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(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人 日本船舶標準協会(JMSA)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国
土交通大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類及び記号 ·················································································································· 1
4. 品質 ······························································································································ 1
4.1 材料 ···························································································································· 1
4.2 外観 ···························································································································· 1
4.3 機械的性質 ··················································································································· 2
4.4 形状及び寸法 ················································································································ 2
4.5 断面寸法 ······················································································································ 3
4.6 寸法許容差 ··················································································································· 4
5. 試験 ······························································································································ 5
6. 検査 ······························································································································ 5
7. 表示 ······························································································································ 5
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日本工業規格 JIS
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船用アルミニウム合金押出対称形材
Shipbuilding - Aluminium alloy extruded symmetrical shapes
1. 適用範囲 この規格は,船舶の外板などに用いるアルミニウム合金の押出対称形材(1)(以下,形材と
いう。)について規定する。
注(1) アルミニウム板とスチフナとを一体化したアルミニウム合金製押出対称形材。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 0001 アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金−質別記号
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
3. 種類及び記号 形材の種類及び記号は,形状及び寸法によって区分し,PS-01〜PS-12の12種とする。
4. 品質
4.1
材料 形材の材料は,次のa)〜c)による。
a) 等級は,JIS H 4100の表1及び附属書表1のA5083S,A5086S,KA6005AS,KA6082S及びA6N01S
と同等とする。ただし,材料の特性を考慮した場合,JIS H 4100の規定によるその他の材料を使用す
ることは妨げない。
b) 化学成分は,JIS H 4100の表2及び附属書表2のA5083S,A5086S,KA6005AS,KA6082S及びA6N01S
による。
c) 質別は,JIS H 0001の表2と表3との組合せ記号のH112及び表5のT5及びT6とする。
4.2
外観 形状の外観は,形状正しく,仕上げが良好・均一で,使用上有害な膨れ,きずなどの欠陥が
あってはならない。
2
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4.3
機械的性質 形材の機械的性質は,表1による。
表 1 機械的性質
記号
質別
板厚
mm
引張り強さ
N/mm2
母材
耐力 N/mm2
伸び
%
備考
母材
溶接継手
A5083S
H112
130以下
275以上
110以上
−
12以上
JIS H 4100の表3.1
A5083S(1)
H112
275以上
125以上
125以上
A6N01S
T5
6以下
245以上
205以上
−
8以上
JIS H 4100の表3.1
6を超え12以下
225以上
175以上
−
8以上
JIS H 4100の表3.1
T6
6以下
265以上
235以上
−
8以上
JIS H 4100の表3.1
A6N01S(1)
T5
98.07以上
KA6005AS
T5
8以下
250以上
200以上
−
8以上
JIS H 4100の附属書表3
T6
6以下
270以上
225以上
−
8以上
JIS H 4100の附属書表3
6を超え10以下
260以上
215以上
−
8以上
JIS H 4100の附属書表3
KA6082S
T5
15以下
290以上
250以上
−
8以上
JIS H 4100の附属書表3
T6
15以下
310以上
260以上
−
8以上
JIS H 4100の附属書表3
注(1) 船舶で最も広く使用される,A5083S及びA6N01Sの形材の母材及び溶接継手の慣用的耐力の値
を示したものである。
4.4
形状及び寸法 形材の形状及び寸法は,図1及び表2による。
図 1 形材の形状及び寸法図
Bb
Br
Hr
Hw
Db
tw
Be
Bt
W(Be)
B
Bl
Bl
te
tm
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表 2 形材の寸法表
単位 mm
種類
表示(1)
Be
B
Bl
tm
Hr
Br
tw
Hw
Bb
Db
備考
PS-01
600/150×40×3.0/3.0
600
150
75
3.0
0
0
3.0
40
3.0
0
4FBスチフナ
6N01
PS-02(2)
600/150×40×4.0/2.0
