F 2203 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによってJIS F 2203 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合を図るために,対応国際規格の技術的内容を変更することなく本体
に規定し,さらにJISとして必要な規定内容を追加した。また,旧JISの内容を一部改正し,附属書に規
定した。
JIS F 2203は,本体及び次に示す附属書で構成されている。
附属書(規定) デリックグースネックブラケット
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2203 : 1998
デリックグースネック軸受−
構成及び構成部品
Bearings for derrick goosenecks−Assemblies and components
序文 この規格は,1987年第1版として発行されたISO 6045, Shipbuilding and marine structures−Bearings for
derrick goosenecks−Assemblies and componentsを元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技
術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定され
ていない規定内容を日本工業規格として追加している。
附属書には,従来,日本工業規格で規定していた軸受けを規定としている。
1. 適用範囲 この規格は,船舶の荷役用として装備される通常のデリックブームグースネック軸受の形
式の定義,構成部品の寸法及び材質を規定する。
この規格は,特殊な形のデリックには適用しない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
ISO 286-1 ISO system of limits and fits−Part 1 : Bases of torelances, deviations and fits(1)
ISO 630 Structural steels−Plates, wide flats, bars, sections and profiles
ISO 683-1 Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 1 : Direct hardening unalloyed and
low alloyed wrought steel in form of different black products
ISO 6043 Shipbuilding and marine structures−Eye and fork assemblies under tension load−Main
dimensions
ISO 8147 Shipbuilding and marine structures−Derrick rigs and component parts−Vocabulary(2)
注(1) 現在草案の段階(ISO/R286 : 1962の一部改正)
(2) 現在原案審議中
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
ISO 8147 Shipbuilding and marine structures−Derrick rigs and component parts−Vocabulary.
4. 呼び寸法
4.1
デリックブームグースネック軸受及びグースネックの呼び寸法は,参照及び発注に使用するための
もので,単位なしの数値とする。この数値は,デリックブームの最大軸力 (kN) から得られたものである。
2
F 2203 : 1998
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4.2
揚貨索導滑車ホルダーの呼び寸法は,参照及び発注に使用するためのもので,単位なしの数値とす
る。この数値は,導滑車から加えられる最大荷重から求めるもので,デリック軸受けの力線図kNによっ
て計算する。
5. デリックグースネック軸受
5.1
この軸受けは,表1の規定及び図1,2,3に示される3種類とする。
表1 軸受けの形式
単位kN
形式
ブーム軸力範囲
記号
記事
A
ストレートピン形
16−160
B
屈曲ピン形
25−400
C
ストレートピン形
200−1 000
デリックブームグースネック軸受の構成部品については表2に示されている。通し番号は図1,2及び3
で示された番号を示す。A形及びB形の軸受けは,揚貨導滑車のホルダーがアイ結合又はホーク結合のい
ずれでも取付けが可能である。
表2 構成部品の表
通し
番号
軸受形式別部品数
名称
記号
詳細
A
B
C
1
1
−
− グースネックピン GA
6.1参照
2
−
1
− グースネックピン GB
3
−
−
1
グースネックピン GC
4
2
2
1
軸受アイ
D
6.2参照
5
−
−
1
軸受アイ
E
6(3)
1−
1−
−
導滑車ホルダー
F
6.3参照
7(4)
−1
−1
−
導滑車ホルダー
H
8
1
1
1
保持リング
J
6.4参照
9
1
1
1
保持ピン
K
注(3) 通し番号6はホークコネクション形導滑車用
(4) 通し番号7はシングルアイ形導滑車用
3
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図1 A形軸受けの図解
