2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2105-1995
船用荷役フック
Shipbuilding−Cargo hooks
1. 適用範囲 この規格は,船に用いる荷役フックについて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS B 2801 シャックル
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4314 ばね用ステンレス鋼線
JIS H 3260 銅及び銅合金線
2. 種類 荷役フックの種類は,A形(スイベル付き)・AS形(スイベル及びストッパー付き),B形(シ
ャックル付き)・BS形(シャックル及びストッパー付き)及びC形・CS形(ストッパー付き)の6種類
とする。
3. 構造,形状及び寸法 荷役フックの構造,形状及び寸法は付図1〜11によるほか,次による。
(1) スイベル部のねじ,JIS B 0207の規定による。
(2) シャックル及びシャックルボルトのねじは,JIS B 0205の規定による。
(3) C形及びCS形のシャックルは,JIS B 2801の規定による。
(4) ストッパーの形状については,一例として示す。
4. 材料 荷役フックの材料は,付図1,付図5及び付図9のとおりとする。
5. 検査 荷役フックの検査は,次の表1に示す試験荷重を加えて行い,各部に異状があってはならない。
ただし,試験時のリングの状態は,図1に示すとおりとする。
図1 試験時のリングの状態
2
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 使用荷重及び試験荷重
種類
呼び
使用荷重
kN
試験荷重
kN
A形,AS形,
B形,BS形
10
10
20
20
20
40
30
30
60
50
50
100
C形,CS形
100
100
200
150
150
300
200
200
400
6. 製品の呼び方 荷役フックの呼び方は,規格の名称又は規格番号,種類及び呼びによる。
例1. 船用荷役フックA形10
例2. JIS F 2105 A10
7. 表示 フックの見やすい箇所に,次の事項を刻印する。
(1) 使用荷重,試験荷重,試験年月
(2) 製造業者名又はその略号
3
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 A形及びAS形組立図
部品番号
部品名称
材料
1
フック
JIS G 4051のS 25 C
2
座金
黄銅板
3
ナット
JIS G 4051のS 25 C又はJIS G 3101のSS 400
4
スイベル
JIS G 4051のS 25 C
5
リング
JIS G 4051のS 25 C又はJIS G 3101のSS 400
6
ねじりコイルばね
JIS G 4314のSUS 304−WPBを推奨する。
7
ピン,座金
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
8
ストッパー
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
9
割りピン
JIS H 3260のC 2600 W又はC 2700 Wを推奨する。
備考 S 25 Cは,JIS B 4051に参考として示されている機械的性質を満足するよう適
切な熱処理を施す。
4
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 A形フック
単位 mm
呼び a
b b1 (b2)
c d1 d2 d3
d4
e
f h1 h2 h3 h4 h5 h6 h7
l
m r1 r2 r3 r4
10
38 57 34 (34) 37 22 36 23
M22×15 23 14 70 60 27 54 30 22 4.5 6
9 25 63 40 46
20
44 70 36 (36) 42 30 50 31.5 M30× 2 28 20 74 70 37 70 40 30 4.5 5 11 30 80 52 52
30
47 79 38 (38) 44 36 60 37.5 M36× 3 36 24 77 75 46 82 45 35 6
6 15 35 92 60 55
50
50 91 47 (47) 46 39 65 40.5 M39× 3 42 30 80 80 50 93 52 40 6
2 18 40 108 67 65
5
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
呼び r5 r6 r7
(r8)
r10 r11 r12 r13 r14 r15 r16 s s1 s2 s3 s4 s5 s6 s7 s8
t
(t1) (t2) (t3) (t4) 参考
計算
質量
(kg)
10
84 180 263 (23) 153 4 10 14 17 12 15 35 20 25 15 32 24 23 21 17 4.5 (29) (38) (35) (24) 6.0
20 102 203 270 (23.5) 167 5 13 16 22 18 22 45 26 34 20 42 30 32 28 25 4.5 (35) (50) (45) (34) 12.0
30 112 224 306 (28) 184 7 15 18 25 19 28 50 30 40 24 48 34 36 32 30 5
(38) (57) (52) (37) 20.0
50 133 240 335 (30) 208 8 17 20 30 25 38 60 34 46 28 56 40 46 42 39 6
(42) (68) (61) (45) 36.3
