F 2210 : 1998 (ISO 6044 : 1985)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工
業規格である。
国際規格との整合を図るために,対応国際規格の技術的内容を変更することなくそのまま採用し,さら
にJISとして必要な規定内容を追加した。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2210 : 1998
(ISO 6044 : 1985)
デリックブーム基部金物−主要寸法
Derrick boom heel fittings−Main dimensions
序文 この規格は,1985年に第1版として発行されたISO 6044, Shipbuilding and marine structures−Derrick
boom heel fittings−Main dimensionsを元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内容及
び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていない規
定内容を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で点線で下線を施してある部分は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,造船及び海洋構造物のデリックブーム基部金物のフォーク及び附属のボルト
又はピンに関して,互換性のための主要寸法と材料について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS B 1181 六角ナット
JIS B 1351 割りピン
JIS F 2201 鋼板製デリックブーム
JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 5102 溶接構造用鋳鋼品
ISO 286 ISO system of limits and fits(1)
ISO 630 Structural steels
ISO 683/1 Heat-treated steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 1 : Quenched and tempered
unalloyed steels
ISO 8147 Shipbuilding and marine structures−Derrick rigs and component parts−Vocabulary(2)
注(1) 現在提案中 (ISO/R286 : 1962の改訂)
(2) 現在提案中
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
ISO 8147 Shipbuilding and marine structures−Derrick rigs and component parts−Vocabulary
2
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4. 呼び寸法 デリックブーム基部金物の呼び寸法の表示は,参照用のため単位のない数値とするが,こ
の数値はブームの許容最大軸力をキロ・ニュートンで表したものの1/10にしている。
JIS F 2201のデリックブームに対応する基部金物ではJIS F 2201のブームの呼び記号で呼ぶ。
5. 寸法及び公差
5.1
主要寸法 デリックブーム基部金物のフォーク及び附属のボルト又はピンの主要寸法は,図1,図2
及び表1に示す。JIS F 2201のデリックブームに対応する基部金物については図3及び表2による。
図1 フォーク
図2 ボルト又はピン
注(3) 金物の直径Dは,溶接の形状によって変わるが,ブームの径と同じ又はわずかに大きくする。
3
F 2210 : 1998 (ISO 6044 : 1985)
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表1 呼び寸法及び寸法
単位 mm
呼び寸法
ブームの最大軸力
kN
フォーク形基部金物
ボルト又はピン
d2
a
b
c
d1
r
1.6
16
32
16
28
24
25
22
2
20
35
16
30
26
28
24
2.5
25
45
22
32
29
30
27
3
32
50
22
35
32
32
30
4
40
50
25
38
35
35
33
5
50
55
25
42
41
42
39
6
63
60
32
47
44
45
42
8
80
65
32
53
47
48
45
10
100
70
40
60
54
55
52
12
125
75
40
67
58
60
56
16
160
85
45
76
67
68
64
20
200
95
50
85
75
75
72
25
250
100
60
95
79
80
76
32
320
105
70
105
83
85
80
40
400
110
70
115
93
95
90
50
500
125
80
127
103
105
100
63
630
135
80
144
113
115
110
80
800
160
100
154
129
130
125
100
1 000
175
100
164
144
145
140
125
1 250
200
120
184
164
165
160
160
1 600
225
130
204
184
185
180
200
2 000
250
140
230
205
205
200
250
2 500
275
150
255
225
225
220
備考1. 図1及び図2は,これら部材の構造と形状を決定するものではなく,