図2 B形軸受けの図解
備考 導滑車ホルダ(⑥又は⑦)及び保持リング (⑧) の位置は互いに交換できる。
図3 C形軸受けの図解
5.1.4
呼び寸法及び最大荷重 形式,呼び寸法及び滑車ホルダに対する最大荷重によるグースネック軸受
の一覧表は表3による。
4
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表3 軸受け呼び寸法と軸受けに対する最大荷重の関係
軸受形式の
呼び寸法
ブーム
軸力
kN
最大
導滑車ホルダの形式
A
B
A
B
C
導滑車によって働く力
kN
最大
1.6
16
20
2
20
20
2.5
2.5
25
20
20
3
3
32
20 40
20
4
4
40
20 40
20 40
5
5
50
20 40 63
20 40
6
6
63
40 63
20 40 63
8
8
80
40 63 100
40 63
10
10
100
40 63 100
40 63 100
12
12
125
40 63 100 160
40 63 100
16
16
160
63 100 160
40 63 100 160
20
20
200
63 100 160
25
25
250
63 100 160
32
32
320
63 100 160
40
40
400
63 100 160
50
500
63
630
80
800
100
1 000
5.2
軸受アイの取付け 軸受アイの配置は図1〜3及び表2を参照。上部軸受アイと下部軸受アイ間の取
付寸法は,図4及び表4を参照。
5
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図4 軸受アイの位置
表4 軸受アイの取付寸法
単位mm
呼び寸法
グースネック軸受
A形
B形
C形
a1
c
d1
a1
c
d1
a1
c
d1
1.6
60
95
50
−
−
−
−
−
2
50
95
50
−
−
−
−
−
−
2.5
60
95
60
60
95
55
−
−
−
3
85
120
70
60
95
60
−
−
−
4
70
120
70
70
120
65
−
−
−
5
85
140
80
80
120
70
−
−
−
6
100
140
90
85
140
80
−
−
−
8
105
175
100
90
140
90
−
−
−
10
120
175
110
100
175
100
−
−
−
12
125
215
120
105
175
110
−
−
−
16
150
215
140
110
215
120
−
−
−
20
−
−
−
115
215
130
170
480
155
25
−
−
−
125
215
140
200
540
170
32
−
−
−
140
235
155
210
570
190
40
−
−
−
155
235
170
220
570
190
50
−
−
−
−
−
−
220
600
200
63
−
−
−
−
−
−
245
675
225
80
−
−
−
−
−
−
275
750
250
100
−
−
−
−
−
−
290
825
275
6
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6. 寸法 表2に示す部品の主要寸法だけについて図5〜13に示す。寸法公差は6.5参照のこと。
潤滑方法,保持ピン両端の固定ピン及びC形組合せのグースネックピンの下部ワッシャには寸法が与え
られていない。これらの寸法は製造者の任意とする。
6.1
グースネックピン
6.1.1
GA直立グースネック軸受けA形(図5及び表5参照)
図5 グースネックピンGAの形状
表5 グースネックピンGAの各部寸法
単位mm
呼び寸法
a2
b1
d1
d2
l1
r1
1.6
55
26
50
24
245
25
2
45
28
50
26
235
25
2.5
54
30
60
29
255
30
3
79
33
70
32
325
35
4
64
36
70
35
310
35
5
77
40
80
41
345
40
6
92
45
90
44
380
45
8
97
50
100
47
420
50
10
110
57
110
54
455
55
12
115
64
120
58
500
60
16
138
73
140
67
545
70
7
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6.1.2
GB屈曲グースネックピン軸受けB形(図6及び表6参照)
図6 グースネックピンGBの形状
表6 グースネックピンGBの各部寸法
単位mm
呼び寸法
a2
b1
d1
d2
e1
l1
r1
2.5
55
30
55
29
35
245
30
3
60
33
60
32
38
260
32
4
65
36
65
35
40
290
35
5
75
40
70
41
46
320
42
6
80
45
80
44
49
345
45
8
85
50
90
47
52
370
48
10
95
57
100
54
58
415
55
12
100
64
110
58
61
440
60
16
105
73
120
67
64
485
68
20
110
82
130
75
67
510
75
25
115
92
140
79
72
520
80
32
125
102
155
83
78
575
85
40
140
112
170
93
85
590
95
8