備考1. 括弧内の寸法は,参考として示す。
2. 計算質量は,スイベル,リング及びそれらの附属部品の質量を含む。
6
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図3 AS形フック
単位 mm
呼び
(W)
l1
d5
h8
h9
S9
参考
計算質量 (kg)
10
(30)
6
6.5
11
7
10
6.1
20
(35)
6
6.5
11
7
10
12.1
30
(40)
8
6.5
12
7
10
20.1
50
(40)
10
6.5
12
7
10
36.4
備考1. フックの形状は,A形を示す。
2. 括弧内の寸法は,参考として示す。
3. 計算質量には,スイベル,リング及びそれらの附属部品の質量を
含む。ただし,ストッパー及びその附属部品の質量は含まない。
7
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図4 A形及びAS形スイベル並びにリング
単位 mm
呼び
スイベル
リング
B
B1
D
d
H
R
R1
R2
T
T1
a
D2
d1
10
45
44
23
16
60
150
16
23
22
20
3
75
22
20
62
60
31.5
20
74
130
20
32
30
25
3
85
25
30
75
70
37.5
24
90
150
22
37
35
30
3
95
32
50
80
75
40.5
30
110
300
28
40
40
37
4
120
42
備考1. スイベルは,鍛接又は溶接をしてはならない。
2. リングの溶接は,入念に行い,溶接後熱処理を施す。
8
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図5 B形及びBS形組立図
部品番号
部品名称
材料
1
フック
JIS G 4051のS 25 C
2
シャックル
JIS G 4051のS 25 C又はJIS G 3101のSS 400
3
シャックルボルト
JIS G 4051のS 25 C又はJIS G 3101のSS 400
4
リング
JIS G 4051のS 25 C又はJIS G 3101のSS 400
5
ねじりコイルばね
JIS G 4314のSUS 304−WPBを推奨する。
6
ピン,座金
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
7
ストッパー
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
8
割りピン
JIS H 3260のC 2600 W又はC 2700 Wを推奨する。
備考 S 25 Cは,JIS G 4051に参考として示されている機械的性質を満足するよう適
切な熱処理を施す。
9
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図6 B形フック
単位mm
呼び
a
b
c
d
e
f
h1
h2
h3
l
m
r1
r2
r3
r4
r5
r6
r7
(r8)
r9
10
38
57
37
22
23
14
70
60
27
6
9
25
63
40
46 84 180 263 (23)
27
20
44
70
42
26
28
20
74
70
30
5
11
30
80
52
52 102 203 270 (23.5) 31
30
47
79
44
32
36
24
77
75
35
6
15
35
92
60
55 112 224 306 (28)
36
50
50
91
46
38
42
30
80
80
40
2
18
40 108 67
65 133 240 335 (30)
42
呼び
r10 r11 r12 r13 r14 r15 r16
s1
s2
s3
s4
s5
s6
s7
s8 (t1) (t2) (t3) (t4) 参考
計算質量
(kg)
10
153
4
10
14
17
12
15
20
25
15
32
24
23
21
17 (29) (38) (35) (24)
6.0
20
167
5
13
16
22
18
22
26
34
20
42
30
32
28
25 (35) (50) (45) (34)
11.0
30
184
7
15
18
25
19
28
30
40
24
48
34
36
32
30 (38) (57) (52) (37)
18.0
50
208
8
17
20
30
25
38
34
46
28
56
40
46
42
39 (42) (68) (61) (45)
33.0
備考1. 括弧内の寸法は,参考として示す。
2. 計算質量は,シャックル,リング及びそれらの附属部品の質量を含む。
10
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図7 BS形フック
単位mm
呼び
(W )
l1
d1
h4
h5
S9
参考
計算質量 (kg)
10
(30)
6
6.5
11
7
10
6.1
20
(35)
6
6.5
11
7
10
12.1
30
(40)
8
6.5
12
7
10
20.1
50
(40)
10
6.5
12
7
10
36.4
備考1. フックの形状は,B形を示す。
2. 括弧内の寸法は,参考として示す。
3. 計算質量には,シャックル,リング及びそれらの附属部品の質量
を含む。ただし,ストッパー及びその附属部品の質量は含まない。
11
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図8 B形及びBS形シャックル並びにリング
単位mm
呼び
シャックル
シャックルボルト
リング
B
D
d
d1
d2
H