単に表に表される標準寸法を説明する目的で示されたものである。
2. 使用するボルト又はピンの形式とその安全性については,その国の
規定に従わなければならない。
4
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図3 JIS F 2201のデリックブームに対応する基部金物
表2 JIS F 2201のデリックブームに対応する基部金物の寸法
呼び記号はJIS F 2201の呼び記号による。
単位 mm
呼び
記号
基部アイ
ボルト・六角ナット
ストッパ 割ピン 計算質量
(kg)
A B C D1 D2 D3 E F L1 L2 Rl r1 r2 D4 B1 H d1
d2
d3
l1 l2 l3 l4
a b h
基部
金具
ボルト
・六角
ナット
1H1 25 32 70 112 98 32 16 20 90 30 32 10 8 47 41 14 30 M24 19 80 16 10 6.5 23 8 14 5×35 5.6 0.9
1H2 25 32 70 132 118 32 16 20 90 30 32 10 8 47 41 14 30 M24 19 80 16 10 6.5 23 8 14 5×35 5.0 0.9
1H3 25 32 70 157 143 32 16 20 90 30 32 10 8 47 41 14 30 M24 19 80 16 10 6.5 23 8 14 5×35 6.3 0.9
2H1 30 42 90 155 138 42 18 25 110 35 42 10 8 62 54 18 40 M36 27 100 23 12 8
30 10 18 6.3×45 12.0 2.0
2H2 30 42 90 177 155 42 18 25 110 35 42 10 8 62 54 18 40 M36 27 100 23 12 8
30 10 18 6.3×45 12.9 2.0
3H1 40 53 120 210 193 52 20 25 135 40 52 15 10 77 67 23 50 M42 35 130 28 15 10
36 12 23 8×55 26.0 4.0
3H2 40 53 120 225 208 52 20 25 135 40 52 15 10 77 67 23 50 M42 35 130 28 15 10
36 12 23 8×55 27.4 4.0
5H1 45 63 130 225 204 62 25 30 150 50 62 15 10 98 85 29 60 M56 46 150 37 18 12
45 14 29 10×70 36.5 7.1
5H2 45 63 130 255 234 62 25 30 150 50 62 15 10 98 85 29 60 M56 46 150 37 18 12
45 14 29 10×70 38.1 7.1
10H1 55 78 154 275 250 77 28 40 180 60 77 15 10 110 95 32 75 M64 52 185 41 18 12
52 14 32 10×75 65.6 11.6
10H2 55 78 154 310 285 77 28 40 180 60 77 15 10 110 95 32 75 M64 52 185 41 18 12
52 14 32 10×75 66.4 11.6
15H
65 93 180 295 270 89 30 50 210 70 90 15 10 127 110 39 87 M80×6 64 220 51 18 12
60 16 39 10×90 94.0 19.6
備考1. d2部ねじは,呼び記号10H2以下はJIS B 0205,15HはJIS B 0207による。
2. 六角ナットはJIS B 1181の1種によるが,高さは3種に合わせる。
3. 割ピンは,JIS B 1351による。
5
F 2210 : 1998 (ISO 6044 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
公差 寸法公差は,ISO 286のIT14によらなければならない。JIS F 2201の呼び記号に対応する基
部金物では,公差は規定しない。
6. 材料
6.1
フォーク フォークの材料は,ISO 630のFe 360又はそれと同等以上のものとしなければならない。
JIS F 2201の呼び記号に対応する金物のフォーク(図3の①)材料は,JIS G 3201のSF 440A又はJIS G
5102のSCW 42とする。
6.2
ボルト又はピン ボルト又はピンの材料は,ISO 630のFe 430又はそれと同等以上の材質のものと
しなければならない。JIS F 2201の呼び記号に対応する金物のボルト(図3の②)及びナット(図3の③)
は,JIS G 4051のS 25C,割りピンは黄銅線,ストッパ(図3の④)は鋼板とする。
6.3
高級材料 焼入れして熱処理した鋼材が必要な場合は,材料はISO/R683/1によるものとする。
7. 呼称 デリックブーム基部金物は,注文用としてではなく単位参照用(例えば,技術的な図面の中)
として,次のように呼称する。
7.1
呼称すべき項目 次の項目は指示どおりの順序で示されなければならない。
a) 略称:基部金物
b) 規格番号:JIS F 2210
c) 呼び寸法:表1による
JIS F 2201の呼び記号に対応する基部金物の場合は,上記c)の呼び寸法を,JIS F 2201の基部金物の呼
び記号とする。
7.2
例 この規格に準拠したデリックブーム基部金物一式で呼び寸法が10であるときは,次のように呼
称する。
基部金物 JIS F 2210-10
JIS F 2201のデリックブーム対応の基部金物で10 H 1の場合
基部金物 JIS F 2210-10 H 1