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6.1.3
GCストレートグースネックピン軸受けC形(図7及び表7参照)
図7 グースネックピンGCの形状
表7 グースネックピンGCの各部寸法
単位mm
呼び寸法
a2
b1
d1
d2
d3
l1
l2
l3
r1
20
158
82
155
75
90
820
80
375
78
25
185
92
170
79
90
910
80
407
85
32
195
102
190
83
100
950
80
417
95
40
205
112
190
93
100
960
80
427
95
50
200
124
200
103
110 1010
90
442
100
63
225
140
225
113
110 1120
90
477
113
80
250
150
250
129
120 1235
95
522
125
100
265
160
275
144
120 1335
95
547
138
※
もしワッシャが使用される場合 (5.1.3),長さl1はそれに応じて調整すること。
9
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6.2
軸受アイ
6.2.1
Dオープンアイ(図8及び表8参照)
図8 軸受アイDの形状
表8 軸受アイDの各部寸法
単位mm
グースネックピ
ン直径
d1
d4
d5
h1
軸受呼び寸法
形
A
B
C
50
52
85
45
1.6及び
2
−
−
55
57
90
45
−
2.5
−
60
62
100
50
2.5
3
−
65
68
110
50
−
4
−
70
73
120
60
3及び4
5
−
80
83
130
60
5
6
−
90
93
140
70
6
8
−
100
103
160
70
8
10
−
110
113
170
80
10
12
−
120
123
190
80
12
16
−
130
134
200
90
−
20
−
140
144
210
90
16
25
−
155
159
230
100
−
32
20
170
174
250
100
−
40
25
190
194
270
100
−
−
32及び40
200
204
285
110
−
−
50
225
230
315
120
−
−
63
250
255
350
130
−
−
80
275
280
380
140
−
−
100
10
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6.2.2
Eクローズドアイ(軸受けC形の下部軸受アイ)(図9及び表9参照)
図9 E軸受アイの形状
表9 E軸受アイの各部寸法
単位mm
グースネッ
クピン直径
d3*
d4
d5
h1
h2
軸受
C形
呼び寸法
90
93
140
70
85
20及び25
100
103
160
70
85
32及び40
110
113
170
80
100
50及び63
120
123
190
80
100
80及び100
*
d3はグースネックGCの下部端の直径である。
6.3
揚貨索導滑車ホルダ
6.3.1
Fシングルアイホルダ(図10及び表10参照)
図10 導滑車ホルダFの形状
11
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表10 導滑車ホルダFの各部寸法
単位mm
グースネッ
クピン直径
d1
導滑車ホルダ
b2
d4
d6
d7
e2
g
h3
h4
r2
軸受の
呼び寸法
形
呼び寸法 滑車によっ
て働く力
kN
最大
A
B
50
2
20
22
52
80
24
75
55
50
75 25
1.6及び2
−
55
57
85
78
60
−
2.5
60
62
90
80
62
2.5
3
65
2
20
22
68
95
24
83
65
65
75 25
−
4
4
40
30
100
33
95
100 32.5
70
2
20
22
73
100
24
85
70
65
75 25
3及び4
5
4
40
30
105
33
98
100 32.5
80
2
20
22
83
110
24
90
−
85
85 25
5
6
4
40
30
115
33
102
75
100 32.5
6
63
40
120
42
115
130 42.5
90
4
40
30
93
125
33
108
80
85
100 32.5
6
8
6
63
40
130
42
120
130 42.5
100
4
40
30
103
135
33
112
−
110
− 32.5
8
10
6
63
40
140
42
130
95
130 42.5
10
100
50
148
52
145
165 55
110
4
40
30
113
145
33
118
−
110
− 32.5
10
12
6
63
40
150
42
135
100
130 42.5
10
100
50
158
52
150
165 55
120
4
40
30
123
155
33
122
−
130
− 32.5
12
16
6
63
40
160
42
140
− 42.5
10
100
50
170
52
155
110
165 55
16
160
60
180
66
175
195 65
130
6
63
40
134
170
42
145
−
130
− 42.5
−
20
10
100
50
180
52
165
115
165 55
16
160
60
190
66
185
