2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2621-1995
船側はしご
Accommodation ladders
1. 適用範囲 この規格は,船に用いる一体形及び分割形の,鋼製及びアルミニウム合金製の船側はしご
(以下,はしごという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 5488 Shipbuilding−Accommodation ladders
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) はしごの呼び長さ (L) トップアイピンの中心から,下部踊り場の結合ピンの中心までの長さ (m)
付図1〜3参照)。
(2) はしごの幅 (B) 歩行面の有効幅(付図4参照)。
(3) 手すりの高さ (H) はしごを水平にした状態で,ステップ踏面の最高部から,上部手すりの上面まで
の鉛直距離(付図4参照)。
3. 種類 はしごの種類は,材料及び形式(付図1〜3参照)によって区分し,表1のとおりとする。
表1
種類
材料
形式
S-1形
鋼
一体形
S-2S形
分割形スライド式
S-2H形
分割形ヒンジ式
A-1形
アルミニウム合金 一体形
A-2S形
分割形スライド式
A-2H形
分割形ヒンジ式
4. 構造,形状及び寸法 はしごの構造,形状及び寸法は,次のとおりとする。
なお,その一例を付図5に示す。
(1) はしごの通常の使用角度は,水平に対して55°以下とする。ただし,注文者の指定によって,最大使
用角度55°を超えるものにすることができる。
なお,ステップ及び下部踊り場は,安全で使用しやすい構造及び形状とする。
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(2) はしごの幅は,600mmとする。
(3) 手すりの高さは,1 000mmとし,高さの中央には,中間手すりを設ける。
また,1 500mm以下の間隔で,手すり柱を設ける。
(4) 手すりは,使用しやすい形状及び寸法とし,これにロープを使用する場合には,原則として,外径22mm
のプラスチック材被覆繊維ロープとする。
(5) ステップは,約350mmの等間隔で設け,滑り止め加工を施す。
(6) 鋼製部品には,溶融亜鉛めっき又は適切なさび止め処理を施す。
(7) 鋼製部品とアルミニウム合金製部品との接触面には,電食防止のため,適当な塗料を塗るか,適当な
絶縁物を挿入するなどの対策を施す。
5. 材料 はしごの材料は,表2によるもの,又はこれと同等以上の品質によるものとする。
表2
部品番号
部品名称
材料
1
本体
主材
JIS G 3101のSS400又はJIS H 4100のA5052S
2
ブレイス
3
ステー
4
ステップ
鋼板又はJIS H 4100のA6063S
5
裏板
鋼板又はJIS H 4000のA5052P
6
下部踊り場
JIS G 3101のSS400又はJIS H 4000のA5052P
7
附属品 トップアイ
JIS G 3101のSS400
8
スリングアイ
9
アイ
棒鋼又はJIS H 4040のA5052BE
10
ブラケット
鋼板又はJIS H 4000のA5052P
11
フェンダ
堅木(けやきなど)
12
手すり柱及びソケット
−
13
接岸ローラ
−
14
サイドローラ
−
15
手すり
−
6. 外観 はしごの表面は,使用上有害なひずみや傷などの欠点がなく,仕上げは良好でなければならな
い。
7. 強度 はしごの強度は,次のとおりとする。
(1) はしご本体は,トップアイピン及び接岸ローラを支点としてはしごを水平に支持した状態で,1ステ
ップ当たり735Nとなる等分布荷重を加えたとき,その安全率は,鋼製の場合は降伏点に対して,ア
ルミニウム合金製の場合は0.2%耐力に対して,それぞれ2以上とする。
また,最大たわみは,鋼製の場合は支点間距離の100
1以下,アルミニウム合金製の場合は支点間距離
の751以下とする。
(2) 手すり及び手すり柱は,上部手すりに500N/mの横方向等分布荷重を加えたとき,これに耐え得るも
のとする。
(3) ステップは,その中央に735Nの集中荷重を加えたとき,これに耐え得るものとする。
(4) 上下の踊り場及び中間踊り場は,4 000N/m2の等分布荷重を加えたとき,これに耐え得るものする。
なお,上部及び下部踊り場の枠組みと支持構造は,それにかかるはしごの質量と(1)で示した荷重と
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を支持できるものとする。
8. 検査
8.1
外観検査 外観検査は,目視によって行い,6.の規定に合格しなければならない。
8.2
強度検査 強度検査は,次による。
(1) はしご本体は,7.(1)の規定による荷重を試験荷重として加えたとき,その最大たわみが,7.(1)の規定
を満足するものでなければならない。
また,試験荷重除去後,各部に永久変形などの異状があってはならない。
(2) 手すり柱の頂部に,7.(2)で規定する荷重に相当する集中荷重を試験荷重として横方向から加えて除去
した後,永久変形などの異状があってはならない。
(3) ステップ及び踊り場は,7.(3)及び7.(4)で規定する荷重を試験荷重として加えて除去した後,永久変形
などの異状があってはならない。
9. 製品の呼び方 はしごの呼び方は,規格名称,種類及びはしごの呼び長さ (L) による。ただし,規格
名称の代わりに規格番号を用いてもよい。
例 船側はしご S-1形,10m又はJIS F 2621-S-1形−10m
10. 表示 はしご本体の見やすい位置に,製造業者名又はその略号を表示しなければならない。
付図1 一体形はしご
付図2 分割形スライド式はしご
4
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付図3 分割形ヒンジ式はしご
付図4 はしごの幅及び手すりの高さ
備考 断面は,その一例を示す。
5
F
2
6
2
1
-1
9
9
5
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付図5 構造,形状及び寸法
備考1. 構造及び形状は,その一例を示す。
2. 長尺物のうち,輸送の都合によっては,本体に適宜継手を設けてもよい。
3. 部品番号は,表2による。
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船舶部会 船用はしご専門委員会 構成表(昭和60年11月1日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
宇都宮 達 男
財団法人日本海事協会
土 井 平 孝
運輸省海上技術安全局
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部
草 野 博
財団法人日本船舶標準協会
徳 丸 薫
石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部
山 本 正 和
川崎重工業株式会社船舶事業本部
増 本 敞
三菱重工業株式会社神戸造船所
天 方 博 昭
日立造船株式会社
柚 木 茂 登
山下新日本汽船株式会社工務部
長谷川 照 一
日本鋼管株式会社重工事業部船舶本部
上 田 満 弘
株式会社上田鉄工所
寺 本 守 三
株式会社寺本鉄工所
上 田 昭 彦
日本軽金属株式会社大阪工場
神 蔵 義 光
ジャパンライン株式会社工務部
有 川 彰 一
船舶整備公団
(事務局)
黒 河 亀千代
工業技術院標準部機械規格課
武 藤 晃 雄
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
高 橋 潔
工業技術院標準部機械規格課(平成7年3月28日改正のとき)