F 2605 : 1999 1
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによって,JIS F 2605 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2605 : 1999
小形船用鋼製船側はしご
Small size steel accommodation ladders
序文 この規格は,1979年に第1版として発行されたISO 5488,Shipbuilding−Accommodation laddersを
元に,荷重試験方法については,対応国際規格の技術的内容を変更することなく規定した日本工業規格で
あるが,小形船用として対応国際規格にはない種類,構成,構造,形状及び寸法,材料,製品の呼び方並
びに表示の規定項目を追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,小形の非客船に用いる鋼製船側はしご(以下,はしごという。)について規定
する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 5488 : 1979, Shipbuilding−Accommodation ladders
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規程の一部を構成す
る。これらの規格はその最新版を適用する。
JIS B 1117 すりわり付き止めねじ
JIS B 1135 すりわり付き木ねじ
JIS B 1256 平座金
JIS B 1351 割りピン
JIS F 3412 船用リングプレート
JIS F 3905 船用トグルピン
JIS F 3906 船用鎖ひも
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3260 銅及び銅合金線
JIS H 3270 ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の棒及び線
JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物
3. 種類 はしごの種類は,はしごの呼び長さによって,表1の5種類とする。
2
F 2605 : 1999
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表1
単位m
呼び長さ (l)
5.0
5.5
6.0
6.5
7.0
備考1. はしごの呼び長さとは,トップアイピンの穴の中心から下
端踊り場の結合ピン穴の中心までの長さをいう。
2. はしごの全長とは,トップアイピンの穴の中心から側板先
端までの長さをいう。
4. 構成 はしごは,はしご本体,下部踊り場,上部踊り場及び手すり索で構成する(付図1参照)。
5. 構造,形状及び寸法 はしごの構造,形状及び寸法は,付図1〜19によるほか,次による。
a) 手すり索は,外径22mmのプラスチック材被覆繊維ロープとすることが望ましい。
b) 鋼製部品には,すべて亜鉛めっきを施す。
c) はしごは,水平に対して通常,55°の角度で使用する。
6. 材料 はしごの材料は,付図2〜15及び付図17〜19による。
7. 荷重試験 荷重試験は,はしごを水平にし,はしご本体を両端単純支持の図1のように保持し,はし
ご本体に全長にわたり各ステップに735Nの荷重を加えて縦方向強度の確認とたわみを計測する。
この場合の最大たわみ量は,支持間長さの100
1以下とする。また,許容応力は,材料の降伏応力に対して
安全係数2として決定する。
はしごは,試験荷重を取り去った後,構造部材に損傷の様子がないか,又は永久変形が生じていないか
を目視検査する。
図1 荷重試験
8. 製品の呼び方 はしごの呼び方は,規格の名称又は規格番号及び呼び長さによる。
例 小形船用鋼製船側はしご5.0又はJIS F 2605 5.0
9. 表示 はしごの見やすい位置に,次の事項を表示する。
a) 種類
b) 製造業者名又はその略号
3
F 2605 : 1999
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付図1 組立図
4
F
2
6
0
5
:
1
9
9
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
F
2
6
0
5
:
1
9
9
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 はしご本体及び下部踊り場
6
F 2605 : 1999
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記号
部品名称
材料
G
フェンダ
付図7による。
S
フェンダ用バンド
JIS G 3101のSS400
K
手すり索端末アイ
付図3 はしご本体下端部詳細
7
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
ステップ本体
JIS G 3101のSS400
2
滑り止め
合成ゴム
備考1. 滑り止めは,5個とする。
2. 滑り止めは,接着剤と小ねじによって本体に取り付
ける。
付図4 ◯
Bステップ
8
F 2605 : 1999
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記号
部品名称
材料
E
はしごトップヒンジ
JIS G 3101のSS400
備考 括弧内寸法は,軽量形鋼の場合を示す。
付図5 ◯
Eはしごトップヒンジ
記号
部品名称
材料
F
スリングアイ
JIS G 3101のSS400
備考 括弧内寸法は,軽量形鋼の場合を示す。
付図6 ◯
Fスリングアイ
9
F 2605 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
部品番号
部品名称
材料
1
フェンダ
堅木材
2
止め金
鋼板
3
木ねじ
JIS H 3260のC2700W又はC2800W
4
トグルピン
JIS G 3101のSS400
5
トグルピン用アイ
6
鎖ひも,鎖ひもS形環
黄銅線
備考1. 木ねじは,JIS B 1135による。
2. トグルピンは,JIS F 3905による。
付図7 ◯
Gフェンダ
10
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
外筒
