F 2106:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 性能······························································································································· 2
4.1 外観 ···························································································································· 2
4.2 耐力 ···························································································································· 2
5 構造,形状及び寸法 ·········································································································· 2
6 リンクの寸法許容差 ·········································································································· 4
7 材料······························································································································· 4
8 製造方法························································································································· 4
9 検査······························································································································· 4
10 製品の呼び方 ················································································································· 5
11 表示 ····························································································································· 5
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本
船舶技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 2106:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2106:2013
船用一般チェーン
Ships and marine technology-Marine general purpose chains-
Specification
序文
この規格は,1958年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1995年に
行われたが,その後の材料記号の改正,JIS F 3303 フラッシュバット溶接アンカーチェーンの改正など最
近の実状に合わせた内容とすることに対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,船のハンドレール,船側はしごのつり揚げ,ブイ係留などに用いる一般チェーン(以下,
チェーンという。)について規定する。ただし,チェーンスリング,ランバラッシン用チェーン及びチェー
ンストッパに用いるものは除く。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3105 チェーン用丸鋼
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS G 3532 鉄線
3
種類
チェーンの種類は,種別及び略号によって,表1による。
表1−チェーンの種類
種別
略号
長鎖環
第1種
L1
第2種
L2
短鎖環
第1種
S1
第2種
S2
注記 長鎖環は,外長(L)と径(d)との比が
6であり,短鎖環はその比が5である。
2
F 2106:2013
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4
性能
4.1
外観
チェーン外観は,裂けきず,変形など使用上有害な欠陥があってはならない。
4.2
耐力
チェーンの耐力は,全てのチェーンに表2及び表3の耐力試験荷重を加えたとき,裂けきず,切断,そ
の他の異状があってはならない。
異状があった場合には,その鎖環を切り取り,修理又は取り換えて1回に限り,再び耐力検査を行うこ
とができる。ただし,鎖環が溶接部以外のところで切断するか,又は鎖環の総数の10 %以上に異状が生じ
た場合には,再検査を行うことはできない。
5
構造,形状及び寸法
チェーンの構造,形状及び寸法は,表2及び表3によるほか,次による。
a) チェーンの呼び径は,リンクの径dで表す。その寸法は,表2及び表3による。
b) チェーン1連の長さは,それぞれの耐力試験を行った後に長さを測定する。一端におけるリンクの内
側外端から他端におけるリンクの内側外端までの距離で表す。
表2−長鎖環の構造,形状,寸法及び使用荷重並びに耐力試験荷重
単位 mm
呼び径
d
L
B
使用荷重
kN
耐力試験荷重
kN
参考
第1種(L1)
第2種(L2)
第1種(L1)
第2種(L2)
チェーン1 m
の計算質量
kg
6
6
36
21
2.6
6.7
0.71
8
8
48
28
4.7
11.8
1.25
9
9
54
32
6.0
14.9
1.58
11
11
66
39
8.9
22.3
2.36
13
13
78
46
12.4
15.2
31.2
38.0
3.30
16
16
96
56
18.8
23.1
47.2
57.5
5.00
19
19
114
67
26.7
32.6
66.6
81.1
7.04