195 65
140
6
63
40
144
180
42
150
−
130
− 42.5
16
25
10
100
50
190
52
170
120
165 55
16
160
60
200
66
190
195 65
155
6
63
40
159
195
42
160
−
150
− 42.5
−
32
10
100
50
205
52
178
130
165 55
16
160
60
215
66
198
195 65
170
6
63
40
174
210
42
170
−
150
− 42.5
−
40
10
100
50
220
52
185
145
165 55
16
160
60
230
66
205
195 65
備考 寸法b2,d7及びr2の数値は,ISO 6043,造船及び海洋構造物−引張力の掛るアイ及びフォーク組立品−主要寸
法に一致するものである。
12
F 2203 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.3.2
Hホーク形ホルダ(図11及び表11参照)
図11 導滑車ホルダHの形状
13
F 2203 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表11 H導滑車ホルダの各部寸法
単位mm
グースネッ
クピン
直径
d1
導滑車ホルダ
b4
b5
d4
d6
d8
e2
h3
r2
軸受の
呼び寸法
形
呼び寸法 滑車によっ
て働く力
kN
最大
A
B
50
2
20
26
12
52
80
23
75
50 25
1.6及び2
−
55
57
85
78
−
2.5
60
62
90
80
2.5
3
65
2
20
25
12
68
95
23
83
65 25
−
4
4
40
35
15
100
31
95
32.5
70
2
20
26
12
73
100
23
85
65 25
3及び4
5
4
40
35
15
105
31
98
32.5
80
2
20
26
12
83
110
23
90
85 25
5
6
4
40
35
15
115
31
102
32.5
6
63
45
20
120
40
115
42.5
90
4
40
35
15
93
125
31
108
85 32.5
6
8
6
63
45
20
130
40
120
42.5
100
4
40
35
15
103
135
31
112
110 32.5
8
10
6
63
45
20
140
40
130
42.5
10
100
58
26
148
50
145
55
110
4
40
35
15
113
145
31
118
110 32.5
10
12
6
63
45
20
150
40
135
42.5
10
100
58
26
158
50
150
55
120
4
40
35
15
123
155
31
122
130 32.5
12
16
6
63
45
20
160
40
140
42.5
10
100
58
26
170
50
155
55
16
160
70
30
180
62
175
65
130
6
63
45
20
134
170
40
145
130 42.5
−
20
10
100
58
26
180
50
165
55
16
160
70
30
190
62
185
65
140
6
63
45
20
144
180
40
150
130 42.5
16
25
10
100
58
26
190
50
170
55
16
160
70
30
200
62
190
65
155
6
63
45
20
159
195
40
160
150 42.5
−
32
10
100
58
26
205
50
178
55
16
160
70
30
215
62
198
65
170
6
63
45
20
174
210
40
170
150 42.5
−
40
10
100
58
26
220
50
185
55
16
160
70
30
230
62
205
65
備考 寸法b4,b5,d8及びr2はISO 6043に一致するものである。
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4
保持部品
6.4.1
J保持リング(図12及び表12参照)
図12 保持リングJの形状
表12 保持リングJの各部寸法 単位mm
グースネッ
クピン
直径
d1
d4
d9
d10
h5
軸受呼び寸法
形
A
B
C
50
52
75
15
40
1.6及び2
−
−
55
57
85
15
40
−
2.5
−
60
62
90
15
40
2.5
3
−
65
68
95
15
50
−
4
−
70
73
100
19
50
3及び4
5
−
80
83
110
19
50
5
6
−
90
93
120
19
50
6
8
−
100
103
140
24
60
8
10
−
110
113
150
24
60
10
12
−
120
123
170
24
80
12
16
−
130
134
180
24
80
−
20
−
140
144
190
24
80
16
25
−
155
159
205
28
80
−
32
20
170
174
220
28
80
−
40
25
190
194
240
28
80
−
−
32及び40
200
204
250
28
80
−
−
50
225
230
280
28
80
−
−
63
250
255
300
35
80
−
−
80
275
280
330
35
80
−
−
100
6.4.2
