのガイのアイプレート用(JIS F 2211参照)(1)
注(1) このアイプレートは,JIS F 2211によるデリックブーム頭部金物には適用できない。
4.2
呼び アイプレートの呼びの表示は,参照用及び注文用として単位のない数値であるが,この数値
は許容荷重をkNで表したものに基づいている。
2
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 材料 ISO 630のグレード360とする(最低の材質として)。
備考 代わりに機械的性質及び溶接性が同等であれば船用鋼板を使用してもよい。
6. 製作
6.1
成形 このアイプレートは,ガス切断で成形した後,要求される完成状態の断面形状とするために
鍛造又は機械加工を行う。断面の変化が滑らかであるように注意する。
6.2
表面 仕上げしたアイプレートの表面は,き裂及びめくれがないものとする。
6.3
熱処理 製作工程が完了した後に,鍛造したアイプレートは焼ならしを行う。
7. 寸法
7.1
主要寸法 アイプレートの寸法は,図1及び表1による。
図1 形状図 A形及びB形
表1 主要寸法
単位mm
呼び 許容荷重(1)
kN
寸法
A形の
取付け
a
b
c
d
e
f
h
l
r1
r2
溶接
s
min
g
min
0.4
4
22
15
42
10
15
8
32.5
65
17.5
3
6
4
0.6
6.3
28
19
52
12
19
8
40.5
80
21.5
4
6
4
1
10
35
22
67
16
25
8
52
95
27
5
6
4
1.6
16
42
24
82
20
33
8
65
120
32
5
7
4
2
20
50
27
100
25
35
12
73.5
132
38.5
5
9
6
2.5
25
55
29
105
25
39
12
78.5
140
39.5
6
9
6
3
31.5
66
33
126
30
42
12
88.5
180
46.5
7
10
6
4
40
77
36
147
35
48
15
101
210
53
7
12
7
5
50
87
41
167
40
57
18
117.5
225
60.5
8
14
9
6
63
91
45
171
40
66
18
128.5
240
62.5
8
14
9
8
80
101
51
201
50
73
20
148.5
270
75.5
10
17
10
10
100
117
56
217
50
80
22
158
300
78
10
17
11
12
125
128
61
248
60
87
24
177.5
335
90.5
12
20
12
16
160
145
67
265
60
95
26
188.5
370
93.5
12
20
13
3
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位mm
呼び 許容荷重(1)
kN
寸法
A形の
取付け
a
b
c
d
e
f
h
l
r1
r2
溶接
s
min
g
min
20
200
157
73
297
70
105
28
211.5
420
106.5
14
25
14
25
250
170
80
331
80
120
32
240
470
120
16
30
16
32
315
194
88
374
90
130
36
264
530
134
18
30
18
40
400
220
98
420
100
145
40
294
570
149
20
35
20
50
500
240
108
460
110
155
45
319
630
164
22
35
22
注(1) この荷重は,引張力でどの方向へも適用できる。
7.2
寸法許容差 完成したアイプレートの寸法許容差は,次による。
a) すべての外部寸法:
+5%,−0%
b) すべての内のり寸法: +0%,−5%
8. 呼び方 この規格を満足しているアイプレートは,参考及び注文のために次の呼び方をする。
8.1
呼び方 次の事項を次に示す順序で使用する。
呼称簡略化 : プレート
規格番号
: JIS F 3410
形式の記号 : A又はB(2)(4.及び図1参照)
呼び
: (表1参照)
注(2) アイプレートB形を注文する場合,特別注文としてより詳細な寸法(例えば,プレートの長さ)
を追加で与えるものとする。
8.2
例 この規格に従ったアイプレートで,A形,呼び5のものは次のように表示する。
プレート JIS F 3410-A5
9. 表示
9.1
表示の種類 アイプレートには,呼びを容易に消えない方法で分かりやすく表示する。
9.2
表示場所 表示は応力の高くないところ(図1参照)に表示する。
4
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(規定) 船用アイプレート
1. 適用範囲 この附属書は,船に用いるロープの末端,シャックル,滑車などを構造物に固定する場合
に用いるアイプレートについて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構
成する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
3. 種類 アイプレートの種類は,形状によって,C形,D形,E形及びF形とする。
4. 形状及び寸法 アイプレートの形状及び寸法は,附属書付図1〜4による。
なお,附属書付図1〜4に示す使用荷重は,次の附属書図1のような状態における荷重をいう。
附属書図1 形状
5. 材料 アイプレートの材料は,附属書表1による。
附属書表1 材料
種類
材料
C形
JIS G 3101のSS400
D形
E形
JIS G 4051のS25C
F形
備考 C形・D形の材料として,JIS G 3106の
SM400A,SM400B又はSM400Cを使用
してもよい。
6. 製品の呼び方 アイプレートの呼び方は,規格の名称又は規格番号並びに種類及び呼びによる。
例 船用アイプレートC形0.5 又は JIS F 3410附属書C0.5
5
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 表示 本体に呼びを刻印する。
例 0.5
呼び7.5及び10の場合
単位mm
呼び 使用荷重 b
B
D
