F 2622:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 はしごの種類 ··················································································································· 2
5 構造,形状及び寸法 ·········································································································· 2
6 材料······························································································································· 2
7 外観······························································································································· 2
8 強度······························································································································· 3
9 検査······························································································································· 3
10 製品の呼び方 ················································································································· 3
11 表示 ····························································································································· 3
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本
船舶技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 2622:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
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パイロットラダー用船側はしご
Pilot accommodation ladders
序文
この規格は,1985年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1995年に
行われたが,その後の関連IMO基準の変更に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,パイロットが乗下船するとき(乗船高さが海面上9 mを超える場合),パイロットラダー
と併用する船側はしご(以下,はしごという。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
はしごの呼び長さ(L)
トップアイピンの中心から,下部踊り場の結合ピンの中心までの長さ(m)(図1参照)。
3.2
はしごの幅(B)
歩行面の有効幅(図1参照)。
3.3
手すりの高さ(H)
はしごの最小使用角度(水平に対する角度)の状態で,ステップ路面の最高部から上部手すりの上面ま
での鉛直距離(図1参照)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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はしごの種類
はしごの種類は,材料によって表1の2種類とする。
表1−はしごの種類
種類
材料
S形
鋼
A形
アルミニウム合金
5
構造,形状及び寸法
はしごの構造,形状及び寸法は,次のとおりとする。
なお,その一例を,図1に示す。
a) はしごの使用角度は,水平に対して45°以下としなければならない。
なお,下部踊り場は,はしごの使用角度に関係なく,はしごの下端が船側外板に固定できるよう配
慮された構造としなければならない。
b) はしごは,傾斜角度45°を超えない状態で,十分な長さをもっていなければならない。
c) はしごの幅は,600 mm以上としなければならない。
d) 手すりの高さは,1 000 mm以上とし,中間手すりを設けなければならない。
なお,手すり柱間隔は,1 500 mm以下で手すり柱を設ける。
e) 手すりは,使用しやすい形状及び寸法のものとし,これにロープを使用する場合は,原則として外径
20 mmのプラスチック材被覆繊維ロープとしなければならない。
f)
ステップは,310 mm〜350 mm以内の等間隔で設け,滑り止め加工を施したものを使用しなければな
らない。
g) 鋼製部品には,溶融亜鉛めっき又は適切なさび止め処理を施さなければならない。
h) 鋼製部品とアルミニウム合金製部品との接触面には,電食防止のため,適切な塗料の塗布又は適切な
絶縁物を挿入するなどの対策を施すことが望ましい。
6
材料
はしごの材料は,表2によるもの,又は同等以上の品質によるものとする。
表2−はしごに用いる材料
部品番号
部品名称
材料
1
主材
JIS G 3101のSS400又はJIS H 4100のA5052S
2
ステップ
鋼板又はJIS H 4100のA5052S若しくはA6063S
3
裏板
鋼板又はJIS H 4000のA5052P
4
トップアイ
JIS G 3101のSS400又はJIS H 4000のA5052P
5
手すり柱及び
ソケット
JIS G 3452又はJIS G 3454の鋼管又はJIS H 4080のA5052 TD若しくはA6063TE
6
手すり
JIS G 3452又はJIS G 3454の鋼管又はJIS H 4080のA5052TD若しくはA6063TE
7
サイドローラ
ゴム又は樹脂
7
外観
はしごの表面は,使用上有害なひずみ,きずなどの欠点がなく,仕上げは良好でなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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強度
はしごの強度は,次のとおりとする。
a) はしご本体は,トップアイピン及びつり点の支点の中央,又は下部踊り場の中央に1 470 Nの集中荷
重を加えたとき,その安全率は,鋼製の場合は降伏点に対して,アルミニウム合金製の場合は0.2 %
耐力に対して,それぞれ2以上とする。また,最大たわみは鋼製の場合は支点間距離の1001以下,アル
ミニウム合金製の場合は支点間距離の751以下とする。
b) 手すり及び手すり柱は,上部手すりに500 N/mの横方向等分布荷重を加えたとき,これに耐え得るも
のとする。
c) ステップは,その中央に735 Nの集中荷重を加えたとき,これに耐え得るものとする。
d) 上下の踊り場は,4 000 N/m2の等分布荷重を加えたとき,これに耐え得るものとする。
なお,上部踊り場の枠組みと支持構造は,それにかかるはしごの質量とa)で示した荷重とを支持で
きるものとする。
9
検査
9.1
外観検査
外観検査は,目視によって行い,箇条7の規定に合格しなければならない。
9.2
強度検査
強度検査は,次による。
a) はしご本体は,箇条8 a)の規定による荷重を試験荷重として加えたとき,その最大たわみが箇条8 a)
の規定を満足するものでなければならない。また,試験荷重除去後,各部に永久変形などの異状があ
ってはならない。
b) 手すり柱の頂部に,箇条8 b)で規定する荷重に相当する集中荷重を試験荷重として横方向から加えて
除去した後,永久変形などの異状があってはならない。
c) ステップ及び踊り場は,箇条8 c)及び箇条8 d)で規定する荷重を試験荷重として加えて除去した後,
永久変形などの異状があってはならない。
10 製品の呼び方
はしごの呼び方は,規格名称,種類及びはしごの呼び長さ(L)による。ただし,規格名称の代わりに
規格番号を用いてもよい。
例 はしご S形 5 m 又はJIS F 2622 S形 5 m
11 表示
はしご本体の見やすい位置に,1 470 N(最大許容荷重)及び製造業者名又はその略号を表示しなければ
ならない。
4
F 2622:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
注記 構造及び形状は,その一例を示す。また,部品番号は表2による。
図1−はしごの構造,形状及び寸法