22
22
132
77
35.7
43.7
89.2
108.7
9.44
25
25
150
88
46.1
56.4
115.2
140.4
12.19
28
28
168
98
57.9
70.7
144.6
176.1
15.29
30
30
180
105
66.4
81.2
165.9
202.1
17.55
32
32
192
112
75.5
92.4
188.8
230.0
19.97
34
34
204
119
85.2
104.3
213.1
259.6
22.55
36
36
216
126
95.5
116.9
238.9
291.0
25.28
3
F 2106:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−長鎖環の構造,形状,寸法及び使用荷重並びに耐力試験荷重(続き)
単位 mm
呼び径
d
L
B
使用荷重
kN
耐力試験荷重
kN
参考
第1種(L1)
第2種(L2)
第1種(L1)
第2種(L2)
チェーン1 m
の計算質量
kg
38
38
228
133
106.5
130.3
266.2
324.3
28.16
40
40
240
140
118.0
144.4
295.0
359.3
31.20
42
42
252
147
130.0
159.2
325.2
396.1
34.40
44
44
264
154
142.8
174.7
357.0
434.8
37.76
46
46
276
161
156.0
190.9
390.1
475.2
41.27
48
48
288
168
169.9
207.9
424.8
517.4
44.93
50
50
300
175
184.4
225.6
460.9
561.4
48.75
亜鉛めっきを施す場合は,注文者の指定による。
表3−短鎖環の構造,形状,寸法及び使用荷重並びに耐力試験荷重
単位 mm
呼び径
d
L
B
使用荷重
kN
耐力試験荷重
kN
参考
第1種(S1)
第2種(S2)
第1種(S1)
第2種(S2)
チェーン1 m
の計算質量
kg
6
6
30
21
2.6
6.7
0.78
8
8
40
28
4.7
11.8
1.38
9
9
45
32
6.0
14.9
1.75
11
11
55
39
8.9
22.3
2.61
13
13
65
46
12.4
15.2
31.2
38.0
3.64
16
16
80
56
18.8
23.1
47.2
57.5
5.51
19
19
95
67
26.7
32.6
66.6
81.1
7.77
22
22
110
77
35.7
43.7
89.2
108.7
10.41
25
25
125
88
46.1
56.4
115.2
140.4
13.44
28
28
140
98
57.9
70.7
144.6
176.1
16.86
30
30
150
105
66.4
81.2
165.9
202.1
19.35
32
32
160
112
75.5
92.4
188.8
230.0
22.02
34
34
170
119
85.2
104.3
213.1
259.6
24.86
36
36
180
126
95.5
116.9
238.9
291.0
27.87
38
38
190
133
106.5
130.3
266.2
324.3
31.05
4
F 2106:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−短鎖環の構造,形状,寸法及び使用荷重並びに耐力試験荷重(続き)
単位 mm
呼び径
d
L
B
使用荷重
kN
耐力試験荷重
kN
参考
第1種(S1)
第2種(S2)
第1種(S1)
第2種(S2)
チェーン1 m
の計算質量
kg
40
40
200
140
118.0
144.4
295.0
359.3
34.40
42
42
210
147
130.0
159.2
325.2
396.1
37.93
44
44
220
154
142.8
174.7
357.0
434.8
41.63
46
46
230
161
156.0
190.9
390.1
475.2
45.50
48
48
240
168
169.9
207.9
424.8
517.4
49.54
50
50
250
175
184.4
225.6
460.9
561.4
53.75
亜鉛めっきを施す場合は,注文者の指定による。
6
リンクの寸法許容差
リンクの寸法許容差は,それぞれ耐力試験を行った後に測定し,表4の値を満足しなければならない。
表4−リンクの寸法許容差
単位 mm
呼び径
径(d)
外長(L)
幅(B)
6〜13
+1.0
+0.15d
0
+0.15d
−0.10d
−0.5
16〜28
+2.0
−0.5
30〜50
+2.0
−0.5
7
材料
チェーンの材料は,表5による。
表5−チェーンの材料
種別
材料
第1種
JIS G 3505のSWRM6,JIS G 3505のSWRM8,JIS G 3532の
SWM-B又はJIS G 3101のSS400
第2種
JIS G 3105のSBC490又はKSBC50
注記 KSBC50は,財団法人日本海事協会鋼船規則によるものを示す。
8
製造方法
チェーンは,適切な電気溶接によって製造する。
なお,溶接部の盛上がりは,取扱い上危険でない程度に除去する。
9
検査
チェーンの検査は,次の項目について実施し,箇条5〜箇条7の要求事項を満足するとともに箇条4に
よって,試験を行ったときそれぞれの性能を満足しなければならない。
5
F 2106:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 構成,構造,形状及び寸法検査
b) 材料検査
c) 耐力検査
d) 外観検査
10 製品の呼び方
チェーンの呼び方は,規格の名称,種類(又は略号)及び呼び径による。ただし,規格の名称の代わり
に規格番号を用いてもよい。
例1 船用一般チェーン長鎖環第1種6
例2 JIS F 2106-L1-6
11 表示
この規格の全ての要求事項に適合したチェーンの両端のリンクには,それぞれ次の事項を刻印する。た
だし,小径のチェーンは,タグ札によって,表示してもよい。
なお,表示位置の例を,図1に記載する。
a) チェーンの呼び径。ただし,呼び径が2桁になる場合の刻印は,下1桁だけの表示としてもよい。
b) チェーンの略号
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又は製造番号(検査番号)。ただし,製造年は西暦の下2桁,製造月については,10月を“0”,
11月を“a”,12月を“b”と表示してもよい。
図1−表示位置の例
チェーンの呼び径
チェーンの略号
製造業者名又はその略号
製造年月日又は製造番号(検査番号)