H
T 溶接脚長
参考
(kN)
f1
f2
使用シャックルの呼び(最小) 計算質量
(kg)
0.5
4.9
13 52 26 26 13
4 − BC10,BD8
SC10,SD10
0.19
1
9.8
15 68 38 38 15
6 − BC10,BD10
SC10,SD10
0.39
2
19.6
19 86 48 48 19
9 − BC14,BD12
SC14,SD12
0.78
3
29.4
24 108 60 60 22 11 − BC14,BD12
SC14,SD12
1.42
5
49
32 144 80 80 32 13 − BB22,BC22,BD18
SB22,SC22,SD20
3.68
7.5
73.5
36 162 90 90 36
8 12 BA34,BB24,BC24,BD20
SA34,SB24,SC24,SD20
5.24
10
98
42 189 105 105 42
9 14 BA34,BB30,BC30
SA34,SB30,SC30,SD22
8.32
附属書付図1 C形
6
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
呼び0.5及び1の場合
単位mm
呼び 使用荷重 d
L
H
R
T
A
B
h
溶接脚長
参考
(kN)
f1
f2
f3
使用シャックルの呼び
(最小)
計算質量
(kg)
0.5
4.9
19
65
45
15
12 130
50
5
7
5
4 BC14,BD12
SC14,SD12
1.10
1
9.8
22
75
50
17
14 150
62
5
9
5
5 BC16,BD14
SC16,SD12
1.70
2
19.6
28 100
60
22
16 200
80
2
8 11
5 BB20,BC20,BD16
SB20,SC20,SD16
3.36
3
29.4
36 115
70
28
19 230 100
2
10 13
7 BB24,BC24,BD20
SB24,SC24,SD20
6.06
5
49
42 145
90
32
24 280 120
2
13 16
8 BB30,BC30
SB30,SC30,SD24
10.8
7.5
73.5
50 150 100
40
30 300 140
3
16 20 10 BA36,BB36,BC36
SA36,SB36,SC36,SD28
16.9
10
98
60 180 120
45
35 360 170
3
18 22 12 BA42,BB42
SA42,SB42,SD34
28.9
15
147
70 200 130
55
40 400 200
3
20 24 14 BA50,BB50
SA50,SB50,SD38
43.3
附属書付図2 D形
7
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位mm
呼び 使用荷重 d
L
H
R
D
T 溶接脚長
f
参考
(kN)
使用シャックルの呼び
(最小)
計算質量
(kg)
0.5
4.9
16 55 40 15
45 10
6
BC12,BD10
SC12,SD10
0.45
1
9.8
22 65 45 20
50 12
7
BC16,BD14
SC16,SD14
0.82
2
19.6
25 75 50 22
55 15
9
BC18,BD14
SC18,SD14
1.20
附属書付図3 E形
8
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位mm
呼び 使用荷重 d
L
R
L1
B
T
h
r1
r2
r3
溶接
脚長
f
参考
(kN)
使用シャックルの呼び
(最小)
計算質量
(kg)
3
29.4
28 85 25 130 60
15
13
18
12
25
7 BB20,BC20,BD16
SB20,SC20,SD16
2.44
5
49
34 100 28 150 70
15
20
20
15
25
9 BB24,BC24,BD20
SB24,SC24,SD20
3.88
7.5
73.5
42 115 30 180 100
20
25
25
20
25
11 BB30,BC30
SB30,SC30,SD24
7.50
10
98
50 135 32 210 120
20
28
30
25
25
13 BA36,BB36,BC36
SA36,SB36,SC36,SD28
11.7
15
147
60 160 34 250 140
27
36
36
30
27
10 BA42,BB42
SA42,SB42,SD34
20.0
附属書付図4 F形
9
F3410 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
船体部会/外ぎ装専門分科会 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
野 津 康 生
三菱重工業株式会社
(委員)
菊 水 増 男
財団法人日本海事協会
新 居 俊 三
株式会社太洋マリンマネージメント
山 本 晃
八馬汽船株式会社
久保崎 浩
石川島播磨重工業株式会社
太 田 美 樹
川崎重工業株式会社
安孫子 玲一郎
日立造船株式会社
叶 耕 治
三井造船株式会社
長 田 敏 之
住友重機械工業株式会社
村 田 富 夫
NKK
小 宮 守
株式会社サノヤス・ヒシノ明昌
松 浦 昭 二
幸陽船渠株式会社
河 野 健 二
常石造船株式会社
鳥 居 貞 博
尾道錨製造株式会社
下 川 晃 正
日本機械製鎖株式会社
山 本 繁 樹
濱中製鎖工業株式会社
園 田 輝 一
株式会社園田滑車工業所
内 山 幸 治
株式会社立野製作所
木 舟 伸 彦
株式会社寺本鉄工所
村 上 伸 夫
株式会社福島製作所
宮 城 清 明
辻産業株式会社
溝 口 徹 也
清本鐵工株式会社
笹 重 悦 朗
株式会社共立機械製作所
安 藤 次 郎
石川島播磨重工業株式会社
蔵 並 喜 孝
三菱重工業株式会社
秦 謙太郎
川崎重工業株式会社
杉 田 英 二
株式会社アイ・イー・エム
穐 山 貞 治
通商産業省工業技術院
鹿 股 信 幸
運輸省海上技術安全局
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
(事務局)
久 保 明 博
財団法人日本船舶標準協会