2.0
4.0
4.0
4FBスチフナ
耳付6N01
te×Be×
Bt=1mm
×
1.5mm×3mm
PS-03(2)
600/200×50×4.0/2.0
200
100
50
3FBスチフナ
耳付6N01
te×Be×
Bt=1mm
×
1.5mm×3mm
PS-04
600×40×3.0/3.0×13/10
3.0
2.0
45
3.0
40
13
10
PS-05
600×50×3.0/3.0×13/10
300
150
3.0
50
PS-06
600×50×3.0/4.0×16/12
4.0
2.0
16
12
PS-07
600×65×4.0/5.0×15/12
5.0
3.0
4.0
65
15
PS-08
600×65×3.5/5.0×20/16
2.5
3.5
20
16
PS-09
600×75×4.0/6.0×19/15
6.0
5.0
4.0
75
19
15
PS-10
600×80×5.0/6.0×22/18
4.0
5.0
80
22
18
PS-11
600×100×7.0/5.0×22/16
7.0
6.0
100
22
16
PS-12
600×100×8.0/5.0×25/20
8.0
5.0
25
20
注(1) 寸法表示でPS-01〜03はBe/B×Hw×tw/tm,PS-04以降はBe×Hw×tw/tm×Bb/Dbとした。
(2) PS-02及びPS-03だけ両縁に耳を設けるものとする。
備考1. 隅角rbは,2から3mmとし,その他の隅角は0.5mm以上とする。
2. 隅角rfは,5から10mmとする。
4.5
断面性能 断面性能は表3による。
a) 表3の断面性能(断面二次モ−メント,断面係数など)は,有効幅=40×tm mmとする。
b) 設計水圧(Mpa)欄の上段の値は,板部の塑性モ−メント×1.2(軽構造船暫定基準)に相当する値,
下段は耐力×0.73を許容応力とした弾性計算(高速船構造基準)に対応する値とする。
c) 耐力の値は,A6N01Sが98.07 N/mm2,A5083Sが125N/mm2とする。他の材質又は耐力の値を採用す
る場合は,表3の値を耐力の値に応じて修正する必要がある。
d) 表3のうち,設計水圧は,材料の強度に左右されるので,PS-01〜PS-09まではA6N01Sを,PS-10〜
PS-12はA5083Sの使用を想定して規定する。
なお,PS-10〜PS-12にA6N01Sを使用する場合,設計水圧の値がA5083Sの場合よりも低下するこ
とに注意しなければならない。ただし,船によっては,現状では特別の許可を得ない限り,A6N01S
を常時海水に接する部材へ使用することは禁じられている。
4
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表 3 断面性能表
種類
全体
スチフナ(一本分)
板部
備考
断面
積
cm2
質量
kg/m
有効
断面
積
cm2
断面2
次モー
メント
cm4
断面2
次モー
メント
質量
cm4 m
当り
/kg
断面
係数
cm3
断面
係数
質量
cm3 m
当り
/kg
塑性
断面
係数
cm3
設計
水圧
MPa
質量
kg/m
質量
当り
MPa
水圧
/kg
PS-01
17.10
4.617
4.80
5.760
3.743
1.595
1.036
2.820
0.0997
1.215
0.0821
A6N01S
0.0561
0.0462
PS-02
18.49
4.99
3.20
5.661
4.538
1.856
1.4880
3.360
0.0715
1.0125
0.0706
0.0386
0.0381
PS-03
18.09
4.88
3.60
10.176
12.184
2.784
3.332
5.155
0.0997
1.215
0.0821
0.0561
0.0462
PS-04
24.20
6.534
6.70
14.434
4.418
4.523
1.384
6.495
0.068
2.67
0.0255
0.033
0.0124
PS-05
25.70
6.939
7.45
24.667
6.222
6.250
1.576
8.924
0.0607
2.795
0.0345
0.0372
0.0133
PS-06
32.82
8.861
10.81
34.864
7.869
8.454
1.908
11.967
0.0972
3.48
0.0279
0.0433
0.0142
PS-07
34.54
9.326
11.67
63.474
13.612
12.191
2.614
17.633
0.207
4.41
0.0469
A5083S
0.1117
0.0253
PS-08
42.08
11.362
16.04
93.983
16.543
17.898
3.151
24.840
0.314
5.47
0.0574
0.187
0.0342
PS-09
44.54
12.026
17.27
113.927
18.947
22.986
3.823
31.566
0.187
4.35
0.0430
0.099
0.0228
PS-10
53.72
14.504
23.26
193.07
26.623
29.461
4.062
41.966
0.303
5.35
0.0566
0.1755
0.0328
PS-11
62.84
16.967
30.02
336.35
42.022
39.366
3.943
56.672
0.438
6.40
0.0684
0.2599
0.0401
PS-12
70.50
19.035
35.25
419.86
44.115
49.214
5.171
69.620
0.527
7.00
0.0753
0.301
0.043
4.6
寸法許容差 形材の寸法許容差は,次による。
a) 形材の断面の寸法許容差は,表4による。
表 4 形材の断面の寸法許容差
単位 mm
種類
Be
B
Bm
tm(1)
Hw
tw(1)
普通級
特殊級
普通級
特殊級
±3.0
±2.5
±1.5
±0.84
±0.56
±1.5
±0.84
±0.56
注(1) 厚さの許容差は,普通級による。ただし,受渡当事者間の協定によっては,特殊級を使用する
ことができる。また,表4以外の断面寸法許容差は,JIS H 4100による。
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b) 形材の曲がりの許容差は,全長L(mm)につき,(1×1000
L)(mm)以下とする。
c) 形材のねじれの許容差は,全長L(mm)につき,(41×300
L)度以下とする。ただし,最大値は3度と
する。
d) 形材の平らさの許容差は,0.6%×幅(mm)以下とする。
e) 形材の角度の許容差は,±2度とする。
f)
形材の隅角(r)の許容差は,(r)が4.7 mm以下の場合は,±4 mm,(r)が4.7 mmを超える場合
は,±0.1×rmmとする。
g) 形材の長さの許容差は,製品の長さ9 000 mm以下は
mm
mm
13
0
+
とし,9 000 mmを超え15 000 mm以下は
mm
mm
15
0
+
とする。
5. 試験 形材の化学成分の分析試験及び引張試験は,JIS H 4100の7.1及び7.2によって行う。
6. 検査 形材の検査は,次による。
a) 寸法検査は,4.4の規定によって行ない,4.6に適合しなければならない。
b) 材料検査は,5.の規定によって行ない,4.1に適合しなければならない。
c) 引張試験は,JIS Z 2241による。この場合の試験片はJIS Z 2201による。
d) 外観検査は,4.2の規定に適合しなければならない。
e) その他の一般事項は,JIS H 0321による。
7. 表示 形材は,1包装ごと又は1製品ごとに適切な方法によって,次の事項を表示しなければならな
い。
a) 種類,質別又はそれらの略号
b) 形材番号又は長さ寸法
c) 製造年月又はその略号
d) 製造番号又はその略号
e) 製造業者名又はその略号
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