L
θ
(度)
a
b
c
(約)
D1 d1
d3 H1
l
s
θ
(度)
a1 D2 d4
10
26 40 16 M20 22 4.5 64 90
4
3
0.5 30 M20 21 5 60 21 90
3 75 22
20
31 50 20 M24 25 7
80 60
4
4
1
32 M24 24 8 74 26 60
3 85 25
30
39 62 24 M30 31 9
96 60
5
5
1
41 M30 30 10 90 31 60
3 95 32
50
45 75 30 M36 37 11
120 60
6
6
1
50 M36 36 12 109 38 60
4 120 42
備考1. リングの溶接は,入念に行い,溶接後熱処理を施す。
2. シャックルボルトは,取付け後回り止めのポンチを打つ。
12
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図9 C形及びCS形
部品番号
部品名称
材料
1
フック
JIS G 4051のS 25 C
2
ねじりコイルばね
JIS G 4314のSUS 304−WPBを推奨する。
3
ピン,座金
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
4
ストッパー
JIS G 4303のSUS 304を推奨する。
5
割りピン
JIS H 3260のC 2600W又はC 2700Wを推奨する。
備考 S 25 Cは,JIS G 4051に参考として示されている機械的性質を満足するよう適
切な熱処理を施す。
13
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図10 C形フック
単位 mm
呼び
a
b
c
c1
d
e
f
h1
h2
h3
h4
m
r1
r2
r3
r4
r5 (r6) r7
r8
100
75 132 65 30 49 54 42 115 105 70 112.5 35 60 155 98 90 175 (40) 65 240
150
80 152 70 30 62 62 50 130 130 80 135
50 65 175 110 90 200 (45) 72 342
200
90 168 75 45 72 70 54 140 155 95 200
50 70 200 150 100 225 (45) 85 370
呼び
r9 r10 r11 r12 r13 r14 s1
s2
s3
s4
s5
s6
s7 (t1)
(t2)
(t3)
(t4)
参考
計算質量
(kg)
100
15 25 95 110 48 48 50
75 45
95 45 60 42 (60) (110) (107) (52)
61.0
150
18 30 110 130 60 60 60
90 50 110 50 65 57 (75) (130) (122) (60)
89.0
200
20 35 130 130 70 70 70 110 60 120 60 70 70 (90) (150) (138) (90)
144.0
呼び
適用シャックル
100
BB 40又はSB 40
150
BB 50又はSB 50
200
BB 60又はSB 60
備考 括弧内の寸法は,参考として示す。
14
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図11 CS形フック
単位mm
呼び
(W )
l
d1
h5
h6
s8
参考
計算質量 (kg)
100
(55)
45
8.5
15
10
15
61.2
150
(70)
50
8.5
15
10
15
89.2
200
(80)
30
8.5
15
10
15
144.2
備考1. フックの形状は,C形を示す。
2. 括弧内の寸法は,参考として示す。
3. 計算質量には,ストッパー及びその附属部品の質量は含まない。
15
F 2105-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS F 2105 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
水 野 博 介
三菱重工業株式会社神戸造船所
沖 本 幹 雄
財団法人日本海事協会
新 居 俊 三
株式会社太洋マリンマネージメント
井 村 正 彦
八馬汽船株式会社
樽 正 廣
石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部愛媛工場
飯 本 弘 一
川崎重工業株式会社船舶事業本部
深 田 雅 敏
日立造船株式会社船舶・防衛事業本部
叶 耕 治
三井造船株式会社玉野事業所
安 見 照 久
住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業部追浜造船所
炭 竈 豊
NKK総合エンジニアリング事業部津製作所
悦 勝 三 次
株式会社サノヤス・ヒシノ明昌船舶橋梁事業本部
松 浦 昭 二
幸陽船渠株式会社
三 島 明 彦
常石造船株式会社
鳥 居 貞 博
尾道錨製造株式会社
下 川 晃 正
日本機械製鎖株式会社
山 本 繁 樹
濱中製鎖工業株式会社
園 田 輝 一
株式会社園田滑車工業所
内 山 幸 治
株式会社立野製作所
木 舟 伸 彦
株式会社寺本鉄工所
村 上 伸 夫
株式会社福島製作所
山 科 弘 勝
辻産業株式会社
吉 本 耕 三
内外製鋼株式会社
溝 口 徹 也
清本鐵工株式会社佐賀支社
中 川 大
株式会社共立機械製作所
安 藤 次 郎
石川島播磨重工業株式会社名古屋工場
馬 場 寿 次
三菱重工業株式会社長崎造船所
泰 謙太郎
川崎重工業株式会社西神戸工場
(事務局)
相 馬 光 久
財団法人日本船舶標準協会