K保持ピン(図13及び表13参照)
図13 保持ピンKの形状
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表13 保持ピンKの各部寸法
単位mm
d11
l4
d12
l5
m
p
≈
軸受呼び寸法
形
A
B
C
12
95
4
82
6.5
2.5 1.6及び2
−
−
105
92
−
2.5
−
110
97
2.5
3
−
115
102
−
4
−
16
120
4
107
6.5
2.5
3及び4
5
−
130
117
5
6
−
140
127
6
8
−
20
165
5
149
8
3
8
10
−
175
159
10
12
−
195
179
12
16
−
205
189
−
20
−
215
199
16
25
−
25
235
6
215
10
4
−
32
20
250
230
−
40
25
270
250
−
−
32及び40
280
260
−
−
50
312
292
−
−
63
30
332
6
312
10
4
−
−
80
362
342
−
−
100
6.5
許容差 寸法許容差は,ISO 286-1による基準許容差等級IT14に対応したものでなければならない。
7. 材質
7.1
一般 各部品は,ISO 630による鋼で作られなければならない。鋼の等級については表14参照。
表14 鋼の等級
部品
鋼の最低等級
(ISO 630参照)
グースネック
Fe 430
軸受アイ
滑車ホルダ
保持リング
保持ピン
Fe 360
7.2
高品質材料 焼入れの鋼の使用が要求される場合には,材質はISO 683-1による。
8. 製造 各部品は,図5〜13及び表5〜13に与えられた寸法となるように,鍛造,ガス切断,ならい彫
り,溶接及び機械加工によって製造する。
8.1
グースネックの製造 グースネックは,鍛造,ガス切断,又は溶接によって製造する。この製造方
法は注文の際に特定されなければならない。
呼び方についての記号は,
S :鍛造又はガス切断による製造(製造業者及び発注者間の合意による)
T :溶接による製造
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.2
鍛造
8.2.1
開口部は手鍛造又は落とし火造りして,バリを取り去っておかねばならない。
8.2.2
仕上げられた部品の表面は目に見える割れ,はくり,ラミネーションがあってはならない。
8.3
ガス切断 部品がガス切断によって成形される場合,その表面はグラインダーをかけるか,必要に
応じて機械加工する。母材となる鋼板は圧延方向に注意を払わなければならない。
8.4
溶接 部品が溶接で製造される場合,溶接開先は溶込みが十分あるように設計されなければならな
い。
8.5
コーナー部 応力集中を避けるため,応力が高くなるコーナー部は十分丸みを付けなければならな
い。
8.6
表面 すべての軸受表面は,接続される部品,各種部品間の隙間,用途及び軸受面の作動状態の重
要度によって,機械加工仕上げを行わなければならない。
8.7
潤滑 すべての可動部には必要に応じ潤滑油を供給できるようにしなければならない。
9. 呼び方 参考及び注文のため,グースネック軸受け及び構成部品は次のとおりの呼び方とする。
9.1
デリックグースネック軸受けの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 軸受
b) 規格番号
c) 軸受組立の形式,記号(表1参照)
d) 軸受組立の呼び寸法(表3参照)
e) 導滑車ホルダの形式記号(6.3及び表2参照)
f)
導滑車ホルダの呼び寸法(表10又は表11参照)
g) グースネック製法の種別,記号(8.1参照)
例 この規格によるグースネック軸受で,形式Aの呼び寸法4,導滑車ホルダの形式Fで呼び寸法2,
グースネックの製法は鍛造 (S) の場合,次のとおりとする。
軸受 JIS F 2203-A4F2-S
9.2
グースネックピンの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 グースネックピン
b) 規格番号
c) 形式,記号(6.1及び表2参照)
d) 呼び寸法(6.1及び表3参照)
e) 製造方法(8.1参照)
例 この規格によるグースネックピンで,形式GAで呼び寸法4,製造方法は鍛造 (S) の場合,次の
とおりの呼び方とする。
グースネックピン JIS F 2203-GA4-S
9.3
軸受アイの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 軸受アイ
b) 規格番号
c) 形式,記号(6.2及び表2参照)
d) グースネック直径(表10及び表11参照)
例 この規格による軸受アイで形式Dでグースネックの直径70mmの場合,次のとおりの呼び方とす
17
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
る。
軸受アイ JIS F 2203-D70
9.4
揚貨索導滑車ホルダの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 導滑車ホルダ
b) 規格番号
c) 形式,記号(6.3及び表2参照)
d) グースネック直径(表10及び表11参照)
e) 導滑車ホルダの呼び寸法(表8又は表9参照)
例 この規格による導滑車ホルダで,形式F,グースネック直径70mm,呼び寸法2の場合,次のと
おりの呼び方とする。
導滑車ホルダ JIS F 2203-F70-2