JIS G 3452のSGP80A
2
タイヤ
合成ゴム
3
端板
鋼板
4
ブシュ
JIS H 5120のCAC406
5
ブラケット
JIS G 3101のSS400
6
軸
7
座金
JIS H 3100のC2680P又はC2720P
8
割りピン
JIS G 3505のSWRM
9
ブシュ用止めねじ
黄銅線
備考1. a, b印寸法は,装備する船体に適合するように決定する。
2. 割りピンは,JIS B 1351による。
3. 止めねじは,JIS B 1117による。
付図8 ◯
Hサイドローラ
11
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
手すり柱
JIS G 3452のSGP25A
2
上段索用アイ
JIS G 3101のSS400
3
中段索用アイ
4
ソケット
付図9 ◯
Iはしご用手すり柱及びソケット
12
F 2605 : 1999
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記号
部品名称
材料
J
はしごつり上げ用リングプレート JIS G 3101のSS400
備考 はしごつり上げ用リングプレートは,JIS F 3412のB-1Tと同じ
である。
付図10 ◯
Jはしごつり上げ用リングプレート
13
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
M-1
下部踊り場本体
JIS G 3101のSS400
M-2
はしご本体下部取付ヒンジ JIS G 3101のSS400
M-3
同上用軸ボルト・ナット
M-4
ストッパ
M-5
ばね付ストッパ
M-6
手すり柱及びソケット
JIS G 3452のSGP
M-7
座金
JIS G 3101のSS400
備考1. ⑥手すり柱及びソケットは,上部踊り場の⑦と同様とする。
2. 座金は,JIS B 1256による。
付図11 ◯
M下部踊り場
14
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
ブラケット
JIS G 3101のSS400
2
ピン
3
リング
4
止めピン
5
割りピン
JIS G 3505のSWRM
備考 割りピンは,JIS B 1351による。
付図12 M-4ストッパ
15
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
ブラケット
JIS G 3101のSS400
2
ピン
3
リング
4
割りピン
JIS G 3505のSWRM
5
座金
JIS G 3101のSS400
6
ばね
JIS H 3270のC5191W又はC5212W
備考1. 割りピンは,JIS B 1351による。
2. 座金は,JIS B 1256による。
付図13 M-5ばね付ストッパ
16
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備考1. a印寸法は,装備する船体の形状に合わせて決定する。
2. 支え金物用チェーンは,JIS F 3906による。
3. リングプレートは,JIS F 3412による。
付図14 ◯
N上部踊り場
17
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部品番号
部品名称
材料
1
ヒンジ本体
JIS G 3101のSS400
2
ボルト・ナット
3
割りピン
JIS G 3505のSWRM
備考1. ※印寸法は,装備する船体の形状に合わせて決定
する。
2. 割りピンは,JIS B 1351による。
付図15 N-2上部踊り場本体甲板取付ヒンジ
備考 ※印寸法及び角度は,装備する船体の形状に合わせて決定する。
付図16 N-3支え金物
18
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
本体
JIS G 3101のSS400
2
ボルト・ナット
付図17 N-5支え金物用上部取付金物
19
F 2605 : 1999
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部品番号
部品名称
材料
1
手すり柱
JIS G 3452のSGP
2
上段索用アイ
JIS G 3101のSS400
3
中段索用アイ
4
ソケット
付図18 N-7手すり柱及びソケット
20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
部品番号
部品名称
材料
1
受金物本体
JIS G 3101のSS400
2
トップアイピン及びナット
3
割りピン
JIS G 3505のSWRM
備考 割りピンは,JIS B 1351による。
付図19 N-8はしごトップヒンジ受金物
21
F 2605 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
船体部会/外ぎ装専門分科会 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
野 津 康 生
三菱重工業株式会社
(委員)
菊 水 増 男
財団法人日本海事協会
新 居 俊 三
株式会社太洋マリンマネージメント
山 本 晃
八馬汽船株式会社
久保崎 浩
石川島播磨重工業株式会社
太 田 美 樹
川崎重工業株式会社
安孫子 玲一郎
日立造船株式会社
叶 耕 治
三井造船株式会社
長 田 敏 之
住友重機械工業株式会社
村 田 富 夫
NKK
小 宮 守
株式会社サノヤス・ヒシノ明昌
松 浦 昭 二
幸陽船渠株式会社
河 野 健 二
常石造船株式会社
島 居 貞 博
尾道錨製造株式会社
下 川 晃 正
日本機械製鎖株式会社
山 本 繁 樹
濱中製鎖工業株式会社
園 田 輝 一
株式会社園田滑車工業所
内 山 幸 治
株式会社立野製作所
木 舟 伸 彦
株式会社寺本鉄工所
村 上 伸 夫
株式会社福島製作所
宮 城 清 明
辻産業株式会社
溝 口 徹 也
清本鐵工株式会社
笹 重 悦 朗
株式会社共立機械製作所
安 藤 次 郎
石川島播磨重工業株式会社
蔵 並 喜 孝
三菱重工業株式会社
秦 謙太郎
川崎重工業株式会社
杉 田 英 二
株式会社アイ・イー・エム
穐 山 貞 治
通商産業省工業技術院
鹿 股 信 幸
運輸省海上技術安全局
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
(事務局)
久 保 明 博
財団法人日本船舶標準協会