9.5
保持リングの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 保持リング
b) 規格番号
c) 形式,記号 J
d) グースネック直径(表12参照)
例 この規格による保持リングで,形式J,グースネック直径70mmの場合,次のとおりの呼び方と
する。
保持リング JIS F 2203-J70
9.6
保持ピンの呼び方 呼び方は次の順序で指示する。
a) 略称 保持ピン
b) 規格番号
c) 形式,記号 K
d) ピンの直径 d11(表13参照)
e) ピンの長さ L4(表13参照)
例 この規格による保持ピンで,形式K,直径d11=16mmで,長さl4=120mmの場合,次のとおりの
呼び方とする。
保持ピン JIS F 2203-K16×120
18
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(規定) デリックグースネックブラケット
Derrick gooseneck brackets
1. 適用範囲 この附属書は,JIS F 2201に用いるグースネックブラケット(以下,ブラケットという。)
について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この附属書に引用されて附属書の規定の一部を構成する。これらの引
用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 1181 六角ナット
JIS B 1351 割りピン
JIS F 2201 鋼板製デリックブーム
JIS F 3421 船用荷役構成滑車
JIS F 3428 船用荷役ころ軸受入り鋳鋼製滑車
JIS F 3429 船用荷役ころ軸受入り鋼板製滑車
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 5102 溶接構造用鋳鋼品
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物
3. 呼び荷重 ブラケットの呼びは,デリックブームの使用荷重による。
4. 構造,形状,寸法及び材料 グースネック軸受の構造,形状,寸法及び材料は付図1〜4及び付表1〜
4のとおりとする。
5. 外観検査 グースネック軸受の外観は,使用上有害な欠点がなく,確実な溶接が施され,各部の仕上
がりは滑らかでなければならない。
6. 製品の呼び方 グースネック軸受の呼び方は,規格本体の“9.呼び方”に準じて以下とする。
例 デリックグースネツクブラケット JIS F 2203-10
デリックグースネックブラケット JIS F 2203-100A
19
F 2203 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 組立図(含:部品番号)
付表1 部品番号,部品名称と材料
部品番号
部品名称
材料
1
立ピン
JIS G 3201のSF440A
2
六角ナット
JIS G 4051のS25C
3
ブラケット
JIS G 3201のSF440A又はJIS G 5102のSCW410
4
ブシュ
JIS H 5120のCAC406
5
止めねじ
JIS G 3101のSS400
6
座金
JIS H 3100のC2600P-H
7
座金
JIS H 3100のC2600P
8
割りピン
黄銅線
9
滑車受
JIS G 3101のSS400
10
ボルト・ナット
JIS G 4051のS25C
11
割りピン
黄銅線
12
ストッパ
鋼板
13
下部ブラケット
JIS G 3101のSS400又はJIS G 5102のSCW410
14
グリースニップル 黄銅
15
グリースカバー
鋼管
備考1. ブラケットの材料は炭素含有量を0.23%以下とする。
2. S25Cは,JIS G 4051に参考として示されている機械的性質を満足す
るよう適切な熱処理を施す。
2
0
F
2
2
0
3
:
1
9
9
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 立ピン及びブラケット
21
F 2203 : 1998
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付図3 滑車受け
2
2
F
2
2
0
3
:
1
9
9
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 グースネックブラケットの各部寸法
単位mm
呼び
立ピン
B (C) E
F
C
h
(n)
S
T
D1 R1
l1 (r1) r2
r3
d1
d2
d3
d4 (d5) ねじの呼び
d6
1
30
10
22
53 58
40
7
18
18
32
32
35
5
6
2
90 45 30
30
17
M24
2
40
12
25
63 71
52
8
20
22
42
42
44
5
6
2
110 70 45
35
22
M27
3
50
12
32
77 93
65
8
23
28
52
52
55
5
8
3
140 85 60
40
22
M30
5
60
12
37
87 108 78
8
28
32
62
62
60
8
8
3
170 100 70
45
27
M36
10
75
15
47
95 128 93
10
33
42
77
77
72
10
8
3
210 120 90
60
32
M42
15
90
15
57 115 158 108 10
38
52
89
90
88
10
8
3
250 140 100 70
38
M48
呼び
座金
ブラケット
止めねじ
の呼び
割りピン 使用荷重
(kN)
参考
t1
D2
t2
L
l2
(l3)
t3
P
Q
V
U
R2 R3
r4
d7
d8
d9 d10
計算質
量 (kg)
1
6
48 4
120 75 21
4
50 52 55 19 50 30 8 68 46 56 31
M5×10 5×30
34.3
19
2
6
52 4
150 95 27
6
60 65 65 22 70 36 10 97 71 83 36
M5×10 6.3×40
63.7
38
3
8
58 4.5 180 120 37
6
71 85 80 28 80 45 12 113 87 99 41
M6×12 6.3×40
98.1
70
5
8
68 5
200 140 45
6
76 100 90 32 95 50 12 134 102 118 47
M6×12 6.3×45
156.9
109
10
8
78 6
240 160 55
6
88 120 100 40 120 65 15 154 122 138 62
M8×12 8×50
240.3
189
15
8
88 6
270 185 70
6
95 150 120 50 140 75 15 174 142 158 72
M8×12 8×60
333
319
備考1. d6部のねじは,JIS B 0205の規定による。
2. ナツトは,JIS B 1181による。
3. 割りピンは,JIS B 1351の規定による。
4. 計算質量は,滑車受を含んだものを示すが,呼び1用のものではA形の滑車受を取り付けた場合の質量を示す。
5. ③のブラケットの材料をSCW410とする場合には,③と⑬は一体のものとする。
6. 括弧内寸法は参考のために示す。
7. ブラケット及び立ピンフランジ部のグリースニップルは,図示の位置と対称に取り付けてもよい。
2
3
F
2
2
0
3
:
1
9
9
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表3 滑車受け各部寸法
単位mm
呼び 種類
滑車受
ボルト・ナット
ストッパ 割りピン 溶接
脚長
適用滑車
C D d1 d5 E F G H L (l1) l2 R1 (R2) d2
d3
(d4) k k1 B D1 (l4) (m) (n) j
a
b h1
f
1
−
32 32 28 19 62 12 14 50 90 18 70 35 10 26 M24 17 14 13 36 42 84 10 7 60 23 10 13
5×30
7
1A 220
2
−
43 47 36 19 77 14 16 60 115 29 85 48 10 34 M30 22 18 16 46 55 105 12 8 75 28 10 16 6.3×40
7
1A 280
3
−
49 62 42 22 88 16 20 75 135 32 99 55 20 40 M36 27 21 19 55 66 122 12 8 89 32 12 19 6.3×45
7
1A 340
1RA 340
1AR 340
5
−
49 72 42 22 88 16 20 85 140 32 99 55 25 40 M36 27 21 19 55 66 122 12 8 89 32 12 19 6.3×45
7
1A 340
1RA 340
1AR 340
10
A
49 92 42 22 98 16 20 90 160 32 99 55 25 40 M36 27 21 19 55 66 122 12 8 89 32 12 19 6.3×45
7
1A 340
1RA 340
1AR 340
B
61 92 54 22 94 20 22 90 160 35 115 60 25 51 M48 38 29 26 71 88 149 15 10 105 36 12 26
8×60
9
1A 430
1RA 430
1AR 430
15
−
61 102 54 22 109 20 22 110 180 35 115 60 50 51 M48 38 29 26 71 88 149 15 10 105 36 12 26
8×60
9
1A 430
1RA 430
1AR 430
備考1. d3部ねじは,JIS B 0205の規定による。
2. 割りピンは,JIS B 1351の規定による。
3. ナットは,JIS B 1181による。
4. 適用滑車は,JIS F 3421,JIS F 3428及びJIS F 3429の規定による。
5. 括弧内寸法は参考のために示す。
6. グリースニップルは,図示の位置と対称に取り付けてもよい。
24
F 2203 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図4 ブッシュ及び座金
付表4 ブッシュ及び座金寸法
単位mm
呼び
ブッシュ
座金
D1
d1
d2
L
(l)
t1
D2
d3
(d4)
r
t2
1
68
46
56
52
21
4
90
46
71
6
6
2
97
71
83
65
27
6
110
71
91
6
6
3
113
87
99
85
37
6
140
86
117
8
8
5
134
102
118
100
45
6
170
101
139
8
8
10
154
122
138
120
55
6
210
122
170
8
8
15
174
142
158
150
70
6
250
142
200
8
8
備考1. 油溝は一例を示す。
2. 括弧内寸法は参考のために示す。